アリウスの王   作:大嶽丸

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火と灰に染ま……?

 

 

『感じられますでしょうか、この空気感! 犬猿の仲とでも言いましょうか、呉越同舟と言いましょうか! これは正しく私達の良く知るトリニティとゲヘナの様相! 果たして、ここは本当に和平の場なのでしょうか!』

 

「……なんというか、凄い格好だな。放送コード的に大丈夫なのか?」

 

 ビルに備え付けられた巨大な街頭モニター。そこには“通功の古聖堂”にて執り行われるエデン条約の調印式の様相が生中継で映し出されていた。

 

 ふと目に入ったそれに対してニトは皆が注目しているであろう和平条約の場とは思えぬ剣呑な雰囲気で睨み会う両校の生徒達ではなく、川流シノンと名乗ったリポーターの服装を真っ先に気にする。

 

 シャツの丈が異様に短く、腹部どころか乳房の下部分が露出しており、随分と涼しげな服装。視聴率向上を狙った戦略なのだろうか? 思えば、ゲヘナ風紀委員会の行政官も馬鹿みたいな格好をしていたような気がするし、あの時はホログラム映像だったこともありきっと目の錯覚だと現実逃避(スルー)していたが、実はキヴォトスでは別段おかしくない着こなしなのかもしれない。

 

 だとしても、ニトの常識からすればとんでもない格好であることには間違いなく、お子様への悪影響を心配するのだった。

 

(にしても……本当にあの飛行船で来るとは。一体どう説明したのやら)

 

 偏見マシマシで紹介される羽沼マコトを筆頭とした万魔殿の面々。その背後に映るアリウスが贈呈した飛行船を観て、くすりと笑う。

 

 贈呈する際に目を輝かせながら調印式でも乗ってきて見せびらかしたいと言っていたが、まさか有言実行するとは。このタイミングで不審な動きをされるのはまずいように思えたが、実のところマコトはいつも不審な行動をしているらしく幸いにも? そこまで怪しまれてはいないらしい。

 

 というか、マコトと一部を除いては万魔殿も条約推進派のつもりで動いているのだから当然ではある。元よりそうした策略なのは明白であり、流石だなとニトは感心していた。

 

 尚、実際そこまで考えているのかは謎である。

 

「あ、ルーシーさん!」

 

「……ん?」

 

 その時、背後から偽名で声をかけられる。振り向けば、見覚えのある顔があった。

 

「柚鳥か。久方ぶりだな」

 

「うん、久しぶり。こんな所で会うなんて奇遇だね」

 

 いつぞやスイーツについて語り合い、共に食べ歩いた少女。放課後スイーツ部なる部活に所属する“ロマン”を追い求めし者、柚鳥ナツがこちらへ手を振りながら駆け寄ってくる。

 

「今日はヒヨリちゃんは居ないの? さっきモモトークしても既読が付かなくてさ」

 

「ああ、彼女は今、()()()でな……」

 

 あれからも関係が続いていることは知っていたが、どうやら仲良くやれているようだ。ニトは微笑ましく思う。

 

「そうなんだ。これから放課後スイーツ部の皆と今話題のケーキ屋でロマンを探求するつもりだったから良かったら一緒に、と思っていたんだけど……」

 

「ほう……それはタイミングが悪かったな。ヒヨリの奴もさぞ残念がることだろう」

 

 うわぁぁんと泣いている姿が脳裏に浮かぶ。

 

「じゃあ、ルーシーさんはどう? 皆のことも紹介したいし」

 

「是非とも……と、言いたいところだが、オレもこれから入り用があってな。丁度向かおうとしていたところだ」

 

「え? むぅ……それは残念極まる」

 

「すまないな」

 

「ううん、急な誘いだったし仕方無いよ。ルーシーさんとの二度目のスイーツ巡りはまたの機会としよう」

 

 そう言い、じゃあ皆と待ち合わせしているから、とナツは名残惜しそうにしながらも手を振ってこの場から立ち去ろうとする。

 

