黒髪が性癖な俺とサトノダイヤモンド   作:汝、黒髪を愛せよ

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1話ごとの間隔を空けすぎると低評価をされるというジンクスがあるそうです

で す の で



ダイイチルビー

 

「やはり、このキャラは美しい...黒髪ロングに巨乳に、乳ボクロにスプリットタン...本名すら明かされず、登場回数が少ないにも関わらず、この破壊力...いや、登場回数が少ないからこそのこの破壊力か...」

 

 やはり黒髪、黒髪は全てを解決する...

 

 トレーナー室で漫画を読みながらそう思考する俺。そして横を通り過ぎるは、ターフと迷惑をかける天才(サトノダイヤモンド)。その手には、新品らしき数冊の漫画の単行本が握られていた。

 

「何やってんだ、お前は」

 

 俺が声をかけると、俺の本棚に本を忍ばせようと四つん這いで作業していたサトイモが「ギギギ...」と音を立てるような動きで、こちらへと振り返る。

 

「い、いえ特に何も...ただ、担当トレーナーさんのトレーナー室に私物を置いていただけですよ?」

 

「担当云々はお前がゴリ押してくるから、お前の両親が認めたらって条件で妥協しただけだ。だから、俺はまだお前の担当じゃない、よってこの本は没収です。そしてあとでブックオフに売り飛ばします」

 

「あぁそんなっ!」

 

 そもそも、担当だったとしても私物を置くのはよっぽど親しくなきゃ許さんだろ。全く、サトノの教えはどうなってんだ教えは!

 

 まぁしかし、黒髪美少女にだったら物置にされてもゴミ溜めにされても大歓迎だけどな!

 

 ...つーか、よく見たらコイツの持って来た本って、全部お嬢様ヒロインの本じゃねぇか!お嬢様ってのはみんなこういうのに自己投影してるのか...?いや、コイツは一般的お嬢様像ではないだろうし、参考にならないか。

 

 お、黒髪お嬢様ヒロインの本がある。これは俺も読もうかな、残りは全部サトノ家に着払いで送りつけるか。黒髪は正義だからねシカタナイネ。

 

 サトイモの持って来ていた段ボールに本を詰め直していると、ジトっとした目でこちらを見つめるサトイモが壁際に見えたため、デコピンをしてから段ボールにガムテープを貼った。サトイモはデコピンをした時に「あぅっ!」と大袈裟に仰け反り額を抑えていたが、ウマ娘だから気にする必要はない。これもエボンの賜物だな。

 

「...トレーナーさん、今度マックイーンさん達とお茶会をするので来て頂けますか?」

 

 壁から顔だけをひょっこり出しているサトイモが、何やら不安気に尋ねてくる。

 

「その...一応はトレーナー候補?ということですし、マックイーンさん達に紹介したいのですが...」

「やだ断る」

 

 この俺が最も好きなことの一つは『いじらしい態度で頼みに来た奴の提案に「NO!」と断ってやること』だッ!!

 

「黒髪のお知り合いも呼んでありますよ」

「いつ行くんだ?私も同行しよう」

 

 はッ!?口が勝手に!?

 

...

 


 

 時間が...消し飛んでいるッ...!?

 

 刹那に等しき時間だった...黒髪お嬢様を楽しみにしすぎて今日この日までの全てが瞬く間の出来事に感じた。

 

 黒髪お嬢様の魅力は、最近ネットサーフィンで調べ尽くすことで気付いた頃なため未だ浅学だが、万感の思いを持って本物に出会えるんだ。これだけであいつの担当をやっても良いと思える。

 

 あぁ、やはりだ...ふつくしい...

 

「サトノダイヤモンドさんのトレーナー様ですね?お初にお目にかかります。ダイイチルビーと申します。本日はよろしくお願い致します」

 

 この神々しさすら感じてしまう、気品溢れる出立ちに彩られる黒髪。黒髪を強調し魅力を何倍にも引き立てるような、傷一つないツルツルの玉肌。それらの要素を纏め上げるは、小さくも優美さを醸し出す体躯。

 

私の理想とするお嬢様像が今ッ!目の前にあるッ!!

