投稿間隔空いちゃって申し訳ございません。
なんかスランプというか小説イップスみたいになっちゃって……。
ストーリーと文章の書き方がよく分からなくなって来た。
書けそうになかったとこ結構カットしちゃいましたが、何とか書けました。お納め下さい。
グリードアイランドの解体屋編最終話になります。
頭から血を滲ませて、床に倒れ伏す両親の姿を見るやいなや、クルタ族の少年、クラピカは激昂して突然家に押し掛けて来た男に飛び掛かった。
親友のパイロはこの場で並々ならぬ事態が起こっていることを、盲目でありながらも察していた。
クラピカが冷静さを無くした時は、あまりいいことが起こらない。
「クラピカ、ストップ!! 逃げて大人を呼ぼう!!」
「そっちのガキの方が賢明だなー」
家に押し掛けて来た盗賊、スネオは小馬鹿にしたように言った。あくまで目的は緋の目だ。生け捕りは面倒だが、このように相手から向かって来てくれるなら手間が省ける。
パイロの必死の制止も虚しく、クラピカはスネオに一瞬で首を掴まれて宙吊りにされると、そのまま強引に壁に押し付けられた。
「……か……は……!?」
「安心しろよー。お前の父ちゃんも母ちゃんもまだ殺してねー。これから緋くなって貰わねえとなー」
「クラピカ!!」
盗賊の目的を察したパイロが悲痛な叫び声を上げる。両親を傷つけられた怒りに燃える今のクラピカの目は恐らく……。
「おっ? お前もう緋くなってんじゃねえかー。とりあえずお前から抉っとくかー」
美しく染まった緋色の瞳を見て、スネオはこともなげにそう言い放った。
スネオの五本の指に装着された獣の爪のような尖った武器が、ゆっくりと己の目に近付いて来るのを見て、クラピカは思わず目尻に涙を浮かべて震え上がる。
「なあに、目ん玉取っても死にはしねえよー。お前もまだ使い道があるしなー、ガキを痛めつけりゃあきっと緋の目を量産できるー」
スネオの鋭い爪が無慈悲にも、クラピカの目と鼻の先にまで突き付けられたその時だった。
己が身に迫る危機を察知したスネオが、クラピカを床に放り投げて、素早く背後に振り返った。
独特な形状のナイフと爪の間で鍔迫り合いが起こる。
スネオは背後から襲い掛かって来た黒ずくめの男を、至近距離から真っ直ぐに見据えて不敵な笑みを浮かべた。
「随分な挨拶じゃねえかー、お前は何者だー?」
男はナイフを鋭く振り払って距離を取ると、何も持っていなかったはずの右手に赤い本を出現させながら、厳しい表情でスネオの問いに答える。
「ゴミ山のヒーローさ」
ジョネスの指示で、既に里内に入ってしまった盗賊の始末を任されたクロロは、特殊な鎖を具現化した後、2枚の栞を本に挟んで能力を維持した。
南国の島で休暇中の部下達の能力だ。1ヶ月5万ジェニーで一時的に借りている。
「あなたは運がいいな。シーラとサラサの身に何かあったら、オレはこれほど優しくなかっただろう」
クロロの周りに虫の羽が生えたサメのような念獣が複数体出現する。
飛び回って噛み付くだけのシンプルな念獣だが、それ故に余計な制約は付いていないので使い勝手がいい能力だ。
「まあ、殺しはするんだが。一思いにやってやるよ」
持っていたベンズナイフの刀身がオーラに包まれて、ノブナガが持つ刀ほどの長さにまでリーチが延長された。
元となる刃物の性能を参照して現れるオーラの刃だ。
「いくつ能力持ってんだよ……」
対峙するスネオが呆れたように溢した。
激しい戦いが始まる前に、クロロは己の後ろでへたり込む少年に優しげな声色で語り掛けた。
「大丈夫だよ。100%勝つから」
クラピカは安心して思わず泣き出してしまった。
向けられたその優しい笑顔を生涯忘れないだろう。
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「ジョネス……この女知り合いかい?」
物言わぬ肉塊と化した女性を見下ろしながら、マチは何故か唐突にそう呟いた。これは勘というか、謎の既視感から出た言葉であった。
会敵した4人の盗賊をあっという間に蹴散らしたジョネスは、タオルで血を拭きながら訝しげな表情を浮かべる。
「……いや、
「この人、あんたに恋してたよ。あたしには分かる」
「赤の他人だぞ? 訳が分からんことを言うんじゃねえ」
ジョネスはそう言ってから、何となくマチの横顔を見つめた。
その時、一瞬だけ長く深い付き合いの彼女が赤の他人に見える不思議な感覚に襲われる。
その気持ち悪い感覚を振り払うように、咄嗟にぶんぶんと首を横に振ってからもう一度マチを見ると、たまたま彼女と目があった。
しばらく無言で見つめ合う。
「……お前ってさ、本当に……」
「?」
綺麗だな。
急に照れ臭くなってそこまでは言葉にできなかった。
そもそも何でいきなりこんなことを口走りそうになったのか、ジョネスにはさっぱり分からなかった。
ジョネスの前世からの価値観によると、妻は一人だけである。
枷が外れたのかも知れない。
ジョネスに容赦なく八つ裂きにされた少女が、血溜まりの中で優しげに微笑んでいた。
12月24日。ハッピーバースデー。
12月25日。ハッピーバースデー。
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『ふざけんじゃないわよ!! パリスト〜ン!! クソジジイ〜!!』
『チードルさん!! これを見て下さい!! 2日前の監視カメラの映像です!!』
