東方歌謡録   作:みかみりん

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暑さで溶けそうです_(┐「ε:)_サイキンノアツサハイジョウ
・さとりさん、闇落ち・・・なのかこれ\(^o^)/
・お空、トラウマがない\(^o^)/
・こいしちゃぁぁぁん!?


お散歩、そして地獄桜

「・・・ふう、一段落ですかね。地獄の管理も難しい・・・」

 

まだ、地底が地獄だった頃。さとりは地獄の管理をしていた。

 

ガチャ

「お姉ちゃん、お疲れ様〜」

「ふふ、ありがとうございます、こいし」

 

無邪気に駆け寄ってくるこいしを、さとりは撫でた。

 

「最近寝不足じゃない?ちゃんと休憩しないと。ある程度の仕事なら、私でもできるから!」

「大丈夫ですよ。私自身、結構この仕事を気に入っているので。難しいですが、楽しいですよ」

「でも!寝不足は駄目でしょ!」

「そ、それはそうですね・・・うう、すみません・・・。でも、なんかしてないと落ち着かない・・・」

「ワーホリじゃん・・・たまには気分転換しないと。寝るのが嫌なら・・・そうだ、ピクニックしない?」

「ピクニック・・・?でも、どこでやるのですか?」

「それは、えっと・・・お姉ちゃん、地上嫌だもんね」

「日差しが強すぎるのです」

「今は冬だから全然暑くないけど」

「雪が寒いじゃないですかぁ・・・」

「全く・・・でも、じゃあどうしよっか。・・・うん、お散歩にしよう。ゆっくり歩いてさ、お話しよ!」

「・・・大丈夫でしょうか。ここは地獄ですし、変な輩に絡まれる、とか・・・」

「大丈夫だよ!そういうのは死神さんとかが管理してるじゃん!それに、万が一そうなったら私がどうにかしてあげる!私強いし!」

「で、でも・・・」

「でもじゃない!とにかく、早くいこ!」

「えっうわっ!?」

 

さとりはこいしに強引に外に出された。

 

■■■■

 

「ぜえ・・・はぁ・・・うう、水持ってきておいてよかったぁ・・・」

「お姉ちゃん、まだ5分しか歩いてないよ・・・?」

 

さとりはヘロヘロと地面に座り込む。

 

「というか、そんなに荷物持ってくるから疲れるんじゃない?私なんて手ぶらだよ?」

「うう・・・ごもっともです」

「・・・貸して。お姉ちゃんが持ってたら、いつかお姉ちゃんが潰れちゃいそうだもん」

「助かります・・・」

 

さとりはこいしに荷物を渡す。

 

「そ、そろそろ動けると思います」

「・・・ほんと?」

「本当ですよ!」

『あと10分くらい休みたいけど・・・こいしが楽しそうだし、止めちゃいけないですよね・・・若者の体力ってすごい・・・これが年齢差か・・・』

「・・・お姉ちゃん、疲れたなら正直に言えばいいのに。あと、私とお姉ちゃんってそこまで年離れてないでしょ」

「うう・・・分かっちゃいますよね・・・」

「そうだよ。私だってさとり妖怪、心ぐらいは読めるんだから。・・・もうちょっと休憩しよ」

「じゃあ、そうします・・・」

 

さとりの近くに座るこいし。

なんとなく、自分のサードアイをさとりのサードアイに近づけた。

 

「・・・なんで、サードアイって、この紐が赤色なの?お姉ちゃんはピンク髪だけどさ、私は緑髪だからあんまり合ってないよな〜って」

「それは、サードアイにも血が通ってるからですよ。私達の体の一部なんですから」

「へ〜、じゃあさ、もし使えなくなったらどうなっちゃうの?」

「・・・どうなるんでしょうか。その使えない状態が何を指すかでも変わりそうですが・・・」

「なんかさ、変色しちゃうんじゃない?怖いなぁ~」

「な、なんか考えるだけでゾクッてするんですが・・・」

「ま、大丈夫でしょ!・・・まあ、紐の色変えたいと思ったことはあるけど」

「私は、赤色も似合ってると思いますけどね」

「そ、そうかな〜?えへへっ、お姉ちゃんが言うなら!そろそろ行こっか!」

「そうですね」

 

こいしとさとりは立ち上がり、また歩いていった。

 

■■■■

 

