ルアァッ!!
書けました。投稿しておきます。
今回は懸賞と、検証と、バグと、全裸と、ビヨンドとミトさんと、オリ敵と、フランクリン死亡です(死なない)。
懸賞都市アントキバでいくつかの懸賞をこなしたジョネス達は、手に入れたカードを
「いくつ懸賞をこなしても、指定ポケットカードは一つも出ねえじゃねえか!!」
「お金は手に入ったんだから前進はしてるって」
シズクがメロンソーダを啜りながらジョネスを嗜める。ジョネスは不服そうだが、今はとりあえずはお金を貯めて詳細な島の地図と情報を手に入れようと思っている最中だ。
ジョネスは頬杖をついて窓の外の何かを眺めるマチに尋ねた。
「マチ、やっぱりアレだよな?」
「ああ、アントキバの月例大会。頻度的にも難易度的にもアレが指定ポケットカードじゃなかったら困るよ」
「同感だ」
2人はそう言って窓の外にそびえ立つ大きな看板を見た。月例大会は明日。種目は腕相撲。報酬は[人生図鑑]である。
指定ポケットカードかは定かでないが、年に一度しか入手の機会がない上にかなりの数のNPCが参加すると聞き込みで判明済みだ。
「腕相撲なら……まあ勝てる。それよりもうちょい聞き込みだな」
「何もかも手探り過ぎるね……ジンは何考えてんだい?」
「もっと親切に情報を出して貰わないと、この人数じゃゲームの進みが遅過ぎるよ?」
シズクはそう言って、何となく掲示板に意見案を書き込んだ。
Q:指定ポケットカードのヒントが少な過ぎます。このままだと一生終わらないよ?
A:ヒントをくれる呪文カードとNPCがいます。頑張れ。
ジンから即行で返答があった。ゲームの前にそういうのがあるとは聞かされてるが、そもそも呪文カードって何なんだよ。
Q:呪文カードって何ですか?
A:黙秘権を行使します。
嫌な予感しか感じない回答だった。
「これ人生図鑑を手に入れても、呪文カードであっという間に奪われるんじゃねえか? 多分攻撃カードと防御カードとサポートカードの合計15種類くらいだろうけど……」
「防御カード以外でも色々守り方はあるんじゃないかい? 手に入れたら別のカードと混ぜてフリーポケットに入れとくとか。手に入れたジョネスじゃなくて、あたしかシズクの方に入れとくとか」
ジョネスが眉をしかめて溢した疑問に、クールモードのマチがすかさず答える。ジョネスは「なるほど」と呟いて納得していたが、シズクはゲームに疎いせいで首を傾げていた。
ジョネスは携帯を見て、いつの間にか自分たち以外のプレイヤーが大量の書き込みをしていることに気付いた。
Q:ジンさんの能力が判明。たぶんあの人、自分のメモリを消去できる。
A:あっ!? クロロお前っ!! 普通バラすか、有り得ねえ!!
Q:ジンの行き先が判明。魔法都市マサドラって所に行くらしい。たぶんスタート地点から北方向。
A:ネタバレすんなって!!
