ブルアカアニメ…終わっちゃいましたね…お疲れ様でした。
「この件ですが…我々連邦生徒会ではなく、ミレニアムサイエンススクールに依頼した方が良いかと思います」
と眼鏡の少女、リンは書類を見て言った。『この件』というのは以前アビドスで戦った『ヘビーロブスター』の解析だ。
私自身もある程度はあのメカの仕組みについては理解しているが…少し分解した位でしかない。
なので進んだキヴォトスの技術で解析して欲しいと言うわけなのだが…
「ミレニアムか…果たして協力してくれるかどうか」
「早瀬ユウカさん…彼女のことは覚えていますね?」
「覚えているも何も、何回か業務の手伝いをしてもらっているが…彼女がどうかしたのか?」
「彼女はミレニアムの生徒会『セミナー』の役員です。事情を話せば協力してくれるのでは?」
「ユウカを利用しろと」
「まぁそうなりますね」
うーむ…利用するというとかなり気が引けるな…職権濫用な気もするが…仕方ないと腹を括った方がいいのだろうか。
これもアビドスの問題を解決するため…そう自分に言い聞かせるメタナイトだった。
「その案を使わせてもらうとしよう」
「あ、ユウカさんを利用するのを勧めた件は…」
「大丈夫だ言わん」
「ありがとうございます。ではまた…と言いたいですがもう一つ」
「…?」
「先生の事ですし、悪用はしていないと思いますが…生徒情報を管理するデータベースにアクセスしました?」
その言葉を聞き、冷や汗が止まらなくなる。
セリカが拉致された時の話だ…いつか説明しようと思ってはいたが忙しくて時間がなかった…そのため自然と脳の片隅に追いやられてたのだろう…しかしリンの言葉によって真ん中に引っ張られた。
「すまない…」
「あっ認めるんですね…まぁ言い訳などが無いのはありがたいですが」
「よく気がついたな…」
親に叱られ、縮こまる子供のような情けない姿のメタナイト。
「アビドスの生徒…そこに閲覧履歴がついていたとAIが確認したようです。ここ数ヶ月でアビドスの生徒情報を見る人物なんて先生しかいないと思いまして」
「あぁ私だ…事情があって…これは言い訳だな…分かった、どんな罰でも受けよう!」
リンはメタナイトの発言に苦笑したが、すぐ優しい顔に切り替えて言った。
「始末書は書いてもらいますが、他にはありません。先生の事は信頼してますから…生徒の情報を利用して悪事を働くとも思いませんし」
「…恩に着る」
「ですが、自由に使い放題というわけではないので、アクセスする際は必ず連絡をいれるようにしてくださいね」
「あぁ」
「始末書の用紙は後日送ります。さて、今日はこれで終わりとしましょう。ではまた今度」
そうして私はリンの元を後にした。
さて、そうとなれば行動だ…ユウカに連絡を入れるとするか…すまん。
私はマントからシッテムの箱を取り出し、モモトークを開いた。
最初は使い方なんて分からなかったが、最近になってようやく慣れてきた…覚えることが多すぎるな。
数日後
ミレニアム自治区 中央駅前広場にて。
駅からでた私は約束場所に向かっていた。
確か第一タクシー乗り場だったな。
「あっ!先生!こちらです!」
人だかりの中から聞き覚えのある、元気な声が聞こえてくる。
その声を頼りに足を進める、やがて見慣れた姿が目の前に現れた。
「ユウカか、出迎えにありがとう…先々日ぶりだな」
「お疲れ様です、先生。お待ちしていました」
早瀬ユウカ…私がキヴォトスで出会った人物の中でもかなり初期の段階で知り合った方だろう。
彼女は良くシャーレの手伝いとしてやってきてくれる…自分の仕事もあるだろうに…ありがたい存在だ。
やや青めの紫の髪にツーサイドアップ。黒のスーツがビシッと決まっている…できる社会人と言ったところか。
「わざわざ駅まで来なくても、私から学園内に出向いたのだが」
「いえいえ大丈夫ですよ、来客の出迎えもセミナーとしてあたりまえの行為ですから」
「ふむ」
