「リン?聞こえるか?」
『はい聞こえます先生。ビルの奪還に完了したようですね、被害は?」
「我々には無しだが…敵さんはかなりの被害のようだな。ところで敗走兵はどうする?追撃するか?」
『それに関しては大丈夫です、ヴァルキューレの部隊が対応します。先生はその場で待機していてください私は今向かっていますので」
「分かった、気長に待とう」
リンとの通信を切る。第一の目的であるビルの奪還には成功した…がまだ騒動は終わってはいない、これからが本番だろう…とにかくリンの到着を待つしかない。
さっきの戦力の投入具合を見ても反攻作戦を敢行してくる様子はない…とりあえずは安心だろう。
うーむ、ビル内がどうなっているのか個人的な興味がある、リンには申し訳ないが少し動かせて貰おう。
「ちょ、先生!どこに行くんですか?!」
自分で言うのも何だが人に気づかれないようにふらっと居なくなる事に関してはプロ並みだと思っていたが…早速ユウカに気づかれてしまった。
「…少し内見をしようと思ってな」
「危険です!私もついていきます!」
そう言ってコッキングレバーを引くユウカ。別に戦いに行くわけではないのだが…この世界の者は戦闘好きなのだろうか。
別にユウカがついてきたとしても何か困るという事はないが…今回は、まぁ一人でいい。
「大丈夫だユウカ、別に中をうろちょろするだけで心配はいらないさ。それに他に任せたい事がある…ここにいる全員にな」
「…っなんでしょうか?」
「もしかしたら…だが、敵が反攻してくるかもしれない…連邦生徒会の者がくるまでこの地点を防衛してほしい。君たちの強さは良く分かった…頼めるか?」
「分かりました!」「了解いたしました」「任せてください」「はぁ…分かりました、注意してくださいね!先生に何かあったら私達が困るんですから!」
「善処する」
善処だけではだめだとのユウカの叫びをバックにビルに入る…中は静かで戦闘が起こった様子はないな…むしろ綺麗だ、というか引っ越してきたばっかりのような雰囲気があるな。
リンはこにビルの奪還が騒動鎮火の鍵になるとはつぶやいていたが、今のところ特にそういった一発逆転の秘密兵器といった類い見ていない…あったのは中がガラガラのコンビニくらいだ。
「もう少し散策してみるとするか…」
次々と階を歩き回る。電力が通っていないのかエレベーターが動かないので階段を使ったが地味に辛かったが…まぁそれは置いておこう、なんだか違和感がある、剣士の勘と言えばいいのだろうか…それが自分に言いかけてくる。
『このの先に強者あり』と…
「うーん…これが何なのか見当もつきませんねぇ」
暗い部屋、そこに浮かぶ模様がはいった石塊。そしてそれを眺める仮面の少女がいた。
狐の仮面に長い小銃、比較的派手な服…七囚人の一人であり災厄の狐の異名を持つ、狐坂ワカモだ。
正面戦闘は適当な雑兵に任せ自分は連邦生徒会が大事にしてきた物の発見、そして破壊するためビルをさまよっていたところついにその目的物を発見…しかしそれが何なのか分からず破壊しようにも手を出せずにいた。
そんな彼女を後ろから眺めている影。
(うーむ…狐のお面に長い小銃、他より派手な服、あのお嬢さんが主犯か…ここで鉢合わせるとはな…)
さて、どう出るか…大規模な戦闘を手動し混乱を招いた主犯…彼女について良く分からないが、彼女は実力者であることは間違いない。
それに攻撃的な性格なのだろう、だとするといきなり戦闘になるかもしれん…そうしたらこの場はボロボロ。
リンのストレスがレッドゾーンに達っするかもしれない…それは回避せねば。
彼がそんなを考えているときだ、ワカモは背後の陰に気づいていた。
「…そこに居るのは誰でしょうか?隠れても無駄ですよ」
「ふっ…なるほどな、かなりやるようだ」
「はい?」
陰から姿を出しワカモの前に立つが、必然的に見上げる事になる。
出たはいいもののプランは結局なしだ、妙な空気になりただ立ち尽くす、お互いに面の下の目が光るが…いずれも発展は無し。
「…」
「…」
何分経っただろうか、数えていないから分からないが…いまだに目は合わせたままだ、先に目をそらした方が負け…なのかは知らないがどにも動けん。
いつまで続くか…そんな事が頭をよぎった時…転機が訪れた。
彼女が目をそらしたのだ…癖というか何というのか咄嗟に剣を抜いてしまいそうなのを押さえる…この癖は治さなければな…