Q:スタート地点から南東にあった恋愛都市アイアイに到着♡ NPCイベントで複数の高価なアイテム入手♢ イルミは浮気中♧
A:楽しい町だろ? イルミはイベント進めてるだけだから、誤解されるようなことは言わないでやってくれ。
Q:ネテロ会長vsモンスター、気になる方はURLをクリック。南西方向で山岳都市コルタナを発見。
A:キレッキレだな。まだまだ長生きするわ。
Q:ジンを追い掛けて北に走ってたら山賊と遭遇。ノブナガが斬り殺したら[死んだ村人]ってカードになって、NPCが痙攣しながらフリズって何も話さなくなった。
A:バグったしフラグ折れたな。頑張れ。
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ジンが逃げて行った方向に当たりを付けて、懸賞都市アントキバすらスルーしてひたすら北に向かって走っていたウボォーギンとノブナガは、道中にあった林の中で山賊に取り囲まれる。
敵襲だと察したノブナガが瞬時に刀に手を掛けた。
「オレの間合いに入ったら、斬る」
何となくマチのような格好をした山賊達が、土下座しながらスライディングして間合いに入って来た。
【
ノブナガが先頭にいた1人のNPCを瞬時に斬り殺した。刀の範囲内にいたもう2人ごと切り払われる。
山賊達がぶるぶると激しく痙攣して、土下座したまま地面に頭を打ち付け始めた。
何人かは下半身がすり抜けて地面にめり込んでいる。
「たたたたたすけけ!! おねねねね!! ヴィィィィン!!」
「わわわたしししたちちち!! こどもももも!! ヴァァァァ!!」
「あっ……」
「マジかよお前……、普通土下座してる奴斬るか?」
反射的に斬ってしまったノブナガが冷や汗を流した。山賊をぶん殴ろうとしていたウボォーギンが、自分のことは棚に上げて呆れたような表情でノブナガを咎める。
何かのイベントっぽかったのに、こちらが想定外の挙動をしたせいで、フラグごと叩き切ってしまったようだ。
「咄嗟のことだったから、止められなかったんだよ……」
「動きがキメエ。あっ、動かなくなったな」
叩き斬った3人の山賊がカード化した。
「おい、"山賊"じゃなくて"村人"って書いてあるんだが?」
「あーあ!! かわいそ!! 血も涙もねえなテメェは!!」
「テメェも殺気出しまくりだったじゃねえか!!」
ノブナガとウボォーギンが取っ組み合いのケンカを始めた。ノブナガの指の骨が折れた。ノブナガが4箇所打撲した。ノブナガが鼻血を垂らした。ノブナガが殴られて気絶した。
ノッブはステゴロが非常に弱い。
ノブナガ、ウボォーギンチーム。
[奇運アレキサンドライト]入手フラグ崩壊。
まだ詰みではない。ちゃっかりフラグを立てているジンから頑張って奪おう。
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道中の怪物を倒しながら(主にネテロが)無事に最初の町、山岳都市コルタナに到着したネテロとパリストンは、街で情報を集めながら(主にパリストンが)、カード化した怪物を交換ショップで資金に変えて、当座の資金と島の地図を獲得していた。
「
「普通そうじゃろ? 怪物や動物の素材を売るなら町に行かんとのう」
「いや、RPGゲームなら普通、倒した瞬間お金が貰えますよ?」
「はあ? 何でじゃ」
「言われてみると変ですね」
カフェでお茶を飲みながら、他愛もない会話に興じる。
つまらない書類仕事から解放されて、心なしか二人とも機嫌がよさそうだ。まあ本心はともかくパリストンはいつも笑顔を心掛けているのだが。
「本出す合言葉は何じゃったかの?」
「"いらっしゃい"です。できるだけ元気よく」
「いらっしゃい!!」
ネテロが本気で叫んだ。本は出て来なかった。
しばらく沈黙が続いた後、パリストンは「ブック!!」と言って普通に本を出した。ネテロは流石にイラっとしてパリストンをジト目で睨んだ。
「お主、本当にいい性格しとるな」
「そう言うなら覚えておいて下さいよ。ゲームの説明聞かなかったんですか?」
