東方歌謡録   作:みかみりん

53 / 156
前回の明太子
・チルノぉぉぉぉぉ!?
・ルーミア、腕が・・・!(シャン〇ス?)
・チルノぉぉぉぉぉ!?(使い回しは、やめようね)


ねえ、助けて

「みんな!だいじょ・・・うっ・・・!?」

 

一番前を走っていたリグルはその光景に驚き、声を漏らした。

そこには片腕をなくし血を出して倒れているルーミアと、それを見下ろしているチルノ、そしてその状況を見て固まっている大妖精がいた。

 

「な・・・え、なんで・・・チルノちゃん・・・?」

「リグルちゃん?どうしたの?」

「・・・!こっちに来ちゃ・・・!」

 

後ろから来たみすちーとメイコにとっさに声をかけた。

だが、その声も遅く、二人もその惨状を見てしまった。

 

「え・・・!?ルーミア・・・ちゃん・・・!?」

「・・・喧嘩じゃないわよね・・・?だとしたらなんで・・・」

「・・・チルノちゃん!」

 

我に返ったリグルがチルノに呼び掛けた。

 

「駄目だよ・・・チルノちゃん、ルーミアちゃんや私の呼びかけにも応じなかったの・・・」

「そんな・・・」

「・・・ま、まだルーミアちゃんは生きてる・・・わよね?妖怪って人間より生命力が強いって聞いたし・・・」

「まあ、生きてはいると思いますが・・・僕たちも不死身ってわけではないですし・・・」

「どうにか止血とかってできないかしら。私、少しはそういうのに知識があるから。・・・ちゃんとできるかはわからないけど」

「そうですね・・・じゃあメイコさんはルーミアちゃんを・・・」

ヒュンヒュンッ!

「うわあっ!?チルノちゃんが・・・メイコさん、ルーミアちゃんのことは任せましたよ!」

「ええ!」

 

メイコは攻撃をよけながらルーミアを抱き上げ、急いで木の裏に駆け込んだ。

 

「ここなら大丈夫よね。えーっと、ポケットに何か・・・」

 

メイコは自分のポケットに手を突っ込み、何かないか探した。

しかし、ポケットには何も入ってなかった。

 

「ええ・・・いつもリンレンのために絆創膏が入っていたと思うんだけど・・・いや、絆創膏で治る怪我じゃないわよね。とりあえず、何か止血できるものを・・・」

 

辺りを見回したが、特に役に立ちそうなものはない。

ふと、視界の中にルーミアのリボンが映った。

 

「・・・小さい傷程度なら、これで止血できるかも。・・・よし!」

 

メイコはルーミアのリボンをほどくことにした。

 

「とりあえず、僕たちはチルノちゃんを止めよう!スペルカード発動!蛍符『地上の流星』!」

「う、うん!スペルカード発動、声符『梟の夜鳴声』!」

 

一方、リグルとみすちーはチルノを止めるため戦っていた。

リグルはオレンジ色に輝く蛍の群れを、みすちーは音符型の弾幕をチルノに放った。

 

「や、やっぱり強くなってるよね・・・?言っちゃなんだけど、チルノちゃんルーミアちゃんより弱かったし・・・」

「めちゃめちゃに言うなぁ・・・でも、強くなってるのは確かだよ、油断しないようにしないと」

「そうだね・・・ってこれって・・・!?」

 

辺りに冷気が立ち込める。細かな氷の粒子は一つ一つがとげとげしており、吸ったら肺にダメージを受けそうだ。そしてこれには、二人にも見覚えがあった。

 

「「パーフェクトフリーズ・・・!?」」

「え、チルノちゃんスペル唱えたっけ!?」

「いや、聞いてないよ!というか、これがパーフェクトフリーズなら、この後・・・」

 

リグルが何か言いかけた時、猛烈な吹雪が二人を襲った。

そしてそれと同時に、つららも二人に向かって飛んできた。

 

「ぎゃっ!?み、みすちー、大丈夫!?」

「私は大丈夫だよ!というか、喋らないほうがいいんじゃない!?」

「ゲホッ・・・そういえばそうだった・・・」

(・・・メイコさん大丈夫かなぁ・・・あ、そういえば大ちゃんも・・・!)

