四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
週明け。
とうとう報道された吸血鬼事件の話で校内は持ちきりだったけど、私は真相を知っている。
知らないふりって結構大変なんだよ…
「怖いね……犯人は誰なんだろう…」
「今のところ手がかりが無いとのことですから、監視カメラなどを地道に調べるしか無いかもしれませんね」
ほのかが怖がってるけど、その内深く関わることに…
いや、今回はその前に終わらせるから!
そう決意してパラサイトを追跡していると、ようやく居場所を掴めた。
ただUSNA軍の脱走兵が交じっているのが面倒だけど…
「どうしますか?」
「ひとまず兵士ではない方の宿主を倒しつつ、USNA軍が倒したら本体をこちらで消しましょう。偽装術式は問題ありませんね?」
「大丈夫〜」
「準備は完璧です」
パラサイト本体だけならともかく、宿主を殺す時は気をつけないと普通に捕まる。
特に私じゃなくて、恋路や夏雲が実行するときはね。
なので、今回は暗殺用の術式を習得させている。
恋路には『爆裂』の極小版……というか、動脈破裂のみ起こす魔法を使わせることにした。
頭か心臓に使えば、解剖されても動脈瘤の破裂としか思われない。
それに元の『爆裂』と違って血を撒き散らさないので、最悪街中で使っても突然死と判断してもらえる利点がある。
夏雲は『強制停止』の魔法。
本来は機械に対して緊急停止コマンドを強制的に発生させる放出系魔法なんだけど、それを人間の脳に置き換えた改変版を覚えてもらった。
これが通れば、相手はてんかん発作に似た症状に襲われて、最終的に心臓を動かす電気信号が狂って心停止に至る。
若干時間はかかるけど、即座に反撃能力を奪えるのが利点かな。
本当は『毒蜂』を使いたかったんだけど、甜奈、夏雲、恋路には適性がなかったんだよね…
遠夜だけ使えても意味ないし、それなら気兼ねなく使える研究所産の魔法にしよう、ということでこの魔法になった。
「では夏雲は遠夜と、恋路は甜奈とペアで行動してください。こちらでモニターはしていますから、常に通信状態を維持するように」
「「「「はい」」」」
というわけで作戦開始。
今のところまだパラサイトは誰もやられてないけど、脱走兵に関しては時間の問題。
なのでUSNA軍の動きは常に把握して、万が一にもバッタリ出会わないようにする。
さて、初の外での戦闘だけどうまくやってくれるかな…
「…お嬢様、目標を確認しました」
『こちらでも把握しました。相手はサイコキネシスを使うようです。一瞬で仕留めてください』
了解、と心の中で答えながら、可能な限り気配を消して街を走り抜ける。
一応遠夜が認識阻害と機械を誤魔化す障壁を張っているとは言っても、念には念を入れておくに越したことはない。
対象の白人男性は、普段着で何かを探すように街を彷徨いていた。
おそらくは、複製先を探すために。
そのために人気のない場所へ行ってくれるのは、こちらとしてはありがたい。
人の目がなくなった瞬間、待機させていた『強制停止』の魔法を相手に叩き込む。
「グアぁぁぁっアアアアぁぁアアアア‼︎」
頭を抱えて地面を転がる男性。
咄嗟に遠夜が遮音フィールドを展開しなければ、近くから人が駆けつけたであろう絶叫を上げること数十秒。
痙攣を残して動かなくなったのを確認すると、お嬢様から借りた小さなハープのような法具を取り出す。
『梓弓』を元に作られたらしいその弦を弾くと、何かがそこから放射していく。
そして、目の前の男性の中から想子波が返ってくるのを感知できた。
原理は分からないが、お嬢様が言うにはパラサイトを追うアクティブソナーのようなもので、宿主を始末してから使うようにと言われていた。
使うと相手にもこちらが感知されるからと。
その言葉通り、次の瞬間にはこちらに不可視の力場が襲いかかる。
防御は遠夜に任せて、再び法具で位置を確認。
今度は連続して弾くと、パラサイトが男性から離れて私たちの頭上から徐々に迫ってきていることがわかった。
「こちらに来てくれるのなら楽ですね。お嬢様、『弾』を使います」
『了解しました。いつでもどうぞ』
その言葉と共に、特殊弾を装填したリボルバー拳銃でパラサイトを撃ち抜く。
本体の位置で破裂して粉を撒き散らしたその弾は、次の瞬間花火のようにパラパラと小さく輝いてパラサイトごと消滅した。
この弾は鉛の粉を固めて作られていて、発射後にパラサイトのいる場所で破裂させれば『重力崩壊』のマイクロブラックホール源にすることができる。
正確な範囲が測定できないので、ある程度の範囲で多数のマイクロブラックホールを作ってパラサイトを逃がさないための構造。
その甲斐あって、何度か法具で確認するも反応は無し。
「パラサイト、退治完了しました」
「ごめん! バレちゃった」
「いえ、しかしどうしますか?」
甜奈ちゃんに、目の前に飛んできた鎌鼬から守ってもらいながら謝る。
たぶん夏雲の方が早かったから、相互連絡で警戒度が上がったんだと思う。
ものすごい速度と強度で飛んでくる鎌鼬を涼しい顔で防いでいる甜奈ちゃんもいいけど、今は相手の方が面白そう。
なんか普通の黒人の女の人だけど、パラサイトが憑いたから能力が発現したのかな?
