・すやすやメディスン、絶対かわいい
・あの小さな妖精がスーさんだったのか
・家族になったぁぁぁぁぁ!!
あれからかなりの年月が経った。
メディスンは寺子屋に入り、勉強したり、チルノ達と遊んだりしてる。
魔理沙は自分の魔法の系統も定まってきた。星と光が性に合ってるらしい。あとド派手な魔法も。
アリスはそんな2人の成長を見守っている。そして、まだ自分に伸びしろがあることにも気づいた。
そんなある日のこと・・・
「アリス!やっとだ、やっとできたぞ!」
「できたって何がよ。ちゃんと説明してちょうだい」
「そりゃあもちろん!私の家だ!」
「・・・え、できるの早くない?確かに一人暮らし用のだけど・・・頼んでから3日よね?もう引っ越せるの?」
「ああ!流石河童だぜ!しかもな、家具もつけてくれたんだ!ちょっと値段は張ったけど・・・」
「ってか、なんで引っ越すの。今の部屋で十分でしょ」
「お、メディスンもしかして私と離れたくないのか?」
「ち、違うから!ただ、気になっただけだから・・・!」
「おーよしよし、可愛い可愛い」
「撫でないでよ子供じゃないんだから!」
「ふふ、素直になったっていいのにねぇ」
「アリスまで!?」
「まあ、定期的に戻って来るし心配すんな。一生お別れってわけじゃねえんだし」
「そうなんだ・・・よかった」
「・・・よかったってことは、やっぱ行ってほしくn」
「それ以上言ったら毒ぶっかけるよ?」
「ごめんなさい」
「こら、喧嘩はよしなさい。・・・ってことは、今日で出て行くの?」
「そうなるな。善は急げって言うし」
「・・・じゃ、パーティーしないとね。私がここに来たときと同じように」
「やっぱり、出て行って欲しくn」
ぴちゅーん
「顔面弾幕で済んでよかったね」
「ひどいのぜ・・・」
「パーティーねぇ・・・今から買い出しに行く?結構遅くなっちゃうけど」
「ああ、それなんだが・・・やらなくていいぜ」
「・・・え、あの魔理沙が・・・?」
「いつも強欲で派手好きな魔理沙が・・・?」
「2人は私を何だと思ってるんだよ」
「「テンション高い魔法バカのパリピ野郎」」
「あながち間違いじゃなくて反論できねぇ!でもアリスだって魔法バカだろ!」
「・・・でも、ほんとにいいの?最後のご飯になるのよ?」
「いや、さっきも言っただろ。一生お別れじゃねぇんだから。寧ろ、こういう時はいつも通り送り出して欲しいぜ」
「・・・魔理沙がそこまで言うなら。でも、今日はやる気だして作るわよ」
「あれ、それって結局パーティー料理になるんじゃ」
「魔理沙。ああなったアリスは止められないって、知ってるでしょ」
「・・・今から腹すかせるために運動しねぇと」
「私もそうする」
料理の炎を燃やすアリスをよそ目に、2人はこっそりと外にでた。
■■■■
「や、やっぱり、量が、多かった、のぜ・・・」
魔理沙の自室。めちゃくちゃ腹がぱんぱんだった。
(アリスの料理は悪くない・・・いや、寧ろめちゃくちゃ旨いんだ。だけど量が多い・・・!前メディスン歓迎会パーティーした時も、アホみたいな量だったんだよ・・・!だから断ろうと思ったのに・・・!引っ越し初日から胃もたれって罰ゲームかよ・・・!あとあれを平然と食べきったアリスはなんなんだよ!!)