 

「サトノさんから話は聞き及んでおりますわ。本日はよろしくお願い致します。メジロマックイーンですわ」

 

 メジロマックイーン、なんか昔に資料を読んだことはあるな、データ以外覚えてないけど。

 

 そして、サトイモのトレーナーであることを訂正するか否か...個人的には訂正したいのだが、それだとダイイチルビーちゃんに恥をかかせてしまうかもしれない。それは紳士的にNO!

 

 ならばここは──

 

「こちらこそよろしくお願いします。こちらもお二人のことは、サトノダイヤモンドに聞き及んでいます」

 

──肯定も否定もせずに、乗り切るのみ!

 


 

 紅茶おいしい。

 

 アカン、小学生並みの感想しか出てこぉへん。なんなら関西弁まで出てくる始末や。ざけんなや 言葉でてこん ドブカスが。

 

 ティーカップに浮かべていたレモンをティースプーンを使って取り出し、香りの違いを感じながら飲む。

 

 レモンティーおいしい。

 

 はッ!?今日の一口をまた繰り返している!?

 

 ふと、目を見開いてこちらを見ているサトイモと目が合う。

 

「なんだ?」

 

「い、いえ、なんでもありません。ただ、所作が完璧なことに少し驚いてしまって...」

 

「お前は俺を何だと思っているんだ...」

 

 ティーカップを両手で持たないだとか、取っ手に指を入れないだとかぐらいしかあとはやってないぞ?そんなマナー悪そうに見えるのか俺?

 

 俺は壁になっとくから、百合百合しておいてくれ、知り合い2人との会話の方がダイイチルビーも喋りやすいだろうからな。黒髪ウマ娘の百合、気になります!

 

 名前の長いパクパク娘は、食べる手を止めろ。茶を飲め、対話をしろ。貴様がスイーツの段に早々に入ったせいで、どんどんスイーツが無くなってるんだが?お前の呼び名は『パクパクちゃん』で確定な。

 


 

 それから、お茶会は無事終了した。

 

 いやぁ〜濃密な2時間だったよ...

 

 たまに感動してうるっとしたし?*1騙して悪いなぁとも思ったよ*2

 

 それからはトレーナー室で一応今期のウマ娘を調べたり*3、寿司打やったり*4、押しかけてくるサトイモ追い返したり*5、実に忙しかったな。うん。

 

 でもサトイモ曰く、明日の昼ごろに実家一緒に行って報告しなきゃいけなくなった。なんでぇ?

 

 窓の向こうでも見て落ち着こう...誰か、いるんですけど。

 

 どう見てもアレは黒髪。行かない理由はないね、言い訳は後から考えよう。

 

 辺りが暗くなっているにも関わらず、校庭にダイイチルビーがいた。トレーニング中のようだが、担当はどこだ?

 

 え?もしや、自主練だからいない?マジぇ?

 

 それはちょっとねぇ、世間は許してくれぁせんよ。我黒髪スコスコ侍、義によって参上致す。

 


 

「ダイイチルビー、自主練か?」

 

 声をかけると、耳がピクリと反応した後に、優雅に振り返る。

 

「...はい。我が一族、その玉条のために、私は研鑽を続けなければなりません」

 

 凛とした声で確固たる意志を示すように、丁寧に言葉が並べられていく。

 

「そっか。なら、俺に手伝わせてくれないか?タイムを測るだけでもいいから」

「それは...何故でしょうか?」

 

 ダイイチルビーは小首を傾げ、そして緋色の瞳で真っ直ぐと、こちらを見据えながら問いかけてくる。

 

「何故?あぁ、安心してくれ、サトノダイヤモンドの適正は中長距離だから、君と当たる可能性はないに等しい」

「いえ。そうではなく...何故、私を手伝いたいと願ったのでしょうか?」

 

 しかし、彼女は感情の揺らぎを感じさせない、淡白でありながら人間味を覗かせる態度で、己が疑問を口にする。

 

「願った理由...そうだな...『至上の輝きを眼に焼き付けたいから』...なんて、ちょっと俺にはキザすぎるか...」

「......いえ、堂に入っています」

 

