東方歌謡録   作:みかみりん

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ZENKAIのARASUZI(かっこ・・・よくない)
・ミニ魔理沙だぁぁぁぁ!
・おう村ヤベえじゃないかい
・わあ見た目細かいな


にくしみのまじょときぼうのまじょ

2人とも何も喋らないまま、アリスの家に帰ってきた。

 

「・・・ごめんなさい。軽く見過ぎていた。無理にでも、止めるべきだった。・・・あんな物を、見せてしまった・・・」

「・・・ねえ、もし私が・・・すごく強い魔法を使えたら。みんな、ああならずに済んだのかな」

「えっ・・・?」

「そうでなくとも・・・せめて、あいつだけでも・・・殺せてたのかなぁ」

 

魔理沙は力無く、笑っていた。

 

「ねえ。私に・・・魔法を教えてよ。もう、帰る家は無いんだし。魔法を極めて・・・あいつを殺して。それで、私も・・・」

「っ!ダメよ、そんなこと!」

 

アリスはとっさに魔理沙の前にかがみ、両肩をつかむ。

 

「何でよ・・・だって、あいつが、壊したんだよ?私達の、日常を。じゃあさ、報いを受けさせなきゃ。だから・・・」

「・・・だめよ。確かに、あいつがやったことは許されない。・・・でも、それに捕らわれてちゃいけないと思うの。今のあなたは、憎しみで動いている。憎しみは、何も生まないわ。その目標が達成されたとしても、後に残るのは空虚だけ。嬉しくもないし、達成感もない。ただただ・・・虚しいだけよ」

「で、でも・・・」

「・・・今のあなたにぴったりな絵本があるわ。一緒に読まない?」

「・・・?」

 

アリスは魔理沙の手を握り、家の中に入っていった。

 

■■■■

 

「えっと・・・確か、ここら辺に・・・あ、あった。ちょっとほこりを被ってるわね・・・」

 

アリスは絵本のほこりをはたきながら、いすに座る。

前には、すでに魔理沙が座っていた。

そして、テーブルに人形がホットチョコレートを持ってきた。

 

「甘いのは好き?これ飲むと結構落ち着くのよ」

「あ、ありがとう・・・」

「・・・さて、話しましょうか。私の、お気に入りの絵本なのよ」

「えっと・・・『にくしみのまじょときぼうのまじょ』?」

「ええ。なんか、子供向けとは思えない話ではあるのだけど・・・ぜひ、聞いてちょうだい」

 

