「悪魔と相乗りする勇気…貴方にありますか?」
青髪の少女が中身を俺に見せつけるようにアタッシュケースを抱え選択を投げかけてくる。先ほどまで、嫌悪していた相手と…命を懸けて戦う覚悟はあるのかと問うているのだろう…だが、俺はまだ死にたくはない。そして、何より……
「……俺の憧れる大人はこんなところで日和ねぇんだよ」
そう言って俺はアタッシュケースについていたバックルを手に取り、髑髏のマークとSが刻んであるメモリを懐から取り出す。それに呼応するかのように青髪の少女は緑色のCと刻んであるメモリを手に取る。
建物の外からヘリの散弾が飛んでくる中ベルトを装着し隠れていた階段から姿を現す。そして、お互いに構え持っていたメモリのボタンを押した。
メモリが内包する
やがて、閃光の光が収まってゆく。しかし、その中から強烈なまでの暴風が辺りに吹き荒れる。台風の目となっていたのは変身した二人の場所からだった。しかし、閃光の収まった場所化から出てきた人影は
振り返ると同時に、辺りに吹き荒れていた暴風は建物の一フロアすべてのガラスを粉々に砕き切ってしまう。砕けらガラスの破片や暴風に当てられた戦闘ヘリが制御を失い、台風の目となっている一人がいる階層に突っ込んでしまう。ヘリがぶつかると同時に浮遊していた赤い女はその高度を上げて何処かへと逃げ去ってしまう。
ヘリが激突した影響か辺りはガレキまみれであり、どこかから引火でもしたのか火の手すら上がっていた。ボウボウと炎は勢いを強めながらも燃えてゆく、その中で佇む半分が緑で半分が黒の体色をした……後に仮面ライダーと呼ばれる存在を照らしながら……
―――
"………酷く、酷く懐かしい夢だ"
私はイスの背もたれに置いていた首をゆっくりと持ち上げる。辺りを見れば、目の前には電源の落とされているPC、白いタイルに白い机、それらすべてが私がシャーレの執務室にいることを教えてくれる。パソコンの後ろの巨大な窓を見ると、朝日が少しだけ顔を出して挨拶している。時計を見れば午前六時だった。
"はぁ、今日も生徒たちのためにお仕事頑張りますか……"
席を立ち、体を伸ばした後にいつもの白い帽子を被り、自家製の豆でコーヒーを入れる。もちろん眠気覚ましの為の一杯であるため、ブラックである。
"ふっ、『あなたのコーヒーは苦くて飲めたものではありません』か。甘党のあいつらしい言葉だな"
「…どうかしましたか先生?」
"ん?どうもしないさアロナ。ただ昔を懐かしんでいてね……アロナも飲む?"
「いえ結構です!」
きっぱりと断るアロナに私は密かに口角を上げながらまた一口コーヒーを口に含む。そういえばプラナは私がコーヒーを飲んでいる時に声をかけてくることがないな?……まぁ、いいか。