東方歌謡録   作:みかみりん

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いか食べたいです(いかはいいぞ)
・カイトさぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁ!(長い!)
・メディスン復活!
・修羅場ってこれかぁ〜(現実逃避)

今回長い(当社比)です。
頑張って読んでね。(丸投げすな)


涙と怒り、許しと現実

「ふぅん・・・そんなことが」

「うん・・・正直、これからどうすればいいか分かんない」

「・・・でも、チルノの推測は少し違うかも」

「えっ?」

「その前に、とりあえず話をまとめるね。・・・まず、前にチルノは妹紅と一緒にいたときに、黒い奴に襲われた」

「うん・・・あってる」

「で、そいつはかなりの手練れで、チルノも一回死んだし、妹紅もかなり苦戦した」

「・・・あれ、そういえば、メディスンは妹紅を知ってるの?」

「うん、永琳さんのとこに行くときに竹林で何回か会ったことがある。・・・それで、まあ何とかしてそいつを追い払った」

「そうだね・・・すごい緊張した」

「で、それから今日。あの人・・・カイトと出会った。性格自体は黒いのと真反対で、チルノも最初は疑ってなかった」

「・・・うん」

「だけど、使ってる武器や背格好とかが似ていて少しづつ疑問が大きくなってきていた。そして、決定的な出来事・・・黒い奴と使った技がそっくりそのままだった。それで、疑念が確信に変わった」

「・・・信じたく無かったけど」

「で、激詰めしたと。まあ、順当なんじゃない?」

「そう、かな・・・」

「でも、冷静に考えたらおかしい部分がある。分かる?」

「えっ・・・分かんない」

「よく考えてみなよ。なんで前に敵対した相手を、味方するの?」

「あ・・・た、確かに!」

「だって、終わり方的にチルノと黒いのは和解してないんでしょ?じゃあなんで味方するのさ。もしチルノだったらする?」

「絶対、しないかな」

「そ、当たり前だよね。あと、私と共闘してチルノを倒すこともなかった。つまり、あの人は純粋な仲間なんだ。ちなみにそれ以外にもあるよ」

「え、そうなの?」

「黒いのはかなり強いみたいだね、妹紅が苦戦するくらいには。それくらいの強さが、あの人にあると思う?」

「えっと・・・失礼だけど、無さそう」

「まあ、それくらい強かったら今頃私はここにいないだろうしね。あとは、さっき技が被ってたって言ってたけど・・・つららと刀以外にはある?」

「うーん・・・どうだろ。ない・・・かも」

「そう。黒いのが使ってたテレポートとかが使われてないよね。刀だって、黒色じゃないし」

「確かに・・・じゃあ、カイトは黒いのじゃない・・・ってこと?」

「それも違う。実際、チルノの話を聞いて、結構その確率はあると思ったし。チルノの勘は、割と当たるしね」

「え・・・じゃあ、結局どういうこと?」

「・・・おそらく、何らかの外的要因でそうなった可能性が高い。襲ったという事実は本当かもしれないけど、それは本心ではないかもしれないってこと」

「あ・・・前にもあったなぁ・・・」

「え?それどういうこと?」

「前に、さいきょーチルノ軍団のみんなとメイコって奴と一緒にかくれんぼしたんだ。・・・その時に、あたいは・・・」

「・・・へえ、そんなことが。まあ、多分それと近いことがあの人にも起こったってことだよ」

「そうなのかな・・・でも、そうだとしたら・・・」

「何か、懸念があるの?」

「・・・そしたら、カイトは悪くないってことじゃん。なのに、あたいは、決めつけて、怒鳴って・・・」

「・・・」

「何で、こうなるのかな。みんな、あたいのせいで、倒れて、苦しんで。・・・ほんと、最低だな・・・」

「それ・・・何が最低なの?」

「えっ?」

 

メディスンはチルノの目をまっすぐ見て言った。

 

「・・・確かに、チルノのやったことが、それにつながってるかもしれない。でもさ、それはチルノが頑張って、悩んで、みんなのために出した結論なんでしょ?それの何が最低なの?」

「でも・・・」

「今回だってさ、私のために全力で頑張ってくれた。・・・私はそれを最低だとは思わない」

「そう・・・なのかな」

「もう、チルノらしくないなぁ。いつもバカみたいに騒いで、何も考えてないような顔で笑ってるのに」

「そんなに・・・バカみたいなの?」

「うん」

「ええ・・・」

「・・・でも、私はそんなチルノが好きだよ。だって、そんなチルノに救われたんだから」

「えっ・・・救われた・・・?」

「もう忘れたの?アリスに拾われて、初めて友達になってくれたのがチルノなんだよ。あんなにトゲトゲしていた私を、笑わせて、色んなとこに連れてって・・・すごい、嬉しかった」

「そんな・・・特別なことなんてやってないのに」

「だからだよ。その普通の対応が、私を救ってくれた。だから・・・」

 

