東方歌謡録   作:みかみりん

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前回の一対一(いや前回は二対一だったよ?)
・刀がパリーン☆
・リンちゃあああん!?
・いよいよまずくなってて草(笑うな)


何度だって、思い出すまで

「・・・託された、か。そんなので強くなると思っているのか?」

「そうかもしれない、・・・けど、やってみなくちゃ分かんない!」

 

メイコはスタンドマイクを握りしめ、攻撃を仕掛けた。

 

ブンッ!

(動きが速い・・・いや、連戦でこっちが弱っているのか)

「これは・・・少し厳しいかもな」

「あら、もう弱気?あんな大口たたいていた割には余裕無かったのね」

シャッ「俺からしたらお前の方が余裕無さそうに見えるが?」

「っ・・・、確かにそうかもね・・・。でも、そんなの関係ないわ!」

 

戦いは激しさを増していく。2人とも、一歩も引かぬ戦いを繰り広げていた。

 

「はぁ、はぁ・・・、やっぱり強いわね・・・。正直元がカイトだとは思えないわ・・・」

「・・・なんだそれ、不の信頼よせすぎだろ」

「不の信頼じゃないわよ、多分。・・・いっつも家にいたし、人一倍体力がなかったし。だからそんなに動けるのが意外というか・・・。というか、否定しないのね、自分がカイトってこと」

「・・・否定したところで、何も変わらない」

「ふーん・・・、まあいいや、まだまだっ!」

 

メイコは少し距離を取り、スタンドマイクから火炎放射をした。

 

ゴオオオッ!

「あんたは近距離が強いけどね!遠距離はあんまりなのよ!気づいてるかどうかは知らないけど、気づいちゃこっちのもん!」

「そうか・・・それなら」

 

そういうと、カイトは自分の後ろに大量の刀を生み出し、一斉に発射した。

 

「わわっ・・・!普通、限度ってもんがあるでしょうよ!」

「戦場に限度なんて求めるな」

「それは・・・確かにそう。って何納得してるんだ私!」

(というか、流石にまずいわね・・・。私は火炎放射を放ってる間はあまり動けない。でも、カイトは刀を飛ばしている間にも自由に動ける・・・。避けに専念してもいいけど、そしたらジリ貧でこっちがきつい・・・!)

「・・・そうだ、あんたがそうするなら・・・!」

 

メイコは攻撃を避けながら、火炎放射しているスタンドマイク宙に放り投げた。

そして空いた手でもう一つスタンドマイクを作り出し、それを手にカイトに突っ込んでいった。

 

ブンッ!

「っ・・・!」

「ほ、本当にできた・・・。これなら空中のマイクと手持ちのマイク、二つで攻撃ができる!」

 

メイコはそのまま攻撃する。カイトも負けじと反撃してくる。

 

「俺のを見て思いついたのか?・・・できるかの確証もないのに、賭けるなんてな。」

「別にいいじゃない。だって、そっちの方が私らしいもの!」

「・・・「私らしい」、か」

「そうよ。さっきは遠距離で戦ってみたけど、結局物理の方が私にはあってるし」

「・・・」

 

突然、カイトは攻撃の手をやめた。

 

「・・・え、急にどうしたのよ」

「最初に俺が博霊にした質問・・・覚えてるか?」

「えっと・・・「自分がどう見えるか」だったかしら」

「同じ質問をお前にも聞こう。・・・お前から見て、俺は何だ?」

「カイト」

「・・・は?」

「何回も言ってるじゃない。むしろ、カイト以外の何に見たらいいのよ」

「・・・」

「そういえば、あんた名前がないって言ってたわね。その名前が、カイトなのよ」

「名前・・・」

「そう、あんたはカイト。それ以上でもそれ以下でもないわ」

「・・・俺に言われたって、何も分からない。あいつらも、お前も、俺自身のことも。騒動を起こした理由だって、忘れたのか元から無かったのかさえ・・・分からない」

 

「・・・でも、自分の気持ちぐらいは分かる。何故か・・・ずっと悲しいんだ。そして、ひどく虚しい。・・・何でお前にこれを言ったのかも分からない。結局・・・俺は、()()、何なんだよ・・・!」

 

