つ、強いぞ便利屋社長!
「じゃあ、復興がんばってね!心から応援してるわ!」
「皆さんもお仕事うまくいくといいですね☆」
「ん…神の御加護があらんことを」
「宗教色強くない?」
食事を終え、店外にて我々はお互いに高めあい、別れる事になった。出会い合えば別れあり…寂しいが人生とはそう言ったモノなのだろう。彼女らとはいずれまた会えるはずだ、案外早く。
「じゃーねー!」
最後まで手を振り見送る。
夕日に照らされる彼女達の背中を眺める…が、なかなかカッコいい姿ではないか。私も去るときは夕日をバックに…いや、やめておこう…どこかで戦艦が沈没する気がしてならん、なぜかバイクのエンジン音まで聞こえてくる。酷い幻聴だ。
「いい人達でしたね~☆」
「うむ…しかし、なぜアビドスに来たのかが気になるところだが」
「お仕事がアビドス周辺であるのでは?」
「アビドスで仕事ねぇ〜ガラスでも作るのかなぁ」
「砂なら大量にあるからな…まぁ良い。今日は解散としよう…セリカ、襲撃に注意したまえ」
「名指しするなぁ!」
アビドスの生徒達と元気よく別れの挨拶をかわし解散する。
さて、甘いモノでも買って帰るか。
仕事は…考えたく無いが…眼鏡が光る光景が一瞬見えたので真面目にする事にした。
「うふふふ…良い人達だったわね…これもめぐり逢いってモノかしら?これだから人生は面白いのよ…!」
「ムツキ…そろそろ言ってあげた方が…」
「あぁ~そうだねぇ~ねぇアルちゃ~ん?」
「なにかしらムツキ室長?」
「さっきのコ達さぁ…」
「あのコ達がどうかしたの?」
「次の仕事のターゲットだよ」
衝撃の事実にアルの足が止まる。
景色、ムツキの顔、景色、ムツキの顔…と目が動きまくる。感情が駄々洩れだ。
古いパソコンがゆっくり起動していくように脳が段々と状況を理解していき…最後に言葉としてすべてが吐き出される。
「な…な…なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!??? 」
人気のないアビドスの街に響きわたる渾身の叫び。
「あ、やっぱり気づいてなかったんだ」
「アッハッハッハ!まって!アルちゃん…!流石にギャグセンス高いよ!」
「はぁ…社長…」
頭をかくカヨコ。平常運転…ではあるが、流石に…と言ったところだろうか。
ハルカもムツキの発言でさっきの生徒たちがターゲットだった事を知ったようで、すぐ愛銃を構えた。
「え、え?じ、じゃあ私が始末してきましょうか…?」
「あっはっはっ!無理無理、もう間に合わないよ~」
腹を抱えて爆笑するムツキ。
「どっ…どこで気が付いたの?!」
「どこって…制服だけど…調査記録とかクライアントから送られてきたUSBにも情報はあったし」
「へ?」
「アルちゃんマトモに書類よんでないからね~くふふ!てか思いっきし、学生証下げてたし?」
社員達の調査記録に関しては全く目を通していなかったアル。クライアントからUSBが送られてきていたことに関しては今知った様子だ。
そりゃ気が付かない訳である。
「社長…たとえ本物のアウトローでも書類は読むと思うよ…」
「もしかして、『よまない方がカッコいい!』とか思ってた?」
図星をつかれ。顔をしかめるアル。
次からは絶対に書類を読むと誓うのだった。
「うっ…あ、あの子たちがターゲットだったなんて…」
「心優しい社長にはキツイ話だね…」
「ぐっ…」
カヨコが言った通り彼女は心優しい少女…短時間だが共に語り合った者に銃を向けるはとてもつらい事だ…しかし今目指しているのは冷酷なアウトロー…まったくもって別の存在だ。
良心と仕事、理想の姿との狭間で揺れるアルの心情。
そんなアルに対しムツキから一言。
「でもさぁ、『金さえ貰えれば何でもやります』がうちのモットーなんじゃないの~?」
この一言によりアルの天秤が振り切れた。
「そうよ…そうよね!私達は便利屋68!金さえ貰えば何でもやるのよ!よしっ今から作戦の最終調整を行うわよ!」
「おぉ!アルちゃんカッコいい~」
「ま、社長についていくよ」
「アル様に従います!」
そう意気込み便利屋の面々は再び歩みだした。
アビドス高校、校舎にて。
「これにて今日の会議を終了します、お疲れ様でした」
「お疲れ〜」
「お昼何食べよっか〜」
「ん、ラーメン」
「また?」
ビー!ビー!
