ホワイトルーム生、沼津に引っ越す   作:マツタケ星人

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「夏目くん忘れ物ない?」

「ないですね。それじゃ行ってきます」

「はぁい、行ってらっしゃい」

 

志満さんに挨拶をし、外に出る。これから俺は編入という形で静真高校に入学する。入学式からまだ1ヶ月も経っていないらしいがこの時期に編入というのは少し目立ちそうだ。

 

とりあえず近場のバス停まで歩く。そこから沼津駅まで行き高校まで歩く道のりだ。少し遠いが、かなりのマンモス校のためここに決めた。人が多いのが好きという訳ではなくむしろ逆に苦手なのだが、この学校なら様々なことができそうな気がしたのだ。

 

バス停に止まった沼津駅行きのバスに乗る。ここから40分程バスに揺られることになる。登校時間としては少し長めなのだろうか?ただこちら側から乗る人はあまりいないだろうし、座れることを考えればそこまで苦ではない

 

「学校…か」

 

俺は窓からの景色を眺めながら無意味にそんなことをつぶやく。小中と通っていない俺は学校がどんなところなのか全く想像ができない。1つだけ分かるのはホワイトルームが異質な空間であったということだけ。

 

これから何が待っているのやら

 

☆

 

あれから小一時間、沼津駅から少し歩いた場所にある静真高校の校門の前に到着する。辺りには学生らしき人達が多い。とりあえず1回職員室に行けって言われたんだが…

 

「職員室ねぇ…」

 

結論から言うと場所が分からない。とりあえずうろちょろしてる素振りは見せずに堂々と入ろうか。そうすれば変に目立つことは無いだろうしな。

 

そう思い目線だけで辺りを観察しながら入る。それから校舎内を適当に回っていき、ついに職員室と書かれた部屋を見つける。

 

「失礼します」

 

3回ノックをし、断りを入れてから中に入る。中の教師たちの目線が俺に集中する。

 

「今日からこの学校の生徒になった高校1年、柏木夏目です。最初にこちらによるようにと言われたので来たのですが、1年2組の担任の先生はいらっしゃいますか?」

「あぁよく来たね。私は美竹遥、君の担任だよろしく。ちょうどいい今からHRだ。さっそく教室に行こうか。私が合図したら入ってきてくれ」

「わかりました」

 

担任の女の先生に着いていき教室の前に到着する。これから自己紹介が始まるんだろう。

そういえばこの学校にもスクールアイドルがいるのだろうか?千歌たちが通っている浦の星女学院のスクールアイドルは今千歌含めて3人らしいが…この学校にいるって話は聞いては無いな

 

そんなことを考えていると、中から合図が来る。

 

「それじゃどうぞー」

 

その言葉を合図に俺はゆっくりと扉を開け教室の中に入る。やはりと言うべきか当たり前と言うべきかクラス全員の視線が俺に向けられる。

 

「それじゃ黒板に名前を書いて」

「はい」

 

柏木夏目。ホワイトルームの中では知りえなかった本名。抜け出す際に教えてもらった名前を黒板に書き写す。

 

「柏木夏目です。東京から越してきました。まだこっちに来て日が浅く、分からないことが多々あります。色々教えてくれるとありがたいです。よろしくお願いします」

「それじゃ軽く質問タイムだ。聞きたいことがあるならこの場で聞くもよし、もちろんあとから聞くもよしだ」

「え?」

「なんだ?嫌か?」

「…いやそういう訳では無いですけど」

 

というのは嘘で結構嫌だ。

 

「はい!部活に入る予定はあるのー?」

「部活…は特には考えてないな」

「はぁい!彼女はー?」

「いない」

「はい!沼津のどこに住んでるのー?」

「内浦の方だ」

「へぇ」

「はい!じゃあ…」

 

まだあるのかよ…それからしばらく質問攻めの時間が続き結局ホームルームの時間限界まで質疑応答の時間に使っていた

 

「じゃあ一限は数学だ。早めに準備しておくように」

 

まだ来たばかりだと言うのに妙に疲れた。とりあえず配られた教科書を取り出し準備を整える。すると隣の席の少年から話しかけられる

 

「災難だったなー」

「…あぁ」

「俺は宝田圭介。よろしく」

「よろしく宝田」

「圭介でいいよ」

「…そうか、なら俺も夏目でいい。よろしくな圭介」

「おう。んで、夏目。

 

夏目って…勉強出来るか?」

「ん?」

 

☆

 

「お前…天才なのか?」

「まぁこれくらいはな」

「すげぇ…」

 

昼休み、分からない問題があるとの事なので教えることにした。

 

「ま、でも勘違いしないで欲しいのはこんな目的で近づいたわけじゃないからな」

「ん?特に気にしてないぞ別に」

「そうか?ま、俺が気になったからな」

「なるほど。良い奴だな」

「照れるなー

 

あ、そうだ。そういえば球技大会のこと聞いてないよな?」

「球技大会?」

「そう。この学校では親睦を深めるとか何とかで入学からすぐに球技大会を開催するらしいんだよな。んでやりたい競技に○をつけて担任に渡せってさ。これ先生から預かってきた」

「へぇ…」

「ちなみに一般の人が観戦できるらしい」

「そりゃまた大掛かりだな…。どんな競技があるんだ?」

「えっと…確か。

・ドッチボール

・バスケ

・サッカー

だったかな」

「なるほど」

 

どれも経験がある訳では無いな。ホワイトルームでは特定のスポーツを教えられる訳ではなく、基本的な身体能力を底上げされた。まぁ格闘技はオールジャンル叩き込まれたけどな。

 

「どれにするか決めた?夏目」

「うーん、とりあえずもう少し考えてみようと思う」

「そっか。ちなみに俺はサッカーだから、一緒になれたらよろしくな」

「あぁありがとう」

 

球技大会か…まさかこんなに早くイベントがあるとは。

どれに参加するかな。どれもやってみたい気もするが…。ゆっくり考えてみるかな

 

そうして学校生活1日目が終了した。

 

 

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