・こころちゃん、こいしちゃんを見つける!
・お面って凄いなぁヽ(゚∀。)ノ
・“家”に帰るために!私たちの冒険はこれからだ!!
「着いた!ここが紅魔館だよ!」
フランが手を広げて言う。
後ろには、赤くて大きな館が。
「・・・同じくらい」
「え?何が?」
「・・・私の家と、大きさが同じくらい」
「えっ・・・いや、これクラスの大きい家2つもないでしょ!?」
「うん、だから「同じくらい」。多分、君の家のほうが大きい」
「そ、そうだよね・・・」
「とりあえず入ろうよー」
「そだねー、早くこいしの家を見つけないと!」
門に近づく3人。
門には赤い髪の門番が・・・寄りかかって寝ていた。
「・・・え?」
「こいし、気にしないで。美鈴はいつもこうだから。どうせ、咲夜に見つかってしばかれるよ」
「・・・咲夜?」
「フランの家のメイドさん。時を止めれる凄い人なんだよー」
「へぇ・・・」
門を抜け、庭を抜け、ついに扉の前に。
ギィィ・・・
「たっだいま〜!」
シーン・・・
「・・・誰もいないね」
「いや、多分もうすぐ・・・」
シュッ「フラン様、おかえりなさいませ。・・・あら、こころさんもいるんですね」
「こんにちはー」
「ええ、こんにちは」
急に目の前に現れた、銀髪のメイド、咲夜。
彼女はこいしを一目見たあと、話しかけた。
「・・・はじめまして。私は十六夜咲夜と申します。何かあれば、呼んでくださいね」
「・・・こんにちは」
「ねー咲夜。私ね、こいしの家を探すことにしたんだ」
「こいし・・・とは、この子のことですか?」
「うん!なんかね、お面してないと見えないし、家がどこか分からないし、何でこうなったのかも知らないらしいんだ」
「なるほど・・・それなら、パチュリー様のもとに行ってみては?」
「確かに!パチュリー物知りだもんね!ありがと咲夜!」
「ええ。・・・今度は、図書館の物を破壊するのは辞めてくださいね」
「分かってるってば〜。さ、行こ!」
フランは真っ先に走っていく。
「あっ、ちょっと待ってー」
こころもフランを追いかける。
「・・・」
「行かないのですか?」
「行くよ。・・・でも、元気だなって」
「・・・先程、フラン様があなたの家を探すと言っておりましたが・・・」
「・・・気になる?」
「いえ。ただ・・・私と似てるなと」
「似てる?でも、あなたにはここがあるでしょ?」
「・・・昔は違ったのですよ。私も、一人でしたから。でも、レミリア様に救われたのです」
「・・・そうなんだ」
「だから、レミリア様に忠誠を誓うと決めたんです。あの日、私に名前を、“運命”をくれたレミリア様に・・・あら、すみません、少し話し込んでしまいましたね」
「大丈夫。気にしないで」
「・・・図書館まで送りますね。話し込んでしまったせいで、もうお二人が見えなくなってしまいましたし」
「え、送るって・・・」
こいしが話す間もなく、いつの間に、図書館に来ていた。
「えっ・・・?」
「もー、こいし遅いよ!迷子になっちゃったのかって思ったじゃん!」
「ごめん、咲夜さんと話してて」
「え、咲夜が?珍しいね〜」
「少し、私事を話してしまいまして」
「ふーん、じゃ、早く行こ!こいし!」
「・・・うん」
「・・・きっと、見つかりますよ。あなたの家も」
「えっ?」
振り返った時には、もう咲夜はいなかった。
「・・・いない」
「咲夜はお仕事がいっぱいだからね。気にしなくて大丈夫!」
「にしてもやっぱこの図書館広いね。足が棒になりそうー」
「えー!?こんなところで疲れてたら、パチュリーのとこに着いたら溶けちゃうんじゃない?」
「大丈夫よ。その心配は要らないわ」
奥から静かな声が響く。
歩いてきたのは、紫ロングの少女。
「久しぶりね、フラン。あなたが来るなんて、何かあったの?」
