・甘々堂、私も行きたい
・わお、甘ばぁさんに重い過去
・この2人さ、可愛いよね(゚∀゚)
あの後、チルノとメディスンは無名の丘に戻った。
「じゃあね、メディスン!今度はあたい達の仲間も紹介するね!」
「ほ、ほんと?・・・ありがとう、待ってるよ」
「うん!」
チルノは手をぶんぶん振りながら帰っていった。
「・・・友達、か」
メディスンは無名の丘を歩く。
たどり着いた先には、あの石碑があった。
(・・・これは、慰霊碑だったのかな)
「なんか・・・申し訳ないな」
メディスンは隣に寝ころび、空を見上げる。
綺麗な星と同時に、雲も見えた。
「・・・天気、悪くなるのかな。雨宿りする場所探さなきゃ」
メディスンは立ち上がり、周囲を探索し始める。
(洞窟はここら辺には無いし・・・今日は魔法の森で雨をしのごう。雨は・・・少し我慢しないとだけど・・・)
雲はゆっくりとこちら側に動いている。
メディスンは走って魔法の森に行こうとした。
しかし、道中で何かを見つけた。
「・・・あれ、これは・・・」
それは、小さな妖精。しかし、体調がよくないようだ。
最初は人形だと思ったものの、少し動いたのを見て生きていると判断した。
「っ!?だ、大丈夫!?」
メディスンは慌てて手のひらに乗せる。
(ど、どうすればいいんだろう・・・このまんまだと、この子死んじゃう・・・よね。でも、私にはどうしようも・・・)
ふと頭によぎったのは、あの金髪の人形使いだった。
(あの人はかなり強いし・・・回復魔法とかも扱えるかもしれない。でも、そもそもあの人はどこに住んでるんだろう。依頼で来たなら近所かな、いや遠くから来た可能性も・・・どうしよう、どうしよう・・・!)
「・・・賭けるしかない。絶対、助けるから!」
■■■■
魔法の森。常に薄く霧がかかっているため、視界が悪い。
更に夜なため、暗くて全然見えない。
「はぁっ、はぁ・・・」
雨がぽつぽつと降り始める。遠くで雷も鳴っている。
「急がないと・・・あっうわっ!」
木の根っこに足を引っかけ、転んでしまう。
服は泥だらけになってしまった。
「うう・・・あ、妖精さん大丈夫!?」
幸い、妖精はメディスンがしっかり抱き抱えてたためあまり汚れていない。
しかし、体調は更に悪化しているようだ。
(ど、どうしよう!や、やばい、息が・・・!いや、止まってる場合じゃない!)
メディスンはまた走り出した。
雨は本格的に降り始め、更に視界が悪くなる。
「ふえっくしゅん!うう、寒い・・・!けど、がんばらなきゃ・・・!」
「おやぁ、何急いでるの?そのちっこいのは・・・」
「あんたらにかまってる暇はない!」
野良妖怪の顔面に毒をぶん投げる。
「うわっ!?な、なんか気持ち悪い・・・」
後ろでぶっ倒れた音がしたが、メディスンは構わずに走る。
(急がなきゃ、えっと、でもどっちに・・・)
ふと、森のはずれに家を見つける。
光がついており、どうやら誰かいるようだ。
「家だ!あそこなら・・・」
メディスンは走ってその家に向かい、ドアをガチャガチャする。
「開けて!開けてください!」
がちゃ「なんだよ、うるさいなぁ。アリスは今いな・・・ってあ、あの時の・・・」
出てきたのは魔理沙だった。魔導書を持っているようだ。
「なんで家が分かって・・・」
「この子が非常事態なの!助けて!」
メディスンの慌てように、困惑する魔理沙。
しかし、メディスンの手に抱えられた妖精を見て、事態の深刻さを悟った。
「・・・わ、分かった。頑張ってみる」
魔理沙はメディスンから妖精を受け取り、タオルに妖精をくるむ。
「えっと、回復魔法の項目・・・あった!」
魔理沙は本に目を通しながら、妖精に手をかざす。
しかし、うまくいっていないようだ。
「あ、あれ?こうじゃなくて・・・いや、こうか?全然分からん・・・!」
火花が出たり、小さな爆発が起きたり。まず間違いなく回復魔法ではないのがでてる。
「だ、大丈夫・・・一回落ち着け、しっかり読んで・・・いやそんな時間ねえな!」
妖精はさっきよりも体調が悪そうだ。限界が近いのだろう。
「ど、どうしよう・・・!」