アリスは魔理沙に見せるように絵本を向ける。

そして、ページをめくり始めた。

 

~~~~

 

むかしむかし、あるところにまじょがいました。

まじょは村の人気者で、人々にべんりなアイテムを売って暮らしていました。

まじょはその生活がとても楽しく、いつも笑って過ごしていました。

そんなある日のこと。こわーいまものがあらわれて、村をおそってきたのです。

まじょは村の人たちと協力してたたかいました。

しかし、まものたちはとても強く、村はかいめつしてしまいました。

生き残った人も、まじょ以外だれもいません。

まじょは悲しみました。そして、いつかまものをにくむようになったのです。

それから、まじょはいろいろなまものをたおしました。

人々をおそうまものはもちろん、おそわないまものも。

見つけたらかたっぱしからたおしていきました。

いつしか、まじょは「にくしみのまじょ」と呼ばれるようになり人々からおそれられました。

そして、そのうわさはとあるまじょにも届きました。

そのまじょは「きぼうのまじょ」。いつも前向きな明るいまじょです。

うわさを聞いたきぼうのまじょは、にくしみのまじょに会いに行きました。

「なあ、お前がにくしみのまじょかい?」

きぼうのまじょはにくしみのまじょに話しかけます。

しかし、にくしみのまじょはそれを無視し、歩き始めました。

けれど、きぼうのまじょはそれいこう、ずっとにくしみのまじょについて行きました。

雨の日も、風の日も。どこにだってついていきます。

かんねんしたにくしみのまじょは、ついにきぼうのまじょの問いかけに答えます。

「・・・そう。わたしが、にくしみのまじょ。答えたから、帰ってくれる?」

きぼうのまじょはおどろきましたが、すぐにうれしそうな反応をしました。

「やっと答えてくれたな!へへ、ついてきたかいがあったぜ」

「はぁ・・・もう、帰ってよ。わたしについてきたって、何も面白くないよ」

「別にいいぜ。・・・というか、お前まものをたおしすぎだろ。かわいそうじゃないか」

その言葉に、にくしみのまじょは反応します。

「かわいそう?・・・何言ってるの。あいつらがいるせいで、この世界はよごれる。あいつらは、ねだやしにしないといけないの」

「そんなこと、ないと思うけどなぁ・・・わたしの友だちに、ゴブリンがいるぜ?やさしくて、いいやつだ。それに・・・」

「あなたに何が分かるの!どうせそのゴブリンだって、本性をかくしているだけ!まものは全部悪なの!」

にくしみのまじょはどなります。そして、きぼうのまじょにまほうを放ちしました。

まほうはきぼうのまじょに当たってしまいます。

「どう?まものをたおしまくって、きたえたまほう。平和ボケしているあなたたちとはかくがちがうの」

「・・・そうだな。たしかに、強い。だけど・・・ひどく、むなしい」

「っ・・・!」

にくしみのまじょは次々とまほうを放ちます。

きぼうのまじょは考えたそぶりをしたあと、そのばから消えてしまいました。

「消えた・・・?」

そのとき、うしろから「ぽんっ」とかわいらしい音がなりました。

ふりむくと、そこにはかぶっていたぼうしからうさぎを出しているきぼうのまじょがいました。

「・・・まほうっていうのは、こういうよろこばせるもんだと思うぜ?」

うさぎはにくしみのまじょにとびのります。

「かわいいだろ?こいつだって、まものなんだぜ」

そのうさぎには、角が生えていました。

「・・・わたしの家にこないか?お前のこともっと知りたいんだ」

にくしみのまじょはことわろうとしましたが、お腹が「ぐぅ~」となりました。

その日は、にくしみのまじょはきぼうのまじょの家に泊まることにしました。

きぼうのまじょの家では、きのこのパイが出てきました。

「さ、めしあがれ。おかわりもあるぞ」

にくしみのまじょは少しちゅうちょしましたが、ためしに一口食べてみました。

きのこのパイはとてもおいしく、なによりも久しぶりにあたたかくなれました。

いつの間にか、にくしみのまじょは泣きながら食べていました。

「おいおい・・・そんなに泣くものか?」

「・・・ありがとう。すごく、あたたかいよ」

「・・・そうか」

きのこのパイを食べ終えたにくしみのまじょは、今までのことを全て話しました。

元は明るいせいかくだったこと、村がまものにおそわれたこと、だからまものをにくむようになったと。

話を全て聞いたきぼうのまじょは、にくしみのまじょに話しかけました。

「・・・大変だったんだな」

「うん・・・」

「・・・なあ、お前はその道中でえたものはあったか?」

「えたもの・・・?ああ、強いまほうを・・・」

「それをえて、うれしかったか?」

「それはもちろん・・・」

そこでにくしみのまじょは気づきました。

まほうをおぼえたとき、そこにうれしさは無かったのです。

むかしは、とてもうれしかったのに。

にくしみのまじょは何も言えずだまってしまいます。

「・・・わたしはさ、にくしみは何も生まないと思ってる。まあ、にくしみが強い力を生むのは事実だけど。でも、それが終わったとき。残るのはむなしさだけ。空っぽになっちまうんだ」

「それでも、わたしは・・・わたしは、あいつらを・・・」

「・・・それに、そいつらは本当にそれをのぞんでいるのか?」

「えっ?」

「お前が、にくしみにとらわれ、まものをせんめつし、空っぽになること。それを、村のやつらがのぞんでいると思うか?」

「で、でも・・・」

「わたしはそうは思わない。まあ、会ったことはないんだけどな。少なくとも、わたしが村のやつだったら、のぞまないな」

「・・・じゃあ、どうすればいいの。もう、戻れないよ。たおしすぎた。この手は・・・もう、真っ赤だよ」

「別に、いいじゃないか。よごれたなら、洗えばいい。ただそれだけだ。心の底から、変わりたいとねがうなら、いつか、その真っ赤なよごれだってとれるよ」

「・・・わたし、変わりたい。もう、にくしみみとらわれて生きたくない。ねえ、あなたの家に、住んでいい?」

「とうとつだな・・・ま、いいぜ。空きベやはあるしな。これから、よろしくな!」

「うん・・・!」

二人のまじょはあくしゅします。

その後、にくしみのまじょはたくさん良いことをしました。

そして、忘れていたまほうのたのしさや、うれしさを思い出せたのです。

いつしか、にくしみのまじょはその名で呼ばれなくなり。代わりに、もう一人のきぼうのまじょと呼ばれるようになりました。

そうして、二人は仲良くくらしましたとさ。

めでたし、めでたし。

 

~~~~

 

「・・・これでおしまいよ。どうだった?」

「なんだか・・・にくしみのまじょさんが、私に似てる気がする」

「そうね。でも、そう思えるのはすごいことよ」

「えっ?」

「自分でも思うのだけど・・・そういう自分の負の部分は受け入れにくいのよ。だけど、あなたはそれを受け入れられた。それだけでも、すごいことよ」

「・・・ねえ、この絵本、部屋に持ってっていい?」

「ええ。ゆっくり、読み返すと良いわ」

 

魔理沙はアリスから絵本を受け取り、部屋に戻る。

そして、ベッドに寝転がった。

 

『お前が、にくしみにとらわれ、まものをせんめつし、空っぽになること。それを、村のやつらがのぞんでいると思うか?』

「・・・」

(ママは、パパは、望んでるのかな・・・?みんな、私がこうなることを・・・いや、そんなわけないよね。・・・でも)

 

魔理沙はページをペラペラとめくる。

 

「・・・でも、やっぱり、あいつが・・・憎いよ」

 

自然と、目から涙が出てくる。

 

「うう・・・ひぐっ。ママ、パパ、桜歌ちゃん、会いたいよ・・・!」

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