透き通る世界で曇らせを楽しむ予定の転生者です   作:コンソメ

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第10話

490:イッチです

すまん、セリナからの鬼電が止まらないから対処してた。

 

491:名無しのパンピー転生者

やはり首締めは至高。ワカラセで抜け

 

492:名無しのパンピー転生者

ロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリ

 

493:名無しのパンピー転生者

緊縛を推せ、監禁しろ

 

494:名無しのパンピー転生者

催眠は抜けない

 

495:名無しのパンピー転生者

可哀想なのは使えない

 

496:名無しのパンピー転生者

は?アンチか

 

497:イッチです

性癖を開示する流れか?可哀相は可愛い!!!!!あ゛ー曇れー

 

498:名無しのパンピー転生者

やばいの来た

 

499:名無しのパンピー転生者

イッチ

 

500:イッチです

セリナに生存報告と口止めしてきた。いつ介入しようかな。しばらく様子を見るけど。

 

501:名無しのパンピー転生者

部屋に捜査は入ったん?

 

502:イッチです

入ってました(白目)

ただ入ってすぐに引き返していったらしい。

ワイのお友達からの報告だと。

ティーパーティーが介入したんだろうね。この件は隠さないとだし。

すまない、ナギサ。

 

503:名無しのパンピー転生者

お友達ってイッチの信者か

 

504:名無しのパンピー転生者

転生特典によるカリスマってやつっすね

 

505:名無しのパンピー転生者

イッチの性癖が知られたってこと?

 

506:名無しのパンピー転生者

イッチ、薬のゴミを見られたのでは?

 

507:名無しのパンピー転生者

何で謝ってるの?

 

508:イッチです

セイアとワイが同時にダウンしたじゃん?で、ナギサがホストになったからナギサがワイらをやったんだろ派と犯人はゲヘナだろ戦争だッ派で爆発しかけている。ついでにナギサの胃が爆発しそう。二人とも入院扱いだから大騒ぎよ

 

509:名無しのパンピー転生者

これはトリカス

 

510:名無しのパンピー転生者

まあそうなりますよね

 

511:名無しのパンピー転生者

哀れナギサは爆発四散

 

512:名無しのパンピー転生者

イッチの部屋ってアンプルを保管していた気がするんだけど?

 

 

 

 

 

合宿を行うため、トリニティの別館を訪れた補習授業部一同。到着直後からバタバタの彼女たちだったが、何はともあれまずは掃除から始めようということになる。一通りの掃除を終えた後、ハナコがプールを掃除して水遊びをしようと提案する。びしょびしょに濡れながら全員でプール掃除を始めるのだった。

 

プール掃除終了後、全員が寝静まった夜、一人の少女が現れた。早朝ということもあり、そこには静寂があった。靴の底が擦れる音が響く。

 

少女は僅かに目を細めて、内に溜まった感情を吐き出すかのように溜息を吐いた。そして、笑みを貼り付ける。

 

「やっほー☆こんにちは、先生」

 

「こんにちは、ミカ」

 

ティーパーティーの聖園ミカである。

 

「にしてもナギちゃん、ずいぶん入れ込んでるみたいだねー。こんな施設まで貸し出しちゃって」

 

5人の一般生徒のために別館を丸々用意するのだから、補習授業のためとすると傍目から見ればちょっとやりすぎかもしれない。

 

実際は容疑者の監視のために必要な設備なのだが。

 

「合宿の方はどう?遠いのを良いことに、何か楽しそうなことしてたりしない?例えばみんな水着でプールパーティーとか!」

 

「楽しかったよ」

 

「え?あ、ホントにやったんだ」

 

困惑するミカを置いて問いかける。

 

「ところでミカは何をしに来たの?」

 

「………ああ、うん。一応真面目な話しにきたんだった☆じゃあ本題に入るね?」

 

「……『トリニティの裏切り者』の話?」

 