「この時間にこの位置で先生を見つける事が出来たのも計算通りです」
ふんす…と言った感じで腕を組むユウカ。
何をどう計算したら、私の到着時間を導き出せるのだろうか。確かにある程度の予定到着時刻は伝えたが…まぁ触れないでおこう。
「早速だが行こうか」
「はい!案内します」
自治区の景色を眺めながら移動する。
情報通りと言ったところか、ミレニアムの自治区はかなり発展していた。高く聳え立つビル群に自動制御のロボットにドローン。ハルトマンワークスの襲来時を思い出すな。
プププランドにこんな場所はない…銀河だと比較できるのはメックアイぐらいだろうか?しかしあそこは景色が汚い、それに比べてここは景観もしっかりしている…比較できるモノではないな。
他の自治区を蔑む訳ではないが、ミレニアムの治安は他よりも安定してると言える。
ユウカ曰く、警備システムが優秀なのだとかドヤ顔で答えてくれた。
これもココのアピールポイントの一つだろう。
「そういえば良く承諾してくれたな…他校に情報が入れば政治問題にもなりかねないぞ」
「はい…確かにリスクはあります、協力する事で得られるモノもありますし、ミレニアムとしても未知の兵器は気になりますからね。後先生の頼みは断る気になれないと言うか…」
「頼りになるな、感謝するぞ」
「いえいえ…その、例のモノはアビドスの砂漠で回収したんですよね?」
「あぁ…アレはこの世界のモノではない…私がいた世界のモノだ」
「…先生がキヴォトスに来た時に一緒に迷い込んだとか…でも流石に非科学的…うーん…」
「そもそも、私がこの世界に来たという事実があるんだ、説明できない何かしらの力が働いたのだろう」
「…お呼びではない物がキヴォトスに迷い込んだ可能性は…」
「大いにある」
大いにある…とは言ったが確実だろう、私はあの社名を実際に見た。
ノヴァのせいか、私のせいか…それともヤツの独力か…
解析することができればさらに有用な対策方も確立できるし、そしていざとなった時にこちらであれを活用できるだろう。
どんな些細なことでもヤツのマイナスになるならやるべきだ。
この世界がめちゃくちゃになる前に止めなければ。
やがて校内に入り、今は白く長い廊下を歩いてる所だ。
私は隣を歩くユウカに、解析に勤しんでいる者たちについて聞いた。
「たしか『エンジニア部』…が解析していると言っていたな?」
「はい、彼女達が持っている技術は本物です、私が保証します…が」
「が?」
ユウカは眉間にシワをよせ、腕を組んだ。管理職特有の苦労のオーラが見える見える。
私にもなんとなくわかったぞ…まぁアレだろう、『やらかし』が多いと言うことだろう。
まぁ技術屋ならある事…なのか?
「…異常な頻度で天井や壁に穴を開けるんですよね…」
『やらかし』のレベルじゃないではないか…天井や壁って簡単に穴が開く代物だったか…?
エンジニア部…とんでもない集団かもしれん…心していかなければ。
「ま、まぁそれほど情熱がある…という訳ではないか?」
「その情熱の矛先が色々とおかしいんですよ…まぁそれはミレニアムの部活のほとんどに言える事ですが…はぁ…そのぶっ飛んだ情熱がミレニアムが誇る技術力に直結してると考えると…それを咎めるのもひけるというかなんと言うのか…」
「ユウカ…後で一杯奢ろう」
「キリマンジャロで…」
「覚えておく」
校内のカフェテリア…よりかは少し歩いて喫茶店の方が良さそうだな。
先ほど、良さげな店を横目で見つけていてな…看板に中々良さそうなスイーツが載っていた。
キヴォトスにはまだ道のスイーツが沢山あるはずだ、正直興奮が止まらん。
数分歩いたところで、ユウカの「ここです」の一言で足を止めた。
目の前には重厚な鉄の扉の姿があった。
「ここか…でかい扉だな」
「貫徹力300ミリ以上の徹甲弾にも耐える事ができる扉です…エンジニア部は傾斜装甲もとりいれたかった言ってましたが…流石に扉に傾斜はまずいので、却下しましたよ」
襲撃にでも備えているのだろうか?