「よく分からんかったんじゃもん」
ネテロが舌を出して笑った。パリストンも微笑み返して、できるだけ分かり易いようにゲームのシステムについて説明し直した。
エレナの説明の3倍くらい分かり易かったので、ゲームに疎いネテロでも完璧に理解できた。
「ハンター専用のゲームとは良く言ったものじゃな。限られたリソースの中で、どうやって探すか。どうやって手に入れるか。どうやって守るか。うまくできとる」
「ジンさんが最初におっしゃっていた、呪文カードというのが気になりますね。恐らく探索と移動と攻撃と防御とサポート、種類について何となくは察しはつきますが、実物を手に入れないことには何とも……」
「どうやって手に入れる?」
ネテロが耳くそをほじりながら興味なさげに尋ねた。パリストンは笑みをたたえたまま質問に答える。
「マサドラという町に売っているそうです。掲示板の情報ではジンさんが真っ先に向かった場所なので確定ですね。呪文カードで守りを固めないと、指定ポケットカードを手に入れても意味がないのでしょう」
「なるほどのう、力ずくじゃなく奪う手段があるか。むしろカードを賭けて決闘できるような呪文があると、ワシの土俵なんじゃが……」
「掲示板で情報交換して呪文の種類を把握することが先決ですね。後はこの街で指定ポケットカードを探して、奪われてもいいので入手する流れを把握しておきましょう」
ネテロがポキポキと肩を鳴らしながら笑った。
「考えるのは任せた。ワシはお主の指示で暴れよう」
「楽しくなって来ましたね。あっ、一番大事なこと忘れてました」
「何じゃ?」
パリストンは手に入れたザコカードをネテロに見せて、右上の数字を指差した。
「カードの独占についてです。たぶんこのゲームの一番悪い所ですよ」
「カード化限度枚数……じゃったか。それの"独占"となると……」
「"クリアさせない"ことを考えるなら、最高の手段ですね」
ネテロとパリストンが悪い顔を突き合わせて笑った。
この後、パリストンが遊びで町に怪物を放って、見事にNPCをバグらせたりしたが、それはまた別のお話である。
以上、デートの様子をお送りしました。
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懸賞都市アントキバの月例大会の決勝。
案の定決勝まで残ったジョネスは、良く見知った大男と腕を組んで、腕相撲のスタート位置についていた。
なお相手は既に諦めムードである。
「レディ……ゴー!!」
「フン!!」
「ぐはあっ!!」
ジョネスと組み合った大男、フランクリンの手の甲が勢い良く机に叩き付けられて、そのまま机は崩壊した。
観衆から拍手が巻き起こる。NPCだがこういう設定は細かく作られているようだ。
「痛ってえ……。腕取れた」
「まだまだだな」
「一生勝てる気がしねえよ」
フランクリンは半ばから開いてしまった前腕をガコッとくっ付けると、仁王立ちするジョネスを見て、悔しそうにしながらも笑ってそう言った。
「まあ、フランクリンは十分強えよ。それよりあの負け犬を見ろ。全く情けねえ……」
ジョネスが親指を立てて会場の隅を指し示す。
フランクリンが気の毒そうにそちらに目を向けると、そこにはベンチに座ってブツブツ何かを呟きながら俯いているクロロと、苦笑いしながらその背中を撫でて優しく慰めているシャルナークがいた。
クロロはジョネスには負けることを覚悟の上で、意気揚々と大会に出場したのだが、1回戦で幼馴染で女の子のマチに秒殺された。
今は心の敗戦処理中である。
マチとシズクまでシャルナークと一緒になって慰めているのだが、それは傷口に塩を塗る行為に他ならない。
ちなみにシャルナークはシズクに勝った後、フランクリンに負けたのでメンタルはノーダメージだった。
「まあ、あいつのことは置いといて、大事なのはここからだな」
「ああ、どうなることやら……」
手に入れた指定ポケットカード[人生図鑑]を本に収めたジョネスとフランクリンは、真剣な表情をして"その時"を待った。
