東方歌謡録   作:みかみりん

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とある人たちへ、見てるだろ?(急にどうしたホラーかな)
・チルノぉ・・・大変だったね・・・
・カイトさんが3人というカオス
・みんなは借りたハンカチで鼻をかまないでね!みりんとの約束だよ!


赤色のエリクサー

「・・・うう・・・はっ!?」

がばっ

「あ、起きた。気分はどう?」

 

勢いよくカイトは飛び起きた。

 

「え、えっと・・・ってあれ、君は・・・」

「ん?ああ、私か。メディスン・メランコリーだよ。・・・いや、これは知ってるか。あれでしょ?もう大丈夫なのかって」

「うん・・・さっきまで、すごいことになってたから」

「そうだね。でも、あなた達のおかげで正気に戻ったから。もう襲わないから安心して」

「そうなんだ・・・よかった、無事で」

「うん、無事だよ。・・・っと、そろそろ話したらどう?チルノ」

「・・・うん」

 

後ろからチルノが出てくる。

 

「え、えっと・・・」

「・・・ほら、さっきまでの威勢はどうしたの?伝えたいこと、あるんでしょ」

「分かってる。・・・すー、はー・・・よし。・・・カイト、さっきはごめん」

「えっ・・・別にいいのに・・・」

「メディスンと話して気づいたんだ、あれは本心じゃなかったって。なのに・・・あんなに当たっちゃって、その・・・ほんとに、ごめん」

「・・・僕の方こそ、ごめん。ひどいことをして。・・・本心じゃなかったっていうのは本当だけど、やったのは・・・事実だから」

「・・・大丈夫。そのことはもう、気にしてないよ。第一、あたいは死んだけど生きてるんだもん」

「相変わらず妖精は不思議だよね。私達妖怪は一回死んだら終わりだし」

「ま、これがさいきょー妖精チルノ様ってわけだ!」

「はいはい」

「・・・つまり、あたいは気にしてない。生きてるんだから。だから、カイトも気にすんな!ずっと引きずってるカイトを見るのは、嫌だし!」

「・・・そっか、ありがとう」

 

カイトは申し訳無さそうな顔をしながら、チルノに言った。

 

「・・・そういえば、気を失ってる間、何か見た?」

「何か見た・・・?」

「うん。えっとね、あなたが食らったスペル、譫妄『イントゥデリリウム』。あれは簡単に言えば悪夢を見させるスペルだから」

「えっ・・・趣味悪」

「うんいくら友人だからってそれは傷つくよ?」

「だってそう思ったんだもん」

「ほんまこいつ・・・」

「ま、まあまあ・・・」

「・・・こほん、気を取り直して。このスペルは昔の私が作ったスペルでね。これを食らった者は、数分後ぐらいに眠りにつく。そして、悪夢をみる。それも尋常じゃないほどのね」

「ええ・・・やっぱ趣味悪」

「チルノ、殴るよ?・・・で、そのうち衰弱で死ぬんだ」

「・・・え、じゃあ何で僕生きてるの」

「ああ、解毒剤を注射したからね。きっと、気持ち悪さとか消えてると思うよ」

「あっ・・・ほんとだ」

「でしょ。・・・んで、どんな夢を見たの?」

「あ、あたいも気になる!寝てる間すごいうなされてたし!」

「えっ!?は、恥ずかしいな・・・」

「で、どうだったの?」

「そ、それは・・・」

 

しばらく沈黙が流れる。

 

「・・・あ、ごめん。聞かれたくなかったよね」

「あっ・・・そ、そういう訳じゃなくて。・・・覚えてないだけだよ」

「そうなんだ。今まで夢の内容を聞いたこと無かったから気になったんだけど・・・そうだ、もう一回食らってみる?」

「うんやめて?」

「嘘嘘冗談。やるとしてもチルノにやるから」

「は?」

「うーん、どうしようかな、やろうかな・・・ま、いいや」

「よかったぁ・・・」

「・・・あのさ、僕も気になっていることがあるんだけど・・・チルノから教えてもらった君の特徴に、小さい妖精がいるって教えてもらったんだけど・・・どこにいるの?」

「・・・え?・・・あっ!?スーさんっ!?」

 

メディスンは突然立ち上がり、辺りを見回す。

 

「スーさん、スーさん!?ねえ、どこ!?返事してよスーさん!」

「メディスン!?落ち着いて!」

「だって、スーさんいないんだよ!?お願い、返事して!」

 

その時、向こうから小さな何かが近づいてきた。

 

「・・・ス、スーさん!?」

 

メディスンは慌ててそれに近づく。

 

「スーさん!よかった・・・!無事だったんだね・・・!」

「・・・え、えっと・・・」

「メディスンは、スーさんが大好きだからね。生きてるってあたいの勘が言ってたしあんまり触れないようにしてたんだけど・・・」

「えっと・・・何かごめん」

「まあ、結果として見つかったんだしオッケーってことで!」

「それは・・・オッケーなの?」

 

メディスンはスーさんを抱きしめ、泣いていた。

 

