魔族?余は蛮族だ   作:通勤

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01話 超越者そして竜侯爵

 勇者ヒンメルの死から27年後

 交易都市ヴァルム

 

「こんなところに何で人形が?糞っ……嫌なことを思い出しちゃったな」

 路地の片隅にポツンと置かれた人形を見たフリーレン様がつぶやきました。

「嫌な事?人形に何か思い出があったんですかフリーレン様」

「色々あったんだよ。まあ歩きながらでも話そうか」

 そう言って、フリーレン様は語り始めました。

「私が勇者一行として旅をしていた時の話だよ。当時まだ無名だった大魔族に出会ったんだ」

「無名……ですか?」

「そう、魔族の中には強大な力を持っているのに、名前が全く伝わっていない無名の大魔族と呼ばれる奴らがいるんだ。けど、何で名前が伝わっていないと思う?」

 フリーレン様はいつもの様に私に問いました。

「ずっと表に出て来ないで隠れていたからですか?」

「ううん、確かに魔族は狡猾だけど、自分達は狩る側だと疑っていない驕り高ぶった、傲慢な人食いの獣だ。犠牲者は皆、殺されている可能性が高い」

「つまりその魔族もですか?」

 私の言葉にフリーレン様は小さく首を振ると、言葉を続けました。

「普通はそうなんだろうけど、その魔族は違うと言い切れる。実はねフェルン、私達はその時ソイツに負けているんだ」

 フリーレン様の言っている意味が理解できませんでした。勇者一行がフリーレン様達が負けている?私はどうにか言葉を絞り出します

「何を言ってるんですかフリーレン様、冗談は……」

「冗談なんかじゃないよ、私達はソイツに手も足も出なかった。けど、どういった訳かソイツは私達を見逃したんだ」

「それでその魔族は何て名前だったんですか?」

「そうだね、ソイツは……レイラインそう名乗っていたよ」

 

 

 勇者ヒンメルの死から?

テラスティア大陸カルゾラル高原

 

 余の眼前に立つ人族は4人。1人はドワーフの男、金属鎧に身を包み身の丈ほどの斧を軽々と振るって見せる。又1人はエルフの女、真語魔法を扱う。後二人はどちらも人間の男、1人は神の御業を現世に下ろす。問題なのは最後の1人、非金属製の鎧をその身に纏い、そして……

「何故だ……何故貴様如きがその剣に見染られると言うのだ!」

 余は激昂しあらんばかりの声で叫んだ。その男は剣を余に向ける。それは当然ただの剣ではない。

「余は超越者にして神にさえ匹敵するドレイク・マーキスッ!その剣に……!フォルトナに相応しいのは貴様などではなく、この余、レイライン・パラディアンのはずだ!」

 男は言葉を発しない。ただ真っ直ぐに余を見据えてくる。そして……爆発的な速度で男が飛ぶ。一瞬にして間合いがつまり、余の心臓に剣が突き立てられる。

「グフッ……だが……まだ!!」

 その瞬間、余は自らの魔剣を吸収し、爆発的な衝撃を持って男を吹き飛ばす。これこそが余の切り札、余たちドレイクは生来魔剣を持って生まれ、魔剣を取り込むことでドラゴンに姿を変えることが出来る。余は翼を広げ、男に突進した。

「それはさせません!フィールド・プロテクションⅡ」

 神官の魔法で余の攻撃が防がれる。次の瞬間、余の翼に斧が振り下ろされた。

「硬い……」

「その様な攻撃、余の鱗には通らぬ」

 余の右翼による攻撃が鎧を砕き、ドワーフは吹き飛ばされ地面に転がった。次に左翼、人間の戦士を狙う」

「っ……!」

 しかし、それは翼の下を潜るように避けられた。

「ヴェス・フォルツェル・ル・パン。コーロス・ディメント・オブカ・カンジェン──オルドレスタ」

 【ディメンジョン・ソード】エルフの放った空間を切り裂く力場の刃が、余の白金の鱗を無いものであるかの様に右翼を切り飛ばす。その衝撃でたたらを踏みながらも、余はブレスを吐く。遍くすべてを消し飛ばす光が奴らを飲み込む。

「終わりだな」

 消耗した奴らでは、耐えられるはずもない。奴らの存在はまさにイレギュラーだったが、悪い事ばかりでもない。何故なら、余の求めた4本目の剣を持ってきてくれたのだから。余は4本目の始まりの剣、運命の剣たるフォルトナで神へと到る。そうして世界を導くのだ。

「終わりじゃない!」

「何!?」

 光の中から男が飛び出してくる。倒れておらんのは想定外だが問題はない、余は未だ健在の左翼で攻撃を防ぐ。防ぐ……?

「何故だ……?」

 その時起こったことに、理解が追いつかない。確かに余は攻撃を防いだはずだ。

「なのに……」

 男の剣は余の頭部を砕いている。体が維持できず人の姿に戻り、その場に倒れ伏す。

「何故……だ……?何故……余ではなく、お主なのだ?」

「何故、か?何故この剣が俺を選んでくれたのか、そんな事は俺も分らない。だが!お前が間違っているのは分かる!」

 視界が端から黒く溶けていく。

「余が……間違い?余が神となればもう争いなどない。余の下で皆共に生きる事が叶うというのに……」

「ああ……お前は間違ってる。平和は誰かじゃなくて、みんなで作っていかなくちゃ駄目なんだ……」

 ああ、糸が途切れる。意識が沈んでいく。そうだ、余も昔は……

「ザス・トランザル・ロ・オン。グラド・ドレアス・イーア・リナシタ・ラーファト──アルスメアドルニカ」

【アース・ヒールⅢ】余は最後の力で彼らを回復させる。

「そうだな、余は間違っていた……」

 もう何も聞こえない。

「寒いな……」

 来世があるのならその時は、もう間違わぬと良いな……。




 レイライン・パラディアン 
 コンジャラー17 フィジカルマスター17 ソーサラー15 ファイター14 ウォーリーダー3 マギテック1 セージ5 シューター1 デーモンルーラー1 スカウト1 バード1 ライダー1 エンハンサー7
 戦闘特技
 《魔力撃》《魔法拡大/数》《マルチアクション》《武器習熟A/ソード》《魔力強化Ⅱ》 《クリティカルキャストⅡ》《武器習熟S/ソード》《武器の達人》《ダブルキャスト》《魔法拡大すべて》《タフネス》《バトルマスター》《ルーンマスター》《鋭い目》
 呪歌 
【モラル】
 練技
【ガゼルフット】【キャッツアイ】【ビートルスキン】【マッスルベアー】【ジャイアントアーム】【スフィンクスノレッジ】【デーモンフィンガー】
 鼓咆/陣率
【神展の構え】【怒涛の攻陣Ⅰ】【怒涛の攻陣:旋風Ⅱ】
 超越魔法
【アース・ヒールⅢ】【プリセット・ドール】
 
 我ながら頭おかしい位能力を盛りました。マーキスと言う訳でカウントなら余裕
で一対一で殴り殺せます。

 24年6月25日追記、ステータス微調整しました。
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