その時、ジョネスが咄嗟に上空を見上げた。
何かが高速で近付いて来ている。
勢い良くジョネスの目の前に降り立ったのは、正確にはフランクリンに向けて飛んで来たのだが、案の定ジンだった。
「よお、いいもん持ってるみたいじゃねえか」
「移動呪文は確定だな」
「後は奪い方か」
ジョネスとフランクリンが確認を取り合うようにそう呟くと、ジンが本から一枚のカードを取り出して叫ぶ。
「
「おいおい、持ってる方までバレてるぜ」
ジョネスは呆れたようにそう呟いた。実はカードを入手したのはジョネスだが、ジンがどういう行動を取るか実験する為に、カードを一旦フランクリンに預けていたのだ。
「あのビームは回避不能だろうな」
フランクリンは「チッ」と舌打ちすると、瞬時にカードを取り出してせめてもの反抗にこちらも呪文を唱えた。
「ゲイン!!」
[人生図鑑]のカード化が解除される。これでフランクリンの指定ポケットには何もない状態となり、ジンの放った呪文は何の効果ももたらさず消滅した。
ジンはそれを見て笑みを深める。
「そうだそうだ、どんどん使ってけ。まあそれじゃ一生クリアできねえがな」
ジンの煽りにイラッとしたフランクリンがすかさず反撃する。
【
開いた両腕から発射された念弾がジンに直撃して爆発する。
しかしジンはそれを意に介さず、巻き上がった土埃の中から新たな呪文を飛ばした。
「
光弾がジンの周りを覆った半透明なシールドを透過して、そのままフランクリンとジョネスに直撃した。
「何だこりゃあ? "トレース"だから発信機みたいなもんか?」
ジョネスは光弾を躱そうとしたが、放たれた呪文は方向を変えて容易くジョネスに直撃した。フランクリンもそれを見て特性を察すると、諦めたように目をつぶって首を振った。
「そんで回避は不能と……。やっぱりまずはマサドラに行かなきゃ何も始まらねえか。ウボォー達とフィンクス達は正しかったって訳だ」
ジョネスはジンが新たなカードを構えるのを見ると、大声でシズクを呼び寄せた。
ジョネスは地図から見えるスタート地点とアントキバとの距離感から、この島が相当広いことを推察していた。つまり移動系のテレポート呪文も最初から予測していたのだ。
故に単なる嫌がらせでしかないが、シズクにこれを準備させていた。
ジンが
その瞬間、シズクの手に掃除機が現れる。そしてそのままジョネスとの打ち合わせ通りに能力を発動した。
「デメちゃん!! ジンの服を一枚残らず吸い取れ!!」
移動呪文とデメちゃんの吸引との間で引っ張り合いが起こる。ジンは己の体に起ころうとしていることに気付いて目を剥いて叫んだ。
「おいっ!? ふざけんな!! やめろバカ!!」
当然その綱引きにジンのただでさえボロボロな服が耐えられるはずもなく、服がビリビリに破れたかと思うと、ジンはそのままセミの脱皮のように素っ裸になり、高速でどこかへ飛んで行った。
それを見て指を差しながら全員で大爆笑した。
副産物としてクロロも元気を取り戻した。
ひとまず行動を共にすることにした6人の旅は続く。
目指すは魔法都市マサドラ!!
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町も村も無視して岩石地帯を最速で踏破し、遂にマサドラだと思わしき町を発見したフィンクスとフェイタンは、町の入り口に立ってお互いにやることを確認していた。
「やっと着いたぜ!! どんだけ広いんだよこの島は!!」
「まずは怪物カードを換金するよ。掲示板の情報だと呪文は多分この町で買えるね」
二人がフリーポケットの中を見ながら談笑しているその時だった。
フェイタンが何者かが高速でこちらに近付いて来る音を察知した。フィンクスが少し遅れてそれに気付く。
町の入り口の二人から程近い地点に、彗星のように長い尾を引く光弾が勢い良く突き刺さった。
明らかな異常事態に警戒を露わにしながら、二人がその場所を睨み付ける。
「あっ……」
「「う、うわあああぁぁぁ!!!!」」