一応離れた位置から爆裂で心臓や脳の血管を破裂させてみたけど、どうも再生力が高いみたいですぐに攻撃を再開してしまう。
でもあんまり使ってなかったのか、連打するだけで雑だなぁ…
「よし、一気に焼き切っちゃおう」
いつものナイフを取り出して、真っ直ぐに突撃する。
当然何個も鎌鼬が飛んでくるけど、それは私の身体に触れた瞬間に高温の空気で吹き飛ばされる。
全身を覆うコートのように遮断された空気の膜を纏って、そこに代謝向上の熱を含め魔法でどんどん加熱する。
体積は一定のままだから空気の膜は高圧になって、別の魔法でそれが破られるとそこから高圧で噴射する。
空気弾ぐらいなら弾き飛ばせるし、適当に殴っても相手に大火傷を負わせられる私の得意魔法。
近づいた私を掴もうとした手が焼け焦げるのを見つつ、私は突き刺したナイフから体内に魔法力を注ぎ込んだ。
まず刺した胸が爆発し、継いで頭と四肢も破裂する。
最初の予定とは違ったけど、とりあえず本体は制圧完了!
「恋路さま! 『弓』を!」
「おっと、そうだった」
甜奈ちゃんの声でポケットから取り出した法具を弾く。
反応はすぐ近く。というか目の前から返ってきた。
あ、ちょっとやば。
「ふべっ」
「恋路さま⁉︎」
「大丈夫。障壁は間に合ってるよ〜」
ちょっと離れようとした瞬間に、障壁にたくさん鎌鼬が当たったから転んだだけ。
体勢は崩れちゃったけど、あとは弾を撃てば良いだけだしね。
「お嬢様、『弾』を使うね」
『はい。ただ火薬式ですから熱には注意してくださいね』
……あ、忘れてた。
鎌鼬を払うついでに体表の熱を周辺に全部放出して、ホルスターからリボルバーを取り出す。
それを撃つけど、鎌鼬で迎撃されてしまう。
むう、小賢しいマネを。
「甜奈ちゃん、『減速領域』」
「かしこまりました」
パラサイト周辺に一瞬で極低温の領域が広がって、周辺の空気が吸い込まれる。
その瞬間に弾を撃つけど、パラサイトはなんとか威力の弱まった鎌鼬で迎撃して防いでいた。
けど、それは予想済み。
さっき迎撃されて空に散った鉛の粉。それを一瞬液化させてミスト状にして吸い込ませていた。
『減速領域』の中で再び固体となり、パラサイト周辺が鉛の煙に包まれる。
その瞬間、減速領域を吹き飛ばすように別の結界が作られて、キラキラと光が瞬いた。
「恋路さま、確認を」
「うん」
何度か『弓』を弾くけど、反応なし。
これでパラサイト一体討伐完了! だね!
パラサイト討伐を始める真昼チーム。
でもやっぱりUSNAが邪魔…
烏羽チームの初戦闘。
夏雲は優等生ですが、恋路はテキトーさが出ました。
元々のスペックが高いので、相手との駆け引きがまだ苦手です。
恋路は追加訓練でしょうか…