『……ジョネスの野郎……次会ったら殺してやるわ……』
『……あの……、先ほどジョネスさんから、ジンさんとのツーショット写真が送られて来まして……』
『ッ!!』
「「「ぎゃ〜っはっはっは!!」」」
ストレスのあまりぶっ倒れるチードルという衝撃映像を見て、打ち上げ会場が爆笑に包まれた。
グリードアイランドのイベントをほとんどテストし終わった一同は、流星街に戻ってすぐに宴会を始めることにした。
「ハア……。オレ、チードルには少し優しくしてやることにしたよ……」
少し前に逆転サヨナラ弾でチームを勝利に導いた男、ジンはひとしきり笑った後、クズ共のおもちゃにされる同僚が流石に可哀想になってきて、ずっとすっぽかして来た来年のハンター試験官を務めることを静かに決意した。
「ジンさんはお優しいですね。クイズ大会まで手を抜いて下さって、お陰で最後に見せ場を頂けました」
「お主、野球では役に立たなかったからのう」
「会長はカードゲーム最弱でしたね」
さっきまで爆笑していたパリストンとネテロが、ジンの横に腰掛けて楽しげに会話に興じている。お互いの失敗の煽り合いで楽しめるのは性格が悪い奴だけである。
「そしたらね、クロロさんがババッ!!って現れて、ズバー!!って凄い速さでね!!」
「僕にも見えてたらなあ……」
「いや、大したことじゃないよ」
「あははっ!! クロロ、大したことしてやったぜって顔してる〜!!」
「……」
会場の一角に目を向けると、一時的に流星街に避難中のクルタ族の少年が、興奮冷めやらないまま、ヒーローに救われた当時の状況を熱心に語っていた。
年上のお兄さんお姉さんに囲まれて非常に賑やかな様子だ。
途中でアクシデントはあったが、終わりよければ全てよしである。
「ほら、マチ。誕生日おめでとう」
「うわあ、チャネルの香水? あたしが欲しかった奴だ……」
「フン、大体分かってんだよ。最近よくサイト見てたもんな」
「ありがとう、ジョネス」
「……もう抱き付くなって……」
また違う一角では何故かトナカイの格好をしている男が、気になる女の子にプレゼントを送って照れ臭そうに頰をかいていた。
ちなみにトナカイの格好は、クイズ大会で最下位だったことに対する罰ゲームである。
「やあっと外出のお許しが出たわ!! まったく、あいつら!! 人様の色恋に口出しすんなや!! ほんまウザイわあ!!」
「怒ってるサクラもかわいいね」
「……1ヶ月離れたくらいで変わらんわなあ。このアホが……」
「このパーティーが終わったらオレの実家に来てよ。オレが好き勝手やっちゃったから、いま母さんと爺ちゃんがカンカンらしいんだ。父さんは応援してくれてるけどね」
「……ホンマに大丈夫なんやろな? ウチ殺されへん?」
「大丈夫、何があっても絶対にオレが守るよ」
「……そっか、そんなら行ったるわ。噂のキルくんにも会いたいしなあ」
「イチャイチャするなら余所でやってくれないかなあ♧」
「あれ? ヒソカいたの?」
「ウチも見えてなかったわ」
「他に行く当てないからね♢ 人見知りは辛いよ♤」
「ウボォーとジョネスはたぶんあんたのこと気に入っとるで?」
「……よりにもよって苦手な二人だ……♧」
「な〜んで、オレ達はモテないんだろうなあ!? クソッ!! あいつら見せ付けやがって!!」
「えっ、オレ彼女いるけど? 配送班のメイ」
「ワタシもいるよ? 情報班のリリー」
「今年だけで20人は抱いたわ。大団長はモテてしょうがねえぜ」
「……は? ……嘘だろ……? お前らは同類だと……」
「モテないのノブナガだけね」
「「ぎゃははははは!! ダッセエェェェ!!」」
「仲間だと思ってたのに!! 裏切りやがったなあああぁぁぁ!!」
「こいつ、ムラマサと共鳴してやがる……!?」
「なんて禍々しいオーラだ!!」
「相性抜群ね」
楽しい宴は一昼夜続き、最終的に会場は崩壊した。
何とも楽しい宴である。
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マル「やあ、ジョネス。年末に第2体育館をぶっ壊したらしいね。相変わらずだなあ」
ジョネ「……主犯はオレじゃねえよマルロー」
カサ「
ジョネ「クリスマスの宴会が騒がし過ぎたんでな。偶には静かに飲みたくなったんだよ」
マル「そういうことね。隣失礼するよ」
カサ「ジョネス、奥詰めろよ。オレが座れねえじゃねえか、燃やすぞ」
ジョネ「はいはい詰めますよ。……ふぅ、大人組だけだと静かで助かるぜ」
マル「天空闘技場のイン・ユーテロでもこの並びで飲んだね。あれがもう1年以上前か……。今年もいろいろあったなあ」
ジョネ「そういやオレらが並ぶと、いつも自然とこの順番で座るな。何でだろ?」
カサ「そりゃあ、長老会の席順だからだろ?」
ジョネ「あっそうか。……ん……?」
マル「どうしたの突然?」
ジョネ「いや、オレはいつも奥一つ空けて座る癖があるじゃん? 今さっきも、これって何でだ?」
マル「ボクらに聞かないでよ……。壁際が嫌いなんでしょ?」
カサ「言われてみりゃ、イン・ユーテロでも一つ空けて座ってたな。あん時はオレがすぐに店出てったから、詰めて貰う必要はなかったが……」
ジョネ「それが別に壁際も端っこも嫌いじゃねえんだよ。オレ狭い方が落ち着くタチだし」
マル「……不気味なこと言わないでよ。じゃあそこは誰の為に空けてる席なの? 幽霊とか?」
カサ「単に何となくだろ?
