三日後、エルドラド城のコロッセオにて……
蒼也「ただいまより、十六夜煉少将と天上の五騎士が1人「ジブリール」の模擬戦を始めます。ルールは1VS1の一本勝負。どちらかが先に死亡した時点で終了とします。それでは両者、準備を」
中央に立っていた蒼也がルール説明を行なっていた。
煉「全く、大牙の側について初の戦う相手がまさか仲間とは思わなかったぜ」
ジブリール「ええ、ですが私も負けるつもりはございませんので。お覚悟を、魔王にして神ディザスター、十六夜煉?」
そう言い合った後、煉はフェイタルを、ジブリールは魔力で生成した鎌を構えていた。
蒼也「それでは……始め!」
そう言って蒼也が大牙の隣へ転移した直後……
煉&ジブリール「ハアァァァァッ!」
互いに接近して武器をぶつけ合い、その衝撃で爆風と煙が起きた。
煉「オラァッ!」
そこから出てきた煉が炎を纏った龍の形をした斬撃を放ち未だ煙の中にいたジブリールを攻撃した、だが……
ジブリール「聞きしに勝るとはまさにこの事、さすがでございますね」
爆風と煙が晴れると結界を展開し、攻撃を防いだジブリールの姿があった。
煉「(あれは、九遠第四加護(クー・リ・アンセ)か。知識としては知っていたが実物を見るのは初めてだな。原作だと水爆さえも簡単に防ぐことも可能な防御力があるが、それが大牙の使徒になった事で強化されたことで俺の斬撃を防いだか…….)」
ジブリール「今度はこちらから行かせてもらいます」
そう言ったジブリールは無数の魔法陣を展開しながら飛翔、大量の攻撃魔法を放ちながら煉へ接近していた。
……
一方観客席側では……
大牙「……」ズズッ
蒼也が入れた紅茶を飲み、戦いを見守る大牙の姿があった。
拓斗「大牙。この戦い、君はどっちが勝つと思う?」
大牙「答える前に逆に問うが拓斗、お前はどちらが勝つと思う?」
拓斗「僕はジブリールさんかな、アレでも天上の五騎士の1人だしね。それに大牙、まだジブリールさんへの力の供給と恩恵は止めてないんでしょ?」
大牙「まぁな、一応はまだ五騎士の座に居るわけだしな。さて拓斗、お前の問いに答えよう。この戦い、煉が勝つ」
拓斗「へぇ〜、それはどうしてだい?」
大牙「アイツはここに来て数日だが、今までと比べ物にならないくらいに更なる高みへ至っている。それにな……」
拓斗「それに?」
大牙「アイツは今この戦いを以て新たな力を手に進化する、それこそ俺の持つ覇王の力と肩を並べられるくらいにな」
そう言って楽しげに微笑む大牙を見た拓斗は、
拓斗「……なんだって?」
と驚愕の表情をしていた。
……
Ren’s view
アレから俺はジブリールの奴と戦い続けていた、互いに接近してフェイタルと奴の鎌がぶつかり合い、離れては魔法や魔術の応酬をしたりとな。だが……
煉「(ああクソッ、聞きしに勝る化け物っぷりとは正にこの事だな……)」
流石に長時間戦い続けていたせいで、徐々にだが体力が減ってきていた。
だが、ジブリールの方を見るとほとんど減っていないように見えていた。いや……
煉「(五騎士の特徴の一つである、大牙からの力の供給か、それで体力が減っても即時回復できんのか。それに)」
ジブリール「ハァッ!」
ジブリールの振り下ろした鎌をフェイタルで受け止めた。
煉「(あの時の戦いの後で天渡から聞いた時よりも強えし出力が段違いだ。おそらくこれが奴の本来の力か。このレベルがあと4人もいんのか、本当にバケモノ揃いだな天上の五騎士ってやつは!)」
そう思いながら、俺はジブリールから距離を取った。
戦況的に太陽神も月女神の力も使えねぇし、ライダーの力はジェイルに預けてる……でも!
煉「俺自身、この戦いの勝ち負けなんざどうでもいいが。それでも、負ける理由にはならねぇよなぁ!」
そう言い、俺はフェイタルに煉獄の炎を纏わせて薙ぎ払い、同時に炎で作り出した分身と同時攻撃を叩き込み、そして爆発が起きた。
煉「(思っちゃいねぇが、これでいけるわけ……)」
そう思っていると……
ジブリール「……お見事。マスター、そして私と同じ五騎士以外で本気の私相手にここまで戦えたのは貴方様が初めてでございます」
爆風を鎌で薙ぎ払い、無傷のジブリールが出てきた。
煉「ねぇよなぁ……」
ジブリール「それにお応えして、次で終わらせて差し上げましょう」
そう言い、ジブリールは天へ飛翔し、力を収束させていた。
煉「(あれは……天撃か!)」
ジブリール「これで、終わりでございます!」
そう言い、ジブリールは俺に向けて天撃を放ち、爆発が起きた。
……
暗い、暗い、視界の全てが真っ黒な場所に、俺は立っていた。
煉「負けたのか、俺は……」
そうか……悔しいけど勝ち負けはどうでも良かったし、別に……
煉「いや、まだだ……」
そうだ、まだだ。
ルールは死んだら負け。ならまだ死んでねぇ、負けてねぇ!