「早く寝たいのに・・・うう、寝れねぇ」
布団に潜り込むが、胃もたれのせいで全く眠れそうにない。いやどんだけ食ったんだよ。
コンコン
「魔理沙、今良いかしら?」
「うっ・・・なんだ?」
魔理沙はベッドから起き上がり、自室のドアを開ける。
「もしかして、起こしちゃった?」
「大丈夫。眠れてなかったから」
「そうなのね。これが俗に言う「遠足前の日は眠れない」ってやつかしら」
「そ、そうだな・・・」
(アリスは完全なる善意だからな。言えねぇ・・・)
「・・・で、なんできたんだ?」
「ああ、そうだったわね。はい、これ」
アリスは一冊の魔導書を手渡した。
「何々、『魔法使いの基礎』・・・え、今更?」
「いや、違うわよ。魔女化については知ってるでしょ。それの本。決して何もやましいことはないわ」
「ふーん・・・で、なんでこんな本を?」
「・・・あなたは今まで、多くの経験を積んできた。もう立派な魔法使いよ。だけど、この世界にはまだ多くの魔法がある。魔法使いたるもの、それに興味を示さない訳がない。けど、それをすべて会得するには人間の寿命じゃ足りないわ」
「それで、これってことか」
「勘違いしないで欲しいけど、別に強制はしないわ。最終判断はあなたに任せるから」
「・・・そうか。じゃ、お守り代わりにでもしとこうかね」
「・・・」
「ちょ、なんでそんな悲しそうな顔すんだよ」
「えっ、あ、ごめんなさい。・・・やっぱり、私も魔理沙がどこかに行くのは寂しいから」
「お前もかい・・・大丈夫だよ、1人にはしないから」
魔理沙はアリスの頭を撫でる。
数年前は小さかったのに、いつの間にか手が届くくらいになっていた。
「じゃ、おやすみ。アリスも早く寝ろよ」
「・・・ええ、おやすみ」
魔理沙はドアを閉じた。
(・・・きっと、魔理沙はあの本を使うことはない。分かってたわ、あの子は人間であることに誇りを感じているから。・・・いつかは、死ぬのね。私よりも早く)
「・・・やることを尊重してあげないとなのに・・・最低ね、顔にでちゃうなんて」
少し、涙が滲んでいた。
「・・・アリス?」
「えっ?」
いつの間にか、後ろにメディスンがいた。
「メディスン・・・寝てなかったの?」
「ちょっと、のど乾いたから」
暗くてよく見えなかったが、顔には涙の跡がついていた。
「・・・魔理沙、帰ってくるよね」
「・・・ええ。魔理沙は約束は守るから」
「よかった・・・。私、水飲んでくる。アリスも早く寝なよ」
「ええ、そうね」
メディスンはそのまま台所方面に歩いていった。
「・・・そうね、私も早く寝ないと」
■■■■
「えっとぉ・・・魔導書、マジックアイテム、杖・・・あ、あとキノコ培養キット・・・」
「魔理沙・・・それ、バックに入る?」
「大丈夫だ!河童特性伸縮性抜群バックだからな!」
「伸縮性抜群なせいでバックがえげつない形になってるけど」
次の日、魔理沙はせっせと物を詰めていた。
「これで全部かな。どれどれ・・・うわおっも!!」
「当たり前でしょ」
「いや・・・気合いだ、気合いで何とかなる!おりゃあああああ!」
「うわほんとにどうにかなってる」
「だ、だろ・・・!流石わたs」ぐしゃ
「・・・いわんこっちゃない」
「うぐぅ・・・」
「外にある手押し一輪車使いなさい。改造してるから、それぐらい持ち運べるはずよ」
「そ、そうだな・・・よし、何とか外まで出すぞ!1、2、1、2!!」
少しずつバックを引っ張っていく魔理沙。
そしてついに、外に。
「よいしょぉぉぉ!」
そして、何とか乗せることに成功した。
「ふう・・・よし!乗った!終わり!第三部完!」
「勝手に終わらせるんじゃないわよ。ってか、寧ろ今日からが本番でしょ」
「それもそうだな。・・・うわっ、ほんとに軽いなこれ」
「すごいでしょ。感謝しなさい、私に」
「・・・あれ、そういえばメディスン起きてねえのか?」(ガン無視)
「そういえばそうね・・・」
「・・・あっ、よかった。間に合った」
話していると、部屋の奥からメディスンとスーさんが出てくる。
スーさんが何か持っているようだ。
「魔理沙・・・はい、これ」
メディスンがそう言うと同時に、スーさんが手に持ってる物を魔理沙に渡す。
「これは・・・押し花のしおり?」
「うん。・・・無名の丘に生えてるスズランで作ったんだ。魔理沙、本好きでしょ。それで・・・」
「・・・ありがとな、メディスン。めちゃくちゃ綺麗なしおりだな。大事にする」
「う、うん・・・どういたしまして」
少し目線をそらしながら言うメディスン。
スーさんはからかうようにメディスンのほっぺをつんつんしてる。
「あっ、ちょ、違うから!べ、別に悲しい訳じゃ無いから・・・寧ろ、騒がしくなくなって嬉しいもん!」
「あはは、顔真っ赤だぞ?」
「ち、違うから・・・!それ以上言ったら毒投げるよ!」
「はいはい。・・・それじゃ、またな!」
魔理沙は手押し一輪車を押しながら、見えなくなるまで手を振っていた。
「・・・またな、か。うん、また会えるよね」
「そうね。・・・ってかあの子、朝ご飯食べてない・・・」
「・・・あっ」
■■■■
「とーちゃく!ここが新、私んち!さてさて、まずは荷物を・・・あれ?」
ふと、家の後ろ側の遠くから、赤い霧のようなものが出ていることに気がついた。
「ありゃなんだ・・・?もしかして、あれがアリスが言う、異変ってやつか!?」
(・・・待てよ、もしアリスみたいな解決屋で金を得るなら・・・スタートダッシュは早い方がいい!あれを解決して、名前を売り出すんだ!)
「そうとなりゃ止まってられねぇ!異変解決だ!!」
魔理沙は荷物をほったらかしたまま、ほうきに乗って飛んでいった。