「恩返し・・・って言ったらあれだけど。私で良いなら色々吐き出してほしい。私は、チルノの力になりたいから」

 

その瞬間、チルノの中で何かがはじけた。

そして、自然と今までのことを話していた。

 

「・・・目の前で倒れて、助けられなくて、怖かった。自分の手で、大切な友達を、傷つけた・・・」

「・・・うん」

「それで・・・!今回だって、かばってもらってばっかりで・・・!守ってくれたのに、あんなに当たっちゃって・・・!あたいだって分かってたんだ、カイトが本心であんな事をやるわけないって、分かってたのにっ・・・!」

 

いつの間にか、チルノは泣いていた。

 

「でもっ・・・、やっぱり許せなくって・・・!それで・・・っ!」

「・・・そりゃそうだよ。誰だって、許せないことはある。頭では分かっていても、感情はそうもいかない。・・・その気持ち、痛いほど分かるよ」

「どうすればよかったのかなぁ・・・!あたい、間違ってたのかな・・・!」

「間違いとか、正解とかじゃないよ。こういうのは。・・・でも、本当につらかったんだね。お疲れ様」

「うう・・・メディスン、ありがとう・・・!」

 

泣きじゃくるチルノを、メディスンは抱きしめる。

 

「・・・ほら、涙拭きなよ」

「あっ・・・ありがとう・・・ズビビッ」

「え・・・ハンカチで鼻かむ・・・?」

「少し・・・落ち着いたかも。返すね」

「いや・・・いいよ、もらって・・・」

「ほんと・・・?ありがとう」

「え、あ、うん・・・」(普通にポッケにしまった・・・?汚いとか無いの・・・?)

「・・・あたい、決めたよ。さっきのこと、カイトが起きたら謝る。それで、今までのこと全部聞く」

「・・・そっか。チルノならうまくいくよ」

「うん・・・そうだよね!あたいならきっとうまくできる!だって・・・あたいはさいきょーだもん!」

 

チルノは立ち上がり、空に向かって手を掲げる。

空は晴れ渡り、まるで、今のチルノのようだった。

 

■■■■

 

「・・・あれ、いつの間にか・・・寝てた・・・?」

 

カイトはどこかで目を覚ます。

そこにスズランは咲いておらず、代わりに竹がたくさん生えていた。

 

「竹・・・どこかで見た・・・あっ、迷いの竹林!?」

 

慌てて飛び起き、周囲を見渡す。

 

「えっと・・・僕、スズラン畑にいた・・・よね?何で竹林に・・・」

(多分夢かなぁ・・・うん、流石にそうだよね。ワープっておかしいもん)

「・・・早く帰らないと。チルノに・・・謝らなくちゃなのに」

ボンッ!

「わっ!?」

 

突然遠くから爆発音が聞こえた。

音の鳴る方を見ると、なにやら赤く光っていた。

 

「・・・?誰かいるのかな」

 

カイトは走ってそこにいく。

 

「スペルカード発動!氷符『アイシクルマシンガン』!」

ドドドドドドッ!

「えっチルノ!?」

 

チルノは何かに向かってスペルを放つ。

 

「なっ・・・」

「あたいを忘れてもらっちゃ困るね!さっきも言ったでしょ、あたいは幻想郷さいきょーなんだから!」

「・・・?」

 

カイトはただ困惑している。

 

「・・・待って、あの黒い人って・・・レンに言われた闇落ち中の僕にそっくりじゃん!」

「チルノ・・・本当に大丈夫か?さっきまで・・・はあ、馬鹿だな。でも、嫌いじゃないぜ」

「なんか言った?」

「いいや、何でもないよ」

「も、妹紅もいる・・・?な、なに、どういうこと?・・・そういえば、チルノ達は僕が見えてないのかな・・・?」

 

試しに少し近づいて声を出してみる。

 

「・・・お、おーい・・・」

「・・・合わせるぞ!チルノ!」

「わかった!」

「あっ見えてないし聞こえてないなこれ。多分闇落ち僕の方もそうだな」

(・・・チルノが言っていたのって、これのことだろうな・・・)

 

しばらく、3人の戦いを眺めていた。

 

(・・・ひどいな。なんでこんな事ができるんだろう。・・・まあ、僕がやったことなんだけど・・・ほんと、自分が嫌になるな)

「・・・そういえば、チルノは確か殺されたって言ってたけど・・・」

シャッ!