「あの…その…仮面の剣士様…」
ワカモが喋り始めた…敵対の雰囲気は特にない。
「まぁ確かに仮面の剣士だが」
「えと、その…し…」
「し?」
「失礼しました~!!!!」
ワカモはそう叫ぶと、逃げ出してしまった…階段を上る際、足を引っかけて脛をぶつけているのが痛そうだった。
暗い部屋に一人残されたメタナイト。
「うーむ、無計画でもなんとかなる物だな…後はリンを待つとするか」
数十分後。
「あぁ先生、ここにおられましたか」
「ん?リンか、まぁ少し内見をしていたらここにたどり着いただけだ…結構時間がかかったと思うが何かあったか?」
「その…ヘリで移動中に対空砲火にあいまして…」
「あぁ…そういえばモモカが言っていたな」
「被害はないので大丈夫です」
なんだろうな、リンの『大丈夫』は『大丈夫ではない』の意味に聞こえてくる。
「その、私が到着する前になにかございましたか?」
「あぁ…」
言葉を濁す…なぜなら、まぁ実際に
「いや、特にはない」
「そうですか…ではこの騒動に終止符を…」
「そうだな、しかしどうすればいい?このビルに秘密兵器か何かでもあるのか?」
一通りビルを見たが特にこれと言ったものはなかった…そこにある石塊のよう物も良く分からない。
「秘密兵器…ですか、まぁ正解かもしれませんね」
そう言いリンは上着の中から何かを取り出し私にくれた。
薄い板のような物体だ…これは…画面か?似たようなものならスージーに見せてもらった事がある…なんと言ったかな、あぁタブレットだったはずだ。
「タブレットという奴か?」
「タブレット端末を知っているのですね」
「使い方は知らないがな」
「それは、シッテムの箱と言います、連邦生徒会長が先生に残したものです」
「顔も見たこともない者からのプレゼントか…なんだか不気味だな。で…どう使えばいい」
私の質問にリンは思ってもいない解答をした。
しっかりとした使い方講座を開いてくれると思ったがそんな物はなかった。
「それが、我々にも分かりません」
「は、はぁ…」
ついため息をついてしまった…嘘だろ?知らない世界で知らない物を渡され、それの使い方はその世界の住民も理解していない…流石に頭がこんがらがるぞ。
「シッテムの箱ですが…この世界に普及している端末と全く違うのです。見た目はよく見るタブレット…しかし起動方法にパスワード、挙句の果てに製造メーカーすら不明なのです」
「うーむ…」
「ですが…先生なら使いこなせるかと…それがこの騒動を収める唯一の希望でなのです」
「…責任重大だな、分かったなんとかやってみよう」
とは、言ったもの…どうすれば。
頭に思い浮かんだものを適当に試しめてみよう。
指でトントンと叩くが…まぁ反応無しだ。
「…」
うんともすんとも言わないではないか…実はもう壊れているのでは…と最悪のパターンが浮かぶがその考えを頭から一掃する。
最後に…暗く冷たい画面を優しく撫でてみる…すると…
「なっ…画面が光り出した…」
一歩進んだ事はうれしいが、ここまで簡単とだとは、撫でただけだぞ?これならリン達もすぐ起動できると思うが…
リンの方を見てみたが、彼女は手を広げ、『分からない』のようなジェスチャーを見せてきた。
ますます謎だ。
そして動きだしたしたシッテムの箱…その画面に映し出されたのは…
システム起動パスワードをご入力ください。
はぁ…また壁だ…高すぎる壁だ、越えられない壁は無いとか言うが…これは流石にアレだ。
パスワードなんて知ってるワケn………
……我々は望む、七つの嘆きを
……我々は覚えている、ジェリコの古則を
突然、頭に浮かぶ言葉。
…接続パスワード承認
接続者…メタナイトキョウ……確認しました。
シッテムの箱へようこそ、メタナイト先生。
生体認証及び認証書生成の為、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。
「あ…あ、ろな?…うっ!」
シッテムの箱が更に光出した、とても見ていられる光量ではないため目をつぶる。
広い空だ…すべてを飲み込むような青…
これは学習机だろうか?大王が作った学校で見たことがあるな。
そして…
「zzz…むにゃむにゃ…」
その机に突っ伏し、寝ている少女…いまにもよだれが机に垂れそうだ。
何も分からないため、とりあえず話を聞ききたい。
彼女を起こすため、肩をぽんぽんと優しくたたく。
