やたら治安の悪い日本に転生してしまった。 作:通りすがりのライダー
私爲妹みくるは恵まれている。
強くてかっこいいパパ。
綺麗で優しいママ。
少し子供っぽいけど仲良しな学校のクラスメイト。
頼りになるお隣のお兄さん。
学校の勉強も運動もうちでやった事より簡単。
何も苦労なく出来るし、楽しい。
ずっとこの幸せが続くんだと、信じて止まなかった。
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その日は雨の日だった。
家に帰ると家が静かだった。
「ただいまー!ママー?あれー?地下の仕事場かなぁ?」
ママに声を掛けようと扉に手を掛けると
「おかえり、みくるちゃん」
真後ろから声がした。
ドスッ
そして私は気を失った。
ーーー
ーーーー!ーー!
ーーー。ーーーー。
誰かが会話をしている。
「ぱ、ぱ?」
身体に力が入らない。起き上がる事が出来ない。
「みくる!目を開けちゃいけない!そのまま目を瞑って耳を塞ぎなさい!」
パパのあんな必死な声を聞いたのははじめてだった。
「ダメだよ。この子に見てもらいながらじゃなきゃ意味がないだろう?あぁいい事思いついた。ほら起きて。」
男に背中から抱き起こされ何かを持たされた。
拳銃。
この世の中ではよく見るありふれた物。
人をコロす道具。
ナンデ?
何で私は拳銃をパパに向けてーーーー
パンッ
「うっ!!」
パパが呻き声をあげた。お腹にアカイものが滲んでーーー
パンッパンッ
「ウッグゥウ!」
「ぱ、ぱ?ぱぱ!!ぱぱ!いや!なんで!」
「君のパパはね、いっぱい後悔して、絶望して、死んでもらうんだよ。」
「ー?」
私はあの男が何を言ってるのかまるで理解出来なかった。
「みくる!そいつの、言う事は何も聞くな!目を閉じなさい!これから起きる事っー パンッ! ーうぐっ」
「ぱぱーー!」
「黙れよジョー。さぁ最高に楽しいショーのつづきだ。さあみくる目を開けろ。よく見るんだ。お前のパパはこれからお前の引く銃で天に召されるんだ。そしてその光景、その感触、その感情をお前はずっと胸に抱きしめて生きていくんだ。」
男は私の口を押さえつけ、私と手重ねて握らせた銃の引き金に指を掛けた。
「フーーー、フーーー!!」
ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ!!!
パンッ
パパの頭がのけ反り。
パパは糸の切れた人形の様に脱力した。
「よくやったみくる。さぁ最後の仕上げだ。こっちを見ろ。」
「はっ!はっ!ヒィッひぃっ、ッグ!」
息が出来ない、涙が止まらない、頭がぐちゃぐちゃになって理解が追いつかない。男が何か言っている。
「オレは誰にも捕まらない。」
パンッ
男は自分に銃をこめかみに押し当て引き金を引いた。
ーナニヲ、何をしているんだ?
男はそのまま倒れたまま動かなくなった。
私は1人、警察が駆け付けるまで何も出来ずに呆然と座り込んだままだった。
犯人は即死だった。
我が家を襲撃した犯人は昔L.Aでパパが捕まえた殺人犯だったそうだ。
脱走し、捕まえたパパを、殺しに来たと言う線が濃厚とのこと。
ただパパへの怨みでパパの絶望する事をする為だけにここまでやってのた。パパの弱みを全て把握し何もさせずに一方的に。
ママは仕事場で縛られていた以外目立った外傷は無かったようだ。
そして、
パパはまだ生きている。
しかし、昏睡状態で目覚める様子はない。
額に玉が直撃したはずなのだが、弾が額から頭部へ滑り、頭部の貫通はしなかった様だ。ただ身体中を撃たれている為様々な要因が残っていた。パパは必ず目が覚める、そう信じてママといつまでも待ち続ける、そう決めた。
この事件後、私の心に暗い感情が棲みついた。
ドス黒い怒りの感情だ。
犯罪者が憎い。
犯罪者をコロしてしまいたい。
パパはL.Aでも検挙率No. 1の凄腕の警官だった。そしてやむを得ない場合を除き不殺を貫いてきた。それだけの腕があり、そのためのゼロコマンドだった。
それを付け込まれた。
今まで通りに笑えなくなった私を見かねたママは、パパの治療のこともあり、ママたちの古いツテで一度L.Aに帰ることになった。
仲の良かった隣の高波さん達にも帰国前に挨拶をしたが、その時、タカ兄を見た瞬間自分でも整理のつかない感情が爆発してしまった。
「どうして、助けにきてくれなかったの?!!!!」
タカ兄は何も言い返さずごめん、と一言言っただけだった。ただの八つ当たりなのに言い返されもせず、ぐちゃぐちゃになり家に駆け込んでしまった。ママに後で怒られてしまったが当たり前だ。
以来タカ兄に合わせる顔がなく帰国してしまった。
帰国してからも、あまりに私が問題行動をし補導されるものだから、
ジュニアハイスクールと並行して傭兵の訓練学校を受けられる様にしてもらった。
パパと同じゼロコマンドマスターの訓練の元、力をつけて行った。
「いいかみくる。乱射なんかするんじゃ無い。一発一発に全て意味をもたせろ。たった一発のあんたの鉛玉でもアンタと仲間を助ける大事な道具だ。肝に銘じときな。」
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パパは目覚めない。
私が弱かったから。
訓練を、積んでも、積んでも、鍛えれば鍛える程、やり場のない怒りが膨れていった。
十五の時には周りの大人も誰も敵う人はいなくなった。
傭兵訓練学校の寮に入っていた為、毎月一度だけママと会えた。
そんなママとの晩御飯を終えた夜に事は起こった。
地元のギャングなのか、ただの不良なのかはどうでもいいから覚えていない、そんな奴らが私たち2人を拉致して乱暴しようとした。
私は動かなかった。ママが私を心配して叫んでいる。私は自分の腹の底から湧いてくるこの感情の処理が追いつかず瞬きも忘れて立ちすくんだ。ヤツらはそんな私を見て萎縮して動けなくなった獲物だとおもったのだろう。ヤツらが私の服を引きちぎった瞬間——何かが切れた。
気がついたら血に染まったヤツらと私を必死に抑えるママ、そして警察だった。私の力は既に見境なく襲いかかる暴力と化していた。
抑えの効かなくなった私にママは———
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私爲妹みくるは恵まれている。
強くてかっこいいパパ。
綺麗で優しいママ。
少し子供っぽいけど仲良しな学校のクラスメイト。
頼りになるお隣のお兄さん。
学校の勉強も運動もうちでやった事より簡単。
何も苦労なく出来るし、楽しい。
これからもこの幸せを守るんだと、
この幸せを害するものは必ず生きて罪を償わせるんだ。
と心に誓った。
原作のメインヒロインになります。
つまり本作品ではヒロインではありません。
なので全然本作品のタカシくん関わってません。
登場するヒロイン毎の視点で紹介していく感じならわかりやすいのかなと思いこんな書き方になりました。