流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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書かなきゃ叩かれるの覚悟で、制約と誓約として構想をあらかじめ書いておきます。ネタバレ注意です。見たくなかったら読み飛ばして下さい。






サラサ救済(電子版ジャンプへの散財が確定)。
ハンター試験編(これがマジで書くのムズイ)。
天空闘技場編(私兵育成編。"旅団"って3000〜4000人なんだぜ)。
心源流道場編(対犯罪者訓練のゲスト)。
クソゲー(グリードアイランド)デバック編。
ハンター試験官編(ジョネス原作初登場)で一旦完結です。

後は原作沿いでやって行けるよねえ……。ジョネスとは仲良しだけど、完全なクズの幻影旅団の立場が難しいのだが、彼らにも変わってもらう必要があるか……。



8.ビルノナカ×ノ×ケモノ

 

 

 夜深く、既にカタギ達による表のヨークシンシティは活動を止め、ほとんどの人間は次の日への英気を養うべく眠りに就く時間である。その一方で、この暗殺合戦においてヴェンディッティ組の拠点となっているウエストゲートビルは緊迫に包まれていた。

 

 示し合わせた抗争開始の時刻は過ぎている。こちらからもゾルディック家の2人が出発したように、ガリバルディ組が雇った敵方の暗殺者は既に行動を開始しているはずなのだ。

 

 プロ中のプロである暗殺者2人からなかなかの評価を頂いたジョネス、マチ、マルローの3人は、ゼンジの指示で全ての監視カメラを統括するモニター室に籠り、状況に応じての遊撃を担当していた。

 

 ここモニター室は、護衛対象のヴェンディッティ組長の居室がある最上階から一つ手前の階に位置しており、最後の関門としての役目を兼任している。

 

「ダウト」

 

「げっ、何で分かるの?」

 

「勘」

 

「敵わねえなあ」

 

 蟻一匹見逃すまいとモニターを凝視する組員達のそばに座り、明日の飯代を賭けた一世一代の大勝負を繰り広げている3人の戦いは、マチの神懸かり的な力によって絶望の底に突き落とされるジョネスとマルローという構図で推移していた。

 

 もちろん遊んでいるだけではない、もともと監視カメラに大きな期待をしていない念能力者である3人は、まさに念によって侵入者を探知しようと独自の警戒網を敷いている。ビルのあちこちにマチの"隠"で見えづらくした糸が張り巡らされているし、マルローは具現化された拷問器具を組み合わせて即席のトラップを作り、要所に仕掛けている。ジョネスはモニター室の中から最上階に至る通路までを"円"でカバーしており、それぞれの長所を活かした万全の布陣だと言えた。

 

 ジョネスにとって怖いのは、気付かない内に護衛対象を害される本当の意味での"暗殺"であり、居場所を探知して正面戦闘に持ち込めば必ず勝てる自信がある。

 

 

 

 そしてそれは事実だった。

 

 

 

 監視カメラの映像が突然ブラックアウトし、にわかにビルに黒い煙が立ち込める。しばらくして、マチの糸とマルローの罠に複数箇所で反応があった。

 

 モニター室の警備を2人に託し、ジョネスはゆっくりとビルを降りて()()を開始した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 ウエストゲートビルに侵入した暗殺者"シャープ"は、予想外に簡単な仕事にほくそ笑んだ。

 

 ハッキングで監視カメラを一時的に無効化し、通気口から流し込む黒煙に乗じて暗殺者達が同時多発的に突入。敵が混乱から立ち直る前に一気呵成に敵の頭を()る作戦である。

 

 マフィアの構成員達は初めから問題にならない。道中で何人か念能力者にも遭遇したが、どいつこいつも大したレベルでは無く容易く始末できた。

 

 そのままいざ目的を達成せんとビルを駆け上がり、20階の中央ホールに辿り着く。しかし、そこには目を疑う光景が広がっていた。

 

 見覚えのある人間の無惨な死体が部屋中に散らばっている。間違いない、共にこの仕事を受けた暗殺者達の亡骸である。そして何よりその死体の状態が異様だった。

 

 巨大な鉤爪で引き裂かれたような痕、首筋や上腕の動脈を的確に狙って丸くぽっかりと抉り取られたような痕、産業機械に巻き込まれたかのように潰された頭。この部屋に大型の獣か魔獣でもいたというのか? 何を使ったらこうなるのかまるで分からない。

 

 強烈な危機感から、シャープの脳裏に撤退の選択肢が浮かんだその時だった。

 

 ホールに併設されたトイレから、場に似合わないゆったりとした足取りで一人の男が姿を現す。タオルで手を拭きながら現れた血塗れ(そっちを先に拭け)の男は、シャープを一瞥するとこともなげに口を開いた。

 

「暗殺者だな。オレはジョネスだ。()ろうか」

 

 瞬間、自らを遥かに上回るオーラに当てられて思わず硬直してしまったシャープの目の前に、ジョネスの拳が迫る。

 

(速い!! だがギリギリ間に合う!!)

