東方歌謡録   作:みかみりん

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喉が治ってきました(*´∀`*)
・相変わらず寝ている美鈴
・厳重すぎる地獄の入り口
・こいしちゃん・・・(´・ω・`)


後悔しないように

「お嬢様、お味はどうでしょうか」

「とてもおいしいわ。あなたって中華料理もできたのね」

「お褒めに与り光栄です」

 

レミリアと咲夜は広い食堂で夜ご飯を食べていた。

 

「・・・そういえば、今日は人が少なすぎないかしら。パチュリーとこあは研究に没頭してて、美鈴は門番してるからってのは分かるけど。フランも、友達のこころとこいしも、来ないんだもの」

「お3方には夜ご飯ができたと言いに行きました。しかし、皆さん『今日はいい』と」

「何か食べてきた用でもないし・・・特に、フランはいつも食欲旺盛なのに。いっつもおかわりして、体調が悪くても、落ち込んでても、私と喧嘩した後でも、絶対に三食+おやつを食べる位なのよ?」

「・・・何か、あったのでしょうか」

「そうでしょうね。・・・さて、どうしようかしら」

「・・・それはそうと、今日は初めて杏仁豆腐を作ってみたのですが、どうでしょうか」

「食べてみるわ。・・・うん、美味しい。私的には、もうちょっと味が薄い方が好みかしら」

「分かりました、次に作るときは砂糖の加減を少なくしてみます」

「ええ。・・・あと、あの3人にも杏仁豆腐を持って行ってあげて。・・・これだけでも食べてほしいの」

「・・・はい」

 

咲夜は一瞬で姿を消した。

 

「・・・さて、私も会いに行きましょうか」

 

■■■■

 

紅魔館の二階のベランダ。

こいしは、ただそこに立っていた。

 

「・・・お姉ちゃん」

 

ただ、時間が過ぎていく。

・・・そこに、赤いコウモリが通りかかった。

 

「・・・?」

 

コウモリはこいしの近くにきたかと思えば、急に人の形を成していきになっていき、やがて人になった。

 

「・・・こんばんは、こいし。本来、こういう時は最初に主が出向いて挨拶をするべきなのだけど、少し忙しくてできなかったの。ごめんなさいね。・・・改めて、私はレミリア・スカーレットよ」

「・・・フランのお姉さん?」

「そう。私の自慢の妹よ」

「・・・そっか」

「・・・こいし。もしかして、何か悩んでるのかしら?」

「何も。・・・ただ、虚しい」

「虚しい?」

「・・・パチュリーさんが言ってた、私がこうなったのは無意識のせいだって。・・・なんか、無意識のせいで私が消えちゃいそう」

「・・・制御できてない、ということかしら」

「うん。・・・いつか、お姉ちゃんの顔も忘れちゃいそうで。でも怖くはないの。・・・無意識のせいで、薄れちゃってるからかも」

 

こいしの顔はどこか他人事で、でも寂しそうだった。

 

「・・・こいし。あなたはどうしたいの?」

「・・・早く会いたい。けど、パチュリーさんが危険だって。そのせいで、こころとフランが喧嘩しちゃった」

(だからご飯を食べに来なかったのね・・・)

「・・・そうね、私はその場にいなかったから、あまり勝手なことは言えないけど。まずは落ち着く事も大切じゃないかしら」

「・・・私は落ち着いてるよ」

「私にはそう見えないわ。妹ってのは、そう言う時は隠し事をしてるのよ」

 

レミリアはこいしの頬に触れた。

 

「悲しいのは悪いことじゃない。怒るのも、虚しいのもね。そういうのを乗り越え、私達は強くなるの。だからね、泣いていいのよ」

 

優しく微笑むレミリア。それは、紅魔館の主としてではなく、「姉」としてだった。

 

「・・・」

 

こいしの目から、涙が零れた。

一筋だけだったが、確かな涙だった。

レミリアは、ただこいしの頭を撫でた。

 

「・・・私はどんな選択でも応援するわ。・・・後悔しないようにね」

 

そういうと、レミリアは赤いコウモリになり、飛び去っていった。

 

「・・・後悔、しないように・・・」

「あ、こいし!」

 

後ろから声がする。

振り向くと、そこにいたのはフランとこころだった。

 

「・・・どうしたの?」

「あ、えっと・・・」

「・・・フラン、ちゃんと言おう」

「わ、分かってるってば・・・」

 

フランは深呼吸する。

 

「「・・・ごめんなさい」」

「えっ?」

「・・・い、いや、さっき目の前で喧嘩しちゃったじゃん・・・それでさ、やっぱり謝ったほうがいいよねって、こころが・・・私も気にしてたけど、1人じゃ言い出せなさそうだったから・・・」

「うん。・・・少し熱くなってた。こいしの事を考えないで、本当にごめん」

「・・・いいよ」

「よ、よかったぁ・・・!」

「・・・それでさ、こいしの気持ちを聞きたいんだ。明日、強行突破するか、パチュリーさんに任せるか」

「うん。私達はこいしがどっち選んでも協力する。・・・あでも、今急に言われても分かんないよね、明日でも・・・」

「・・・強行突破しよう」

「・・・えっ?」

「・・・そっちが聞いてきたのに、驚いてるじゃん」

 

こいしは、いたずらそうに笑った。

 

「えっ、え、いいの!?え!?」

「うん。私が決めたの。・・・協力、してくれるんだよね」

「もちろん!!・・・あ、こころは・・・」

「・・・するよ。約束したから。・・・やるからには絶対成功させよう」

「うん!!じゃあ、さっそく明日決行だー!!」

 

そういうと、フランは手を前に出した。

 

「・・・いや、2人も出してよ!!」

「いや、何するか教えてよー」

「あれだよ、「えいえいおー!」ってやつ!」

「・・・ああ、そうだね。こいしもやろ」

「・・・うん、いいよ」

「よしよし!じゃあ、今度こそ・・・」

 

3人は手を前に出して重ねる。

 

「こいしの家が見つかるように!!」

 

「「「えいえいおー!!!」」」

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