東方歌謡録   作:みかみりん

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前回のあらすじ(あれ・・・まともだ)
・魔理沙!待て!早まるな!
・oh・・・本気出しちゃってる
・ってことで第2ラウンド、開幕っ!


最初の魔法

(・・・さて、私が今やるべきことは主に2つ。まず、この人形の妖怪を倒すこと。そして、それをこなしつつ魔理沙を守ること。前者はいけなくもないけど、後者が絡むとなると話は違う。まあでも・・・)

「できないことではないわ。やってやろうじゃない」

「正直、あなたは逃げてもいいんだけどな。どうしてそこまで守ろうとするの?」

「決まってるわ。私が、彼女の家族だからよ」

「・・・ふーん、じゃいいや」

 

その声を合図にアリス達に向かって一斉に大きなスズランたちが襲ってくる。

アリスは冷静に一個一個撃破していく。

 

(これぐらいなら、まだ大丈夫。でも、消耗戦になったらまずいわね・・・だからといって、魔理沙から離れることもできないし・・・)

「・・・そうだ、魔理沙。ちょっといい?」

「えっ?」

 

アリスは魔理沙の指に糸を結ぶ。

その糸は、人形と繋がっていた。

 

「この人形があなたを守ってくれるわ。ここで待っているのよ、分かった?」

「わ、分かった・・・」

(これで、魔理沙はどうにかなりそう。さて・・・)

「・・・これで、本気を出せるわね。スペルカード発動、足軽『スーサイドスクワッド』」

 

アリスが手を薙ぎ払う。

すると、一瞬にして大きなスズランが切り刻まれた。

 

「はっ・・・!?な、何が起こって・・・」

「私は人形使いであると同時に、糸使いでもある。人形を動かすために、必然的に糸の扱いもうまくなったの」

「じゃあ、糸で切ったってこと・・・?凄いね、想像以上だよ・・・」

「ふふっ、そうでしょう?じゃあ、今度はこちらの番ね」

 

人形達が一斉に攻撃を始める。

アリスも弾幕で加勢していた。

 

(動きづらい・・・どこから出てくるのか全く分からない。このままじゃ、負ける・・・!)

「いや、私は・・・負けるわけには行かないんだ!スペルカード発動!毒符『ポイズンブレス』!」

 

毒を纏った弾幕が、全方位にばら撒かれる。

 

「こんな所で計画を終わらせてたまるか!みんなの未来のため、絶対に勝たなくちゃ!」

(計画、みんなの未来・・・?その計画とやらが、この子が躍起になってる理由?・・・いや、考え事はあとよ、今は集中しないと・・・)

 

アリスは冷静に弾幕を避けていく。

 

(長い・・・あとどれくらいで・・・)

びちゃっ!

「っ!?」

 

アリスの人形から伸びる糸に、スペルが当たる。

そして、糸は切断され、人形は地面に落ちた。

 

「随分と物騒ね・・・」

(恐らく、私の攻撃手段を潰しにきた。流暢に拾ってる暇もないわね。・・・というか、攻撃手段を潰すなら、人形本体を溶かせばいいと思うのだけど・・・)

 

考え事をしながらも、しっかり避けていくアリス。

 

(そろそろ反撃しないと・・・大丈夫、次で仕留める・・・!)

「わっ!に、人形が・・・!」

「魔理沙っ!?」

 

魔理沙の人形が、いつの間にか地面に落ちていた。

恐らく、さっきのスペルで溶かしたのだろう。

アリスは迷い無く、魔理沙に駆け寄ろうとするが・・・

 

がしっ!

「っ・・・!?」

「やーっと、捕まえた」

 

その瞬間、アリスの体が宙に浮く。

大きなスズランに、捕まってしまったのだ。

 

(魔理沙の人形を落としたのは、私を捕まえるためのおとりってこと・・・?手も動かない、これは・・・結構まずい・・・!)

「ちょこまかと動いて、大変だったよ。まあでも、捕まえられてよかった。あなたはそこで見ててよ。私が、この子を殺す瞬間をさ」

 

一歩ずつ、魔理沙に近づく。

魔理沙はただそれを、呆然と見ることしかできなかった。

 

(私、ここで死ぬの・・・?まだ、私は・・・魔法を使えないのに。約束・・・守れないよ・・・!)

『不安だったら、心の中でママ達に助けてって言ってみて。そしたら、きっと助けてあげるから』

 

(お願い・・・ママ、パパ。アリスを、私を、助けて・・・!)

 

『・・・魔理沙。落ち着いて、杖を持って』

「えっ?」

 

どこからか声がした。姿は見えない。けれど、不思議と暖かい。

 

『力を杖に込めるんだ。そして、それを出してごらん』

『大丈夫、魔理沙ならできるわ』

「・・・ママ、パパ・・・?」

 

魔理沙は言われたとおり杖を持つ。

 

(力を杖に込める・・・そして、それを出す・・・)

「・・・できないよ、やっぱり・・・」

『諦めちゃだめだ。落ち着いて、もう一回』

「で、でも・・・」

「あはは、どうしたの?急に杖なんか取り出してさ」

「っ・・・!」

 

その瞬間、魔理沙を中心に強い風が吹く。

 

「わっ・・・!?な、何これ!?」

 

あっちも困惑しているようだ。もちろん、魔理沙もアリスも、何もしていない。

・・・けれど、魔理沙にはなんとなく理由がわかった。

 

「今の、もしかして・・・」

 

杖を握る手が温かくなる。

まるで、両側からも握っているようだ。

 

『大丈夫。自分を、信じて』

『魔理沙ならできる。さあ、やってごらん』

「・・・!うん・・・!」

 

魔理沙は立ち上がり、杖を相手に向ける。

 

(大丈夫、私なら・・・できる!)

 

魔理沙の周りに、小さな魔法陣が出来始める。

 

(あ、あれって・・・魔理沙の、魔法・・・?)

「いけーっ!」

 

次の瞬間、魔法陣からレーザーが発射される。

 

ビィィィンッ!

「は・・・!?あいつ、戦えたの・・・!?」

 

少女は、ほぼ全てのレーザーを食らってしまった。

 

「いった・・・!」

「で・・・できた?これが・・・私の・・・」

(・・・大器晩成だったのね。最初からあの高威力・・・きっと、私ぐらいに・・・いいえ、私を超える、魔法使いになる・・・!)

「あっ!これで、アリスも・・・!」

 

魔理沙はレーザーを大きなスズランにも放つ。

大きなスズランは、攻撃を避けるためアリスを離して地面に潜った。

 

「・・・すごいじゃない。正直、予想以上よ、これは」

「・・・さっき、2人が来てくれたんだ。私のために」

「2人・・・そうだったのね。きっと、我が子の願いに応えたんじゃないかしら」

「そうだな・・・本当に、見てくれてたんだ」

「はぁ・・・一回できたからって、調子に乗って・・・!」

「魔理沙、行ける?」

「もちろん!絶対に、生きて帰ろうな!」

 

アリスと魔理沙は、少女に向き合う。

少女は、殺気がさっきよりも増していた。

 

「絶対・・・帰さない。みんなの未来のためにも、絶対に・・・!」

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