 すんと、夜闇の中でも見劣りしない美しさを放つ黒髪を靡かせ、視線を彼女の後ろへと向ける。

 

「タイマーは、そちらの箱に入っている物を使ってください」

「分かった。ありがとう」

「いえ。こちらこそ感謝致します」

 


 

やったぜ。

 今日は黒髪縦ロールの嬢ちゃん(高等部)とわし(新人トレーナー)でトレセンにあるターフで盛り上がったぜ。

 今日は明日がサトノなんでトレーナー室で遊びまくってから滅多に人が来ない所なんで、そこで語り合ってからやりはじめたんや。

 短距離向きなのもあってすぐに息が上がった嬢ちゃんが汗に濡れた。

 それと同時にワシも汗の匂いに呼吸が荒くなって汗をかいた。もう顔中、汗まみれや。

 やはり大勢で汗まみれになると最高やで。こんな、変態お兄さんと契約しないか。

ああ~~早く汗まみれになろうぜ。

トレセンであえる黒髪なら最高や。

汗まみれでやりたいやつ、至急、メールくれや。

制服姿のまま走り回って、汗だらけでやろうや。

 

 まぁ、半分冗談だけど*6

 

 黒髪美少女に興奮しすぎて、何言ったか覚えてねぇ...でも、幸せだからOKです。

 

 あ、またタイム上がってる。いいぞ...ドゥンドゥン速くなれ...フーフッフッあーはっはっはっアハハハハーファーハッハッハッー!!!

 

 ふぅ...スッとしたぜ*7

 俺はちと荒っぽい性格でな、トチ狂いそうになった時は、一度トチ狂って頭を冷静にするんだ。

 

 トチ狂ってたらなんかダイイチルビーがこっちに目線を向けながら悠然と歩いて来た。テケリリ...僕は悪いスライムじゃないよ...

 

「本日の目標本数が終了したため、切り上げようと思います。本日はありがとうございました」

 

「いや、俺がやりたいからやっただけだよ、それが少しでも君の役に立てたなら良かった。俺の方こそありがとう」

 

「...次の週もまた、同じ時間に自主トレーニングを致します」

 

...?なんでそんなこと言ったんだ、この子...もしや(ロシア)ッ!

 

「誘ってくれてる、のか...?」

 

 俺、担当じゃないんだけど...担当フラグ立ちました!ウマ娘からのトレーニングへの付き添い願いは、トレーナー契約フラグです!は?NTRか?ぶっ殺すぞ(過激派)

 

「...お好きにどうぞ。私は、予定通りにトレーニングをするだけです」

 

「それなら、また来るよ」

 

「...そうですか」

 

 そこでダイイチルビーとはそこで別れを告げ、それから後片付けをやった後に、バッグを持ったダイイチルビーから眼福を享受しながら見送り、自分はトレーナー室に置いてある適当な資料と、見つかるマズい娯楽アイテムを持ってトレーナー寮へ帰る。

 

 サトイモのことは忘れて良い気分で寝れそうだ...しかしそう思ったら、サトイモのこと思い出して寝れなくなってきた...サトノ家とか憂鬱だぁ...逃げるんだぁ...帰れるわけがないよ...殺される...サトノに、殺される...

 


 

 また、次の日に逃げようとしたところをサトイモに捕まり麻袋に包まれ、それからサトノ家に連れてこられたところまでは納得しよう。ツッコんでもキリがないからな。

 

 しかしなぁんでパクパクちゃんも一緒にいるのカナ?

 


*1
レースへの熱意に

*2
サトトレを名乗ったこと

*3
途中から黒髪ウマ娘を調べ続けた

*4
寿司食べたい

*5
問答の末、最終的にお助けキタちゃんを呼んだ

*6
半分本気

*7
スッキリ





ダイイチルビーのキャラ難しい。

トレーナーもキャラ固まってないから難しい、というかサトイモ全然出てない...詐欺では?

つ、次の回ではちゃんと出すから...トレーナー契約結んでないしメイクデビューもしてないせいで登場させ辛いだけだから...
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