「!?」
平和な会話中、突然響くアラーム音。
確か警戒網のだったな、自治区に異変が起きた場合早急に対応できるように用意されたもの…とアヤネから聞いている。管理も彼女がしているそうだ、流石だな。
はぁ…それにしても心臓に悪い音だ、なんだか言葉にできないザワザワがある…まぁ研究した結果このような音になったのだろうか?
それにしてもまた襲撃か…奴さんはこの学校にご執心の様子だ…果たして誰が…いずれ分かるかもしれん…あの男ではないといいが。
「今確認します、監視カメラの映像を…」
器用にタブレットを操作し、映像を出すアヤネ。
モニターに出力する時間もないため全員がタブレットを覗き込む、少々…いやかなり狭いな。
「校舎南方面…武装集団を確認しました!」
「はぁ…おちおち寝てられないねぇ」
「武装集団って…またヘルメット団…?!」
セリカが憎たらしそうに机を叩く。
「セリカちゃん落ち着いてください…流石にあの損害からこの短期間で立ち直るのはまだ無理かと思いますよ」
「あぁノノミの言う通りだ、あれほどの損害を被ってなお攻撃してくるとは思えんな…流石に愚かすぎる」
損耗した部隊をまた使うとは思えんしな。士気も低いだろう。
「はい…お二人の言う通りヘルメット団ではありません、これは…傭兵?」
「うへ、
「とにかく現地に行こう、これ以上侵攻させる訳にはいかん」
「内容は分かっているわね?」
「ハイ、『ホーリーナイトメア傭兵サービス』準備完了していまス」
便利屋の前には何体もの『傭兵サービス』名乗る兵士たちが整列している。
持っている武器は様々で中には時代にそぐわない近接武器を構えた者までと多種多様だ。
「アルちゃん~本当に大丈夫なのこれ~?」
「大丈夫よ!契約書もレビューも読んだもの!」
「本当に隅々まで読んだのかな…」
ダァン!
カヨコが小言を漏らした時、アルの足元に一発の弾丸が着弾した。
おどしにしては荒すぎるきがしないでもない。
「あなた達だったんですね!」
アヤネが侵入者に対して叫ぶ…貴方たち…そう昨日柴関で邂逅したゲヘナ生だ。
「あら、いきなり撃ってくるなんて誉はないの?」
「誉は砂漠でっ…てうるさいわね!ラーメン特盛にしてあげたのに…信じられない!裏切ったのね!」
ゆっくりと振り返るアル…余裕そうな顔をしているが、いきなり撃たれて心臓バクバクだ。
「裏切り?別に私たちは貴方達と約束や同盟なんて結んだ記憶はないわよ?」
(言えた!これで言ってみたいセリフリストにチェックを入れられるわね!)
「ごめんね優しい店員ちゃん♪これは仕事なんだ~」
「ハッキリと区別する主義でね…」
「私達は『便利屋68』!金さえ積まれればなんでもやるアウトローよ!」
「…ペーパーカンパニー?」
「ち、違うわよ!歴とした会社なのよ!それぞれの肩書きもあるし!」
「その肩書きのせいで余計薄っぺらさが目立つ…」
「薄っぺらさ…ペーパーカンパニーとはそう言う事か」
メタナイトの一言にて一瞬で凍りつく現場。
彼は内心で『しまった』と嘆いた。
「う、うへぇ…アビドスってこんな寒かったっけなぁ…」
「先生…流石にないわ…」
「だ、大丈夫ですよ!私は好きですよ…あはは☆」
「…傷をえぐらないでくれ…」
「くふふ、先生ったら結構面白いじゃん!あ、シャレがって意味じゃないけど〜」
「なるほど…カッコイイ人はユーモアもあるのね…勉強した方がいいのかしら…」
「社長?」
「へっ?あっ、とにかく依頼なの…降伏するなら今のうちよ」
依頼…そのクライアントが気になるが、プロとしてやっている以上彼女らは話さないだろう。
力づく…と言うのも引けるな、やはり別ルートから…いや、あれは?