高速で飛来した全裸の変質者を見て、普段は物静かなフェイタンですら思わず全開の悲鳴を上げた。
ジン=フリークス、前科一犯。
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11月2日
高速で飛来した全裸の変質者の故郷でもあるくじら島の、ゴンが育ての母と祖母と一緒に暮らす家の居間にて、ビヨンドとミトが激しい口論を行っていた。
ビヨンドはハンターライセンスを見せて、ゴンの体を狙う変質者ではないことを証明しようとしたが、それを見たミトは何故か更に機嫌が悪くなって、ビヨンドを厳しい口調で咎め始めた。
「世界を回るなんてとんでもない!! ゴンをあいつみたいにはさせないわ!!」
「お前が決めることじゃねえだろ!! ゴンがどうしたいかだ!! 何になるにしても、この島の中だけに留まってりゃこの子の可能性を狭めるだけだ!! 世界を回った結果漁師になりたいってんならそれはそれでいいさ!! オレは強制はしねえよ!!」
「この子は純粋過ぎるのよ!! どうせあなたに影響されて、具体的なことも知らずにすぐにハンターになるって言い出すわ!! ハンターなんて最低の職業よ!!」
「最低なのはジンだろうが!! 職業に罪はねえ!!」
「そうよ!! ジンは最低よ!!」
「あんた裁判で養育権を奪い取ったって卑下してるが、当たり前じゃねえか!! ジンはゴンを捨てたんだ!!」
「ありがとう!! すっきりしたわ!!」
なんかジンのお陰で微妙に意気投合して来た所で、二人の喧嘩を見て慌てていたゴンがポツポツと語り出した。
「……ミトさん、行っちゃ駄目かな? どっちみちワクワクが止められなくて、オレ一人でも飛び出して行っちゃいそうな気分なんだ……。でもミトさんには迷惑を掛けられないし……、オレどうしたらいいの……?」
「……ゴン……」
俯いたまま泣き出してしまいそうになったゴンを見て、ミトの心が揺れた。物心ついてからずっとこの島の中で過ごし、どこにも連れていけていないのも本当のことなのだ。
その様子を見てビヨンドも頭が冷えて、ゆっくりとゴンの頭を撫で始めた。ゴンも抵抗せずにくすぐったそうに受け入れている。
「まあ1ヶ月くらいはこの島でゴンに色々教えてやる気だ。その後、更に1ヶ月くらい島の外を旅する。つまりただの保護者付きの旅行だと思ってくれたらいい。この子の未来を考えてるのも本心だ」
ビヨンドが親譲りの人を惹きつける力強い目をミトに向けると、ミトも真剣な表情で彼と目を合わせた。何故か何一つ嘘をついていないことが分かってしまったミトは、溜め息を吐いてから窓の外をボーっと眺め始める。
部屋の外から人数分のお茶を淹れて来たミトの母が、優しく微笑みながらミトに語り掛けた。
「ビヨンドとは懐かしい名だね。もう50年以上前か。毎日のように新聞を騒がせてた有名なハンターだ。ある日突然表舞台から姿を消したみたいだけどね……」
「ああ、オレだ」
「ゴンをどうする気だい?」
小さな体の貧弱な老婆から、ビヨンドでも一瞬気圧されてしまいそうな殺気が放たれた。
殺気とは実力の問題ではないのだ。
ビヨンドは照れ臭そうにポリポリと頰をかくと、プライドと本音のバランスを取って、慎重にポツポツと言葉を漏らした。
「……えっと……、オレ親父に子供の頃、旅行とか連れて行ってもらったことなくて……。
ていうかほぼ放ったらかしにされてたし……。
だから似たような境遇のゴンが可哀想で……」
見るからに豪快な男から唐突に飛び出した本音が微笑まし過ぎて、小さな家の中に溢れんばかりの大爆笑が巻き起こった。
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11月22日
盗賊団"十人囃子"が集結するのは発足以来初めてのことである。
街外れの廃教会に集結した9人のメンバーの中には初対面の者も多い。関係性は仲間というより
血の巡りが良さそうな赤黒い肌をした筋骨隆々の大男、"グランカス"がブツブツとしゃがれた声で不満を露わにした。
