・フランちゃんの能力、強い
・おらっモンスター大量出しだぁ!
・果たして、こいしちゃんは大丈夫なのか!?
地獄の中、こいしは必死で走っていた。
「はぁっ、はぁ・・・こ、ここなら・・・」
木の後ろに隠れ、お面をつける。
「あいつはどこに行った!探せ!」
「・・・逆方向に行った、多分撒けたはず・・・」
こいしは少し安堵した。
(・・・どれくらい時間が経ったんだろう。お面をつけてないと、意識が安定しない・・・でも、つけたまんまじゃ、見張りに追いつかれる・・・)
「あ!あそこにいたぞ、追え!」
「っ!」
こいしはお面を取って走る。
「あれっ、また消えた!?なんなんだよ!幽霊か!?」
(早く距離を取らなくちゃ・・・)
少し走って、木陰に隠れる。
(もう行った、かな・・・お面を・・・)
「・・・あっ」
さっきまで持っていたはずのお面が、なくなっていた。
(嘘、走ってる途中で落とした?1回取りに行かないと・・・)
ぐらっ
「っ・・・」
(駄目だ、どこで落としたか心当たりがない・・・意識も薄い、これならもう、走ったほうが・・・)
こいしはふらつく体を抑えながら、走った。
(・・・フランも、こころも、私のために頑張ってくれた、だのに私がたどり着けなかったら、全部水の泡だ・・・!)
意識が飛びかける、無意識に引きずり込まれる。
(駄目だ、消えそう・・・)
意識が飛んでは戻る。
しかし、徐々に飛んでる間が長くなっていく。
そして、疲労もあってだんだん足が動かなくなってく。
(やだ、消えたくない、ここまで、これたのに・・・!)
バサバサバサッ!
「あっ・・・?」
その瞬間、目の前を大量の赤いコウモリが飛んでいった。
そして、昨日の事を思い出した。
『・・・後悔しないようにね』
「・・・レミリア、さん・・・?」
こいしは、コウモリが飛んでった方向に走った。
(レミリアさんじゃない、かもしれないけど・・・もう、これに賭けるしか・・・!)
「あ・・・!」
森を抜け、目の前に見えたのは、大きなお屋敷。
久しぶりに見た、地霊殿だった。
「・・・やっと、帰って、これ・・・た・・・」
安心して、一気に疲労感が来たのだろう、こいしは気絶した。
しかし、こいしが地面に倒れることはなかった。
ぼすっ
「・・・」
後ろには、こいしを追いかけていたパルスィのモンスターがいた。
「はぁっ、はぁ・・・っと、捕まえてくれたのね。戻ってきてよかったわ」
後ろから、もう1体のモンスターに支えられたパルスィが出てきた。
「よくやったわ、私より活躍して妬ましいくらいにね。・・・で、この子の状態は?」
パルスィはモンスターに抱えられたこいしを見る。
「・・・存在感があり得ないほど薄い。妬みの感情も、普通の人より無い・・・なんでこんな状況に・・・まあいいわ。とりあえずベットに寝かせないとね。あなた達はその子を私の部屋に連れてって、適当にココアでも作っといて」
モンスターは無言で頷いた。
「・・・さてと、流暢にしてらんないわね。さとりに話に行かないと・・・」
パルスィは大きなドアをノックする。
「・・・何かご用・・・って、パルスィさん?」
「今、地獄の入り口から3人の侵入者が入ってきたの。そのうち1人は保護済みだけど、2人はまだな上、恐らく相当な実力者よ」
「・・・」
「・・・ちょっと、聞いてる?」
「あっ・・・ご、ごめんなさい・・・」
「・・・最近、元気なさそうだけど」
「い、いや、大丈夫です。少し、寝不足気味なだけなので・・・」
「はぁ・・・ま、それは一回置いといて、地獄の危機だし色々したほうがいいと思うわよ」
「そう、ですね・・・侵入者について、情報は・・・」
「女の子3人。1人吸血鬼、1人付喪神、1人あなたと同じさとり妖怪よ」
「さとり妖怪・・・ちょっと待ってください、その子の特徴は?」
「え?今それ話すひつy」
「教えて下さい!!」
「っ・・・わ、分かったわよ。えっと、髪は薄い黄緑、黒い帽子に黄色いリボン、それから・・・」
「っ!今、こいしはどこに!?」
「こ、こいし?・・・そういえば、あの2人がそう言ってた気が・・・えっと、今私のモンスター達が運んで・・・」
そういった瞬間、さとりはちょっと遠くにいたモンスター達に向かって走り始めた。
「ちょ、ちょっとどういうことよ!全然状況が読めないのだけど!?」
パルスィの疑問も無視して、さとりは走った。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
さとりの声に、止まるモンスター。
「はぁっ、はぁ・・・み、見せてもらえませんか、その子を!」
モンスターは互いに顔を見合わせたあと、さとりに腕に抱えてるこいしを見せた。
「っ・・・!」
自然と目から涙が出る。
「こ、こいしっ・・・!良かった、本当に良かった・・・!」
追いついたパルスィは、その光景に困惑するしかなかった。
「・・・とりあえず、色々後で話してもらうから。その子、地霊殿に運ぶ?」
「うっ・・・は、はい、お願いします・・・」
それを聞いたモンスター達は、地霊殿側に歩いていった。
「・・・す、すみません、急に・・・」
「いいわ、別に」
「ありがとうございます・・・ひぐっ・・・」
「いい加減泣き止みなさいよ。地獄の主がこれじゃあ舐められるわよ」
「そうですよね・・・ううっ、うう・・・」
「・・・私達も中に行きましょう。立てる?」
「た、立てますよ・・・」
泣き止まないさとりの背中をぽんぽんしながら、パルスィは地霊殿に歩いていった。