「えっ!?」

 

突然下から針が生えてきた。

しかし、針はカイトの体をすり抜けて、怪我することは無かった。

 

「は、針・・・!?怖っ!・・・2人は!?」

 

慌ててチルノと妹紅の安否を確認する。

チルノは無事なようだが、妹紅には思いっきり刺さってしまっていた。

 

「がっ・・・痛っ・・・」

「も、妹紅!?大丈夫!?」

 

カイトは妹紅に近づこうとする。

しかし、それより早く走り出した人がいた。

 

「妹紅!!」

「チルノ、私はだい・・・うっ・・・」

「チルノ!?・・・あ、空飛べるから・・・!」

 

ふと視界の端に何かが映る。

あの黒い人が、チルノの後ろに迫っていた。

 

「血がやばいじゃん!大丈夫、あとはあたいが・・・」

「っ!チルノ駄目だ!後ろ!」

グサッ

 

カイトの叫びも虚しく、チルノは刀に胸を貫かれた。

 

「あ・・・あああああ!」

 

チルノの絶叫が当たりに響く。

カイトはとっさに耳を塞いでいた。

 

「っ・・・今、貫通して・・・!」

「・・・最強は建前だったのか。試すつもりで気配を消さずに刺したが、気づかないとは・・・」

「お前・・・!」

「他人よりも自分を気にしたらどうだ?」

「っ!チルノは他人じゃないだろ!なんでそんなことが言えるんだよ!」

 

言い返すが、その声は向こうには届かない。

 

「黙れ!私とチルノは他人じゃない!」

「・・・も、妹紅、あたいは・・・大丈夫だよ・・・さいきょー・・・だから」

「大丈夫なわけないだろ!お前、死ぬぞ!」

「あはは・・・言ったじゃん、あたいは、さいきょーだから・・・死なないよ」

「何言ってるんだ!私と違って、お前は・・・!」

「ほんとに、大丈夫だから・・・」

 

そう言い残し、チルノは小さな光の球体に分解され、消えていった。

 

「・・・なんで、なんでこんなことできるんだよ。おかしいだろ!チルノが何やったんだよ!普通に過ごしてただけでこうなるって、理不尽じゃないか!」

「・・・全部、自分がやったことなのに」

「っ!?」

 

突然返事を返され、驚いて振り向く。

そこには、今妹紅と戦っている黒い人と全く同じ人がいた。

 

「は・・・?え、い、今戦ってるのは・・・え?」

「今更後悔したの?もう遅いよ。チルノは、死んだんだから」

 

声は少しカイトに似ているが、声がかなり低く、砂嵐のようなものも掛かっていた。

その声は、黒い人と同じだった。

 

「君は・・・誰なの?あいつと同じ・・・?」

「あいつ?まるで他人みたいだね。その「あいつ」も自分なの忘れた?」

「いや、忘れてないよ。・・・でも、正直あれを僕って認めたくないというか・・・」

「認めたくない・・・か。・・・僕だって、あれが自分だなんて認めたくない」

「え・・・ちょっと待って、僕だって認めたくないって・・・え?どういうこと?」

「そのままだよ。僕は僕。君も、あいつも僕。それだけ」

「ええ・・・?まって、今ここには僕が3人・・・?」

「厳密に言えば、あれは過去の回想。存在してるのは2人だけ」

「やばい・・・よく分かんなくなってきた・・・パラレルワールド的なやつ・・・?ええ・・・?」

「・・・そこは理解しなくていい。重要じゃないし。そんなことより、あれ」

 

黒い人は後ろを指さす。

そこでは妹紅と黒い奴が戦っていた。

しかし、黒い奴は妹紅に押されているようだ。

 

「はぁ、はぁ・・・」

「終わりかい?残念だ、久しぶりに輝夜以外と戦えると思ったのに・・・」

「あっ、勝ってる!頑張れ、妹紅!頑張れ~!」

「・・・ここはいいか」

 

黒い人がそうつぶやく。

その瞬間、黒い奴と妹紅がまるで早送りのように動き始めた。

何をしているのか、何を言っているのかも分かりづらい。

 

「えっ!?なんで早送り・・・」

「ここはいらないから。・・・まあ、ここら辺で良いかな」

 

そう言うと早送りが止まり、普通の速度になった。

しかし、先ほどとは状況が変わっていた。

 

「はぁ・・・ぐはっ!」

「も、妹紅!?大丈夫!?」

「全然大丈夫じゃないでしょ。それに、まだあるし」

「まだあるって、どういう・・・」

グサッ

「・・・間違えて刺してしまった」

「っ!?」

 

刀が妹紅の胸に刺さる。

 

「・・・不老不死だと分かっていながら何回も切りつけた。道を教えてくれた恩人なのにね」

「っ・・・、何で、こんなこと・・・」

「まだ終わりじゃない。まだ、見なくちゃいけないから」

「・・・嫌だ。もう・・・見たくないよ・・・」

「やらなければよかったのに。自業自得だよ」

 

段々竹林が歪んで、別の景色になっていく。

 

「・・・現実を見なよ。チルノは殺したし、妹紅だって散々苦しめた。でも、こんなのでは終わらない。・・・まだ、見ないといけない」

 

黒い人が冷たく言い放つ。

景色はいつしか赤い木が生えた森へと変わっていた。

 

「次は・・・ああ、最初のか。ほら、しっかり見て。全部、僕がやったことなんだから」

 

ただただ立ち尽くすことしかできない中、黒い人の声だけが、響いた。

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