「よかった、すぐに来てくれた!えっとね、実は・・・」
〜少女説明中〜
「・・・なるほど。恐らく、こいしの家は「地獄」にあるわね」
「・・・そういえば、お姉ちゃんの仕事も地獄の管理だったな」
「じゃあ、今すぐ地獄に行こう!!」
「ちょっと、地獄ってどんな場所かわかる?凶悪なやつらがうじゃうじゃいるのよ?それに、入るって言っても、入り口は厳重に管理されてるし」
「そいつら全員きゅっとしてドカーンすればいいじゃん」
「そうだけど・・・そもそも、地獄は閻魔様の許可がなければ降りられないわ。閻魔様は白黒はっきりつけたがるから、生者のあなた達はまず入れないでしょうね」
「じゃあ死ねばいいの?」
「いや不謹慎なこと言わないでちょうだい!?」
「・・・でも、こいしは生きてるのに地獄にいたんだよね?普通に「私は地獄の管理人の妹です」って言えば入れそうだけど」
「彼女に自分が「地獄の管理人の妹」と示せる材料があれば、ね。言っとくけど、さとり妖怪なんてありふれてる妖怪だからね」
「あ、そっか・・・」
「・・・じゃあ、なんでこいしはそんな厳重な管理を突破して出れたんだろう」
「・・・彼女は異常なまでに「存在が薄い」のよ。そのお面がついてなかったら、認識できない程度にね」
「じゃあ、その存在の薄さを利用して突破は?」
「彼女はまだ自分の能力を扱いきれてない。突破はできないこともないでしょうけど、家までたどり着けないでしょうね。万が一たどり着けたとしても、恐らくお姉さんに認識されることは無いわ」
「うーん、難しい・・・もうさ、地獄ことドッカーンしちゃおうよ!」
「いや、普通にお姉さんも巻き込まれて本末転倒でしょ」
「・・・お姉ちゃんに、会えないの?」
「・・・可能性は低いわ。でも、私もできる限りの協力はするわ。今日はここに泊まっていきなさい。レミィも快く承諾するでしょう。とりあえず関連資料を・・・あ、そうだ」
パチュリーは去ろうとしたが、何かを思い出したのか、立ち止まって振り返った。
「・・・くれぐれも、真正面から突破しようなんて思わないこと。さっきも言った通り、リスクが大きすぎるわ。決して、焦らないように」
そう言って、パチュリーは去っていった。
「・・・よし、じゃあどうやって正面突破しよっか」
「フラン話聞いてた??」
「聞いてたよ、聞いたうえで正面突破しよう!」
「いや、パチュリーさんがあんなに念を押したんだよ?危険すぎるよ」
「だけど、パチュリーの言い方的に、それ以外の方法が無いってことでしょ?」
「けど、パチュリーさんが見つけてくれるかもしれないでしょ」
「見つかるとも限らないじゃん。それに、早くこいしを家に帰してあげたいの」
「・・・でも、私は反対だよ。さっきも言ったけど危険すぎる」
こころはいつもの無表情棒読みだったが、お面は怒ってる天狗の面になっていた。
「でも、それだと帰れるのがいつになるか分からないんだよ!?」
「絶対に帰れないと決まったわけじゃない。じゃあ、どうやって正面突破する気なの?」
「そ、それは・・・きゅっとしてドカーン!でしょ!」
「もし、それが効かなかったら?もし、相手が一枚上手だったら?」
「うう・・・でも、こころだって、要はパチュリーに丸投げってことでしょ!パチュリーは確かに頭いいけど、全知全能ではないんだよ!」
「・・・それは・・・」
「・・・2人とも、一旦落ち着いて」
「「あっ・・・」」
「・・・どっちにしろ、今日は休みたい。どこの部屋なのか、聞いてくる」
そういうと、こいしも立ち去っていった。
残されたのは、気まずく沈黙するフランとこころだった。
2人は何かを言いかけたが、結局どっちも、それを口にすることは無かった。
こいしの足音のみが、遠くでぽつりと響いていた。