 

 シャープはそれを慌てて回避すると、カウンターの形で能力を発動する。

 

目の付け所が暗器です(シャープナイフ)

 

 手に纏ったオーラを刃状に変化させ、ジョネスと名乗った男の脇腹に向かって突き立てる。しかし、分厚いオーラと鋼のような腹筋に弾かれ、刃は音を立てて砕け散った。

 

("凝"じゃねえと通らねえか……!! いや、"凝"で通るのか⁉︎ この化け物め!!)

 

 心の中で悪態を吐いても敵は待ってくれない、ジョネスは腹を刺された事など気にも留めず、拳を振りかぶって殴打を続ける。

 

 シャープはその連打を何発かガードするも、すぐにその無謀さを悟った。込められたオーラが違い過ぎる。攻撃を受けるごとに両腕に絶望的なダメージが蓄積され、接近戦での不利を実感した。

 

(このままじゃどっちみち押し切られて死ぬ。なら一か八か!!)

 

 シャープは限界まで尖らせたオーラの刃に全ての攻防力を注ぎ込み、その刃でジョネスの攻撃をガードした。刃以外の体のガードを捨てた決死の一撃により、ジョネスの腕に僅かに切り込みが入る。一瞬連打が緩まった所で、ジョネスの首に向かって、刃を纏った文字通りの手刀を打ち込む。

 

 そして攻撃の結果を確認する間もなく、全力でその場を飛び退き、ジョネスから距離を離した。

 

(どうだ!?)

 

 シャープは急いでジョネスの状態を確認するも歯噛みした。苦し紛れの反撃だったこともあり、その首に手刀による傷は一切ついていなかったのだ。

 

 しかしジョネスは腕についた傷を見つめながら、何やら神妙な様子で口を開いた。

 

「……すまん。お前の前に来た暗殺者共が余りにも張り合いが無かったもんで、少し舐めていた。

 

 ここからはお前に敬意を表して全力で殺す」

 

 

 

狼男(ルナルナ)

 

 

 

 ジョネスがそう言った瞬間、ただでさえ化け物染みていたオーラが更に膨れ上がる。特に()()()に込められたオーラは脅威的だった。

 

(は、はは……、さっきまでは全力じゃ無かったってのかよ)

 

 シャープにとって勝つことは最早頭に無かった。どうやって逃げるか、特にあの手と口のオーラはマズイ、あれだけは絶対に回避しなくては。そんな全力の思考の裏でシャープの中で何かが引っかかった。

 

(く……ち……?)

 

 その時、先程手刀を放った方の腕がズキリと痛んだ。

 

 ゆっくりと目を落とすと、今まであったはずの手首の一部が深々と()()()()()()()()()()

 

 盛大に吹き出す血液をかぶりながら、シャープは不思議な程冷静に、この部屋に入ったときに見た死体のことを思い出す。

 

(ああ、あれはコレね……、手刀のときにやられていたのか……。見えない程速い噛み付き……)

 

 スローになって行く視界に獣の如く低い姿勢でこちらに迫り来るジョネスの姿が映る。その手は先程の"正拳"と違って"開手"だった。

 

(やわら)か? レスリングか? ……いや、さっき見た死体は確か……)

 

 攻撃に対して余りにも心許ないシャープの"堅"の上に、開かれた五指が叩き付けられる。

 

 本来、ヒトが失ってしまったはずの()()による一撃が深々と突き刺さり、シャープの意識は永遠の眠りへと誘われた。

 

 

 

 




最大トーナメント編のジャックハンマーが好きでした(半ギレ)。

念能力の名前ふざけ過ぎかな……、最近の原作もこんな感じだしいいよね?
ジョネスの能力名は、架空の怪物とか妖怪で統一します。
羊の夜をビールで洗う。
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