「だ、大ちゃん!」

 

みすちーは座り込んでいた大妖精に向かって走り出した。

それと同時に、後ろから声がした。

 

「スペルカード発動、凍符『パーフェクトフリーズ』」

「えっ・・・ってきゃああっ!?」

 

突然吹雪が強くなった。

そして後ろを向いていったみすちーは気づくのに遅れ、体が宙に浮いてしまった。

 

「みすちー!!」

 

それに気づいたリグルはみすちーへ手を伸ばした。

しかし、その行動によってバランスを崩したリグルも宙に浮いてしまった。

 

「うわっ!?バランスが取れない・・・!」

「リグルちゃん落ち着いて!収まるまで待と・・・」

ヒュンヒュンヒュンッ!

「・・・えうわっ!?」

 

みすちーはチルノから集中攻撃を受けていた。

みすちーは頑張ってよけようとしたが、うまく体が動かせなかった。

リグルも助けようとしたが、その場で手を伸ばすので精いっぱいだった。

そして吹雪は止み、二人は地面に落ちた。

 

「・・・っ、はぁ、はぁ・・・」

 

みすちーは攻撃されたせいか、うまく立てなくなっていた。

 

「・・・ねえ、なんでそんなことになっちゃったの?私の話、聞こえてる?」

「・・・」

「・・・まあ、聞こえてるわけないかぁ・・・」

「・・・聞こえてるよ」

「えっ?」

 

突然の返答にみすちーは驚いた。

見上げると、さっきの虚ろな表情と打って変わって、今にも泣きそうな顔をしていた。

 

「な、なんでこんなことになってるの?チルノちゃんの意思じゃないんでしょ?」

「うん・・・あたいもわかんないよ、でも、体が勝手に動いて・・・だんだん意識もそれに吞み込まれていって・・・」

「それ、チルノちゃん側からどうにかできないの?」

「できない・・・ねえ、あたい、ずっとこうだったのかな。これが普通で・・・」

「・・・!そんなことないよ!チルノちゃんは・・・!」

「みすちー!どうしたの!?」

 

リグルがみすちーのところに駆け寄ってきた。どうやら足を痛めていたようだ。

そしてリグルもチルノの顔を見て少し驚いた表情をした。

 

「しっかりしてよ、チルノちゃん!」

 

リグルはチルノの肩をつかんでゆすった。

 

「ねえ、助けて・・・助けて、大ちゃ・・・」

 

話していた途中で、チルノはさっきまでの虚ろな表情に戻ってしまった。

 

「・・・今の、まだチルノちゃんって意識があるんじゃない?」

「そう、だよね・・・?でも、どうしたらいいんだろう」

「とにかくルーミアちゃんが来るまでチルノちゃんを足止めするしか・・・ってわっ!?」

「えっ・・・!?」

 

その時、リグルが横に吹っ飛んだ。

不意打ちだったようで、みすちーも困惑していた。

 

「リ、リグルちゃん!」

「僕は大丈夫だよ。でも・・・さっきの氷攻撃で手が地面にくっついちゃったみたい・・・」

「えっ・・・」

「とにかく、そこから離れて!多分、攻撃が・・・!」

 

みすちーはその声にハッとし、慌てて立ち上がろうとした。

しかし、先ほどのように足に力が入らない。

 

「う、動かないよ・・・!」

「えっ!?」

 

リグルはその場で手を伸ばした。

当然、届くわけなんてなかった。

そしてみすちーを中心として氷のつららが展開された。

 

「『アイシクルフォール』・・・!?やっぱりスペルを唱えていないのに・・・ってみすちー、逃げて・・・!」

 

その声が届く前に、つららがみすちーに向かって発射された。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。