鉄製の重そうな扉…黄色と黒のシマシマラインにデカデカと赤い文字で『WARNING』とある…目が痛くなってくるな。
それに『エンジニア部』の札もある、間違いないここだ。
扉を見上げていると、ユウカが提案をしてきた。
「先生の視点からしたら、私の倍以上は感覚が変わってきそうですね、どうします?持ち上げますか?」
ユウカは私の前にしゃがみ込み、くいくいと犬を待つ飼い主のような手で招いてくる。
裏のない笑顔だ…が流石に断る。何故かって?『プライド』だ、分かるだろう。
「…いや大丈夫だが」
「遠慮しないでください」
「別に遠慮なんてしてない…」
ダンダン!
「エンジニア部はいるかしらー!」
大きめな声で不在を確認しつつ、ユウカは強めに扉を叩く…さながら逮捕しにきた怖めの警察のようだ。
『その声はユウカか?空いているぞ入ってきてくれ!』
中から声が返ってきた。
「では入りましょう、先生」
「あぁ…だがその…開けてくれないか?」
またまた扉を見上げる…まぁこんなモノ斬ってしまえばいい話だが…今の状況的にそれはできん。
「…だから私が抱えるって言ったんですよ?」
「…」
ゴゴゴゴゴゴ
ゆっくりと開く扉、その中にはもちろん空間が広がっていた。
…思ったより綺麗だな。
これは偏見だが『エンジニア』と聞いてそこらじゅうに油汚れがこびりついているかと思いきや、真っ白な壁がお出迎えしてくれた。
清潔感があっていいではないか…ハルバードの艦内も白の方が…いや私のイメージとは合わないな…
工房?ガレージ?を見渡していると、こちらにエンジニア部の生徒と思われる少女が歩いてきた。
「やぁユウカ、今日はなんのようだい?特にまだやらかしてはいないはずだが」
「やらかす前提でいないでくださいよ…例の件です、そのためシャーレから来客が…」
「来客?」
ユウカが下に向かって指をチョイチョイと動かす。もちろん指先は私。
彼女の誘導通りに、エンジニア部の彼女の目線が動き、やがて私と目が合った。
最初は無表情だったがだんだんと口角が上がっていった。
「なるほど!あなたが噂の先生か!」
勢いよくしゃがみ目線を同じ高さに合わせてくる。顔が近い…
「そうだな…シャーレで先生をしているメタナイトだが…君がエンジニア部と言うことか?」
「あぁ、エンジニア部部長の白石ウタハだ、苗字は飛ばしてウタハと呼んでくれればいいメタナイト先生!」
「よ、よろしく頼む」
私でも目が追えないほどの速さで握手をしてきたと思えば、ブンブンと腕を縦に振るウタハ…
やはり生徒達は力が強い…私の腕がもげないといいが…
「先生の事はユウカから聞いているよ、丸くて可愛いと聞いていたが…成程ね…あっ後、戦車を真っ二つにしたとか!流石に最初に聞いた時は疑ったが…ユウカの言う事だし事実なんだろう」
「あぁそんな事もあったな、懐かしい」
「まだ、数ヶ月しか経ってないのが怖いですね…シャーレがキヴォトスに受け入れられるスピードが早すぎますよホント…」
私がキヴォトスの大地を踏んだ日の事だ。
たしかクルセイダーだったな肩慣らしには良い相手だった。
「一体どんな武器を使ったんだい?鉄の塊である戦車を綺麗に切ることなんて…溶断した訳でもなさそうだが…ウォーターカッター?いや…武器にする事なんて…」
「この剣だ」
私はウタハの正解を教えるべく、ギャラクシアを鞘から抜いた。
抜きたてほやほやの宝剣はバチバチの音を立てている。
「こ…これは………黄金の剣だね、やけにとげとげしているが」
まぁそうなるな。予想できた反応だ。
下手な冗談だと思われただろうか?まぁいい説明しよう。
私はそこらにあった適当な台にギャラクシアをよこたわらせた。
「この剣はギャラクシアと言ってだな…私がいた世界…遥か何万年も前に作られたという宝剣だ…これを握ると力がみなぎってくる」
「大事な物なんですね」
「その通りだユウカ…戦友達との記憶がこの剣にも宿っているはずだ」
「ふむ…剣はいくつか見たことはあるが…流石に始めて見る形だね、それにギャラクシアと言う名も初耳だ…成程外の世界には面白いモノが沢山あるみたいだね…良い、素晴らしい。もっと近くで見てもいいかな」
「見るのはいいが、触らない方がいいぞ…自分で言うのもなんだが力がある者でなくては、ギャラクシアがもつエネルギーに焼かれ…」
「ん?先生、何かいったかな?」
素っ頓狂な顔で答えるウタハ…その手にはギャラクシアの姿があった。
「は…へ?」
思考が停止するメタナイト。
ぎ、ギャラクシアは力がある者でないと持てないはず…ま、まさかウタハはギャラクシアを持てるほどの力量が?