「怖かったんだね、ごめんね・・・!あんなことになっちゃって・・・!でも、もう大丈夫だから・・・!」

「一回落ち着きなよ。スーさん困ってるよ」

「そ、そんなことない!・・・え?ぎゅってされてきつい?ご、ごめん・・・」

「え・・・スーさん、喋ってるの?聞こえないんだけど・・・」

「ああ、喋ってるというか・・・なんか分かるんだよね。カイトも慣れたら分かるようになるよ!」

「そうなの・・・?まあ、分かるようにはなりたい」

「・・・スーさんが、家に帰りたいって言ってる。そろそろ帰ろうか」

「そうだね!・・・うう、お腹空いた~」

「僕もお腹空いたなぁ。なめこ味噌汁しか食べてないし」

「・・・あ、でも・・・その状態で歩けるの?」

「えっ?その状態って・・・」

「いや・・・だって、あなた結構ボロボロだよ?」

「あっ・・・」

「そういえば、腕ぶっさされたり叩きつけられたりしてたね・・・」

「な、なんか思い出したら痛くなってきた・・・」

「なんかごめん・・・」

「どうしようか・・・その状態じゃ動けないよね」

「解毒剤と同じノリで回復薬作れないの?」

「そんな簡単に言わないでよ。第一、私は毒専門。解毒剤は作れるようになったけど、回復は無理だよ」

「ふぇぇ・・・じゃあ、どうするの」

「・・・えっと、確かここに・・・」

 

カイトはポケットから箱を取り出した。

 

「・・・カイト、なにそれ?」

「アリスから渡されたやつだよ。エリクサー・・・だっけ?」

「エリクサー・・・?」

「ああ、あのすごい薬かぁ。そういえばあったね!よかった~」

「うん。えっと・・・あ、開いた」

 

カイトは小さな紙箱を開ける。

中には赤い液体が入った、手に収まるサイズの瓶が入っていた。

 

「うわっ・・・なんというか。こういうのって緑とか青とかじゃないんだ」

「まあ、赤でもおいしそうじゃない?いちごとか、りんごとか!」

「そういう問題・・・?というか、全然栓開かない・・・」

「・・・ちょっと待って、それ、貸してくれない?」

「えっ?いいけど・・・」

 

カイトは瓶をメディスンに手渡す。

 

「うーん・・・」

「メディスン?それがどうかしたの?」

 

メディスンはその瓶を見つめた後、栓を抜き、一気に飲み干した。

 

「「えっ!?」」

「・・・やっぱりだ」

「ちょ・・・やっぱりだって・・・というか、回復薬無くなっちゃった!?」

「いや、これ回復薬でも何でもないよ?」

「「えっ?」」

 

もう一度2人の声が被る。

メディスンは口に付いた液体を拭った後、説明を始めた。

 

「これは回復薬でも何でもない。寧ろ毒だよ」

「ど、毒・・・?」

「うん。これを飲んだ後、大体5秒後くらいに血を吐いてぶっ倒れる。そのあと、体の内臓がすべて破裂して死ぬ」

「うわぁ・・・こ、怖っ・・・」

「・・・待って、僕がこれ飲んでたらそうなってたの・・・?」

「そうだね。めっちゃ悶え苦しみながら死んだと思うよ」

「もう赤い飲み物飲めなくなりそう」

「というか・・・メディスンめっちゃ飲んでたけど大丈夫なの?」

「ああうん。私が生み出した奴だし。アリスに研究用にって頼まれて作ったんだよね。ちなみにいちごの味がするよ」

「なんでいちご味なの・・・」

「・・・というか、これをアリスから渡されたって本当?しかも、エリクサーなんて言って」

「え、うん。言われた・・・はず」

「・・・そもそも、エリクサーって緑色のはずだよ?それに、アリスだって「あと100年はかかる」って言ってたのに・・・」

「うーん・・・?でも、カイトはエリクサーって言われたんだよね?」

「うん・・・」

「何かの回復薬と間違えたとしても、それをエリクサーという必要はない。というか、アリスがこれと何かを間違えるはずない。これは厳重に保管されてたもの」

「え、それってつまり・・・?」

「・・・アリスは、嘘を付いて、この毒薬を渡したってことになる」

「えっ・・・?な、なんでそんなことを・・・?」

「私が覚えてる最後の記憶・・・アリスに、何かを飲まされた。しかも、強制的に。それと繋がってるかもしれない」

「アリスがそんなことを・・・!?なんでよ、アリスすごい優しいのに・・・!」

「私だって信じたくないよ。・・・でも、そうとしか考えられない」

「・・・ねえ、そういえば・・・アリスの家、今魔理沙がいたよね・・・?」

 

カイトがおそるおそるそう言った。

 

「・・・あっそうじゃん!え、つまり・・・」

「魔理沙の身が、危ないかもしれない・・・!」

「や、やばいじゃん!早く行かなきゃ!」

「うん・・・ってあ、僕動けないんだった・・・」

「・・・スーさん、この人の近くにいてくれない?1人じゃ不安だと思うし」

「え、いいの・・・?1人でも大丈夫だよ?」

「心配だし、何かあったらスーさんが教えてくれる。スーさん飛ぶの早いから。あなたはここで休憩して。あとは私達がどうにかする。終わったら迎えにいくから!」

「・・・うん。ついていっても足を引っ張りそうだし、そうさせてもらうよ」

「よし、早くいこ!」

「・・・ごめん、メディスン。最後に聞きたいことがあるんだけど」

「えっ、何?」

「あのさ・・・僕が受けた毒の中で、幻覚が見えるようになる毒って・・・あるの?」

「えっと・・・無かったはずだよ」

「・・・そっか、ありがとう」

「・・・?」

「ほら、メディスン早く!」

「あっ、ごめん!じゃあね!」

 

チルノとメディスンは、魔法の森の中に消えていった。

 

「・・・幻覚を見せる毒はない、のか」

(チルノ達に見えてる様子はない。・・・だから、間違いなく僕だけに見えている。でも、これは毒のせいじゃない・・・)

 

「・・・じゃあ、なんでここにいるの・・・?夢の中にいた、君が・・・」

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