・魂と魂のぶつかり合いだぁぁ!いっけええええ!
・やっぱ苦しかったんだね・・・
・終わったと思っただろ?終わらないんだな、これが。
メイコが呆然としている間に、黒い手はさらに増殖し周りを蝕んでいく。
「というか、何なのよこれ・・・!いや・・・一回落ち着こう・・・」
(・・・カイトの周りを黒い手が囲んでいる。あと、鳥かごっぽいので閉じこめられているわね。中はここからだと見えないけど・・・黒くなってるのと、座ってるのはギリ見える)
「・・・よし、ヒントみたいなのは無かったけど、とりあえずやってみるしかない!」
気合いを入れ、メイコは手の中心にいるカイトに向かって走り出した。
シュシュシュッ
「くっ・・・、邪魔くさいわね、この手・・・!」
ぎゅっ!
「っ!?」
突然黒い手に足を掴まれた。振りほどこうとしたが、なかなか離れない。
(力が吸い取られていく・・・!?やばっ、このままじゃ・・・!)
「・・・そうだ、これで・・・!」
ぶんっ!
メイコはスタンドマイクで何とか手を振りほどき、一回距離を取った。
「はぁ・・・、突っ込むのはやめた方がいいわね。だけど、手もどんどん広がっていく。このままじゃ・・・」
ふと、倒れているリンが視界に入った。
リンの周りは黒い手に群がられていた。
「・・・は!?え、え!?・・・ってそうじゃない!早く行かないと・・・!」
タッタッタッ
ブンッ!
「あっぶな・・・、何でリンにまで・・・。ちょっと待って、じゃあ霊夢にも・・・!」
慌てて霊夢に目を向けると、そこにも黒い手が近づいていた。
「・・・うん、でしょうね!とりあえずこの距離なら火炎放射で・・・」
ボオオオオッ!
「ふう・・・。というか、これきつくない・・・?リンや霊夢に群がる手を払いながら、何とか手の中央にいるカイトをどうにかしろってことでしょ・・・?一人じゃとても・・・」
(・・・やっぱり、根本をどうにかするしかない。・・・どうなるかは分からないけど、一か八か・・・!)
メイコは火炎放射を黒い手の中央に向かって放った。
そして黒い手がひるんだ隙に中央に向かった。
「・・・よし!これなら・・・!」
ぎゅっ!
「やっぱりね、でも対処法は分かってる!」
手をマイクで追い払いながら、少しずつ中央に近づいていく。
(これなら行ける!・・・絶対に、助けるから!)
メイコは大きく振りかぶり、檻に攻撃を加えようとした。
しかし、その瞬間今までの比じゃない黒い手がメイコに襲いかかった。
「はぁっ!?いや、もうやるしかない!」
メイコは振りかぶった体勢のまま、黒い手を追い払おうとした。
しかし、腕を動かすより先に黒い手が大量にメイコを掴んできた。
あっという間に、黒い手に囲まれてしまった。
(やらかした・・・!流れで行けるだろうと思ったばかりに・・・。どうしよう、このまま私は・・・助けられずに、死ぬの・・・?)