「お嬢さん?」
「ん~えへへ…カステラにはぁ…いちごミルクより、バナナミルクの方がぁ…むにゃ」
完全に夢の中だ…とても幸せな顔をしているため、なんだか起こすのをためらってしまうが…すまないなここは起きてもらおう。
それにしても、寝言か…なんだかピンクのアイツを思い出すような内容の寝言だな。
「ふふっ…確かにバナナミルクはあうだろうな…しかしカステラの味を楽しむ為、スタンダードな牛乳を私は推す」
「確かに…それもありですね…って…あれぇ?」
「おはよう、いい夢をみれたようだな」
「えへへぇ~んにゅ?あれ?あれれ?」
「起こしてしまってすまないな」
「???あれ?」
寝ぼけているのか…まぁ、困惑するのは当たり前だろうな。
彼女の机の横の席に座る。
「えと…この空間に入ってこれたという事は……め、メタナイト先生ですか!?」
「あぁ…私がメタナイトだ。ついさっき先生になった」
「お、おぉぉ」
大きな声と共に、彼女の目がぱっちりと開く、眠気はもう飛んでいったようだ。
頭の上に浮かんだ輪っか状の光が形をぱちぱちと変える。
「…と、いう事はもう時間?!やっちゃいました、寝坊です!遅刻です!」
「まぁ、落ち着き給え…大丈夫だ、私の知人には遅刻する奴らしかいないからな、遅刻・寝坊にはなれている」
「全然、慰めになってないですよ…」
しょんぼりとしてしまった…
「えーと、仕切り直して…まずは自己紹介から!私はアロナと申します!このシッテムの箱の管理者であり、ゆーしゅーなOSなのです!」
アロナは元気な声で名乗ってくれた。
OSか…つまりはコンピューターか何かなのだろう、彼女には申し訳ないが…どうしてもコンピューター関連には苦い思い出がある。
『星の夢』…不可能である大彗星の再現、主人を失い暴走した、悲しき心のないキカイ。
だが彼女、アロナはあんなのとは違う、元気ハツラツ、可愛らしい子供だ。
同じようなモノでもここまで違うとはな…
「そうか、よろしく頼むアロナ」
「やっと会えましたよ!ここでずぅーーーっと、待ってたんですから!」
「フフっそうか、待たせてすまないな」
「いえいえ、先生に色々事情があった事は理解していますから!よし、では形式的のにはなりますが生体認証をお願いします」
生体認証…初めて聞く言葉だが、まぁなんとなくは分かる、身体を使って何かをするのだろう。アロナに向かって頷く。
「では手を…って先生は手袋をしてましたね…外せませんか?」
「どうしても…か?」
「はい…」
…正直言うと、素手は見せたくないのだが……仕方ない。
手袋を外し、アロナに言われた通りにする。
「なるほど…こんな感じなんですね」
「そんな、まじまじと見ないでくれ…と言うか、人に見せたのは初めてだ…」
「えへへ~先生の秘密を早速知ってしまいました~」
「やめてくれ…」
どんな事をするのかと気になっていたが…ただ指を合わせるだけだ、それも一瞬で終わった…アロナが優秀なのかただいい加減なのか、まぁ後者という事にしておこう。
「おっと…そう言えばアロナに聞きたい事が」
「なんでしょうか!アロナちゃんになんでも聞いてください!あ、ウェブ辞書みたな使い方はやめてくださいね」
アロナに、今の状況をすべて話した。キヴォトスでの騒動、そして失踪した連邦生徒会長についてだ。
「なるほど、なるほど…アロナちゃんは全て理解しまた…連邦生徒会長が行方不明になり、そのはずみによってサンクトゥムタワーの制御権をロスト…キヴォトスは荒れ放題…と」
「あぁ…アロナ、君は連邦生徒会長についてどれぐらい知っているんだ?」
「うーん、私はキヴォトスのほとんどについてインプットされてはいますが…彼女についての情報は…ほとんどありません」
「そうか」
「ですが!サンクトゥムタワーの制御権を回復する事はできます!このアロナに任せてください」
そう言いアロナは胸を叩いた…良いドヤ顔、相当の自身があるようだ。
私にはどうもできない事だ…ここは彼女に任せよう。
「頼んだぞ、アロナ」
「はい!では…サンクトゥムタワーのadmin権限を取得……よしっ完了!簡単でしたね!」
「早いな、私には何がなんだか…」
アロナは目をつむり、何やら呪文のような言葉をぶつぶつと呟いただけのようだったが…本当に完了したようだ。
どこからか機器が動き出した音が聞こえた。彼女は本当に優秀だ…優秀すぎて怖いぐらいに。
