東方歌謡録   作:みかみりん

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じ(縦書き!?)
・何気に朝ごはん食べてなかったね
・未成年飲酒だめ絶対!
・今明かされる(かもしれない)過去が!?


泥まみれの村

「・・・ふわぁ・・・ここ、は・・・」

「あら、起きたのね。おはよう。調子はどう?」

「えっとね・・・あれ、痛くない!」

「ふふ、よかった。あ、お腹空いてるでしょ。何か食べる?」

「えっとー・・・りんご食べたい!」

「分かったわ。剥いてくるわね」

 

アリスは部屋を出る。

少女はベッドで寝かされていたようだ。

 

(すごい。お人形がたくさん・・・かわいいなぁ)

「・・・あ、あの黄色いお洋服の子!私好きだなぁ」

ヒュ~ン

「ふぇっ!?」

 

人形を見つめていると、その人形は少女の所に飛んでくる。

 

「え、えっと・・・」

「あっ!ご、ごめんなさい!」

 

部屋に入ってきたアリスが慌てて近寄ってくる。

そして、寄ってきた人形を回収した。

 

「・・・い、今のは・・・」

「あ・・・び、びっくりしたわよね・・・」

 

気まずい沈黙が流れる。

 

「・・・す、すご~い!今、動いて飛んできた!かわいい!ねえ、どうやって動いてるの?これも魔法なの!?」

「え・・・」

「あれ、何か生えてる・・・?あ、これ糸!?どこから伸びてるんだろー?」

「・・・ね、ねえ。怖く・・・ないの?」

「え?怖くないよ?かわいいじゃん!」

「・・・っ」

 

急に、アリスは少女を抱きしめた。

 

「えっ・・・?ア、アリスさん・・・?」

「・・・あ、ご、ごめんなさい。えっと・・・初めて、だから」

「初めて?」

「うん。・・・人形を、かわいいって言ってもらえるのが。みんな、不気味って言うから」

「えー。そんなことないよ?いっぱいいて、かわいいじゃん。それに、なんだか温かい」

「温かい・・・?」

「何だろうなー。お人形の中で何かが流れてる気がするの!何が流れてるのかなー」

(流れ・・・もしかして、魔力の流れを・・・?まだ小さいのに、小さな人形の魔力の流れが分かるの・・・?)

「・・・すごいわね。あなたには、魔法使いの素質があるかも」

「ほんと!?えへへ、やったぁ!」

ぐぅ~

「・・・あっ、お腹が鳴っちゃった・・・」

「そうね。ほら、りんご。うさぎ切りよ」

 

アリスがうさぎりんごが乗った皿とフォークを手渡す。

 

「かわいい~!いただきま~す!」

「久しぶりだからちょっと歪だけど・・・気に入ってもらえてうれしいわ」

「うん、おいしい~!ありがとう、アリスさん!」

「どういたしまして。・・・そうだ、あなた、名前は?」

「えっとね・・・霧雨魔理沙!」

「魔理沙ね。・・・ねえ、魔理沙。聞きたいことがあるのだけど」

「どうしたの?」

「・・・昨日、何があったの?あんな大雨の中、必死に走って・・・」

「・・・あのね。私、村にいたんだ」

「村・・・ってことは、住んでる所はあったのね」

「うん。それでね、お祭りやってたんだ」

「お祭り・・・」

「お祭りはね、おっきなお祭りなの!それでね、夜にはすごいイベントがあるの!」

「すごいイベント?どんなイベントなの?」

「あのね~。神様がやってくるんだ!」

「・・・?」

「難しい話だったんだけど、神様を呼んで、村を守ってくれるんだって!私みたいな小さい子はお祭りの夜に外にでちゃいけないから、神様がくる瞬間は見れなかったんだけどね」

「へえ・・・何だか、神々しい儀式なのね」

「うん。・・・それで、家で待ってたら、急に外が騒がしくなって・・・気になって、出ちゃったんだ。そしたら・・・」

「・・・」

「・・・外に、おっきな水があったの。そのおっきな水が、みんな、飲み込んじゃって・・・」

 

そこまで言うと魔理沙は黙り込んだ。

 

(おっきな水・・・スライムかしら。でも、人を飲み込むほど大きなスライムは聞いたこと無いわ)

「・・・それで、逃げてきたのね」

「うん。・・・ねえ、みんな、無事かな」

「・・・きっと、大丈夫よ」

「そっか・・・。ねえ、私、見に行きたい。みんな、大丈夫か心配だよ!」

(・・・人が飲み込まれた。それほどのことが起きて、死人が出ないとも考えにくい・・・まだ幼いこの子に、そんなのを見せて良いのかしら・・・)

 

悩むアリスを、魔理沙は見つめる。

その目は、確かに強かった。

 

「・・・お姉さんの近くを、離れちゃ駄目よ。そして、怖い物があるかもしれないわ。・・・それでも、行く?」

「うん・・・!私、頑張る!」

「・・・そう。でも、その前にご飯を食べないとね。食べ終わったら、行きましょう」

「・・・!うん!」

 

■■■■

 

ご飯を食べ終わり、身支度を整え、外にでる。

 

「えっと・・・村はどっちの方面かしら」

「あっちだよ」

「あっちね。よし、行きましょう」

 

~少女達移動中~

 

(・・・何だろう、この臭い・・・どぶ臭いというか・・・)

「も、もうすぐ・・・だと思う」

「・・・結構やばそうだけど、大丈夫?」

「・・・う、うん」

 

魔理沙の手を強く握る。

そして、森が終わり、村が見えてきた。

それは・・・とても直視できる物ではなかった。

 

(・・・何この、泥・・・!?それに、人が・・・溶けてる・・・!?)

「あっ!見ちゃ・・・!」

 

アリスは呆然としたが、すぐに気を取り直す。

しかし、魔理沙はショックを受けてしまっていた。

 

「あ・・・みん、な・・・」

(これ以上いちゃいけない・・・!でも・・・足が・・・!)

「・・・早く帰って」

「えっ・・・?」

 

突然、泥の中から人が現れる。

泥の中から出てきたのに、体には泥がついていない。

見た目も独特で、白くて地面につくほど長い髪で、頭から竜の角のような物が生えている。

服は死装束で、所々焼けた後がある。

だいたい13歳ぐらいの見た目だ。

 

「あなたは・・・?」

「早く帰って」

「・・・ねえ、あなたが、こんな事をしたの?」

「・・・そうだよ」

「っ・・・!なんで、こんな事・・・!」

「・・・本当に、お前が・・・やったの?」

「魔理沙・・・?」

「そうだよ。早く帰って」

「・・・なんで・・・なんでなの!なんで、みんなこんなことにならなくちゃいけなかったの!?私達が何をしたって言うの!?ねえ!」

「へえ・・・ここの、村の子なんだ」

「そうだよ!なんで、なんでこんな事したの!?」

「・・・」

 

少女の魔理沙を見る目つきが変わる。

まるで、獲物を見つけた妖怪のようだった。

 

「・・・待ちなさい。この子に手を出すなら、私が相手になるわ」

 

アリスが魔理沙の前に立つ。

 

「・・・襲わないよ。早く帰って」

「・・・分かったわ。大人しく帰る。だけど、もうこれ以上この子に関わらないで。そして・・・」

 

「自分が犯した罪を、忘れないで」

 

そう言うとアリスは魔理沙の手を引き、引き返す。

 

「・・・ごめんなさい」

「・・・?」

 

何か言ったような気がして、振り返る。

しかし、もうそこには誰もいなかった。

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