カラン

 

握っていた刀が、手から落ちた。

その音は周囲に響くことなく、虚しさを告げて消えた。

 

「・・・何回も言ってるでしょ。あんたはカイト。それ以上でもそれ以下・・・ってさっきも言ったわね」

「・・・でも」

ぎゅっ

「えっ・・・」

 

刀を落とした方の手を、メイコは握った。

 

「あんたが何も覚えてないんなら、自己紹介しなくちゃいけないわね。・・・私はメイコ。好きなものは酒全般、苦手なものは・・・多分ない。そしてあんたはカイト。好きなものはアイスで、苦手なものはゴーヤ。・・・少しは思い出した?」

「・・・分からない。けど、少ししっくりくる気がする」

「そう。まあ無理やり思い出させようとする私も悪かったわ。ごめんなさいね」

「そんなことない。だって・・・」

「・・・だって?」

「・・・ごめん、よく分からない。でも・・・ありがとう、メイコ」

「・・・どういたしまして」

 

繋いだ手を、ゆっくりと放す。もうその体に、黒は無かった。

 

「じゃあ帰る?あ、でもまずはこれどうにかしなきゃ・・・ミク呼んだ方がいい・・・わよね。でも、どうやって呼ぼうか・・・」

「え、それでどうにかなるの?」

「あー、なんか回復できるらしいし。多分どうにかなる」

「そっか・・・ねえ、ちょっといい?」

「ん?どうかしたの?」

「まだ・・・記憶が完全に戻ってるわけでもないと思うんだ。それで・・・いいのかなって」

「別にいいじゃない。そんなん後で取り返せるわよ。取り返せなかったら、その時は新しい記憶で補えばいい。どのみちどうにかなるわよ」

「・・・そっか」

(多分、これでよかったんだと思う。これが本当の、僕なんだって思えたから。改めて感謝しなくちゃだな、メイコには。それと、今までのことも謝らなくちゃだし・・・)

「・・・やることが多いなあ」

「え、なんか言ったー?」

「・・・何でもないよ。・・・そうだな、まずは応急手当を・・・」

『何しているんだ』

「・・・えっ?」

 

突然、カイトの頭の中に声が響いた。

 

「どうしたの?何かあった?」

「い、いや、さっき声聞こえなかった?」

「・・・聞こえてないわよ?」

「そっか・・・じゃあ気のせいだったのかな」

『気のせいじゃない。・・・どうやら現状をよくわかっていないようだな』

 

その瞬間、カイトの周りから黒い手がたくさん生えてきた。

 

「うわっ!?」

「カ、カイト!?その手何!?」

「わ、わからない・・・急になんか、生えてきて・・・!」

『まだやることがあるのに、勝手に終わってもらっちゃ困る。・・・この戦いに勝ってもらわないと、後々めんどくさそうだからな』

「めんどくさいって、僕には関係ない・・・!」

「え、誰と話してるの!?一回落ち着きなさい!」

「で、でも・・・!」

『そんな奴の話なんか聞くな。お前は、お前のすべきことをしてればいい』

「すべきこと・・・?」

『そうだ。お前のすべきこと、それは()()()()()()までの時間稼ぎ、及び邪魔者の討伐。それだけを考えてればいい、ほかは要らない』

「っ、そんなことない!僕は、そんなこと望んで・・・」

 

『望んでなくてもやれ。・・・すべては、「復讐」のためだ』

 

「復讐・・・?なんで、そんなこと・・・」

「ちょっと待ってて、今助けるから・・・!」

 

メイコは黒い手の中にいるカイトに手を伸ばした。

 

べしっ!

「きゃっ!?」

 

しかし、黒い手に吹き飛ばされてしまった。

 

「ったた・・・、でも、これくらいで・・・!」

 

メイコが立ち上がろうとしたとき、カイトを中心として黒い霧が一気に広がった。

 

「は・・・?一体、何が起きてんのよ・・・!」

 

霧は少ししたら収まった。

しかし、視界の先にいたのは・・・

 

「・・・なんで、全部終わったと思ったのに・・・!」

 

視界の先にいたのは・・・また体の一部が黒くなったカイトと、それを閉じ込めるように囲む黒い手だった。

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