東方歌謡録   作:みかみりん

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喉全開で叫びましょう(やめましょう)
・つくづくひどい目にあうカイトさん
・チルノ、珍しく賢い
・さて、前回の話で何回「バカ」と書いたでしょう
 (答えは後書きで。あとタイトルは含みません)


だって、友達でしょ

(今度こそ終わらせる!もう・・・迷わないんだから!)

「あんな大口叩いたんだから・・・しっかりついてきてよね!」

 

チルノは弾幕をたくさん展開し、メディスンに発射する。

 

「心配してもらったとこ悪いけど、私はまだ余裕だよ。寧ろ、そっちがついてこれなくなるんじゃない?スペルカード発動!毒符『ポイズンブレス』!」

 

毒霧がまとわりついた弾幕が次々とチルノに飛んでいく。

 

「何を企んでるのか知らないけど、計画の完遂と毒が回るの、どっちが早いだろうね!あははっ!」

「どっちが早いか?そんなのわかりきってるでしょ!さいきょーの妖精舐めないでよ!」

 

チルノはしっかり弾幕を避けながら、一気に距離を詰めた。

 

「ほらねっ!あたいって、すごく速いでしょ!」

シャッ!

「っ!?」

 

チルノはその場で作った氷のナイフでメディスンに切りかかった。

ナイフは顎をかすめて、ぎりぎり当たらなかった。

 

「そんな凶器持って来ちゃって・・・随分と本気なようで」

「あったりまえでしょ!絶対ここで決めてやるって決めたんだから!」

 

チルノはがむしゃらにナイフを振る。

だんだんメディスンは押されていった。

 

(このままじゃまずい・・・一回後ろに避けて体勢を立て直そう)

シャァッ!

「なっ!?」

 

後ろに下がろうとしたメディスンを阻むように、後ろに氷の壁が現れる。

少しびっくりしたが、落ち着いて横に避けた。

 

ごんっ!

「いったぁ!?」

 

そしてチルノは思いっきり頭を打った。

 

「ご、ごめんチルノ!大丈夫!?」

「痛い・・・けど、これぐらい朝飯前!・・・そういえば、カイト戦えるの?」

「あんまり動けないけど・・・少しぐらいなら加勢できると思う」

「そっか!・・・あ、でも無理しないでね!」

「うん、分かった。チルノも気をつけて!」

「もっちろん!まだまだ行くよっ!」

(・・・あの人は手負いだ。恐らくあまり動けない。・・・まずは、あっちからにしよう)

 

メディスンはチルノから距離を取る。

そして、弾幕で様子見をした。

 

「さっきはドジしちゃったけど・・・今度はそうはいかないよ!」

「・・・じゃあ、その今度がくる前に終わらせるね。スペルカード発動!毒符『神経の毒』!」

 

毒々しい色の枝が迫ってくる。

チルノは走って避けようとした。

しかし、スズランに吸い付かれて思うように走れない。

 

「うっ・・・邪魔だなぁこれ!」

(・・・でも、これくらいの速さなら大丈夫。そしたら後ろに回ってうまい具合に動きを止めれば・・・)

ブチブチブチッ!

「わっ!?」

 

突然目の前に大きなスズランが現れる。

チルノは驚いて一瞬止まってしまった。

 

「・・・いや、これくらい避ければ・・・」

グサッ

「あっ・・・!」

 

止まった一瞬の間にチルノの足に枝が突き刺さった。

 

(やばっ・・・!と、とりあえず、抜かなきゃ・・・!)

「うう・・・痛い・・・でも、そうしないと・・・」

 

ふと、視界の隅にメディスンが映る。

メディスンはどこかに向かって走っていった。

 

(あっち・・・あ、カイトが!)

 

メディスンはカイトに攻撃しようとしてたようだ。

チルノは慌てて刺さった枝など気にせずに走った。

 

「あぶないっ!」

ヒュッ!