「うーん・・・どこも赤い木、木、木!!」

「ここらへんは補修が進んでないですからね・・・」

「ってか、なんでここの木って赤いの?地上の木は緑色だよ?」

「地獄で受刑者が流す血が吸われているんですよ。もし血がなくなればここの木も緑色になりますが・・・それは、地獄に堕ちる人がいなくなるということなのでまず無いでしょうけど」

「へぇ〜、お姉ちゃん、地底では一番博識!」

「うう、照れちゃいますよぉ・・・って、地底ではってなんですか!幻想郷で一番博識なのは私です!・・・多分!!」

「自己肯定感あるのか無いのかどっち・・・?」

「少なくとも、この能力は10点満点中11点ですから!!」

「やっぱ自己肯定感えげつないね」

「ふふん・・・って、あれは・・・」

 

急に森が終わる。その先に会ったのは、赤黒い桜。

不気味だが、異常なほど美しかった。

 

「・・・お姉ちゃん、なにこれ・・・」

「こ、これは・・・確か、地獄桜ですね」

「地獄桜?」

「はい。その名の通り、地獄にしか咲かない桜です。木と同様に、血を吸った桜がこうなったのですが・・・最近は「普通の桜が血を吸って出来た地獄桜」だけでなく「元から赤黒い地獄桜」も生えてると聞きました・・・まさか、見る日が来るとは」

「そんなにレアなの?」

「・・・いえ、単に私が外に出てないだけです」

「そっかぁ」

 

突然、風が吹く。そんなに強い風ではない。

それにより、地獄桜の桜が舞う。そして、それは風下のこいしのもとに。

 

「っ・・・!危ない!」

 

こいしは咄嗟にさとりの前に出て、庇った。

さとりの手のひらに桜の花びらが突き刺さる。

 

「痛っ・・・」

「お、お姉ちゃん!?」

「だ、大丈夫です。うう・・・ごめんなさい、すぐに見抜けなくて・・・」

「ど、どういう事?」

「・・・後天的な地獄桜は、地獄の環境に耐えるために特殊な発達をしています。外敵を寄せ付けないように、花びらが異常に鋭いんです。そして、その痛みは三日三晩続くとか・・・」

「そうなの!?ごめんね・・・!」

「大丈夫です。幸い、刺さったのは利き手じゃない方だし、1個だけですから。それより、こいしに怪我がなくて良かったです」

「・・・」

 

それでも泣きそうなこいし。

察してか、さとりはある提案をした。

 

「・・そうだ!地獄桜って、適切に扱えば押し花にできるんですよ!」

「お、押し花・・・?」

「はい。そのために必要なのが・・・」

 

さとりは持ってきた荷物を漁る。

 

「てれれってれーん!地獄桜押し花キット〜!」

「なんともシュールな効果音・・・」

「これを使えば、押し花にできます!まずこのピンセットで地獄桜をこのケースに入れ、家でなんやかんやすればいい感じになります!」

「説明がアバウトすぎる」

「まあまあ、やってみましょうよ!ふふっ、私の心読みが決まった瞬間・・・!」

「心読み関係なくない?」

「さ、先読みの間違いです!!そんなことは置いといて、ほら!」

 

さとりは地面に散ってる花びらを観察し始める。

こいしも探し始めた。

 

「・・・あ、これ凄い大きい」

「えっ・・・わ、ほんとに大きいですね!私の手のひらぐらいありますよ・・・」

「これがいいな。でも、この大きさでも押し花できる?」

「できるはずです!じゃあ、これにしましょうか。えっと、ピンセットで・・・」

 

さとりはピンセットで大きな花びらをつまむ。

そのまま、専用のケースの中に入れた。

 

「・・・ふう、緊張しました・・・」

「手ブルッブルだったね」

「余計なことは良いんですよ!・・・まあ、緊張してましたけ

ど」

「じゃあ、これは私が持つね。やっぱり綺麗だね〜」

「そうですね。・・・じゃあ、そろそろ帰りましょう。傷の手当てをしないと」

「そういえば手を切っちゃってたね・・・」

「適切に処置をすれば問題ないですよ。・・・ただ、まだ痛いですけど。恐るべし地獄桜」

「私も次から気をつけるよ。さ、行こ!」

「あっ、だから急に走らないでくださいよぉ~!」

 

こいしが走り出し、さとりも後を追いかける。

平和な、2人の一日。

 

・・・あの瞬間までは。

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