誤字報告感謝なのサ。
「やっぱり分かりません…何故あんなにも巨大な施設を建設したのか…」
密かに撮影した航空写真を見ながらアヤネは頭をかかえ言った。
「見た限り、採掘施設のようには見えないね」
「あの砂漠に資源なんてありません…そんな場所にPMC…何かと戦う気なのでしょうか」
「あんな軍隊が必要になる敵なんてアビドスにいる?まさか私達を潰すための戦力じゃないでしょうね…」
「悔しいですがカイザーが私達相手にあれほどの兵を運用するとは思えません…ヘルメット団や便利屋を差し向けてきた企業ですよ」
会議室に重苦しい空気が流れる。
行ってみたはいいものの何も進展しない状況はメンバーに焦りと苛立ちを感じていた。
「すまない、何かを得るために突っ込んだは良いものの…何も…」
「大丈夫ですよ先生!…というか先生の事の方が心配ですよ…!」
「そうよ!言われたい放題だったじゃない!」
「…大丈夫だ、何を言われたって問題ないさ…」
理事の見え見えの挑発に乗ってしまった自分が愚かで仕方ない…今までの修行はなんだったのか
「…もう一度、あの砂漠にいく…何をしているのかを調べる…装備を整えれば潜入だってできるハズ…」
ガタッとシロコが立ち上がる。
一人による襲撃作戦を宣言し出ていこうとした所、彼女の腕をノノミが掴み止めた。
「ダメですよシロコちゃん…!一人であんな大軍の相手なんて自殺行為です…!」
「でも…!」
「私が言える事ではないが…やめたまえ。もうすぐ日も暮れる、夜の砂漠は危険だ…冷えるぞ」
「…」
「先輩…」
皆でシロコの事をなだめると…ドアノブに触れていた腕を下ろし、ライフルを机に置いた。
思いとどまったようだが、悔しさをかみしめた表情はそのままだった。
「これ以上何をすればいいんでしょうか…」
やる事が無い。
良い事なのかもしれないが、逆に恐ろしいこの現状。
そんな中ずっと頬杖をつき黙っていたホシノが声を上げた。
「まぁまぁ無理して動くのもあれじゃないかな、どう?今日はおねんねして頭をスッキリさせたらどうかな?」
「ホシノ先輩…」
「それでいいよね、シロコちゃん」
「…先輩が…そう言うなら」
分かってくれたシロコの姿を見るや否や、立ち上がりパンっと手を叩いた。
「よしっ!今日はこれでおしまいね!一晩寝ればスッキリするよ。ほらほら先生もさぁ~いつものようにカッコよくいこうよ」
委員長命令…これを出されてはどうもできない。
「まさかホシノにそんな事を言われるなんてな…はぁ…そうだなそうしよう」
「そうねぇ、まぁ…そうねぇ」
「おじさん傷つくんだけど…」
「うんうん、また明日…元気で会えば何か浮かんできますよ!」
「そうですね、じゃあ今日は解散という事で」
「「「「はーい」」」」
気持ちを切り替える為に帰る事にした…私たちはまだ負けた訳じゃないが、休息が必要なのだ。
メタナイトも今日くらいは鍛錬を休もうかと思っていた時、シロコに呼ばれる。
「先生、その行く前に言ってた事なんだけど…」
「行く前に言っていた事…?あぁ」
なんのことだろうかと少し考え、思い出す。
ホシノの事で相談というか話があると言った事だったな。
「少し持ってくる物があるから隣の空き教室で待ってて」
「分かった」
「…」
言われた通りに待っている。
誰もいない無音の教室…ここもかつては賑わっていたのだろうか。
その場の端っこに置いてある机の上に立ち窓から景色を見る…少しは学生の気分になれるかと思いきやそんな事はなかった…そもそも学生の気分など私には分からん…学生なんてなった事はない…そう考えると私はどこで学をつけたのだろうか?昔すぎて覚えていないな。
「ふぅ…っ?!」
まぁたまにはぼーっとするも悪くないかもしれない…そんなとき寒気が頭に走る。
飛び跳ねる…とまではいかないが、少し驚きつつ振り向くとそこには2本のペットボトルを持ったシロコの姿があった。
「ふふ、いい反応」
「はぁ…ホシノといい君といい、どうやったらそんなに気配を消せるんだ」