「──ああ。そうだ」

 

 するとニトが思い出したように呼び止める。

 

「あのテレビでも報じられているエデン条約とやらの調印式……その会場付近にはあまり近寄らない方が良いぞ。ゲヘナの生徒も入ってきて緊張が走っているからな、何が起きるか分かったものではない」

 

「? ……よく分かんないけど、ルーシーさんの忠告なら従っておくよ。ありがとう」

 

 今注目を集める条約締結。スイーツ巡りついでに野次馬気分で見物に行こうかとも思っていたナツだったが、ニトにそう言われたので言う通りに従うことにした。

 

 言っていることはご尤もだし、自分よりも年上で大人びた彼女の忠告なのだから間違いはないだろうと判断したからだ。

 

 ──後に起きたことを考えると、その忠告は正しかったと、当時を振り返りながらナツは思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

「もうすぐ、ですね」

 

「……和平の場とは思えない程、殺伐としていますね」

 

 調印式典の開始までの時間も僅かとなり、両校生徒会であるティーパーティ、万魔殿の構成員達が聖堂の入口で互いの校旗を掲げ並んでいる。

 

 華やかな装いと笑顔の下には隠しきれない敵意。知らぬ者からは開戦間近、一触即発の状況にしか見えない。歴史的には幾度もの武力衝突を重ね、近年でも冷戦状態に近く犯罪被害、経済格差、容姿の差異、校風の違い、etc……etc……もはや数え切れない様々な要因から対立し、争い続けてきた者達なのだから、こうして睨み合っているのは至極当然の帰結と言えよう。

 

 こんな有り様では、友好関係を結ぶなど不可能ではないか。生放送しているクロノス報道部も、それを観ている多くの者達も、誰しもがそう思わずにはいられない。

 

 そして、それは渦中の人間達もまた同様であった。

 

「勿論、この条約によりトリニティとゲヘナが仲良しこよし、などということは有り得ません」

 

「シスターフッドとしては、そうなるべく努めなければなりません、と言うべきでしょうが……まあ、不可能でしょうね」

 

 トリニティ側控室。そこで待機する桐藤ナギサと、歌住サクラコがそう話す。

 

 聖堂内では既にトリニティの正義実現委員会とゲヘナの風紀委員会の間で軽い揉め事があったなどと報告がきている。幸い剣先ツルギが場を収め、式典が台無しになるような事態に発展することは避けられたようだが……。

 

「いつ襲ってくるか分からない敵、から気に食わない隣人程度の間柄になる。それが目指すべきところですし、それ以上は必要ないとも言えます」

 

「少なくとも公的にやるべきではないでしょうね。反発が大きくなるばかりです。私的な交流はあるようですから、そちらに任せる形が良いでしょう」

 

 ゲヘナとトリニティの確執は根深く、容易に解決できるものではない。今回の条約はあくまでも致命的な事態は防ごうというだけのもの。

 

「式典が終われば、ともかくも一歩前進。何事もないことを願うばかりです……」

 

「こちらの諜報網にも、特に大きな動きはかかっていません。ゲヘナが警備やその予備として動員した兵力が少々過大とは思いますが……まあ会場がトリニティ側ということを考えれば不自然という程ではないでしょう」

 

 ニトの思っている通り、トリニティ側からは、ゲヘナ全体の動きとしてエデン条約を成功させようとしているように見えていた。

 

 トップの思惑を直近の部下まで把握していないどころか真逆の考えだと認識しているとは夢にも思っていない。普通はそんなことは有り得ないのだから当然と言えば当然であるが……。

 

「パワーバランスの変化を恐れる他校がテロを行う可能性もありますが……これだけの兵力が集まっている中、事を起こすのは不可能に近い。最大の懸念であるアリウス分校も、このようなタイミングで愚かな真似はしないでしょう」

 