徐々に力が吸い取られていく。
もう、黒い手の隙間に見える外を見るしか出来ることはなかった。
「・・・はぁ、どうして・・・」
シャッ
「・・・えっ?」
一瞬、隙間から白い残像が見えた。
次の瞬間、一気に周りの黒い手がバラバラに切り刻まれた。
真っ二つにされた手は、黒い砂のようになって消えていった。
「・・・な、何で急に・・・?」
「メイコ!早くこっちに!」
「え、妖夢!?怪我は大丈夫なの!?」
「話すのは後!早くしないとまた黒い手が生えてくるよ!」
メイコははっとし、慌てて走り出した。
「ふう・・・。妖夢・・・よね?助かったわ、ありがとう」
「全然大丈夫だよ。あと、私半霊の方」
「半霊・・・、どうりで怪我がないのね」
「そういうこと。にしても、すごいことになったなぁ・・・」
「ほんと、まさかこうなるなんて・・・って見てたの?」
「うん。・・・もしかして、見れる元気があるのに何でこなかったかって思ってる?」
「えっいや・・・」
「あはは、気になるよねー。・・・そもそも半人半霊ってさ、半人の方が主導権握ってるんだ」
「そもそも、主導権とかあったのね・・・」
「といっても、半人の方の周りでしか動けないってぐらいだけどね」
「なるほど・・・え、じゃあ何で今普通に・・・」
「んーと、それは半人側から霊力を分けてもらったからかな。半人の妖夢が使ってる妖力を、霊力にして私に渡すことである程度の時間自由に動けるんだ。でも、妖力が何らかの影響を受けていたら私も影響を受けちゃうんだよね、地底の時はそれで霊夢達に迷惑かけたなぁ」
「うーん・・・途中からよく分からなくなったけど、とりあえずいいってこと・・・よね?」
「まあそうだね、でもなるべく早めに解決しないと。・・・妖夢の命が」
「えっ、それどういうこと・・・?」
「・・・さっき言ったとおり、私の霊力は半人の妖夢の妖力を使っている。そしたらさ、半人側は妖力が減るよね?」
「ま、まあそうね・・・」
「そもそも私たちにある霊力とかって、弾幕とかに使う以外にも、自己回復にも使えるんだよね。そして、それは妖力も同じ。・・・つまり、今の妖夢は自己回復力を完全に失っている」
「えっ!?そ、それ妖夢大丈夫なの!?」
「全然大丈夫じゃないね。・・・でも、それだけ妖夢は本気だから、答えないとだし」
「・・・そうだったのね」
「しんみりしなくていいよ。それに、メイコだって私と同じだよ?」
「えっ?」
■■■■
「うっわぁ・・・やばいことになってる。このままだとメイコが・・・」
「・・・ねえ、ちょっとお願いがあるんだ」
「えっ?急にどうしたの?」
「私の残ってる妖力・・・多分2,3スペルぐらいはあるかな。・・・それを全部霊力に変えて、戦ってほしい」
「え・・・、そ、そんなことしたら妖夢の体が・・・!」
「分かってる。でも、今できることはこれしかない」
「そ、そうかもしれないけど・・・」
「・・・別に私は死のうと思ってるわけじゃないよ、全員で生きて帰りたいだけ。それなら少しでも確率が高い方がいい・・・でしょ?」
「・・・分かったよ。そんなに言うんなら、止めても意味ないだろうし」
「ありがとう。・・・ごめんね、色々押し付けたみたいになっちゃって」
「全然大丈夫だよ。それに、自分同士だし押し付けるも何もないし」
「あはは、確かに。・・・それじゃ、始めるね」
ホワン
「・・・あとは任せた。私の出し切れなかった想いごと託したから、そのぶん頑張ってよ?」
「分かってるよ。・・・じゃあ、行ってきます」
■■■■
「・・・私も、妖夢から想いを託されたんだ。メイコだってそうでしょ?」
「託された・・・」
「そ。お互いに託されたものを無駄にしないよう、頑張らないとね」
「・・・そうね、それにここが最後の砦だもの。・・・絶対に、勝ってみせる」
「そうこなくっちゃ。・・・あ、あと途中でメイコが言ってた疑問にお答えするね」
「疑問?」
「ほら、途中で「何で倒れてるリン達にまで襲ってくるの」みたいなこと言ってたじゃん」
「ああ・・・確かに気になるけど」
「見たところあの手は掴んだ奴の魔力とかを吸い取ってる。そして、あの状況を見るに・・・多分その吸い取った物を中央に送ってる・・・って感じかな」
「なるほど・・・?でも、何でそんなこと・・・」
「無理やり制御しようとしてるんじゃないかな。・・・ただ、結構無茶な方法だし、最悪肉体が保たないかも・・・」
「そ、それやばいじゃない!どうすれば・・・」
「私は黒い手達を処理する。メイコはうまく隙をついて中央に攻撃して。本体が止まれば終わると思うし」
「・・・分かったわ。そういえば、さっきから何で攻撃されないの?」
「ああ、未来永劫斬で切ったからだよ。ああいうのにも効くんだね」
「そういうこと・・・」
「ただ、もうすぐ効果はきれる。・・・短期決戦で行くよ」
「私たちで・・・この異変を、終わらせよう!」