便利屋の後ろに並ぶ兵士に謎の既視感を覚える。あのゴーグル頭…なるほな、ヤツの言った通り世界観に合わせる訳か。
これでは私が空気の読めん奴みたいでは無いか。
腹が立ってきたな、便利屋相手にスライスはいかんが、あのスクラップ供なら心置きなくやれる。
「行くわよ、アビドス高校!!!」
便利屋の面々がこちらに銃を向けてくる。それと同時に後ろの兵も戦闘態勢に入った。
降伏勧告が出されたが…振り返って見てみるとアビドスの面々にそんな選択肢は無いようだな…まぁ当たり前だ、守ってきた学校を簡単に明け渡すなんて真似は論外。
「やるしかないようだな」
私が鞘からギャラクシアを抜くと同時に、アビドスの面々がそれぞれの武器を構えた。
「うん、話し合いより分かりやすくて簡単」
「流石に今回はシロコ先輩の案に賛成ね!」
「セリカ…私の事なんだと思ってるの…」
「…」
またまた戦場に流れる微妙な空気。いつまで経っても始まらない。
この謎の沈黙をアルの咳払いが破った。
「ゴホン…とっとにかく!行くわよ!」
「くるぞ!総員戦闘配置につけ!」
「「「「「了解!」」」」」
便利屋との戦いの火蓋が切って落とされた。
「私は後ろの雑兵をやる、便利屋は君たちに任せたぞ!」
「まっかせといて!」
「先生ったら張り切っちゃって〜気を付けてね~」
「あぁ!」
剣を構え、大地をけるメタナイト。
突進してくる彼に慌てて対処する便利屋。
「ちょちょちょ、あなたが突っ込んでくるの?!」
「武闘派だね…だめだ、早すぎて弾が当たらない」
飛んでくる弾丸をホップステップジャンプの要領で華麗に回避する。
メタナイトのリーチに便利屋が入った時………彼は何もせずにスルー。
目標は後方の傭兵、便利屋一行などそもそも敵としてカウントしてない。
「あなた達の相手は我々ですよ!」
「先生は囮…て訳じゃないけど、ナイスね!」
注目がメタナイトにいっていた便利屋に対策委員会からの容赦のない弾幕が襲う。
「いたっ!ちょ!もう…っ反撃するわよ!」
「イレギュラーが過ぎるよ全く…!」
「くふふ、いっちょ暴れちゃうよ~」
「い、い…行きます!」
生徒同士の激しい実力勝負が始まった。
一方メタナイト。
翼を使った高速移動に傭兵たちの目は追いついていけず、いつの間にかメタナイトに後ろを取られていた。
「な゛っメタナイッ…」ズバッ!
「遅い」
淡白に、一言。
その瞬間にはもうすでに、傭兵の首は胴体とつながっていなかった。
目の前で起きた事実に震える、他の傭兵たち。
メタナイトは血振りをするようにギャラクシア下方に向かって振る。
そしてゆっくりと残敵の方に振り返る。
仮面の奥で、黄色い目がギラギラと光っていた。
ドサッ
「ひ…ひ…に、逃げろぉ!!」
「うぅうわぁぁぁぁぁ!」
「逃げるな!私と戦え!」
ギャラクシアを構えなおし、逃げていく傭兵達めがけて突進するメタナイト。
その剣先には明確な殺意があふれ出していた。
(ナイトメアの捨て駒か…)
容赦ない戦いっぷり、騎士道なんてあったもんじゃない…と言ったら本人にスライスか輪切りにされるだろう。
そんな彼の姿を見て、対策委員会、便利屋の面々はドン引きし、戦闘をストップしていた。
「武闘派…とは言ったけど…ただの戦闘狂って事かな…?」
「うへぇ先生が暴走しちゃってるよ~あ、また斬った」
「いわゆるバーサーカーって奴ね…はぁ、なんか胃が痛いわね」
「あ、次は踏みつけてますね」
「ん、同情する訳じゃないけど…あれは痛そう」
「うわぁ…これテレビだったらフィヨルドといい感じのボートが放映されてますよ…」
あっという間に傭兵部隊は全滅してしまった。
ほとんどが逃げ回るだけであり、たまに反撃をする個体もいたが…逆にメタナイトの闘志に火がつくだけであり、容赦ない攻撃を受けた。
「あ………」
「アルちゃーん、白目向いてるし口はふさがってないしで最高に面白い顔になってるけど大丈夫?」
「社長、雇ったやつら全滅しちゃったけど…」
「なんか敵ながらお気の毒にって感じだねぇ〜」
「社長とか言ったな、次はもっといい戦士を雇った方がいいだろう」
「へ?」
「先生⁈いつの間にそこに…」
下方から落ち着いた声でアドバイスが飛んでくる。
声の持ち主は、メタナイト。先ほどの戦闘狂とは思えない雰囲気でいつものマントにくるまり状態での登場だ。
アルは音も気配もさせずに接近された事実に全身の鳥肌が一斉に立った。
「お疲れ様ぁせんせ~」
「あぁホシノ、君もな。えーと…終わったのか?」
「あ~その…なんかいつの間にか戦闘が止まったって言うか…」
アヤネが苦笑しながら言う。
