東方歌謡録   作:みかみりん

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前回のあたすじ(おしい!)
・想像以上に大変そうなアリスさん・・・
・やっぱこの2人最高だよ・・・(なんかそう言うの多くね?)
・そして魔理沙、お説教のお知らせ


親友と、恩師との出会い

「・・・あれ、私生きてる・・・?」

 

少女は目を覚ました。

辺りを見渡すが、さっきまで戦っていた2人はもういなかった。

 

(あの人は依頼で来たみたいだけど・・・殺さないんだ。相当眠ってたんだろうな、肩が痛い・・・)

 

少女は立ち上がる。

まだ体の傷は痛むが、そのうち治るだろう。

 

「なんか・・・疲れたな。これからどうしよう・・・」

(人形の解放には、まだやるべきことがたくさんあるのに。なんだかやる気がでない。・・・今日はゆっくり休もう。疲れがとれたら、そのうち頭も回るようになる)

 

少女は歩き始めた。

しかし、歩いてすぐに思わぬことに遭遇する。

 

「・・・誰か、いる?」

(気を失ってた時に入ってきたんだろうな・・・気づかなかった。多分、人間では無いだろうけど・・・)

 

水色のショートヘアに、青緑色のリボン。

そして、特徴的な羽。おそらく妖精だろう。

後ろを向いているので、顔までは分からない。

 

(・・・ほっとこう。今はそれより、早く・・・)

「・・・あれ?ねえ、お前ってここに詳しいの?」

「えっ・・・?」

「いやさ、この花の名前分かんなくてさ!教えてくれる?」

 

唐突に振り向き、超笑顔で訪ねてくる妖精。

少女はたじろぎつつも、答えた。

 

「えっと・・・スズラン、だよ」

「そっかー!スズランって言うんだな!よし、じゃあこれでお前とあたいは友達だ!」

「・・・え?」

「あたいはチルノ!よろしく!」

「ちょ、ちょっと、まだ友達になるって言ってn」

「そういえば、お前の名前は?」

「ええ・・・?メ、メディスン、メランコリー・・・だけど」

「えっと・・・メデスンだな!」

「メディスン!小さな「い」が抜けてる!」

「ところでメデスン、ここはどこだ?」

「だからメディスンだってば・・・!話をちゃんと聞いて・・・!」

(なんか・・・変な妖精に絡まれちゃったかも・・・)

 

とは思いつつも、逃げられないメディスン。

 

「・・・えっと、ここは無名の丘。見ての通りのスズラン畑だよ」

「ふーん・・・メデスンはここに住んでるの?」

「メディスンね。ここに住んでるよ」

「友達はいないの?」

「・・・うん、そうかな」

「じゃあ、あたいがメデスンの最初の友達ってわけだね!」

「いや、まだ友達って・・・まあいいか。あとメディスンね」

「やったぁ!・・・あ、じゃあ・・・」

 

チルノは近くのスズランを取り、素早い手つきで編み始める。

 

「・・・完成!これ、メデスンにあげる!」

 

チルノは完成したスズランの花冠をメディスンの頭の上に置いた。

 

「か、かわいい・・・あと、メディスンだからね」

「そうでしょ!あたいはこういうこと得意なんだ~!」

「・・・ありがとう。初めてだよ、こういう・・・気持ちになったのは」

「えっ?」

「なんだろう・・・すごい、ぽかぽかするよ。なんでだろう」

「・・・嬉しいんじゃないかな。そういうときは、嬉しいっていう気持ちなんだって、けーねが言ってたの」

「けーね・・・?誰なの?」

「寺子屋の先生!頭がいいんだよ!ま、このあたいに比べたら、まだまだ全然だけど!」

「そ、そっか・・・」

「そうだ!今からけーねに会いに行こう!さ、そうと決まればしゅっぱーつ!」

「えっ・・・あっ!?や、やめて、引っ張らないでよ・・・!」

 

■■■■

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

チルノに引きずられ、疲れたメディスン。

チルノはまだ全然ピンピンである。

 

「えっと~・・・あ、あれだよ!」

 

チルノが指を指した先には、民家のようなものが一つ、建っていた。

 

「あれが・・・寺子屋?そもそも、寺子屋って何?」

「えっとね・・・なんて言えばいいんだろう?色々するの!」

「・・・?」

 

チルノは寺子屋のドアに近づき、ドアをノックする。

 

シーン・・・

「・・・誰も出ないけど」

「うーん・・・でも、中にはいるはず・・・お昼寝してるのかな?じゃあ・・・ちょっと下がってて」

「え、うん・・・」

 

メディスンは言われたとおり、少し距離を取る。

 

「・・・よし、スペルカード発動!氷符『アイシクルマシンガン』!」

 

すごい勢いで、ドアにつららが刺さる。

そして、ドアは半壊した。

 

「・・・え?」

「これでよし!メデスン、入ろう!」

「だからメディスン・・・ってそうじゃない!壊しちゃっていいの!?」

「・・・いいんじゃない?」

「良いわけないでしょ!?」

「ほら、早く入ろ~!」

 

チルノは半壊したドアから平然と中に入っていく。

メディスンもワンテンポ遅れて入っていった。

 

がらっ!