「特に何もしてないけど?」
「…なら今のは私の注意不足か…」
「かも?」
そう笑いながらサイダーとお茶を差し出してきたので、ここは好意に甘えお茶を貰った。
冷たいが落ち着く味だ。
キヴォトスのペットボトル飲料は総じてクオリティが高い…が紅茶は実際に茶葉を使って淹れた方がおいしい気がする。
ごくごくごく
見られている…しっかりと見られている。
水槽の中の観賞魚になった気分だ…何か私の顔についているのか?いや顔は隠れてるか。
「…」
「シロコ?」
「ん?」
「見てて面白いか?」
「うん、どうして仮面外さないのかなって」
「外さないさ、なにがあろうとな」
「どうして?」
「……この仮面が私を強くするからだ」
「そっか」
グイッと彼女が顔を近づけてくる。
無理やり突き放すこともできない為、されるがままの状況だ。
喉も十分潤い、キャップを閉め容器をおいた。
「シロコよ…」
「何?先生」
「先ほどは醜い姿を見せてしまったな」
理事にかけられた言葉。
理性による制御が追いつかず剣をむけてしまった…あの状況がフラッシュバックする。
今言われたとしても何事もなく受け流せるだろうが…何故過剰に反応してしまったのだろうか。
「気にしてない…ってのは嘘、正直驚いたよ」
「すまない…」
「謝ることじゃない、誰だって
「そうか…」
彼女の慰めが心に刺さる。
『殺人者』あながち間違っていないのかもしない…私は…
「まぁ今はゆっくりした方がいいよ」
「そうだな」
しかし何故、理事はそんな事を言った?罵倒なら他にすぐ思いつくワードがあるはず、何故これほど正確に私の心を抉る言葉を選べたのか。
たまたまか…いや、そうか!奴はカイザー…ならばあの男とも繋がっている…奴が奴が吹き込んだのか…『殺人者』これほど奴に言われたくない言葉があるだろうか……
「はぁ…うまいな」
「ん」
落ち着け、メタナイトそうだ落ち着くんだ…二度も同じ過ちを犯す気か?ここで感情を暴走させれば奴の思うがままだ…落ち着け…
「先生、本当に大丈夫?」
「大丈夫…だがまだ修行が足りない…」
「休んだ方がいいとは思うけど止めはしないよ…うん、そっかじゃあ今度一緒にランニングに行こうよ、ざっと50キロ」
「桁、桁がおかしい気がするが…」
「本題に入りたいのだが、ホシノの事で話があるとかなんとか」
「覚えてたんだね。うん、先輩の事」
「シロコ?」
一瞬、彼女の顔に陰りが見えた気がする。
ブレザーの内ポケットから折り畳まれた一枚の紙を取り出し、手渡しくる。
なんの変哲もない紙だが、この中身によって重みが変わってくる…シロコ事をチラリと見ると、彼女は頷いた。
少し身構えつつ紙を開く。
書かれた文字の1番上の行…一文を見ただけでメタナイトは動揺し紙を落としかけた。
「これは…」
「ん…」
紙の中身…それは。
「ホシノの退部届…?」
「うん、前に先輩に問いただしたんだけど…受け流されて…先生なら聞けるんじゃないかなって」
「…私に託すのか?」
「うん」
「そうか…」
「ん」
「責任重大だな、聞いてこよう」
「!…ありがとう」
教室を出て行くさきはホシノの元。
歩きながら再び退部届を見る。
彼女の直筆のサインに印鑑…彼女が書いたに違いないだろう。
何故、このタイミングなのか…知るには本人に聞くしかないだろう。
アビドス高校の屋上にあるベンチにて、ピンクの少女がベンチの本来の使い方を無視し夕暮れの空を仰いでいた。
柔らかいマットレスの方が何千倍もいいが、たまにカチカチの板に寝っ転がりたくなる時もあるのだ。
背中が痛い…やっぱふかふかの方がいいや。
「ん〜…んへ?」
痛みに起こされた所でちょうど屋上へと繋がる階段の扉が開くのが見えた。
まぁあの扉は錆びていて独特の音を出すから目を瞑っていてもわかる。
誰だろうと目をこすると、なんだか丸いものがぼんやりと見えたので多分先生だ。
日向ぼっこか、私にようがあるかの二択…うーん、まぁ後者かな?
