・四つん這いは草
・まさかのフランちゃんと接点あり!?
・今明かされる衝撃(?)の過去!
今回長めです
ミク達が幻想入りする前までさかのぼる。
ウイーン
「やったー!やっと買えたぞ限定アイス!」
カイトはテンション爆上げな状態でスーパーを後にした。
「とりあえず今日食べる分と、明日食べる分と、保存用と布教用。あとみんなの分で13個買ったかな。ちょっと高くなっちゃった・・・」
・・・えっ買いすぎじゃね?あと保存用って何?食べ物だよねそれ?
「早く帰ってみんなで食べよう!多分ルカがもうお茶の準備してるだろうし・・・」
『・・・あら、茶葉切れちゃってるわね~』
『僕買ってくるよ。ついでにアイスも買ってきて、おやつにしよっか』
「・・・あっ」
カイトは思いっきり茶葉を買うことを忘れていた。
「そうだそうだった忘れてた!・・・えー、流石にこれもってもう一回はきついな・・・いやでも、怒られたくないしなぁ・・・まあ、少しぐらいなら頑張れる!よしっ!」
カイトはきびすを返し、急いでスーパーに戻る。しかし・・・
こつっ
「うわっ!?」
急ぎすぎていたせいか、小石につまずいて転んでしまった。
その表紙に、買った13個のアイスは周囲に散らばってしまった。
「いったた・・・あっ!やばっ、アイスが・・・!」
カイトは慌ててアイスを拾い始める。
「・・・ふう、こんなもんかな。えっと、1、2、3、・・・12。ってあれ!?一個無い!」
足りないことに気づいたカイトは、周囲を注意深く確認した。
すると、木の裏に転がっているアイスを見つけることができた。
「あっ!あったあった!よかった、これで全部なはず!」
カイトは木の裏に回り込み、アイスを拾おうとする。
しかし、その前に木の裏側が変なことになってるのに気がついた。
「・・・あれ、なんだこれ?空間が・・・ゆがんでる?」
気になったカイトは何の気なしにさわってしまう。
その部分はさわっても、さわっている感触がない不思議なことになっていた。
「・・・?なにこれ、あんまり近づかない方がいいかな・・・?」
ころっ
「あっ・・・!」
さわっている間に、袋に入っていたアイスがその歪みの中に落ちてしまった。
そしてカイトは反射的にその歪みに入ってしまった。
「あっやばっ・・・!」
気づいたときにはもう遅く、そのまま歪みに吸い込まれていった。
■■■■
「うう・・・ん・・・あれ、ここは・・・?」
カイトは目を覚ました。
「・・・竹・・・?ってことは・・・竹林・・・なのかな・・・」
(確か・・・、アイスを回収しようと思ったらなんか変なところに入ったんだよね・・・)
「・・・えっ、じゃあなんで僕竹林に・・・!?」
慌てて起き上がり、周囲を確認する。
どこを見ても竹、竹、竹で家らしき物はいっさい無かった。
「あっ、これ結構やばいんじゃ・・・そうだスマホ!」
スマホを手に取り、急いで電話をかけようとする。
しかし、なぜか繋がらない。
「あれ、おかしいなぁ・・・もしかして圏外なのかな・・・でも、スーパー近くは圏外な訳ないし、そもそもスーパー近くに竹林はない・・・ってことは」
「・・・僕、転生したってこと!?」
まあ正解である。
「ほ、ほんとにこういうのってあったんだ・・・!小説だけの話かと思ってたよ・・・あれ、でも大体最初は神様がいる空間なのが定番だよね?竹ってことは・・・和風な世界だったりして。あっでも、帰ってアイス食べないと・・・そうだアイスは!?」
・・・アイスは無くなっていた。
「ない・・・」(´・ω・`)
「・・・ん?そこのお兄さん、どうしたんだい?」
「えっ?」
後ろから声をかけられ、カイトは振り向いた。
「ここじゃ見ない顔だね、人里の新入りかな?」
「人里・・・多分、違うと思うけど・・・」
「え、そうなの?じゃあ・・・迷子?」
「迷子というか・・・僕もよく分かってなくて、別の世界からきた・・・と思うんですけど」
「別の世界・・・ああ、幻想入りした人か!最初からこんな所に飛ばされて災難だったね」
「え・・・そんなやばいとこなんですか?」