ジョネ「結局謎だな。……まあ折角だし、壁際の幽霊ちゃんに乾杯!!」
マル「イメージ女の子なんだ……」
カサ「煩悩の塊だな」
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11月20日
「かあっ!! やあっと着いたぜ!! 半月以上代わりの船が来ねえとはな!!」
くじら島に上陸したビヨンドは、予定が大幅に狂ったせいで不機嫌になった態度を隠そうともせず、船着場で大きく伸びをした。
同乗して来た長い髪が特徴的な目付きの悪い男は、明らかな不審者に怪訝な目を向けていた。
一目見ただけで分かる実力者がこんな田舎の島に何の用だ?
探している師匠の出身地でなければ、自分だって来ようとは思わない辺鄙な場所だ。
ビヨンドはそんな男の不躾な視線を気にした様子もなく、ずかずかと桟橋を歩いて行った。
その時、ビヨンドが桟橋の先に立つ、新しい船を見に来た好奇心旺盛な少年と、そのそばに立つ気の強そうな女性を視界に捉えた。
少年も何やら引っ掛かる所があるのか、首を傾げたまま眉をひそめてビヨンドを見ている。
ビヨンドは何故かその二人から目が離せなくなって、しばらくその場に立ち尽くしていたが、後ろが詰まっていることに気付いて、慌てて二人を追い越して桟橋を早足で駆け抜けて行った。
すれ違った少年は咄嗟に振り返って、ビヨンドの背中を何やら悲しそうな目で見つめていたが、保護者である女性から、あんな不審者をあまりジロジロ見るなと小声で注意されて、慌てて視線を船に戻した。
少年が目を離したタイミングで、やはりどうしても何かが心に引っ掛かっていたビヨンドが、桟橋の先で振り返って少年を見つめた。
しかしすぐ後ろから来ていた長い髪の青年が、訝しげな表情を浮かべていたので、慌てて視線を島に戻した。
「あの……オレ!! あなたとどこかで!!」
そんなビヨンドの背中に遂に声が掛けられた。
ビヨンドが恐る恐る振り返ると、少年は心にあるどうしようもない違和感に堪え切れず、再びこちらを見つめていた。
ビヨンドはその少年のどこまでも真っ直ぐな目を見て、強烈な既視感を感じると、絞り出すように答える。
「オレも……」
少年とビヨンドはたまらずに駆け出した。
桟橋の中央で二人は身長差も気にせず強く抱きしめ合う。
至近距離からお互いの顔を見つめて笑顔で声を揃えた。
「あなたの……名前は……」
「お前の……名前は……」
ビヨンドがミトとカイトに殴り飛ばされた。
見た目が怪しい。マイナス1000点。
実力が凄まじい。マイナス1000点。
初対面の少年ことゴンを抱きしめるショタホモジジイ。マイナス10000点である。
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時を同じくして、好奇心と仕事の為に今年新たに誕生した国家、[メテオール首長国]に入国したダブルハンターのジン=フリークスは、ガイド兼監視役の案内を受けながら綺麗に区画分けされたゴミ山の間を歩いていた。
「噂とは随分違うな? あっちは可燃、あっちは不燃、あっちは金属の山か」
「それどころじゃないほど分別しています。劇物は目に見える所に置いておけないですしね。……全て、世界の罪が堆積した山です」
クロロとクラピカの出会いがこれとは、また不思議な運命ですね。
運命の鎖は解かれた。今なら行けるぞマチ。
楽しそうな宴会。キャラが多いと書ききれないぜ。
不思議と寂しげな空気の仲良しおじさん3人。
2人の〜あ〜いだ〜通り過ぎた風は〜。
そして1話に繋がる……。
ゲームの中編は最後のループの世界線だったのです。