「そっちから切り出してくれるんだ………ナギちゃんから聞いたのかな?探してほしいって………その顔を見ると情報もなしに本当にそれだけ伝えられたって感じだね。ナギちゃんも酷なんだから………」

 

「まあ、その提案は、断ったけどね」

 

「ふーん、そうなんだ?生徒を疑いたくない?」

 

「それもあるけど………私がやることでもないかなって」

 

そう言って小さく微笑む彼にこれが先生かーと心の中で勝手に納得し、ミカは話を続けた。

 

「………確かに、先生は『シャーレ』の先生だもん、そりゃわざわざトリニティの問題に首を突っ込むこともないよね!だとすれば、先生はなんでここにいるの?補習授業部もトリニティの問題じゃない?」

 

「?成績の悪い生徒を放っておけないのは当たり前だよ?私はトリニティの問題にはノータッチだけど生徒の問題には躊躇いなく首を突っ込むよ。全ての生徒の『先生』だからね」

 

「うわぁ………思ったよりも『先生』っぽい答えだぁ………待って、っていうことはさ、私も一応生徒なんだけど、じゃあ先生は………」

 

「え?もちろんミカの味方でもあるよ?」

 

「………わーお」

 

少しはにかみながら問いかけたミカに対して、即答した先生。彼女はふと銀髪の少女を思い出した。

 

「私も一応ティーパーティーの人間だから社交辞令とかも知ってるんだけど、今はその言葉、有り難く受け取っとくねー」

 

「生徒にそんなことは言わないよ」

 

「そっかぁ………でもこのまま私が受け取るだけっていうのもアレだし…そうだ!先生にお返ししてあげる!」

 

「お返し?」

 

「そう、トリニティの裏切り者が誰なのか、教えてあげるよ」

 

二人の間の空気が一気に張り詰める。沈黙が降り、夏だというのに寒いとすら感じた。

 

「……ミカは知ってるんだ」

 

「うん。知ってるよ。でもナギちゃんは分からないかなぁ。シオンちゃんなら気づくんじゃないかな?」

 

そして僅か数秒の間を挟んで彼女は答えた。

 

「……ナギちゃんは意地っ張りだよね。最初からこうやって先生に協力してもらえばすぐ終わるのに?まあ今は仕方ないか」

 

「私に?」

 

「そう。だって補習授業部の顧問として先生を呼んだのも私だもん」

 

「………!」

 

適当な会話で時間を繋ぎつつ、ミカは少し目をつぶってもう一度考えた。本当に、伝えてしまってもよいだろうか。迷いが決意を鈍らせる。先生が知ったところで大して状況は変わらない。そう言い聞かせて、彼女は答えを放した。

 

「話が逸れたね。トリニティの裏切り者……それは、白洲アズサ。ずーっと前、トリニティが出来た時にはじき出されたはぐれもの、『アリウス分校』の生徒……生徒って言って良いのかな?学びがない子達を生徒って言うのかは分からないけど……。とにかく、彼女はそこからの転校生兼スパイ」

 

「アズサが………。そう、で、それを私に伝えてどうしたいの?」

 

「……先生、すごい肝が据わってるんだね。……うん、端的に言うね」

 

ミカは、先生の目を見つめて言った。

 

「あの子を、守ってほしいの」

 

先生は驚愕で目を見開き、問い返した。

 

「……裏切り者なのに守ってほしいの?」

 

「ごめんね、少し単刀直入すぎたかも。ナギちゃん余計なおしゃべり付き合ってくれなくてさ。……そうだね。一回全部最初から説明してあげるよ」

 

「そうしてくれると嬉しいな」

 

「うん!頑張るね!」

 

そう言って、ミカはトリニティ総合学園の成り立ちからつらつらと語り始めた。

 

大昔、トリニティ自治区には幾つもの学園がひしめいており、散発していた学校間での紛争を避けるべく、各校代表が会談を行うために設けられた場を「ティーパーティー」と呼んだこと。