 単純にメリットが無い、とナギサは考える。仮にゲヘナと組んでトリニティを制圧するつもりだとしても、ならばクーデターの時点で戦争に持ち込まずに撤退した意味が分からない。

 

 少なくとも向こうは戦争を望んでいないはず。だからこそ、ゲヘナと通じていることを危惧しながらも条約締結に関してはアリウスが動くようなことはあるまいとナギサは判断していた。

 

「どうせなら、アリウスも含めてエデン条約を結ぶべきだったのかもしれませんね。奇しくも舞台は第一回公会議を行った“通功の古聖堂”……かつて、アリウスを追放して統合を成した場なのですから」

 

 思わず口にしてしまう。あらゆるリスクを考慮するととてもではないが、実行するなど出来やしなかった案。ティーパーティーとしての立場や現在の状況等を度外視すれば個人的には一番そうあってほしいと望んでいた。

 

 今は軟禁されている幼馴染みの話をもっと早くに聞いていれば、そんな未來も有り得たのだろうか。

 

「……少し、気負いすぎているようですね。ナギサさん」

 

「ええ。そうかもしれません……まあ、自業自得なので大丈夫ですよ。私は成すべきことを成すまで」

 

 紅茶を少し口に含みナギサは息を吐く。

 

 以前のように必死になり過ぎるあまりに周囲のことが見えなくなるような盲目さは無いものの、やり遂げねばならぬという固い意志は、変わらずそこにあった。

 

 死んだと思っていた友人は生きていた。当時は彼女の遺したモノを継いで成さねばと思っていたが、それが無くともエデン条約締結は平和の架け橋──とまでとは行かずとも、そこへの確かな一歩に繋がる。

 

 少なくともナギサは、そう信じていた。

 

「……確かに現状あなたしかトリニティを率いる者は居ないのでしょう。ですが、シスターフッドは変わりました。補佐をすると言った言葉に嘘はありません。エデン条約も、アリウスの件も、共に協力し合いましょう」

 

 サクラコは、シスターフッドの長として組織の内部統制、そして伝統的に情報の扱いに関しては自負がある。しかし、政治・外交となると少々、足りない部分が多いということは自覚していた。

 

 百合園セイアが復帰する目処も立っておらず、聖園ミカが軟禁されているためナギサが孤軍奮闘しているのが現状であり、今のところ彼女の代わりとなる者は存在していない。

 

 故に、ナギサが気を張るのは当然であり、その覚悟は尊ぶべきものである。だからこそ、サクラコはそれを支えてやりたいと心から思っていた。

 

「……ありがとうございます。サクラコさん」

 

 ナギサは素直に礼を言う。長きに渡った不干渉主義から転換したシスターフッドの長……以前は何を企んでいるのか分からず、警戒していたが、今はただそこに善意があることを理解している。

 

 権謀術数渦巻くトリニティの二大組織のトップ達。それが対峙し、語らっている様に周りからは腹黒い陰謀やら策謀やらを巡らせているに違いないと誤認されていたが、実際のところはただただ無事式典を終えることしか考えていなかった。

 

 二人がそう微笑む中、正義実現委員会の生徒がビクビクしながら入ってきて報告する。

 

 内容は、ゲヘナ学園風紀委員長空崎ヒナが到着した、というものであった。

 

「ヒナさんが……では、ご挨拶に向かわないといけませんね」

 

 キヴォトス最強とも噂される武力を持つ人物。それでいて精神面もナギサから見ても人格者と言う他無く、エデン条約推進のゲヘナ側中心人物であり、代えが利かないという意味ではこれ以上の存在もないだろう。

 

 対外的には実質ゲヘナトップといっても過言ではなく、ナギサも幾度となく協議を重ね、警戒と脅威は当然持ちつつも信頼する相手であった。

 

「では、私も……あら?」

 

「どうかしましたか?」

 

 テーブルを離れ、ゲヘナ側の控室に向かおうとした二人が立ち止まる。

 

「なにか、奇妙な音が……」

 

 トリニティ、延いてはキヴォトス全体の平和と安定を願う彼女達の思いを嘲るように。

 

 ──赤い影が、嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 流れ星? 