「まあそうだね。道を知らない者が入ったら二度と出られないって言われてるほどだし」
「ヒエッ」
「でもまあ、私がいるからもう安心だ!しっかり出口まで送ってやるよ」
「あ、ありがとうございます!あ、僕はカイトです!あなたは・・・」
「藤原妹紅だ、あとタメ口で良いよ」
「ほんと?僕敬語慣れてないから助かるよ!」
「・・・そうだ、さっきてんせいって言っていたが、それはどういう意味なんだ?」
「ちょっと難しいけど・・・さっき妹紅が言ってた幻想入りと同じだと思う」
「へー、もしかしてカイトが元いた世界にもそういうことがあったりするのか?知らない人間が別世界から来る的な」
「うーん、転生は二次元とかだからなぁ・・・あ、でもトラックに吹き飛ばされたらあり得るのかも?」
「かなり物騒だな、そのトラックとやらは。転生する前に死にそうだが・・・」
「まあね・・・でも、安全な転生もあるんだなーって思ったよ」
「基本的に転生は危険なんだな。というかにじげんってなんだ?」
「えっと・・・架空の世界って言うのかな。小説とか、アニメとか!」
「小説・・・ああ、本のことか。アニメはよくわからないが・・・とにかく、存在しない世界での話なんだな。・・・外の世界の奴って、想像力豊かなんだな」
「んまあそうかも。・・・そうだ、この世界に能力とかってあったりするの?」
「ああ、あるぞ」
「やったああああああああ!」
「!?」
突然叫んだカイトに妹紅は驚いた。
「・・・え、えっと、どうしたんだ・・・?」
「あっ・・・ご、ごめん。ちょっと興奮して・・・」
「そうなのか?それならいいが・・・。そんなに能力持ちに憧れてるのか?」
「そりゃもちろん!なんかかっこいいじゃん!」
「そ、そうか・・・」(こいつなんか変わってるな・・・)
「もしかして、妹紅も能力があるの!?もし見せれるなら見てもいい!?」
「・・・あー、それは・・・」
妹紅は少し言い淀んだ。
「・・・まあいいか。私の能力は・・・不老不死だ」
「ふ、不老不死!?えっそれほんと!?」
「まあ、最初っからあった物じゃないけどな。色々あって、こうなったんだ」
「そうなんだ・・・!いいなぁそういうの!」
「ま、普通はそうだよな。ただ、これだって良いところだけじゃないんだ」
「えっそうなの?」
「・・・私には復讐したい相手がいたんだ。でも、そいつはもう手の届かない所にいた。私はそいつが残した物を奪い取ることで復讐を遂げようとした。・・・結果としてそれは成功した。ただ、その代償として不老不死になったんだ」
「そう、だったんだ・・・」
「能力のせいで変わらない見た目を気味悪がられ、各地を転々としていたんだ。ただもう、そのころには生きる意味なんて見いだせず、疲れ切っていたんだ。終わらせたくても終わらせれない。能力って聞こえは良いが、私にとってはただの呪いだよ」
「・・・」
「ただ、そんな人生はここにきてから終わった。偶然か必然か、復讐したい奴がここにいたんだ。まあ、そいつも不老不死になっていたから結局復讐は出来なかったんだがな。というか、もうそんなのどうでもよかったんだ」
「・・・大変だったんだね」
「まあな。でも、今はこの通り廃人にならずに生きている。皮肉なことに、復讐したい奴に助けられたんだ」
「そうなの?」
「ああ。そいつと戦って、どうしたら勝てるか考えて、また戦って・・・そうしてるうちに私にはそれが生き甲斐になっていた。今とはそいつとも仲良く殺し合ってるよ」
「それはよかっ・・・え、殺し合い?」
「それに、ここはそういう訳ありにとって居心地がいい。人里の奴らも、私のことを知っても気味悪がらず、寧ろ頼ってくれた。寺子屋の教師さんは、私の理解者になってくれた。ここによくくる氷の妖精は、私のために毎日ここに来てくれる。本当に恵まれてるよ」
「そっか。きっと、今までの苦労が報われたんだね」
「そうかもな。・・・きっと、ここはお前にとっても居心地が良いと思うぞ」
「えっそうなの?」
「・・・お前も訳ありだろ?」
「・・・えっ?全然そんなこと無いけど・・・」