「ふむ、そうか…便利屋68。君たちはどうするんだ?まだ続けるか」
立ち尽くした便利屋に問いかける。
「だってさ、アルちゃんどうする?」
「えと、その…」
アルは悩む。
このまま戦闘を続けるべきか…それとも撤退か。
程よく期待していた傭兵は全滅。それもこの足元の青球に。
なんとか言葉を絞り出す。
「せ、先生と言ったわね…」
「あぁ先生、メタナイトだ」
「メタちゃん先生です☆」
「ノノミ…」
嫌な呼び方ではないが…何故その呼び方になったんだ。
かなり謎だ。
「その、なんで私達には剣を向けないのかしら?あんな傭兵だけ真っ二つにして」
アルがそう問う。
「ふむ…そうだな」
メタナイトは少し間をおいて答えた。
「フフッ…私はよっぽどじゃない限り生徒に剣を振るう気はないからな。先生として剣士としてだ」
「そ、それだけ?」
「まぁ先生らしいと言うか、どうなのか…」
「あとそうだな…少し君たちの戦いっぷりを見ていたが…君たちはまだ成長できる、もっと強くなってこい!」
「あぁ『今』はなんだ…って結局生徒に剣を振るう気じゃない…!てかもう来なくて良いわよ!何ちゃっかり招いてるの!」
呆れたように言葉を吐き出すセリカ。
「よっぽど…ってD.U湾より範囲広そうだね…」
「おぉ~こりゃ先生に認められるために強くならないとね~♪」
「わ、私には何が何だか…」
「ハルカ…無理に理解しようとしなくていいよ」
「ふふふ…ふふふ…!」
アルが急に肩を揺らし笑い始めた。
「分かったわ先生!成長…最高にクールなアウトローになってやるわ!いつか先生みたいなクールさを身に着けてやるんだから!」
「うむ、その意気だ」
「先生ってアウトローでクールなの?」
「アウトローではないかと…」
「多分クールでもないわよ、見たでしょあの暴れっぷり」
かなり小さい声で話していた為、幸いメタナイトの耳に会話は聞こえていなかった。
とあるオフィス
薄暗い部屋、モニターだけが光っていた。
映っているは眼鏡にスーツの男…典型的なビジネスマンの姿と言えばそうだろうが、どこかしら不気味だ。
「ホホホホホ…どうやら例の便利屋は作戦遂行に失敗してしまったみたいですな」
「想定内だ、所詮はガキだからな…そんなもんだろう…まぁ敵上視察には一役買ったようだ、だろ?」
「ホホホ、はい。全滅はしましたがご安心をあれはまだ一番安いプランの駒ですから」
「別に心配はしてない、アビドス以外では十分な成果をだしている…これは革命だ、兵器の在り方が変わってしまうだろうな。特にあれだ…『燃え盛っているデカい犬』あれは最高だ数を揃えたい」
その言葉にモニターの男は口角をあげる、相手に気が付かれない程度にだ。
「お値段は張りますが…」
「構わん」
「では、『チリドック』の追加注文と言う事で承りました」
手元の計算機でパチパチっと値段を提示する。
高額だがそれに見合った動きはするという事で契約はすんなりといった。
「しかし、今はアビドスだ。上の連中も興味深々でな…また協力者もかなりお熱のようだ…しかしあそこには例の玉ころが」
「まぁそうご心配なさらず、あんなのただの老人…引退した『星の戦士』など我がホーリーナイトメアの敵ではありません」
「ほぅ…言い切るじゃないか」
「はい、この世界には忌々しいピンクも、奇跡の泉も伝説の杖もございませんので」
画面を見ながら男はため息をついた。
目の前の眼鏡が何を言っているのか理解できないからだ。
全てのワードが意味不明…なのでほとんど聞き流した。
「まぁ…いい、最後に一つだ」
「なんでしょうか?」
「例のブツは完成したのか?」
「あぁ、ホホホ…今すぐにでも発表できますよ」
「そうか…フフフ…フハハハハ…それがあれば我が社が全てを手に入れたも同然だ!期待しているぞ!発表の機会はもうすぐだ」
「えぇ今後とも我がホーリーナイトメアカンパニーを御贔屓にどうぞ」
モニターの明かりが消えた。
デスクの上には資料が一枚。
『キヴォトスにてのデリバリーシステム普及計画』
戦闘狂な卿もすきです(激うまギャグ)
多分ですが小説版メタ様がいちばんバーサーカーしてます。
傭兵ですが、エアライドマシンライダーの顔した感じの人型だと思って頂ければ。
カービィシリーズのプレイ経験は?
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あるポヨ
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無いZOY
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ガチ勢なのサ