「・・・一回落ち着いて。落ち着いたら分かることもあるかも」
「でも・・・!」
「でもじゃない!焦っててもまた失敗するだけでしょ!そしたらこの子死んじゃうよ!」
「っ・・・!」
「・・・あ、ご、ごめん・・・」
「・・・いや、ありがとう。少し冷静になった。・・・そうだな、焦ってたらまた失敗する・・・」
魔理沙は深呼吸した後、魔導書を改めて読み直した。
「・・・多分、分かった気がする」
そして、もう一回手をかざす。
数秒後、妖精に向かって魔力が流れ始めた。
「せ、成功した!?あっうわっ!」
びっくりして体制を崩す魔理沙。
慌ててメディスンが支える。
「セ、セーフ・・・ありがとう、メディスン・・・」
「感謝してる暇があるなら早くやってよ。・・・まあ、でも・・・どういたしまして」
「素直じゃないなぁ・・・大丈夫だ、コツは掴んだ!」
魔理沙は回復魔法を妖精に使う。
使っては途切れ、使っては途切れを繰り返していた。やはり一筋縄では行かない。
「や、やべぇ、魔力がもう・・・!」
「・・・私の魔力を使って。どうせ、今は私の力も役に立たないし」
「えっでも・・・」
メディスンは魔理沙の腕を掴み、魔理沙に魔力を流す。
「・・・これで足りる?」
「あ、ありがとう・・・!」
メディスンから貰った魔力を使って、回復を試みる魔理沙。
「うう、安定しない・・・!」
・・・その時、玄関から音が聞こえた。
「ただいま。・・・って、何やってんの」
「アリス!頼む、私じゃうまく回復できん!」
「ちょっと待って、どういう・・・」
困惑した様子だったが、妖精を見てすぐに事態を把握したようだ。
「・・・なるほどね。後は私に任せなさい」
アリスは慣れた手つきですぐに回復魔法を発動させる。
「・・・これで大丈夫。タオルでくるんだのは正解ね。できればお湯もあった方が良かったかも」
「そ、そうか・・・って、そんな場合じゃなかったんだよ!」
「まあ、そうでしょうね。別に責めてる訳じゃないから。・・・魔理沙が回復魔法をしてくれたおかげで、この子の命もかろうじて繋がってたわ。何もしてなければ、恐らくもう死んでいたでしょうね。・・・そういえば、この子は一体どこで・・・」
「・・・私が、無名の丘で拾った」
気まずそうに、うつむきながら答えるメディスン。
アリスはそれを聞いた後、ゆっくり近づいた。
何をされるのかと警戒したメディスンだったが・・・
「・・・ありがとう」
「えっ・・・?」
アリスはメディスンを撫でた。
「あなたがここに連れてきてくれたお陰で、この子の命は助かった。こんな雨の中、よく頑張ったわね」
「べ、別に・・・」
「・・・あら、あなた・・・熱が出てるわよ。風邪を引いたのかしら。服もびしょ濡れだし・・・魔理沙、ホットミルク作っといて。私はサイズが合う服を探してくる」
「はいよ~」
「えっ、べ、別にこれくらい・・・ふぇっくしゅん!」
「我慢しちゃ駄目よ。・・・あ、あった。パジャマだけど・・・まあいいか。自分で着れる?」
「それくらいできる・・・」
メディスンは洗面所に行って着替え始めた。
がちゃ
「あら、似合ってるじゃない」
「なんでよりによってふわふわなやつ・・・熱そうだな」
「風邪なんだし暖かい方がいいでしょ」
「それもそうか。あ、ホットミルクできたぞ」
「ありがとう。さて、この子をどこに寝かせましょうか・・・」
「いや、だから別に・・・」
「こんな雨の中帰るなんて無理よ。おとなしく休んでなさい。・・・そうだ、魔理沙の部屋に寝かせましょ」
「なんで私の部屋!?」
魔理沙の声をガン無視し、ホットミルク片手にメディスンを連れてくアリス。
「少し寝てなさい。・・・部屋、暗くしておくわね」
メディスンをベッドに寝かせ、サイドテーブルにホットミルクをおいた後、部屋の電気を消す。
「何かあったら言ってね」
そういい残し、部屋から出て行った。
(・・・なんであんなに私に優しいんだろう。前のことを忘れた?まさかね・・・)
ホットミルクを一口飲む。体がゆっくりと暖まる。
「今日は、色々あったなぁ・・・」
そう言いながら、部屋でホットミルクを飲むメディスンだった。