「……団長はまだか? オレらを呼び付けておいて自分は遅刻か……」
「わざとじゃねー? 威厳を出そーと必死なんだろー」
頭に編笠を被った、吊り目に尖った口が鳥を連想させる特徴的な顔立ちの男、"スネオ"が軽薄そうな声色で答えた。
「居場所は、割れているのか?」
「依頼主は、何て?」
山伏姿に赤色の鼻の長いお面を被った男"テグム"と、同じような格好で青色の鼻の長いお面を被った女"ソングム"が言葉足らずに疑問を呈した。
「コノ街ノ近クニ隠レ里ハアル」
「情報はそれだけって無茶苦茶ね」
「近くってどこじゃ。それじゃ奴らが尻尾を出すまで、張り込みと情報収集しかねえぜよ」
3人の男女がトランプに興じながらテグムとソングムの質問に答えた。
片言で呟いた虚無僧笠にスーツを合わせた大男は"エコウ"。
腰に届くほど長い黒髪に白いドレスの女は"レンザー"。
赤い髪を豪快に爆発させた、赤い革ジャン姿が特徴的な男は"ユウザン"である。
「面倒臭いとこはやっといて。オレは殺すだけだから」
「右に同じじゃ」
一見すると幼い少年にしか見えない男"ショウ"が、携帯ゲーム機を素早く操作しながらダルそうに言い放つ。
不自然に膨らんだ後頭部が特徴的な、少年と見紛う程に小柄な老人"ヒョンヒョン"が、薄汚れた本を読みながら短く同意した。
その時、不意に教会の2階にある回廊に足音が響いた。
メンバーの視線が集まる。
「初めましての人もいるわね。私が団長の"ドルチェ"よ。
さあ、仕事を始めましょうか」
プラチナブロンドの長い髪が顔に少しだけかかった幸薄そうな雰囲気の美女だ。袖丈が余り気味の白色のニットにロングスカートという、どこにでもいそうな普通の出立ちの彼女は、美しく微笑みながら、吹き抜けから9人のメンバーを睥睨した。
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[人生図鑑]No.093。ランクB、カード化限度枚数28。
生まれてからこれまで自分に関わってきた人々をすべて収録している図鑑。登録人物とのエピソードや会話録など思い出が満載。最終的に数十万ページにおよぶことも珍しくない。
ジョ「尊敬する人はジョネス。えぇ〜!? フランくん、オレに憧れてたんだ!! 照れるなあ!!」
クロ「クロロとシャルナークは無二の親友。でも実は心の底では二人のルックスに嫉妬している。へえ……」
シャル「実はパクノダに恋心を抱いているが、彼女がクロロのことを好いているのは明白なので、悔しいが彼女と親友の幸せを願って、大人しく身を引いている。自分はただ二人の行く末を静かに見守るだけだ。うわあ、フランクリン優しいけど微妙にキモいね……」
マチ「マチは見た目は美人なのにゴリラ過ぎて引く? おいお前……」
シズク「シズクのことは妹のように思っているが、時々あのわがままボディが揺れているのが気になってしょうがない。……やだ……」
フラン「やめろぉ!! やめてくれえええぇぇぇ!!」
ジョネ「クロロ、そのまま能力で取り押さえとけ。何々、お気に入りのおかず? おお、フランくんは好き者ですなあ……」
フラン「うわあああぁぁぁ!!」
色々書き過ぎて何から書いたらいいやら。
金稼ぎしてから初手マサドラはいいルートですね。
月例大会は全部Bランク以下だろうということで、楽しそうな黒歴史ノートを採用しました。
ノブナガとウボォーさん自力クリア詰みました。早いなお前ら。
ネテロ会長とパリストンのゲーム内デート。二人とも楽しそう。
原作クロロって腕相撲でマチに負けた時どんな顔したんだろ。
襲い来るジンの魔の手……!! シズクは怖えなあ。
フィンフェイ「かなり恐怖を感じた」
ビヨンドのくじら島滞在記。かわいいおじさん。
オリ敵は出さなきゃ話が進まんから、とりあえず出してみた。
何となく見た目は日本の妖怪モチーフで、何となく名前は楽器モチーフです。囃子だからね。
10人扱い切れる訳ないだろ!! どうすんだこれ!?
フランクリン死亡。何て残酷なカードだ。