確かにキヴォトスの生徒達は強い…しかし、ギャラクシアを持てる程とは…恐れ入った…
「うーむ…特に仕掛けもない、剣だね…ロケットブースターも火炎放射機能もない…」
「う…ウタハ…その剣を持って体に異変はないか?」
「異変?うーん…触った時にピリッと来たけど静電気かなにかだろうね」
「静電気…」
「ウタハ先輩、先生の大事な宝物ですから、そんなに触るのは…」
「おっとそうだね、すまない」
「あわわわ…!急に渡さないでくださいよ…落としたらどうなるか…先生、これはお返しします」
「あ、あぁ」
ウタハがユウカに剣を渡し、ユウカが私に剣を返す…と言った感じでギャラクシアが帰ってきた。
…さらっと通過したが、ユウカも持てるのか…
「ゴホン!あの…先輩、そろそろ本題に入りたいんですけど…」
「おっとそうだね!ついてきてくれ」
「先生、いきましょう…先生?」
ギャラクシアのつかを握りしめ立ち尽くすメタナイト…数分の間に起きたまさかの光景に唖然としていたのだ。
「すまないちょっと時間をくれ」
「?はい」
そそくさと、彼女達から距離をとったメタナイト。
その後、彼が取った行動というと…
「ギャラクシア!どういうことだ…お前はそう簡単に持てる存在ではないはず…」
剣に話かける事だった。
傍から見たらおかしい行動だが大丈夫、安心してほしい…別に頭が急にいかれた訳ではない。
『…私にも分からん』
メタナイトの脳内に声が聞こえてくる。
ちゃんと会話は成立している…なぜならギャラクシアは自我を持つ剣であり、テレパシーのような形で会話が可能なのである。
なぜギャラクシアに自我があるのか。作った職人の魂が宿っただとか、散っていった戦士たちの魂が宿ったなのかなどいろいろあるが…文献も何も残っていない古代の民が製作したため分かっていない。
「分からないとはなんだ…」
『…イヤ…だって本当に分からんし…』
「お前…そんな話し方だったか?」
いつになくフランクなしゃべり方をする宝剣に困惑するメタナイト。
普段だったら、もっと威厳あるような喋り方をするのだが…まるで若者のような口調ではないか。
『まぁ…大切な生徒が、電撃で焦げなかったと思えばいいだろう?』
「それはそうだが…貴様の匙加減だろう」
『まぁ…私としては可愛いおなごに持たれて満足だ』
発光するギャラクシア。
そんな剣を鞘におさめてメタナイトは言い放った。
「…私は最悪な気分だ…」
こそこそと剣と会話するメタナイトを見てウタハはユウカに質問を投げかける。
「先生が物と会話する事はよくあるのかい?」
「…まぁ、シャーレの執務室でタブレットと会話するのは何回か目撃しましたが…」
「ふむ、あの剣にアシスタントAIを搭載したら喜ぶかな?」
「絶対にやめてください、予算を半分にしますよ」
「ふふふ…その脅しは禁止カードだよユウカ」
死んだ魚の目で何処かを見つめるウタハだった。
キャラ崩壊(ギャラクシア)です。
ミレニアム訪問は次回まで続きますよろしくお願いします。
カービィシリーズのプレイ経験は?
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ガチ勢なのサ