このままで良いのか?
良くねえだろ!
俺はもう二度とあいつを……奏を失わないと誓ったんだ、なら……
煉「こんな所で、負けられるかぁッ!」
……
Another view
ジブリール「私の勝ち……でございますね」
煉に向けて天撃を放ち、爆風に包まれる着弾地点を見つめながらジブリールは呟いていた。
ジブリール「蒼也さん、決着は着きましたので勝敗を──」
そう言ってジブリールが蒼也の方へ向いて声をかけた瞬間、
煉「いいや、まだだ」
ジブリール「!?」
煉の声が聞こえ、驚いたジブリールが振り向いた先には……
煉「あっぶねぇ、危うく負ける所だった……」
無傷な煉の姿があった。
ジブリール「……マジでございます?」
煉「大マジ、元気ピンピンだよ」
ジブリール「一体何故でございますか、天撃は間違いなく直撃したはず……それなのに」
煉「確かに間違いなく直撃したさ。そのせいで危うく死にかけたけどな」
ジブリール「では、なぜ……」
煉「さぁな、俺にも負けたくないって気持ちがあったんだろうよ」
煉は頭を掻きながらそう言った。
煉「さあて、ここから反撃、そして逆転してやるよ」
ジブリール「逆転、ですと?」
煉「ああ。これまで積み重ねて来たもの総て、焼べて今こそ俺は生まれ変わる。奴の……神の息子としての俺じゃない、真の意味で人としての俺に『十六夜煉』に!」
煉がそう言い、左手を天に掲げると煉を中心にして炎が燃え広がり、煉が炎で出来た球体に包まれた。
すると煉の全身が炎に包まれ、漆黒の鎧に内側が紅い漆黒のマントを纏ったまさしく魔王とも言うべき姿になり、左手に漆黒の大剣を、右手に真紅の刃を持つ大太刀を持ち、
煉「ハァッ!」
自身を包んでいた炎の球体を切り裂いた。
煉『限界突破(リミットオーバードライヴ)、災禍齎す真紅の煉獄魔王(クリムゾンカラミティ・インフェルノディザスター)!』
その姿を見た大牙は、
大牙「ハッピーバースディ!おめでとう、煉。そしてようこそ、
と楽しそうな笑みを浮かべて祝福していた。
……
それからと言うもの……
煉「ハアアアアッ!」
ジブリール「ッ!」
戦況は逆転し、ジブリールは煉に押されていった。
ジブリール「(一体何でございますか!あの力は!)」
煉獄魔王の力を覚醒させた煉の姿を見たジブリールは驚愕していた。
ジブリール「(あの力、マスターの覇王の力と同等……だとするとかなり厄介でございますね)」
煉「考え事してる場合かぁッ!」
そういい、煉は右手に持った真紅の大太刀『魔王刀真紅』に煉獄の炎を纏わせ、龍の形をした斬撃を放った。
ジブリール「っ!『九遠第四加護』!』
ジブリールは九遠第四加護で煉の斬撃を防御したが……
ジブリール「──っ!何ですって!?」
九遠第四加護の防御が破壊されて攻撃が直撃した。
ジブリール「きゃああっ!」
攻撃が直撃したジブリールは地面に墜落した。
ジブリール「一体……何故、『絶対防御の盾』たる『九遠第四加護』を破るなんて……」
煉「『魔王刀真紅』。こいつには森羅万象、あらゆるものを断つ力がある。その力を使って破ったまでだ」
ジブリール「マスターの概念破壊と似た力、成程。確かにこれは厄介でございます、ね!」
そう言ってジブリールは距離を取り、再び飛翔した。
ジブリール「ならば私も、本気も本気、全力で行かせてもらいます」
そう言い、ジブリールは右手を天に掲げると、その手に光が収束し一本の剣が現れた。
煉「それは……」
ジブリール「これは《
そう言うとジブリールは煉に接近して斬りかかり、それを煉は真紅で受け止めた。
煉「グッ……なるほど、アイツが創るだけはある、な!(ここは一度距離を取るか)」
そう思い、煉がジブリールから距離を取るが。
ジブリール「無駄でございます!」
そう言い、ジブリールが煉に向けて神滅の闇夜剣を振ると、刃が等間隔に分裂し、鞭のように煉に襲いかかった。
煉「ッ!蛇腹剣か!」
そう言い、煉は真紅で対処するが、絡め取られ、真紅が地面に落ちた。
煉「しまった!」
ジブリール「ハァッ!」
煉「グゥッ!」
そしてジブリールの神滅の闇夜剣が煉を切り裂いた。
ジブリール「超星神装にはそれぞれ能力がありまして、この剣には神殺しが備わっております。神性を持つあなたには相当のダメージがー──!?」
ジブリールが余裕そうに説明をし、煉を見て驚いた、そう。
ジブリール「神殺しが、効いていない……」