「けーねー!新しい友達ができたんだー!」

「・・・ん、ああ、チルノか」

 

教室の、先生が座る席で何かを調べていた女性。

水色のロングヘアに、青いメッシュが入っている。

青いワンピースに、胸元には赤いリボン。特徴的な青い帽子を被っている。

どうやら、彼女がチルノの言うけーねなようだ。

 

「新しいと言うのは・・・その隣の子か?」

「そうだよ!えっとね・・・メデスン・メンゴリラ?」

「全然違う!メンゴリラって何!?メディスン・メランコリーね!」

「そうそう!メデスン・メランコリー!」

「メディスンだから!」

「えっと・・・メディスン・メランコリー・・・で、あってる?」

「あ、はい・・・」

「そうか。私は上白沢慧音、ここの教師だ。これからよろしくな」

「・・・うん、よろしく」

「ここでは見ない子だが・・・どこから来たんだ?」

「えっと・・・」

(無名の丘って言ったら、あそこに住む人殺し妖怪だってばれるかも・・・)

「・・・確か、むm」

「えっと!魔法の森!です!」

「え?あれ、メディスンは・・・」

「ちょっと黙ってて!」

「・・・?ま、魔法の森、なんだな」

「そ、そうです!魔法の森です!うん!」

「そうか・・・メディスンは、学問に興味はあるか?」

「がくもん・・・えっと、それは・・・?」

「そうだな・・・少し待っててくれ」

 

慧音は黒板に何かを書き始める。

りんごの絵をたくさん書いた後、チョークを置いた。

 

「・・・よし、このりんごは何個あるか分かるか?」

「えっと・・・1、2・・・18?」

「そうだな。・・・今数えたとき、めんどくさいと思わなかったか?いちいち一個一個数えるのが」

「た、確かに・・・」

「じゃあ、こう書き換えてみよう」

 

慧音はりんごの絵を消して、またりんごを描き始める。

今度は、縦に2こ、横に9この長方形の形になるように描き始めた。

 

「・・・これも同じく、18個だ」

「そうだけど・・・何も、変わってない気が」

「そうだな。けれど、こうすると簡単に計算する事ができるんだ」

「・・・?」

「メディスン、足し算はできるか?」

「それくらいなら・・・できる」

「それなら話は早い。かけ算という物を使えば、さらに早く計算ができる。この図の場合、りんご9個の列が2個。そしたら、こう書ける」

 

黒板に、「9×2」と慧音は書く。

 

「そして、この9×2の答えも、18だ。これをかけ算という」

「えっと・・・分かったような、分かんないような・・・」

「・・・そうだな。ちょっと、難しかったかもしれん。だけどな、こういうことを覚えることで、生活は豊かになる。かけ算をうまく使えるようになれば、たくさんの物の量を一発で数えることができるんだ。便利だろ?」

「確かに・・・」

「・・・うう、相変わらずよく分かんないよぉ・・・」

「チ、チルノ・・・?」

「気にしないでくれ。チルノは・・・うん、計算が苦手なんだ」

(さっきまで「あたいのほうが賢い」とか言ってたのに・・・!?)

「もしかして、チルノってばk」

「ちょーっと!あたいはバカじゃないもん!」

「ふふっ、ほんとぉ?」

「ほんとだもん!」

「3+2は?」

「9!」

「バカじゃん・・・」

「違うもーん!」

「・・・話を戻すが、どうやらメディスンは結構興味があるようだな。どうだ?寺子屋で学んでみないか?」

「えっ・・・い、いいのかな。私・・・」

「もしかして、自分が妖怪なことを気にしているのか?大丈夫だ。チルノだって妖精だけど通ってる。それに、その・・・私も人間ではない」

「・・・だろうなとは」

「えっと・・・もしかして、気づいてたのか?」

「え、凄いな。このあたいでも分からなかったのに・・・」

「・・・人間の気を察知するのには慣れてるから」

「そうなのか・・・珍しい体質だな」

「う、うん・・・」

「まあでも、ここに通う子は種族関係なく仲良くしてるぞ。見たところ、あまりそういう交流はしたことがないようだし。新鮮なんじゃないか?」

「も、もしかして・・・人間とも?」

「そうだな。大半の生徒は人間だし」

「っ・・・!」

「・・・メデスン?どうしたの?」

「・・・もしかしてだが、君は人間にトラウマを持っているのか?」

「そ、それは・・・」

「ああいや、話したくないなら話さなくていい。・・・ごめんな、嫌なこと、思い出させてしまった」

「大丈夫。・・・向き合わなくちゃ、いけないから」

「メ、メデスン・・・無理すんなよ、あたいに抱きついてもいいんだぞ!」

「・・・ありがとう。あと、メディスンね」

「その・・・君がいいのなら、話してくれないだろうか?話して楽になることもあると思うんだ」

「・・・いいの?」

「ああ。それが、教師の役目だ」

「ありがとう。・・・じゃあ」

 

慧音とチルノが見守る中、メディスンは話し始めた。

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