・もこたんこのこと予知してるやん
・黒幕がまだいる・・・だと?
・妹紅から聞いたこと<<<<<<睡魔
突如として黒い人の黒い膜が割れた。
「何か隠してるの?私たちに見られたら不都合なことが」の言葉はあながち間違いじゃなかった。
なぜなら・・・割れた膜の中から出てきたのは、カイトだったからだ。
「・・・な、なんで・・・あんたが・・・」
「え・・・?カイト・・・なの?」
(・・・当然と言われれば当然だけど、相当精神に堪えたようね・・・。私の判断ミスだ、わかっていたのに、「もしかしたら」を願って、結局こうなって・・・。いや、反省は後よ。今はあいつをどうにかしないと!)
霊夢は黒い人、もといカイトの様子をうかがった。
どうやら見たことのない自分の姿に困惑していたようだ。
(・・・自我を取り戻したわけじゃなさそうね。体の一部は黒いまんまだし、知っているはずの自分の姿に驚くことなんてないでしょうからね。ただ、敵意がなくなってる可能性はある。・・・確認する価値はあるわ)
「・・・何に驚いてるのかしら?」
霊夢はあくまでも知らないふりをしてカイトに話しかけた。
「・・・別に」
シャッ!
「っ・・・!」
(いやまあ、そりゃそうか・・・。それにしても、まずいことになったわね・・・。妖夢は半霊ともどもダウンしてるし、リンとメイコはあれで戦えるわけがない・・・。つまり、私とあいつの一騎打ち。しかも相手は未来永劫斬の傷もろとも回復してるし・・・。私もまともなダメージは受けていないものの、スペルは打っているから霊力だって万全でない・・・完全にあっちが有利ね)
霊夢は弾幕とお祓い棒で応戦しながら、隙を伺う。
(・・・だけどね、私だってこんなピンチいくらでも乗り越えてきたわよ。博麗の巫女として、絶対にカイトを元に戻してみせる!)
「・・・スペルカード発動!霊符『夢想封印 散』!」
霊夢の周りに大きめの弾幕が集まり、一斉にカイトに発射される。
(・・・これくらいなら、弾き返せるか・・・)
カイトは刀で近くに来た弾幕を跳ね返そうとした。
すると、弾幕が刀に当たった瞬間、たくさんの小さな弾幕に変化した。
刀に当たった弾幕以外も小さな弾幕に変化し、不規則な軌道でカイトに襲い掛かった。
「っ、小賢しい真似を・・・」
「別に小賢しくたっていいじゃない。・・・というか、それあんたが言えたことじゃないけどね」
「・・・まあ、そうかもな」
「さっさと行くわよ!」
霊夢は距離をとりながら弾幕を飛ばして攻撃した。
(近距離戦に持ち込まれると圧倒的に私が不利・・・それに、霊力もスペル一個分しか残ってない・・・でも、逆に言えばスペル一個分は残ってる。絶対に、決めて見せる!)
霊夢はうまい具合に弾幕を飛ばし、カイトを誘導した。
カイトは何とかして霊夢に近づこうとしていたが、弾幕のせいでうまく出れなかった。
「ちっ・・・近づけない・・・」
(・・・さ、いつ打ちましょうかね。相手が大技を使った後の硬直を狙いたいんだけど・・・)
すると、足元に大きな魔法陣が展開された。
(おっ、さっそく来てくれたわね!)
霊夢は空に飛びあがった。
すると、上にも魔法陣が展開されており、つららが降ってきた。
「・・・いくらなんでも大技ね・・・。空飛べなかったらどうしろと・・・」
(待って、リンたちは!?)
霊夢はよけながら後ろを向いた。つららのせいではっきりと見えなかったが、無事なようだ。
「・・・ふう、よかった」
ひゅんっ「何がよかったんだ?」
「はっ・・・!?」
(まずい、近づかれ・・・いや、近接ならこれが・・・!)
「スペルカード発動!妖器『無慈悲なお祓い棒』!」
霊夢のお祓い棒は瞬時に光を帯びながら大きくなった。
そして霊夢はそのお祓い棒を両手で思いっきりぶん回した。
「・・・はぁ・・・、うわっ!?」
どてっ!
「いったた・・・」
(もう、飛べるほどの霊力も残ってないってことね・・・魔法陣が引っ込んでてラッキーだったわ)
霊夢は立ち上がって周囲の状況を確認した。
リンたちにこれといった被害はなく、上下それぞれの魔法陣もなくなっていた。
そして、カイトもいなくなっていた。
「・・・あれ、あいつは・・・」
シャッ
「・・・!?」
いつの間にか霊夢の首元には刀が突き付けられていた。
(しまった・・・!いつの間に、後ろを・・・)
「・・・まんまとはめられちゃったわね」
「まあ、こっちも間一髪だったんだけどな。近距離戦もできるなんて思ってなかったぞ」
「ほめても何も出ないわよ?」
「・・・お前の血ぐらいは出そうだけどな」
「・・・」
(ワープ魔法陣のこと、完全に忘れてた・・・。やらかした、もうこの状況じゃ反撃もできない。こんなところで、私は死ぬの?何でよ、私は、私は・・・)
「・・・博麗の巫女なのに」
「博麗の巫女か・・・巫女ってことは、神社もあるんだろ?神もいるってことか」
「・・・!」
「まあまあ苦戦したが、お前がこの程度ってことは、神もその程度なんだろうな」
「黙れ!あんたに・・・あんたに何が分かるっていうのよ!」
「・・・何も、分かるわけないだろ」
「・・・っ」
「・・・じゃあな、博麗」
(声が出ない・・・。死への恐怖でしょうね。今すぐみんなに声をかけて逃げさせるべきなのに。最後の仕事も果たせない、
(・・・ごめんなさい。カイトを・・・助けられなかった)