各学園は「第一回公会議」における合意を以って、「パテル」「フィリウス」「サンクトゥス」という3つの主要な学園を中心とした連合を形成したこと。トリニティ総合学園という一つの学校へと統合していくこととなる。

 

この時、統合に反対の立場をとったアリウス分派は連合となったトリニティから迫害を受け、本来の自治区からも追放。キヴォトスの表舞台から姿を消したこと。歴史を語り、こう締めくくった。

 

「私はね、アズサちゃんには『和解の象徴』になって欲しいんだー」

 

先生は与えられた情報を繋ぎ合わせて、疑問を抽出した。

 

「疑問が二つある。まず君が語るシオンは何者?」

 

シオンという名前に先生は聞き覚えがある。ストレイヤーのリーダー。彼女のことを見てホシノがその名前を呟いたのだ。小声だったため確証こそないが、おそらくリーダーの名前はシオンであり、妙にその名が気になっていた。しかし、ミカの反応を見て先生は息を呑むことになる。

 

「シオンちゃん?シオンちゃんは………」

 

ミカの表情が一瞬歪む。声が震え、瞳孔が開いている。

 

「シオンちゃんはね、2年生の中でもすごく有名な子でね?意外とアクセサリーとかも好きで、頭も良くてでも私が言うこともわかってくれて………。シオンちゃんは優秀なんだー。今のティーパーティーじゃなくてシオンちゃんの統治を望む声があるくらい………本当にできた後輩なんだよ………だから、えーっと。なんだっけ?あ、シオンちゃんは取り合えず期待の2年生なんだよ」

 

百面相をする少女に危うさを感じたが、すぐに冷静になったミカを問い詰める気にならなかった。

 

「………ホストはセイアなんだよね?彼女はどうしたの」

 

「セイアちゃん、身体が弱くてね。今入院中だからみんな巻き込みたくないんだよ」

 

「本当に、それだけ?」

 

「……これ以上を話すと、私が引き返せなくなっちゃう。ましてやこれを聞いた先生に裏切られたら一巻の終わり……それでも知りたいの?」

 

「聞かせてほしいな」

 

「……そんな目で言われたら断れないよ……いいよ、先生は私の味方でもあるんだもんね」

 

ミカは目を閉じ、息を止めて気持ちを整理した。それでも吐き気がする。だけど、もう戻れない。戻れない場所に来たんだ。胸の中で何度も呟いて、ようやく覚悟を決める。

 

「……セイアちゃんはね、ヘイローを、壊されたんだ」

 

「っ?!」

 

「……数週間前、セイアちゃんはヘイローを破壊された状態で見つかったの。私達ティーパーティーの外には「入院中」として伏せられてるけどね。シオンちゃんは行方不明、これは正義実現委員会の一部は知ってる……もしかしたら、シスターフッドも知ってるかなぁ。あそこは何もかもが未知数だから。……とにかくこれは今トリニティにおける最高機密」

 

「……犯人は」

 

「うん、分かってない。というか何も手がかりが残ってないの。異常な情報網を持つシスターフッドを除けば……多分、まだ辿り着いてない。つまりはそういうこと。もしかしたら次に狙われるのはナギちゃんかも?」

 

「ミカ、君は………」

 

「なんてね。怖い話はここまで。後は先生に託すよ」

 

「ミカ。私は、生徒全ての味方だよ」

 

「…そう、じゃあ期待してるね」

 

 

 

 

先生と話し終えたミカは自室に帰宅し膝を突いた。肺が上下に掻き回される感覚に陥る。

 

空気が喉の隙間につまり、脳みそから酸素を奪っていく。頬の表面に、熱が集まり恐怖にも似た感情がじわりじわりと足の裏を蝕んでいる。

 

「私………どうしたらいいのかな…シオンちゃん………」

 

握りこんだ拳。そこに残るじくじくとした感覚を反芻しながら、聖園ミカは涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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