 

 昼間なのに、誰かがそう誤認する。

 

 飛行機雲にも似た白い煙を青空へと描きながら、“ソレ”は超高速で飛翔していた。

 

 目指す先は、調印式会場。

 

 一発の“巡航ミサイル”は、まるで幽霊のようにありとあらゆる対空防衛網をすり抜け、古聖堂へと着弾──。

 

『お、来たか』

 

 ──することはなかった。

 

 突如として巡航ミサイルは途中で何かに行く手を阻まれるかのように減速していく。

 

 そして、その速度が半分にまで下回った次の瞬間、その場で爆散する。

 

『流石だな、オシリス』

 

「………………」

 

『ご苦労。次の任務へとあたれ』

 

 数㎞は離れた高層ビルの屋上にて。

 

 高射砲をそのまま手持ち型にしたような、巨大な対物ライフル……辛うじてそう形容出来るような形をした武装が存在していた。

 

 その“砲門”から放たれた特殊榴弾は、寸分狂わずに巡航ミサイルへと命中。高濃度の“神秘”を纏ったそれはたった一発でミサイルの装甲を破壊し、機能停止してみせた。

 

 恐るべきステルス性を誇る巡航ミサイル。通常の撃墜システムによる熱源追尾は対策されているであろうと判断し、故に誘導弾による撃墜ではなく、()()()()()()という馬鹿げた手段を用いたのだ。

 

 幸運にも、それが可能な戦力をアリウスは有していた。

 

「………………」

 

 そんな誰しもが称えるであろう神業を成してみせた冥府の神の名を与えられし女は、しかしいつもと変わらず淡々と、何も思うことなくこの場を後にする。

 

 かくして、今の今まで潜んできた悪意ある者(ベアトリーチェ)による思惑は気付かれることなく阻まれる結果となった。巡航ミサイルにより古聖堂が破壊され、火と灰に染まるという本来辿るはずだった道筋から外れていく。

 

 しかし、これは()()()()()()()()

 

 まだ運命を変えるには至らない些事。夢の中で百合園セイアが言っていたように、過程が変わろうとも辿り着く結末は──。

 

『──作戦開始』

 

 スイッチを押すのは、我々だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 シャーレの先生は困惑していた。

 

 調印式が始まるまで、シスターフッドの若葉ヒナタから古聖堂の案内をしてもらっている最中、それは起きる。

 

 始まりは、一発の銃声。

 

 華々しく幕を開けようとしていたその式典は、それだけで瞬く間に静まり返り、そして次の瞬間には火薬庫が引火したかの如く地獄と化す。

 

「誰が撃ったっ!?」

 

「ゲヘナの方から聴こえたぞッ!?」

 

「いやトリニティじゃないか……!?」

 

「み、皆さん、落ち着いて──」

 

「やっぱり条約なんて結ぶ気など無かったのですね! この野蛮人共!」

 

「んだとこのトリカスがァ!」

 

 誰が撃ったのか、どっちが撃ったのか、そんな言い争いと共に、まるで石を投げ入れられた水面のように混乱が波紋し、場は一気にパニックに陥る。

 

 このままではまずいと慌てて比較的落ち着いた者達は騒動を諌めようとし──。

 

 ──パン!! 

 

 再び、渇いた音が響く。今度はトリニティ側の方から。

 

「痛っ……撃たれた! 撃たれたぞ!」

 

「糞が! 本当に撃って来やがった!」

 

 ──パン!! 

 

「撃ち返して来ましたわ!?」

 

「やっぱりゲヘナは──」

 

「というか、こっちから聴こえてきた銃声は一体?」

 

 ──パン!! 

 

「貴様、何故撃った!?」

 

「だって撃たれたんだから当然でしょ!?」

 

「落ち着け! 何かおかしい!」

 

 ──パン!! 

