・ミクちゃん、ついに解放!
・うーん全員容態悪くて草(笑うな)
・なんか物凄い子いましたけど!?怖いよ!?
「・・・うう、あれ、ここは・・・?」
真っ暗な空間で目を覚ました。
周りには、小さな黒いバラがちらほらと咲いていた。
そして、歌声が辺りに響いていた。
「なんだここ・・・。というか、何でこんな所で寝てるんだ僕・・・」
(・・・おかしいな、今までの記憶が全く無い・・・。夢の中、なのかな)
「・・・とりあえず、起きるかぁ」
立ち上がり、辺りを確認した。
「・・・特にこれといった物は無しと。だけど、さっきから歌が聞こえてくるな・・・よし、行ってみよう」
少し歩いていくうちに、人を見つけた。その人が歌っているようだ。
(な、なんか、オーラがすごい・・・。大丈夫だよね?話しかけたら殺されるとか無い・・・よね?)
「すぅ・・・ふう。・・・す、すみません!えっと、ここはどこですか!」
その声に反応したのか、その人は歌うことをやめ、こちらを向いた。
「・・・」
「・・・え、えっと・・・」
「・・・ああ、起きたのか。・・・にしても、声大きすぎだろ。びっくりしたぞ」
「えっ・・・。そんなに声大きかった?確かにちょっと大きめにはしたけど」
「いや、全然「ちょっと」じゃなかったぞ・・・。まあいいか、体調はどうだ?変なところとか無いか?」
「え、うん。記憶が全く無いけど、それ以外に変な所は無いかな」
「記憶が全く無いってさらっと言うなよ」
「いやー、夢だからそんなもんかと」
「夢見る度に記憶吹っ飛んでたら大変だろ」
「た、確かに。え、じゃあ何で記憶吹っ飛んでるの僕」
「・・・俺のせいだよ」
「・・・え、な、何でそうなるの」
「さっき、お前はここが夢の世界だと思っているような発言をしたよな?」
「うん・・・。こんな状況なら普通そう思うでしょ」
「それは、あながち間違いじゃない。お前は寝た後、何も夢を見ずに起きたことはあるか?」
「・・・いや、覚えてないよ。でも、なんか言いたいことは分かる気がする。あれでしょ、レム睡眠とノンレム睡眠・・・だっけ?」
「まあそうだな。一般的に言われる「夢」を見るのはレム睡眠、見ないのがノンレム睡眠。そして、この世界はそのノンレム睡眠の方の世界・・・ってわけだな」
「・・・なるほどわからん」
「つまり、普通の夢の世界ではないが、夢の世界の一種ではある・・・的な感じだな。まあ、これは友人がそう言ってただけで、俺もこれに関してはあまり詳しくないんだがな」
「・・・とりあえずは理解できた気がする。・・・あれ、じゃあここって普通なら何もないってことになるよね?じゃあ、何でここら辺にちらほらバラが咲いてるの?」
「・・・それよりももっと分かりやすいやつがあるだろ」
「え?」
「俺だよ。人の夢の中に、誰かいる時点でおかしいだろ」
「・・・あっそっか。ここには普通何もないもんね」
「そういうこと。そして、さっきお前が疑問に思ったバラの件。それは、俺のせいなんだ」
「君がはやしたってこと?・・・え、それいいじゃん!きれいだし!」
「え?・・・いや、何でそう思うんだよ。普通不気味がるだろ」
「え、そう?真っ黒な世界に黒いバラって、なんかかっこよくない?」
「そ、そうなの・・・か?お前、記憶失っても相変わらずセンスがあれだな」
「あれって・・・褒めてるの!?」
「・・・」(´・ω・`)
「えへへ、やっぱかっこいいよね!」
「・・・話を戻すが、あのバラはお前を精神的にコントロールするために生えている。俺がここにいる理由もそうだ。・・・お前を、強制的に引きずり込むためだった」
「引きずり込む・・・?僕を使って何かしようとしてたの?」
「ああ。・・・ただ、これは言いたくないんだ」
「・・・もしかして、復讐・・・とかだったり?」
「!?・・・な、何で分かったんだ?」
「あ、当たりなんだ。いやー、どっかで聞いたような気がしたからさ」
「・・・覚えていたのか」
「ん?何か言った?」
「・・・気にするな」
「そっかー。・・・それって、誰に対する復讐だったの?」
「・・・言わないって約束したんだ。・・・すまないな」
「別にいいよ。誰にだって言いたくないことはあるしね」
「・・・お前、昔っから優しいよな。こんな俺にも、優しくしてくれるし」
「何言ってるの。状況を教えてくれたり、話し相手になってくれてるじゃん。すごい良い人だよ」
「話聞いてたか?さっきまで、俺はお前をコントロールしてたんだぞ?」
「うーん・・・確かにそうなのかもだけどさ。生憎記憶吹っ飛んでるから、そこら辺何もわかんないし。だから、憎む要素がないんだよね。・・・それに」
「・・・?」
「・・・なんか、悪い人な気がしないんだよ。そのやってきたことも、何か理由があるんじゃないかなって」
「さあ・・・どうだかな」
「・・・否定はしないんだね」
「肯定もしてないけどな」
「そういうことじゃない」
「・・・でも、ありがとうな。初めて、あいつら以外から優しくされた気がする」
「やっぱり、なんか大変そうじゃん!・・・というか、あいつらって誰?」
「仲間というか、兄弟というか・・・ちょっと難しいな。ただ、俺にとっては大切な存在だったよ」
「・・・そうだったんだね」
「なに他人事みたいに言ってんだ。お前にもいるだろ、大切な仲間が」
「言われてみればそうな気がする。今頃心配されてるのかな」
「・・・そりゃそうだろうな」
「じゃあ早く起きて、大丈夫だよって言わないとだね。・・・あ。でもどうやって起きればいいのか分かんないや。どうすればいいのか知ってる?」
「・・・」
「・・・あれ、どうしたの?体調悪い?」
「そうだよな。・・・優しいお前なら、そうするよな」
「・・・?」
「・・・俺なら知ってる。ここから出る方法を」
「ほんと!?よかった、一生ここかと思ったよ~」
「ただ、お前には大分酷だと思う。・・・それでもいいか?」
「酷って・・・そんなにやばいの?」
「・・・ああ」
「・・・それでもいいよ。大切な人が、待ってるんでしょ?」
「・・・そうだな。きっとお前なら出来るって信じてるよ」
「ここから出る方法は・・・お前が、俺を殺すことなんだ」