・屋敷の構造は把握しろよ!
・あれっ、鈴仙無事だったんだ
・なるほど、せんちゃんだとせんちゃんとせんちゃんが混じるから、せんちゃんがせんちゃん呼びなんだね(は?)
「・・・鈴仙、もう少し動ける?」
「は、はい」
「そう。じゃ、あともう少し、私と頑張りましょ」
輝夜が軽く鈴仙の肩をぽんぽんする。
「・・・話は終わりか?」
「ええ。始めましょう」
「・・・そうはさせない」
次の瞬間、高密度の音符型の弾幕が飛んでくる。
それは輝夜と鈴仙・・・ではなく、後ろにいる人たちに飛んできた。
構えてはいたが、急に飛んでくるとは思わず、全員反応が遅れてしまう。
「っ!スペルカード発動!夢符『二重大結界』!」
霊夢は全員を守る結界を展開する。
「霊夢、ありがとう!びっくりしたぁ・・・」
「私も、いきなりこうなるとは思わなかったわよ・・・全員中にいるわよね?」
「いや・・・輝夜さんと鈴仙が取り残されてる」
「輝夜がいるし、あいつらには飛んでないから大丈夫だと思うけど・・・」
(私達の分断、恐らく霊夢の介入を避けたのでしょうね。流石にあの人数と霊夢を相手するのは、あいつにもきついということ。でも、勝てないわけではない。こんな高密度な弾幕を放っている以上、恐らく魔力の消費も激しい・・・)
「今のうちよ、鈴仙。スペルカードはつ・・・」
その時だった。誰かに後ろから羽交い締めにされた。
「・・・えっ?」
輝夜は後ろを向く。
羽交い締めにしてきた人・・・鈴仙と目が合った。
「れ、鈴仙?」
鈴仙は答えない。
ただ、赤い瞳で輝夜を見つめてくる。
「や、やめっ・・・」
輝夜は戦闘力は最強クラスとはいえ、体力自体は普通の女の子だ。それに加え、いつも引きこもってるせいで、更に体力も無かったのだろう。
パニックになっているせいで、弾幕を放つ、という手も忘れてしまっていた。
(なんで、さっきまで・・・いつ、あなたは・・・)
(・・・いや、もしかしたら・・・私達が来た時点で、もう・・・)
視界には鈴仙の目しか入らない。
・・・ふと、彼女の瞳が潤んだ・・・気がした。
「・・・ごめ・・・」
鈴仙がそう言った・・・気がした。
本当か、幻聴かも分からない。
そのまま、輝夜の瞳は赤く塗りつぶされた。
■■■■
・・・弾幕が止んだ。
霊夢はその隙を逃さず、誰よりも早く行動した。
(あんな大技を放ったあと、絶対にあいつに隙はできている・・・!)
「スペルカード発動!霊符『夢想封印』!」
しかし、霊夢の放ったスペルは、弾幕で全て相殺された。
「は・・・?」
「・・・輝夜、どういうつもりよ」
夢想封印をかき消したのは、輝夜の弾幕だった。
「な、なんか、輝夜さんの様子、おかしくないかしら・・・目が真っ赤よ?」
メイコの声に、霊夢は全てを理解する。
「・・・なるほど。私達はまんまとはめられたようね」
全員が輝夜に注目する。
その隙に、視界の隅で誰かが動いた。
鈴仙だ。
攻撃するのではなく、何故か逃げ出した。
「えっ・・・?れ、鈴仙ちゃん・・・?」
(・・・あっちは・・・人里!!あいつ、人里を襲うつもりね。・・・いや、人里なら・・・)
「霊夢、追わなくていいの?」
妖夢の問いかけに、霊夢は首を縦に振る。
「人里にはあいつらがいる。任せるしかないわ。・・・こっちには、やばいお嬢様がいるわけだし。・・・それに・・・」
皆が混乱している中、その人は退散しようとしていた。
(・・・かなり消耗しているようね。恐らくここが絶好のチャンス・・・だけど、輝夜はかなり強い。私が追いにいったら、負担が・・・)
「・・・霊夢、ここは任せて」
そう言ったのは、パチュリーだった。
「・・・勝てるの?」
「分からないわ。まだ輝夜さんとは戦ったことがないから。・・・けど、戦ったことないなら、私が負けるとも限らない。それに・・・私以外にもいるしね」
「そうだね。霊夢はあの人を追って。・・・まあ、早めに帰ってきてほしいけどね」
「ちょっと不安だけど・・・いや、そういうのは私らしくないわね。ベストを尽くすだけよ。・・・ちょっと、ルカ起きて」
「ふわぁ・・・ええ、よくわかんないけど頑張るわ〜」
『頑張りましょう!』
「わ、私も頑張ります・・・!」
(・・・正直、小悪魔はちょっと心配だけど。まあ、そう言ってくれるなら、やるしかないわね)
「・・・そうだ、ミク。あんたも来なさい」
「えっ?」
急に声をかけられ、ミクはびっくりする。
「な、なんで私?」
「あんたと黒幕に、なんか関係がありそうだから。あとなんとなく」
「ええ・・・」
「早く行くわよ、とっ捕まえるチャンスなんだから!!」
霊夢は空を飛んで竹林の向こうに行った。
ミクもそれを追いかけていった。
「・・・作戦会議は終わった?」
「ええ。わざわざ待ってくれるのね」
パチュリーが前に出る。既に魔法を使ってるのか、足元に魔法陣がでている。
「威圧がすごいね・・・こ、これは武者震いだから、ね?」
「足ガックガクよ・・・」
「・・・少し、緊張するわねぇ」
「パチュリー様、え、えっと・・・」
「こあは下がっていて。大丈夫よ」
「は、はい・・・」
「・・・それじゃあ、始めましょう。輝夜さん」