「ここにいたかホシノ」
ビンゴ。やっぱりね。
「ヤッホーせんせ〜落ち着いた?シロコちゃんは?」
「あぁ非常に安定している。シロコは…帰ったさ、そして彼女に頼まれて君に会いに来た」
さっきの事から数時間経ったけど見たかぎりいつもの先生だ…確かにあんな事を言われたらカチンとくると思うけど、彼は大人…普段の行動や言動から見て感情を爆破させるタイプには思えない…やっぱりどこかで彼の逆鱗に触れたのだろう。まぁそういうのは誰にでもある…うん、私にも。
「あらあら、2人でお茶会とはねぇ〜先生も隅におけないなぁ…やっぱり先生は侮れない大人だよ」
「別にそんな大袈裟なことはしてないさ、少し雑談しただけだ」
「ふーん、でどうしたの?シロコちゃんのお使いって事?」
ホシノが起き上がり、スペースが開くとメタナイトはそこにちょこんと座る。
「そうだな、君に用事だが…」
「うーん。いきなり本題もあれだしさ、アイスブレイクと行かない?」
「いいが…何か話題が?」
「後輩ちゃん達の事かなぁ」
「おっと、自慢話か?」
「ふふふ、それ以外に何があるっていうのさ?」
ホシノは目を瞑って語る皆んな最近は生き生きとしていることや、良い意味で変わった所などだ。
後輩の事をよく見ているいい先輩…まぁぐーたらしている部分は…いやそれがホシノか。
「先生は何か自慢できるものは?」
「そうだな…部下達や戦友の事だろうか」
「おぉ〜いいねぇどんな人達なの?」
食いついてくるホシノ。
そんなに興味があるのか…?
「まだ未熟部分も多々あるが勇敢でいい者共だ…戦友は…そうだな『いい奴らだった』これに尽きる」
「会えないのはやっぱり寂しい?」
「そうだな、表には出さないが…そう思う時もある…まぁ寂しさより心配が勝つがな…何かをやらかしていないといいが」
「うへへ、根っからの保護者体質だね」
考えてしまう。この世界にいるウチにあっちの世界は消えているかもしれない…なんて嫌なことが脳裏をよぎる時もある。
もう二度と会えないとなると…そんな事はないと信じたい。
まぁあの球がいる限りそんな事にはならないだろうが。
「よっと!」
ベンチから飛び起き、何歩か歩き、空を見上げる。
「んでさ~用って何かな?」
「…これだ」
「ん〜?」
マントから例の紙を取り出し、令状のように突きつける。
「説明が…欲しい」
彼女の目が今ままで見た事ないほど大きく開く。
すぐに表情を変え『あちゃ~』と頬かいた。
「んへ…ん〜もしかしてシロコちゃんからもらった?」
コクリと頷く。
大当たり、彼女からもらった物だ…シロコの為にもここで聞かなければなかった。
今考えてみると何故ホシノの退学届なんかというバリバリの個人情報を持ってたのか謎だ。
「うへぇ…シロコちゃんには言いつけておかないとね…人のバッグは漁るもんじゃないよって!」
「それは同感だ…が、私も見てしまったからな」
「うへ、逃がしては…くれなさそうだね…分かったよ。まぁこのまま屋上で寝転んでってのもいいかもしれないけど、せっかくだし少し散歩でもしない?」
「おすすめのルートが?」
「ふふふ、どうだろうね〜?」
ホシノについて行き、屋上を後にする。
どこに行くのかと思えば、アビドス別館…考えてみれば別館に踏み入れたことはなかったな。
別館…どうも年季が入っており、使われていない机と椅子が積み上がり廊下にはみ出ていた。
床には砂、窓枠には埃とお世辞にも綺麗とは言えない状況だ。
「うへぇ…数カ月前に掃除したのがもうこれだよ」
「人数に対して建物が大きいのが問題だな」
「だねぇ…掃除ロボを導入しようにもお金は無いし…はぁ…砂嵐がやまないからなぁ」
「それでも、掃除をして埋もれないように保っている…やはり君はココが好きなんだろう」
「へぇ~そう思うんだ。先生はやっぱ変だね」
積もった埃の上を指でなぞり、少し笑いながらホシノは廊下を歩む。
床のリノリウムは劣化しており踏むたび苦しく唸るような音を出す。
「アビドス過去の栄光なんておじさんは知らない…さいしょっからカオスだったからおとぎ話にすら聞こえる…ここも予備の予備だしね」
「…」
「でも、ここに来たから皆に会えたって考えたら悪くないね…うん、好きかも…アビドス」
「そうか、羨ましい」
「えぇ~?どゆことさ」
「私の人生に母校なんて物はなかったし、青春のせの字もない…あと一番に若さだな」
「え…先生って本当に何歳…?」
「……ふふっ。君達が言う『大人』が『子供』に見える程度には…とだけは言っておこうか」
ホシノは指を折り曲げながら虚空を見る…当てようと考えているみたいだが正解には辿り着けないだろう。
まぁ私自身もどれぐらい生きたかは覚えていない…というか何故こんなに長く生きているのかもわからん。
もっと早く死ぬと思っていたが…ふふっ…まぁあの戦争で死ななくてよかったと心の底から思うな。