 

メディスンに弾幕を一発当て、なんとか攻撃されずにすんだ。

 

「・・・はぁ、もう少しだったのに」

「いったぁ・・・っていうか、カイト狙うなんて、卑怯だぞ!」

「戦場に卑怯もくそも無いでしょ。・・・まあいいか、順番が変わったって」

「・・・?何言って・・・」

「・・・ほら、後ろ」

 

そう言った瞬間、チルノの体が宙に浮く。

チルノは、あの大きなスズランに捕まってしまったのだ。

 

「本日2回目だね、チルノ」

「っ!?は、放せー!」

「はいはい放しますって言う訳ないでしょ。さっきは逃がしちゃったけど、今度はそうはいかないよ。・・・もう、あの人も限界みたいだし」

「あの人・・・カイト!?」

 

カイトはかなりぐったりしており、意識はあるがもちそうにはない。

 

「毒ってやっぱ強いよね。ゆっくりと、でも確実に殺せるんだもん。チルノはどう思う?」

「どう思うって・・・じゃ、放したらどう思ってるか教える!」

「じゃあいいや。・・・まあ、つまり、あなた達が私の毒を食らった時点で・・・もっといえば、私との勝負になった時点で、勝ち目なんて無かったんだよ」

「そ、そんなこと・・・」

「現に、今2人とも瀕死でしょ?」

「それは・・・」

「・・・まあ、チルノはすぐに殺したりはしないよ。そのかわり、苦しんで死んで貰おうかな」

「は!?どういうこと、それ!」

「・・・スペルカード発動、譫妄『イントゥデリリウム』」

 

メディスンは手を上に掲げる。

そこに何かが溜まっていき、かなり大きな紫色の液状の球体になった。

 

「・・・どう?やっぱり死ぬのって怖いの?気になるんだよね、私にはそういうの無いから」

 

スズランは長さを地面に足が付くか付かないかに変えた。

まるで、わざわざメディスンの目線に合わせるように。

 

「・・・黙るのかぁ、つまんないな。・・・ま、そんなことどうでもいいんだけど。じゃ、さよなら」

 

球体がゆっくりとチルノに向かっていく。

 

(・・・メディスン、死ぬのは、やっぱ怖いよ。・・・でも、そんなことより優しいお前が・・・こんなにも豹変してしまったほうが、怖いかな)

 

「・・・ごめん、メディスン」

 

ビチャッ!

「・・・えっ?」

 

突然目の前で球体が弾けた。

チルノはなにもしていない。それに、当たってもいない。

 

「は・・・!?あなた、まだ動けたの!?」

 

メディスンが驚きの声をあげる。

 

「・・・カイト!?」

「チルノ!今ならまだ・・・いける!」

 

その声にはっとし、チルノはつららを1つ発射した。

 

「な、何でまだ動けるの・・・?あなた、本当に人間・・・!?」

「人間だよ。・・・まあ、火事場の馬鹿力ってやつじゃないかな・・・」

「あなたを先に殺しておけばよかった!・・・いや、まだ間に合うか。じゃあ死ね!」

「そんなことさせないよ!」

「っ!?」

 

メディスンはいつの間にか生えていたひまわりに、捕まってしまった。

 

「散々あたいをバカって言ってきたのに、2回目にも引っかかるんだ。そっちの方がよっぽどバカじゃん」

(・・・そうか、氷のあるところなら何回でも出せるんだ・・・!くそっ、なんでこんな単純なことに気づけなかった・・・!)

「・・・ってわけで、カイト、あとはよろしく!」

「うん!」

 

メディスンの上に、魔法陣が現れる。

 

(あれ、あの魔法陣見覚えが・・・)

「なんで、なんでうまくいかないの!いやだ、死にたくないよ!」

「・・・大丈夫、死なないよ。僕が保証する」

「嘘だ!どうせ殺すんでしょ!私が憎いんだから!」

「いや・・・そもそも人殺しにはなりたくないし。・・・それに、もしそうしたらチルノにも怒られる」

「チルノ・・・?何で今・・・」

「君のこと、探してたんだよ。いなくなったって心配して。・・・そんな人が殺すのを許すわけ無いでしょ」

「・・・何でよ、私は、チルノも殺そうと・・・」

「別に良いよ。・・・メディスンが、戻ってくれるなら。・・・だって、友達でしょ!」

「っ・・・!」

 

魔法陣からつららが降り注ぐ。

 

「・・・そっか、私が間違ってたんだ。大切な友人を殺そうだなんて。・・・本当に、私の方がバカだね」

 

「・・・ありがとう、知らない人。ありがとう・・・チルノ」




正解は14回でした★
思ったより書いてなかった気ガス
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