「制御権を回復できましたよ先生!ふふっ…現在キヴォトスは先生の支配下にあるも同然です!」
「そ、そうか…」
満面の笑みで凄い事を言ってくるではないか。一瞬で世界征服か…状況は違うが、アロナがいればプププランドも一瞬…いやそれはないな…あそこはアナログの極みだ。
「よし、その権限をリンに送ってくれ」
「七神リンさんですね?了解です。はい——————よし、これで連邦生徒会はサンクトゥムタワーの制御権を回収できました、これで…」
「あぁ、騒動も解決だ」
ふぅ…これでとりあえず、最初に仕事は完了か…フッ…初日から濃い。
「えーと…今回はバタバタして気長にお話とかできませんでしたが…」
「大丈夫だ、これから時間は沢山あるだろう?」
「…ふふっそうですね!では先生、これからよろしくお願いしますね、気軽に呼んじゃってください!」
「あぁ、ではまた会おう」
さっきまで暗かった部屋に電気が通っている…良かった…
「先生…おかげで連邦生徒会は制御権を回収できました…最悪の事態を…と言うかほぼさっきまで最悪な状態でしたが…解決しましたし…私がキヴォトスを代表して深く感謝申し上げます」
リンは安心し、さっきより穏やかな顔と声で感謝を伝えてきた。
まぁほぼアロナのおかげのような物だが…
「とりあえず…これで私も安心できる」
「はい、ここに本騒動の完全解決を宣言します…お疲れさまでした」
「君もな」
「いえ、私はなにも…」
「いや、君の苦労は顔に出てたさ…ここに来た時も少し話したがな…ホントご苦労だ、休んだらどうだ?誰も文句は言わないさ…万が一があったら私がどうにかしよう」
私の言葉にリンは、ため息をつき、眼鏡を拭き始めた…が少し笑みがこぼれていた。
「ふふっありがたいお言葉ですが…まだ、私には仕事がありますので…まぁその近いうちに休暇はとります」
「あぁそうしたほうが良い」
「おっと…そういえばもう一つやらなければならない事が…」
「何かな?」
「ついて来てください」
言われた通り、リンについていく…しばらく歩いてとあるドアの前でリンの足が止まった。
「ここです…長い間空っぽで、ほぼ倉庫のような使い方をされてきましたが…ようやく主人を迎えることができてこの部屋も喜んでいる事でしょう」
「ふむ…」
ドアには…『シャーレ部室予定地、近日始動開始』と映画の宣伝のような文が雑な文字で紙に書かれ、雑に貼られていた。
「先生には、この部活動…シャーレの顧問として働いていただきます、キヴォトスでの先生の仕事です…いきなり呼び出されて、騒動に巻き込まれ…挙句の果てに年下に働けと言われるのは…まぁ少々アレかもしれませんが…」
「大丈夫だ。これが私の使命とやらなんだろう、とことんやってやるさ…これも修行の一環だ」
「分かりました…〈シャーレ〉ですが部活動とは言いましたがただの部活とは違います…まず正式名称を〈連邦捜査部シャーレ〉と言い、その権限は強力です、様々な学園の問題に介入する事ができますし、どの自治区でも制限なしに戦闘行動が可能…連邦生徒会長が何故こんな一歩間違えたら大惨事になりかねない部活を作ったのか…あの人から聞く事はできませんでしたが…」
リンが私の方を横目で見てきた。
「ほんの少しだけ分かったような…?まぁ当たっているかは不明です」
「で、私は何をすれば?」
「そうですね…権限はありますが、目標はありませんし…先生の自由です」
「そう言うのが一番困るのだが…」
「そうですね…」
ニヤリと笑うリン…何を企んでいるいるのやら…
「連邦生徒会にはほぼ毎日…と言うかほぼ毎秒様々なクレーmいえ、お申し出と言えばいいでしょうか…そのような案件の一部をシャーレに解決していただく…と言うのもありでしょう」
「あ、あぁ…」
「全ては先生の自由ですので、すでに複数の案件の資料はデスクに置いてあります、時間があるときに読んでみてください」
「分かった…リン、これからよろしく頼むぞ」
「はい、先生」
始まるのか…ここでの生活が…はぁ…部下たちに一通でも手紙が書けたら良かったが、まぁ大丈夫か。
「あ、その…」
「どうした?」
「このビルのドアを全て、先生の体形でも開けられるよう改築しますね」
「…そうだな」
やっぱり不安は拭えん。
メタ様の手ですが…あの桃球と同じです、サークライ氏の発言が元です。
カービィシリーズのプレイ経験は?
-
あるポヨ
-
無いZOY
-
ガチ勢なのサ