「うーん、そっかぁ…そうだね…うん、正直に話すよ」
「あぁ」
「2年前だね…うん1年生のころからちょっと変な『提案』を受けてたんだよね」
「提案…?だれからだ」
「驚かないでね…カイザーからだよ」
「…」
『驚かないでね』…なんて言われたが無理な注文だ。
カイザーはもうアビドスにとって明らかな敵…そこからの提案。
仮面をしておいてよかった…なかったら彼女に突っ込まれていただろう。
「提案って言うか…スカウトっていうのかな?断っても何度も何度もね」
「それは今もか?」
「うん、というかつい最近もだよ」
「内容は?」
そう聞くとホシノは目をつぶり、すこし唸ったのち話しだす。
「アビドスを退学して、こっちに所属してくれないかぁ?ってね。呑めばアビドスの借金を半分肩代わりするってさ」
「ふむ…」
聞く限り悪くはない話だ、何しろ借金の半分を負担するなんて破格だ。
ホシノは債務者側…普通そんなチャンスを与えるか?…彼女自身にとてつもない価値があるのだろうか…怪しいな。
「でもさ、おじさんがいなくなったらその時点でアビドスは終わりだから断ったよ」
「賢明な判断だとは思うが」
「多分、PMCで使える人材が欲しいみたいだね」
「兵を集めて何をなすつもりだ」
「さぁ?そっから踏み込んだ話はなかったし」
…カイザー…私の見解ではナイトメアとつながっているハズだ。奴らに操り人形になっていない事を願おう。
あの男がこのキヴォトスという世界のどこまでを知っているかは分からないが…
「その話はあの理事からの誘いか?」
「ううん、違う。正体は分からないけど…見た目的に『黒服』って呼んでるよ」
「…『黒服』」
また登場人物が増えたな。
だめだ…怪しい奴が全部ナイトメア関連に思えてくる…!
「とにかく不気味なヤツだよ、キヴォトスではあまり見ないタイプ」
「…私と同じような感じか?」
「いやぁ、違うね…全然違う」
首を横に振り否定する。
「君がそんなに言うとはな…」
「うん…でも特に何かをしてきたりってのはなかったね…まぁそれが逆にって感じだけど」
「…ではこの退部届はどうするんだ」
ホシノに紙を渡すと、それを凝視しながら…黙り込む。
その目には決意と迷いが交錯しているように見えた。
そして少し目をそらしたかと思えば、退部届をビリビリに破く。
「まぁ…ねぇ、悩むよそりゃ…うん、ちょっとした気の迷いだね」
「気分はどうだ?」
「そうだねぇ~スッキリしたよ…あーあ、後で箒と塵取りを持ってこなだきゃね」
「…」
「ごめんね先生、誤解させちゃってさ。でもさ、皆にこんな話をしちゃったらどうなるか先生も大体わかるんじゃない?」
そう言われ情景を思い浮かべる。
シロコがカイザーを襲うと言い出し、セリカもそれにのっかるかもしれない…ノノミは怒るか心配するか…アヤネもどうして早く言わなかったのかとホシノに問い詰める姿が見える…ような。
「なるほどな、だがこのまま言わないままってのもな」
「うへぇ~まぁそうだよね、後輩ちゃん達に隠したままってのもあれだよね…明日の朝、皆が集まったタイミングで話すよ」
「それがいいだろうが…まぁ朝から騒がしい事になりそうだな…やったなモテ期がくるぞホシノ」
「うへぇ~ヤバかったら先生も助けてよね!」
「どう助ければいいんだ…」
「はーあ…でもさぁあの提案を受ける以外のいい案が思いつかないんだよね」
大きくため息をつきながら先ほどの紙屑をかたずけるホシノ。
「何かあるはずだが」
「そうだねぇ。あーあ…奇跡でもおきたらなぁ…」
「奇跡か…」
「うん、まぁそう簡単な話じゃないけどね」
「起きるんじゃないか」
「え?」
「あきれ返るほどいっぱいの奇跡がな」
根拠なんて物は無い。
だが私はこの目で様々な奇跡を見てきた…果たしてあの様々な出来事は奇跡だったのか、当然な出来事だったのか…もしくは何かの加護によるものだったのかも分からない。
そんないい加減な物でしかないが…起きる気がする…『きせきの星』の元住民としての感覚がそう言っている。
「……」
「…そっかぁ、いっぱいかぁ」
「あぁ、いっぱいだ…もし起きなくても、私が動こう」
ホシノを真っすぐと見つめ言い切る。
「うへへ、ありがとね…」
そうニヤっと彼女は笑った。
メタ様、アニメ基準で見るとうん千年は生きてそうで怖い。
カービィシリーズのプレイ経験は?
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あるポヨ
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無いZOY
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ガチ勢なのサ