確かに煉にダメージは入った、しかしそれは武器の攻撃としてであり、神殺し能力によるダメージは入っていなかった。
煉「言っただろ?【人としての俺】に生まれ変わるって」
ジブリール「まさか……あなた!?」
煉「その通りだ、今の俺に神性はねぇ。1人の人間としての十六夜煉に生まれ変わったんだからな!」
観客席にて……
大牙「ククク、アハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!マジだ!今の煉から神の気配が感じねぇ。あの野郎、マジで神性捨てやがった!」
拓斗「マジか……つまりジブリールさんの神滅の闇夜剣は今や超強いただの蛇腹剣でしかないってことか」
大牙「さて、煉が神であることを捨て、人間として生まれ変わったわけだが……これをお前はどう見る、カール?反抗期か、それとも巣立ちか……」
そう言い、大牙は天を見上げていた。
……
煉「オルァッ!」
ジブリール「キャアアッ!」
神滅の闇夜剣の神殺しが効かないことに動揺したジブリールの隙をつき、煉が再びジブリールを押していった。
煉「これで終わらせる!」
そう言い、左手に持った漆黒の大剣『魔王剣煉獄』に太陽の力を、右手の魔王刀真紅に月の力を集束させ、
煉『魔王陽覇斬!月覇魔王斬り!』
同時に振り抜いた。
ジブリール「グッ!キャアァッ!」
煉「も一つおまけだ!」
そう言い、煉は煉獄と真紅を一つにして一つの巨大な紅黒い剣を生み出した。
そして……
煉『終滅もたらす災禍の絶殺剣(ジェノサイド・ドゥームズ・ディザスター)!』
その掛け声と共に振り下ろされた。
ジブリール「お見事……あなたの勝利です。十六夜煉」
そう言い、ジブリールは攻撃を受け入れ、大爆発が起きた。
煙が晴れると、膝をついて肩で息をする煉と、地面に倒れ伏しているジブリールの姿があった。
蒼也「
煉「あ゛ぁ〜疲れた……」
そう言い、煉は大の字で仰向けの倒れた。
大牙「お疲れさん、煉」
そこに、観客席からフィールドに降りてきた大牙が近づいて声をかけた。
大牙「まさか、本気のジブリールに勝つなんてな。お前が勝つとは思ってたがマジで勝つとはな……」
煉「まあ、な……」
大牙「フッ。さて、そろそろ起きろよ、ジブリール」
そう言うと、ジブリールの全身を覆うように血の如き紅い結晶が発生し、それが砕けると……
ジブリール「申し訳ございません、マスター……」
復活し、大牙に跪くジブリールの姿があった。
大牙「我が軍の模範となるべき天上の五騎士であるお前が軍規違反を起こし、あまつさえ勝負にも負けた。その意味、わかってるな?」
ジブリール「はい、罰は如何様にも」
大牙「ならば先刻いった通り。ジブリール、お前を天上の五騎士の座から追放、並びに一番下の髑髏まで格下げな。下積みからやり直せ」
ジブリール「イエス・マイマスター」
そう言うとコロッセオのフィールドからジブリールの姿が消えた。
大牙「さて、アイツが抜けた代わりを探さないとな」
蒼也「ですね」
大牙「拓斗、これから今後の方針を考えないといけないから、煉を医務室まで連れて言ってくれるか?」
拓斗「はいはい、任せて」
大牙「助かる、行くぞ蒼也」
蒼也「はい」
そう言い、大牙と蒼也はコロッセオを後にした。
拓斗「立てるかい?」
煉「ああ、助かる」
煉は拓斗が差し伸べた手を掴み、立ち上がった。
【限界突破・災禍齎す真紅の煉獄魔王(リミットオーバードライヴ・クリムゾンカラミティ・インフェルノディザスター)】
十六夜煉が自身の限界を超えて、進化(もしくは新生とも言う)したことで得た新たな力でこの力を使う際の煉は漆黒の鎧に内側が紅い漆黒のマントを纏ったまさしく魔王とも言うべき姿になる。
魔王剣煉獄と呼ばれる漆黒の大剣と魔王刀真紅と呼ばれる長刀を武器にして戦い、その力は覇王を使用した大牙に匹敵し、裁希や王牙は愚か、アベンチュリンや純牙ですら歯が立たず、一方的に蹂躙できる。
大牙曰く、その力は「今現時点で出せる全ての力を解放した全力の俺に匹敵するレベル」とか。
魔王剣煉獄
災禍齎す真紅の煉獄魔王の力をを得た時に新たに得た漆黒の大剣。
大剣という大質量と刃に纏わせた煉獄の炎をもって圧倒的攻撃力を叩きつけるほか、盾としても使える。
魔王刀真紅
災禍齎す真紅の煉獄魔王の力をを得た時に新たに得た名の通り真紅の長刀。
あらゆるものを断つ力を持つ。