東方歌謡録   作:みかみりん

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前回のあらす                                じ(遠いな)
・黒い人、さらなる力を持ってた
・炎+氷=すごい
・妹紅!?死んだ!?


永遠亭

「・・・はっ!?」

がばっ

「あら、そんなに勢い良く起きなくてもいいのに」

「はぁ、はぁ・・・ここは・・・永遠亭?」

「そうよ、結構危ない状態だったんだから」

 

勢いよく起きた妹紅に白髪の女性、八意永琳が話しかける。

 

「丸三日寝てたのよ?でも、胸を貫かれても生きてるなんて、流石不老不死といったところかしら」

「丸三日・・・どおりで肩が痛いわけだ・・・そうだ、チルノは!?」

「ああ、あの水色の妖精さんね。彼女も幸い命にかかわるものはなかったわ。といっても妖精は死なないのだけれど」

「よ、よかった・・・もしかして、チルノがここまで運んでくれたのか?」

「そうじゃなくて・・・ちょっと理解しづらい話にはなるのだけれど・・・」

 

■■■■

 

妹紅が倒れた直後、チルノは必死に妹紅に話していた。

 

「妹紅、妹紅、起きてよ!・・・なんで返事してくれないの!ねえ・・・妹紅!」

 

倒れた妹紅の肩を必死に揺らす。それでもまだ起きない。

 

「嘘・・・でも、妹紅は不老不死だから、多分だいじょ・・・」

 

そう言いかけた時、ものすごく嫌な予感がした。妖精の勘だ。

 

「・・・なんで、ねえ、起きてよ・・・」

「・・・ん?お嬢ちゃん、どうしたんだい?」

 

その呼びかけに答えるように、後ろから声が聞こえた。

 

「えっ?」

 

チルノは驚き、振り返った。

そこには黒髪にうさ耳をはやした少女が立っていたのだ。

 

「え、お、お前は・・・?」

「私の名前かい?私は因幡てゐ。ここらに住んでる妖怪兎さ」

「そうなのか・・・あ、あたいはチルノ。よろしく・・・ってそんな場合じゃない!妹紅が、妹紅が・・・!」

「ん・・・?ああ、妹紅なら不老不死だから大丈夫だよ」

「そうじゃなくって・・・えっと・・・とにかくやばい気がするの!」

(・・・妖精の勘はとても良い。もしかして彼女に何か・・・)

「ちょっと見せてもらえるかい?」

「う、うん・・・」

 

てゐは妹紅に近づき、「うーん」と言いながら確認した。

 

「・・・これは、かなりやばいかもしれない」

「えっ!?」

「とりあえず永遠亭に持っていこう。お前たち、出てこい」

 

そうてゐが呼びかけると、竹林の色々なところから兎たちが集まってきた。

 

「す、すげー・・・」

「これでもここの兎たちのリーダーだからね。さて、彼女をもっていってくれないか?危険な状態だから、早めで頼む」

 

てゐがそういうと、あっという間に妹紅を兎たちが囲み、担ぎ上げた。

 

「わ、わぁ・・・」

「それと、お嬢ちゃんも怪我してるじゃないか。案内してやるから、ついてきな」

「うん・・・というかその似た目でリーダーってすごいな」

「威厳がない、とでも言いたいのかい?よく言われるよ。でも、こっちも長寿なんでね。健康に気を使って生きてたら妖怪になってたのさ」

「それで!?その見た目で!?」

「ああ。というかそれは嬢ちゃんにも言えることだけどね」

「そうだけど・・・妹紅よりもなの?年齢」

「うーん・・・彼女が来たのは500年くらいまえだったかなぁ・・・あんま覚えてないや。だから詳しくは分からないよ。でも、私よりも若いと思うけどね」

「見た目に反しておばさん・・・」

「ひどいなぁ。・・・あ、そろそろつきそうだね。ほら、あれだよ」

 

てゐが指をさした先には大きなお屋敷があった。

結構大きく、今までここのことを知らなかったのが不思議なくらいだ。

 

「こんなに大きいのがあったのか・・・」

「まあ、気づかないのも無理もないさ。ここの竹林には呪いがかかっててね、入ったら出れなくなってしまうんだ。まあ、私や妹紅とかは道覚えてるから出れるけどね」

「へー・・・」

「さて、そろそろ私の仕事は終わりかな。おーい、鈴仙。出てこーい」

 

てゐがお屋敷に向かって呼びかける。それから間もなく、一人のうさ耳の少女が出てきた。

 

「はーい・・・ってひどい怪我!よくここまで来れましたね!?」

「私の兎たちがここまで連れてったのさ」

「てゐがそんなことするなんて・・・今日は天気が荒れるのでしょうか」

「私に信用というものはあるのかい?」

「ないです」

「えー」

「あ、まだ名乗ってなかったですね。私は鈴仙・優曇華院・イナバです。どれで呼んでいただいてもいいですよ」

「名前長い・・・あ、あたいはチルノ!」

「チルノさんですね。よろしくお願いします。さて、とりあえず妹紅さんはお師匠様のところに、チルノさんは私についてきてください」

 

そう指示をすると、妹紅を持った兎たちは屋敷の中に入っていった。

 