 

『おっとぉ!? 何が起きているのでしょうか!? 現場は大混乱です! これは一大スクープですよ! カメラを止めずに!』

 

 ──パン!! 

 

「やっぱり罠だったんですわ!」

 

「ゲヘナによる騙し討ち! ミカ様の言う通り──」

 

 ──パン!! 

 

「皆、落ち着いて」

 

「委員長、ですが……!」

 

「まずは事態の収束が先決。誰がどういった思惑でやったのかはその後で──」

 

 ──パン!! 

 

「あなた、いくら撃たれたからと……あなた、誰ですの? 見ない顔ですが──」

 

 ──パン!! 

 

 ──パン!! 

 

 ──パン!! 

 

 ──パン!! 

 

 ──パン!! 

 

 ──パン!! 

 

 銃声が鳴り止まない。

 

 怒号と悲鳴が交互に響き渡り、正しく阿鼻叫喚。皆が混乱し、銃を構え、和平条約の調印式から一転して、そこは銃撃戦が繰り広げられる戦場へと様変わりしてしまう。

 

 もはや誰の言葉も耳に入らない。皆が敵から攻撃を受けていると認識し、その事実は揺るがぬものであったのだから。

 

「“一体、何が──”」

 

「先生! ここは危険です! 避難を──」

 

 ヒナタが守るように先生の前へと立った次の瞬間、銃声と喧騒を掻き消すように轟音が響き、吹き上がるような風圧が二人に襲い掛かる。

 

 古聖堂の入口近くの壁、その一画が爆発したのだ。

 

「な、何で──? 爆発物の有無は確認したはず。あそこだって何度も点検したのに──」

 

 それを見た正義実現委員会の一人が叫ぶ。そもそも入口付近という目立つ箇所に爆弾が仕掛けられていれば、気が付かないはずがない。

 

 一体どうやって? 訳が分からず、然れどもその思考は続かなかった。

 

 先程の銃声と同じように爆発音は尚も止まらず、連鎖するように次々と、壁が、床が、天井が、爆発していき、古聖堂の歴史的な内装を悉く破壊していったが故に。

 

 当然そうなれば、古聖堂そのものが崩落する。混乱するゲヘナ生とトリニティ生達へと大量の瓦礫が降り注いだ。

 

「先生──!?」

 

 シャーレの先生も例外ではなく、崩落に巻き込まれてしまう。

 

 寸前で“シッテムの箱”が起動するも、ただの人間である彼は為す術無く冷たい床に体を叩き付けられる衝撃と共に視界が暗転し、意識を手放す。

 

「──楽園から来た娘よ、私達は踏みいる、炎に酔いしれて」

 

 消え入るその瞬間、歌声が耳に響く。

 

 この日、トリニティ統合から現在に至るまで存在し続けた歴史ある通功の古聖堂は、キヴォトスの地図上から消失するのだった。

 

「──ニトちゃん?」

 

 形ばかりの独房にて。その映像を観て、何も知らない少女は言葉を失う。

 

「キキッ、素晴らしい! 流石だ、我が盟友よ!」

 

 一方、飛行船からその光景を見下ろす議長は、子供のようにはしゃいで歓喜する。

 

「ふむ……阻まれましたか。それでこそ、と言うべきでしょうか? 忌々しき小娘、我が怨敵」

 

 ここではないどこか。赤い影は、その結果を前に僅かに顔をしかめつつも、特段気にすることなく次なる一手を打たんと動く。

 

「始まったか、こちらも始めるとしよう。ロイヤル・ブラッドの娘よ」

 

「………………」

 

 ──そして、“儀式”は始まる。

 

 火と灰に染まる日。これから起こることに、キヴォトス全体が震撼することになるだろう。




最初はめっちゃ対ミサイル装備どうしようか悩んでたけどよくよく考えたら神秘パワー的なのでなんでも解決するわってなった。

神秘最高! 神秘最高!
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