・やっぱりこの男56しませんか!?
・こいしちゃあああん(´;ω;`)
・これが理不尽かぁヽ(゚∀。)ノ
「あっ・・・ああああっ!!」
こいしはその場に崩れ落ちた。
全て思い出した、忘れたかったトラウマを、全て。
「「こいし様!?」」
「だ、大丈夫ですか!?あたいですよ、お燐です!!」
お燐が近寄り、必死に声をかける。
しかし、こいしには届いていない。
「ど、どういうこと?なんでこいし様、苦しそうなの?」
「多分、あたいと同じようにトラウマを引きずり出されたんだよ!でも、こいし様にとっては、それがあたいのトラウマ以上に強烈で・・・そうだ、さとり様は!?」
お燐はこいしを介抱しながらもさとりを見る。
さっきまでのどこか悪役ではない感じは消えて、ただ不適な笑みを浮かべていた。
「ふふ・・・想像以上にうまくいきました。少し恥ずかしかったですけど、結果よしですね」
「さ、さとり様・・・こいし様に何したか分かってるんですか!?」
「分かってますよ。狙ってたんですから」
「っ・・・!」
お燐は怒っていた、それと同時に、さとりの圧に恐怖を感じていた。
(・・・さとり様は絶対こんな事しないのに。これ、あたい達で戻せるの・・・?)
俯くお燐。視界の隅で、何かが動いた。
「・・・お燐、大丈夫?」
「あ、あたいはだいじょ・・・えっ」
お燐はお空を見て驚いた。
いつもぽわぽわとしている彼女が、初めて明確に「怒ってる」のだ。
「お、お空・・・?」
「・・・わたしさ、あんまり記憶力よくないし、よく分かんないことも多いけどさ・・・」
「・・・さとり様。これってやっちゃいけない事なんじゃないの・・・?」
空気が一瞬で熱くなる。息するだけで肺がとても熱くなる。
「お空一回落ち着いて!?さ、流石にこれでぶっ飛ばしたら、あたいもさとり様もこいし様も全部ぶっ飛ぶよ!?」
「分かってるよ。大丈夫、50%ぐらいにしとくから」
(お空の50%って結構やばかった気がするけどね!?)
「お燐はこいし様を見てて、さとり様はわたしが頑張って倒すから!」
「・・・うん。でも、きつかったらあたいに言ってよね!」
「うん、頑張る!」
お空はお燐に小さくガッツポーズしたあと、さとりに向き直る。
「さとり様。ごめんなさいだけど、少し火傷しちゃうかも」
「あら、優しいですね。大丈夫ですよ、火傷する前に倒してあげるので」
さとりは本領発揮と言わんばかりに弾幕を展開する。
「うにゅ、さっきよりも密度が濃い・・・」
お空は飛んで回避する。しかし、翼が大きいせいか何個か被弾してしまった。
「やっぱり、避けるのは苦手だなぁ・・・スペルカード発動、核熱『核反応制御不能』」
高温になっている空気の一部がが突如爆発し始める。
なんの前触れもなくだ、しかも無差別に。
「ちょっ、痛いってば!!こいし様に当たっちゃうー!制御してよー!」
「え、制御できないから"核反応制御不能"なんだよ?」
「じゃあ使うなっ!」
「でも、爆発してくれるから弾幕も減るんだ、この隙にいっぱい放っちゃうよ!」
お空は大きな弾幕を次々と展開する。
「っ、厄介ですね・・・しかもトラウマで潰せないと来た。流石にまずいか・・・」
「さとり様、今戻ったら怒らないから戻って~!」
「それは無理ですね、そもそも、これが本来の私ですし」
「そんなわけ無いよ!さとり様は、わたし達にも優しいし、こいし様大好きだもん!だから早く戻ってよ、また一緒に温泉饅頭食べようよ!!」
「・・・こっちだって疲れたんですよ。「優しいお姉ちゃん」でいるのが。私の抱えてることなんか知らないくせに」
「抱えてること・・・?じゃあ、わたし達に言ってよ、そしたら・・・」
「そんなことできるわけ無いじゃないですか!!」
「えっ・・・?」
気迫に一瞬びびったお空。
「・・・話せないですよ、だって・・・」
「・・・?」
「・・・はあ、余計なことは聞かないでください」
さとりは何もなかったかのように弾幕を出す。
(・・・今、さとり様一瞬正気に・・・でも、一押し足りない。きっと、足りないのはあたいでもお空でもない。・・・こいし様だ)
「こいし様!しっかりしてください!こいし様!」
こいしの肩をつかんで必死に揺らすお燐。
「っ・・・お空、まだいける?」
「多分、大丈夫!」
「ありがとう。ごめん、もうちょっと待ってて、絶対にどうにかする」
「うん。大丈夫、信じてるから」
お燐は目を閉じて深呼吸する。
開いた目には、決意が宿っていた。
(大丈夫、絶対どうにかなる。・・・違う、あたいがどうにかするんだ。さとり様も、こいし様も、絶対に!)