「・・・ねえ、妹紅は大丈夫かな」

「大丈夫ですよ。何てったってお師匠様は『ありとあらゆる薬を作る程度の能力』ですからね。お師匠様に作れない薬など、この世にはないのです!」

「そ、そうなのか・・・よかった・・・」

「とにかく、チルノさんも怪我してますから治療しますよ!」

「しみるのは嫌だなぁ・・・」

「我慢ですよ!あ、あと二人を連れてきてくれてありがと・・・ってもういない。いつの間に・・・あの人、ほんとにすばしっこいからなぁ・・・」

 

てゐに頭を悩ませながら、鈴仙はチルノを奥につれて行った。

 

■■■■

 

「本当に理解しづらい話だった・・・」

「でしょ。あのてゐが人助けなんてね・・・」

「どういう風の吹き回しかね・・・」

「まあ、彼女なりにあなたを心配してたんでしょ」

「そうなのか・・・?」

「あ、あとこれ」

 

永琳はそういうと一枚の布を妹紅に見せた。

 

「これは・・・?」

「あなたがつかんでいたものよ。これのおかげで助かったといっても過言じゃないんだから」

「どういうことだ?」

「・・・どういう原理かわからないけど、あなたの不老不死の力が破壊されかけていたの」

「能力って破壊されるのか・・・」

「それでね、この布についてた成分が能力を破壊していた成分と同じだったの。そこから抗体を作ったってわけ」

「相変わらずすげーよお前」

「ありがとね。でもまだ本調子じゃないから暴れるのはほどほどにね」

「はーい。・・・そういえば、ちょっとその布貸してくれないか?」

「・・・?いいけど」

 

永琳は妹紅に布を手渡した。

 

(これ、どっかで・・・)

「不思議よね、その布。最初は真っ黒だったのに時間がたつにつれそうなったのよ」

(・・・思い出した。これ()()()の・・・でも、そんな奴には見えなかった。それに・・・)

「・・・ああ、そういうことか」

「え、どういうこと?」

「・・・今回のことを、博麗にも共有した方がいいと思うんだ。あいつ、なかなかの手練れだった」

「妹紅がそういうのなら、本当にそうなんでしょうね。ここから博麗神社まではちょっと遠いけど、病み上がりで大丈夫?」

「そこまで弱くねーよ」

 

二人が話していると、急にふすまが開いた。

 

「お師匠様、妹紅さんは・・・」

「妹紅ー!!」

「うわっ!?チ、チルノさん!?」

 

鈴仙の後ろからチルノが勢いよく出てきた。

 

「よかった!ほんとによかった!あ、あたいはもう大丈夫だぞ!何てったって幻想郷さいきょーだもんね!」

「ああ、でもここで騒いてると鈴仙ちゃんに迷惑かけるぞ?」

「あっ・・・」

「気にしないでください。チルノさんだって、妹紅さんが起きるのを今か今かと待っていたんですから。飛んで喜ぶのも当たり前です」

がばっ「妹紅~!」

「ちょっ、急に抱きつくな!寒い!」

「・・・妹紅さん、元気そうですね」

「そうね・・・これでも病み上がりだけど」

「えぇ・・・」

「あら~もこたん起きてたのね~」

「ん・・・ってうわっ!?」

 

いつの間にか妹紅の隣に黒髪の女性が立っていた。

 

「輝夜・・・その、能力で瞬間移動するの心臓に悪いからやめてくれないかしら」

「えー、だってもこたんが起きてくれないと日々の楽しみがなくちゃっちゃうもの。くたばってもらっちゃ困るのよ~」

「消し炭にされたいのか?」

「もこたんこわーい♪」

「・・・」(#^ω^)

「あ、そうだ。これからお外に行こうと思うの。暇だから」

「これまた急ね・・・でも、妹紅も今から外に行くみたいだし。二人で行ったらいいんじゃないかしら?」

「永琳、余計なこと言うなって!」

「あら本当?ありがともこたーん♪」

「まだ私はいいと言ってないぞ!」

「でも、一人よりもいいじゃんか!あたいはさんせーだぞ!」

「チルノまで・・・しょうがない、今回だけだからな」

「うふふ、ありがとねー♪」

「こいつの顔面殴りてー・・・」

 

■■■■

 

永遠亭の外。妹紅とチルノは支度を済ませていた。

 

「じゃあうどんげ、チルノのことは任せたわよ」

「はい!」

「あと、妹紅も輝夜のことよろしくね」

「めんどくせー」

「輝夜に何かあったら・・・わかってるわよね?」

「えー。こいつも不老不死だし、何もないだろ」

「ひどいわね~。私はか弱いお姫様なのに・・・」

「よく言うわ」

「じゃあな!えーりん!色々ありがとーございました!」

「ええ、また来てね~」

 

こうして鈴仙とチルノは妖精の森に、輝夜と妹紅は博麗神社に向かった。

 

「・・・ねえもこたん。その布って何かしら?」

「これか?・・・ちょっと大切なものなんでな」

「そうなの?」

「ああ」

「ふーん・・・」

 

(もしこれが正しいなら・・・ちょっと、まずいことになるかもな)

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