「そうなのか?そうだと思ったんだけどなぁ・・・」
「妹紅にはそう見えたの?」
「・・・ああ、ただの勘なんだけどな」
「そっかぁ・・・」
「・・・お、出口についたぞ」
「えっもう!?あっという間だったなぁ・・・」
「そうだな。私もそう思うよ」
「あっそうだ。これから僕どこに行けばいいの?」
「博霊神社だ。あそこはここと外の世界の境界にあるから、きっと帰れるぞ。あそこに大きな木があるだろ?あれを目印にしろ。特に曲がりくねってないし、あまり妖怪もでないから比較的に安全だ」
「うわあ体力持つかなぁ・・・え、妖怪とか出るんだ!?」
「ま、ここはそういうところだ。夜になったら妖怪たちが元気になるから、早くいったほうがいい」
「そうだね、ありがとう妹紅!無事に出れたら、お礼言いに行くね!」
「いや、来ちゃダメだろ。戻ってるじゃん」
「あっほんとだ。まあいっか!」
「そうだな。じゃあな、カイト。もう来るなよ」
「うん!本当にありがとう、妹紅!」
カイトは手を振りながら去っていった。
「・・・でも、また会える気がするよ。そのときはまた、ゆっくり話せると良いな」
■■■■
「はぁ・・・はぁ・・・疲れたぁ・・・」
カイトはもう体力が限界だった。
「座りたい・・・あっ、ちょうど良いところに倒木が。しめってるけど・・・しょうがない」
(おっきい木は・・・あと少しかな。これ、ミクだったら詰んでるなぁ・・・)
「というか・・・アイス食べたい。今日一個しか食べてないし・・・」
カイトは考え込む。どうしてもアイスが食べたかったらしい。
「・・・そうだ!もしかしたら僕にも能力があるかもしれない!それでアイスを出せるんじゃ・・・!出ろ~アイス出ろ~!」
・・・当然、そんなので出るはずもなく・・・
ポンッ
「出たっ!」
いや出るんかい。今のは出ない流れだろ。
「バニラ・・・かな、食べやすい一口サイズになってる。ちょっと食べてみよ」
パクッ
「・・・美味しい!量が無いのは残念だけど・・・いっぱい作れば問題ないし!」
「ねえねえ、それ何?」
「えっ?」
突然後ろから声をかけられる。振り向くと、赤い服に黄色い髪の少女が立っていた。
「・・・この丸いの?アイスだよ。食べる?」
「アイス?へえ、こんなに小さいのもあるんだね。食べる食べる!」
パクッ
「・・・美味しい!あと、シンプルな味だからアレンジしても美味しそうだね」
「ああ、確かに。例えば・・・カラースプレーとかかな。あとは・・・」
「フルーツとかともあいそうだよね!あとは・・・そうだ、あなたの血とかもあいそうだね!」
「・・・えっ?」
「嘘嘘冗談!今はお腹空いてないから絶対食べないよ!」
「お、お腹空いてたら・・・?」
「食べてたかもね!」
「ヒエッ」
「ていうか、もうすぐ日が暮れるよ?こんな危険なときに外に出てる方が悪いよ」
「ええ・・・」
「でも、よかったねお兄ちゃん。お腹が空いてない私に会えて。とりあえず紅魔館に来なよ、一日ぐらいなら泊まれるよ」
「えっ、そうなの!?・・・食料とかにされない・・・よね?」
「それは大丈夫、私はそこまで無礼な吸血鬼じゃないからね。でも、少しだけ遊ぶのはいいよね?」
「遊ぶ・・・?それって、例えば?」
「おままごととか、かくれんぼとか、鬼ごっことか!」
「それなら大丈夫そう。でも僕あんまり体力ないから、ほどほどにね・・・?」
「善処するね!」
「ええ・・・。というか君吸血鬼なんだね」
「あっそうだよ。普通の吸血鬼」
「やっぱこの世界おかしい」
「へー、あなた幻想入りした人なんだね!・・・もしかして、博霊神社に行こうとしてたの?」
「うん、そうだよ。妹紅って人からそう言われてさ」
「そうなんだね。じゃあ明日連れて行ってあげるよ!」
「ほんと!?ありがとう!なんか、色々やってもらってごめんね」
「いいのいいの!あっそうだ、私はフランドール・スカーレット!長いからフランでいいよ!あなたは?」
「えっと、僕は・・・」
『ちょっと待て』
「「えっ?」」
またもや声をかけられ、2人はその方を見た。
そこには、青い球体が浮かんでいた。