ホワイトルーム生、沼津に引っ越す 作:マツタケ星人
「あれ?君ここで何してるの?」
唐突にそんなことを話しかけられる。
「…最近この辺りに引っ越してきたので散策していたんです。そしたらここにたどり着いて景色が良かったので見入ってました」
「へー!そうなんだ!どこから来たの?」
「東京です」
とりあえず不審に思われない程度に応答する。
「東京!?すごー!都会人だね!」
「都会人?まぁそう…ですかね」
「沼津はどう?」
「いい所ですね。景色もいいし食べ物も美味しい、何より落ち着けますしね」
「そっかぁー!良かった!それじゃ今度うちの旅館に遊びに来てよ!歓迎するよ!」
「え?」
旅館?まさか…
「あの失礼ですがお名前は?」
「あ、忘れてた。私は高海千歌。よろしくね」
「…マジすか」
「え?どうしたの?」
「…今日誰かが家に来るって話聞いてませんか?」
「…え?そういえば近々1人家に住みこみに来るって…」
「それ、俺です」
「え?
えええええええええー!!」
☆
「志満ねぇ!!!今日来るってなんで言ってくれなかったのぉー!」
「あら?言ったわよ?」
「聞いてない!」
「千歌ちゃん、スクールアイドルのことで夢中で覚えてないのね」
「あ…」
なにか心当たりがありそうな感じで回想に入る千歌さん。だが俺はそれより気になる単語がある。
スクールアイドルってなんだ?
直訳するなら学校のアイドルだが…。夢中になるってことはなにかの活動的なもののはず。ってことは学校の1番可愛い子などの意味ではなく恐らく学校で活動するアイドルのようなものだろうか?
「うっ…言ってたかも…」
「あれ?今日だっけ?来るの」
「あら美渡。ちょうどいいわねご挨拶しなさい」
「どうもどうも、高海美渡ですーよろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
この人がさっき言っていた高海美渡さん。明るい黄色の髪で髪型は志満さんとは違ってショートだ。ちなみに美渡さんはもう社会人で会社に勤務してるらしい
「ほら千歌ちゃんも」
「あぁぁ!えっと、高海千歌です!浦の星女学院に通っていてスクールアイドルやってます!これからよろしくね夏目くん!」
「よろしくお願いします。あの1つ聞いてもいいですか?」
「ん?なぁに?」
「スクールアイドルってなんですか?」
「え!もしかしてスクールアイドル興味あるの!?」
「え?ただ知らない単語だったというのもありますけど…ちょっと興味はありますね」
「そっかぁー!じゃちょっと待ってね。はいこれ」
「…これは?」
渡されたのはスマートフォン。なのはいいんだが、何をしろと?
「ふっふっふ…私がスクールアイドルについて色々教えてあげるよ」
「…」
「志満ねぇ、ご飯までまだ時間あるよね?」
「そうねぇ、あと1時間くらいかしら」
「よし!それだけあれば十分!来て夏目くん」
「え?」
有無を言わさず連れてこられたのは俺が与えてもらった部屋の隣、つまり一番端の部屋なのだが…
見渡す限り女子の部屋だな。…そうだよな。あまり考えないようにしていたが、3人姉妹の中に俺が紛れ込む形になるんだよな…
なんだか急に申し訳ない気持ちが増えてきている
「あの、いいんですか?一応俺は男ですけど」
「え?うーん、うん!大丈夫!夏目くんはいい人そうだし、それにもう家族だし」
「えぇ…」
困惑だ。自分で言っててなんだがちょっと危機感が足りないのでは無いだろうか
「あぁそれと、敬語じゃなくてもいいからね?」
「…わかった」
「よし!それじゃスクールアイドルについての講義を始めます」
「講義て…」
なんか急に授業みたいになったな…
☆
「ということなのです」
「なるほど…つまりμ'sは素晴らしいってこと…だな?」
「そう!」
結局結論はそれに行き着くのか。いや、めちゃくちゃ色んなことを聞かされたがどれもμ's関連に行ってた気がするしな
とはいえ、これで千歌のことが少しわかった気がする。
「夏目くんもハマってくれたら嬉しいなぁ」
「…ハマるかどうかは分からないな。でも好きってことは十分に伝わった」
「そっか!それならよし!」
「あぁそれと、俺も呼び捨てでいいからな。千歌のことだけ呼び捨てっていうのもなんだかおかしな話だろ?」
「確かに…うーん、でも私は今のままでいいかなー」
「そうなのか?」
「うん!なんかねそんな感じがする」
第六感的なものが働いてんのか?前言撤回かもしれん。やっぱりよく分からん
「千歌ちゃーん夏目くーん、ご飯よー」
「はぁーい!それじゃ行こっか」
「あぁ」
ともかくこれから俺はここで新たなる生活を繰り広げていくことになる。15年間見たことの無い世界。
「楽しみだな…」
俺は静かに心踊ろせながら階段を降りた