四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「真昼さん、今日のお昼は予定があるかしら?」
「…いえ、特にありませんが」
次の日。
また車で校門前まで送ってもらって登校すると、玄関前で七草先輩が待ってくれていた。
お昼の予定を聞かれたので、これはたぶん生徒会への勧誘だろう。
おそらく学食に行っても1人で食べることになるので、お誘いに乗る。
「……おはようございます」
「…お、おはようございます」
私が教室に入った瞬間、音が消えた。
それでも挨拶を無視するのは怖かったのか、勇気ある数人が返事をしてくれたので軽く礼をしておいて自分の席につく。
うわ…知ってはいたけどカリキュラムがみっちり詰まってる。
履修登録をすると、本当に1年間休む間もない過密スケジュールだ。
これ普通に勉強についていけずにドロップアウトする生徒もいそう。
とりあえず無難に登録を終えたので、既に人に囲まれている深雪を助けに行く。
首席だった原作ほどではないけど、それでも二位であの美貌だからね。
「深雪さん、この後一緒に見学してもいいですか?」
「…ええ、大丈夫ですよ」
私が話しかけた瞬間に、海が割れるように人の波が引いていく。
……うーん、本当に四葉ってやばいな。
「他の方も、一緒に行きますか?」
「……」
一応気を使ってみたけど……ダメかな?
「それなら、私も一緒に行く」
「ちょ、雫⁉︎」
「ほのかはどうする?」
「わ、私は…」
…! 雫とほのかだ!
来てくれたらすごい嬉しい。
「…雫が行くなら」
「わかった。それじゃあよろしく、四葉さん」
「よろしくお願いします。それから、私のことは真昼と呼んでください」
「ん、それなら真昼さんで」
「はい、私も雫さんとお呼びしますね。ほのかさんもよろしいですか?」
「は、はいぃ! よろしくおねがいしますっ!」
やった! 雫とほのかと名前呼びになった!
まあ私は基本的に同級生は名前呼びにするけど、相手からも呼んでくれるのは大きい。
そうして午前中の見学をトラブルなく上機嫌で過ごした私は、昼休みに生徒会室へ来ていた。
「四葉真昼です」
「どうぞ、入って?」
七草先輩の返事を待って入ると、原作通り4人が部屋で待っていた。
私の席は渡辺先輩の隣で、斜向かいに中条先輩。
少々席順が変わっているところを見ると、中条先輩に配慮したんだろうなぁ…
「真昼さんはお昼はお弁当?」
「はい。用意してきています」
「では食べながらお話ししましょうか」
私のお弁当は、きのこの炊き込みご飯と筑前煮、小松菜のおひたし、鮪の赤身の照り焼きとそこそこ豪華なものになっている。
研究所で作ってくれたものなのだが、わざわざ作っているのは毒殺防止以外にも理由がある。
まあ当然あの両親が原因だけど。
実験のせいで胃腸の機能が壊滅していて、油っこいものを食べるとすぐにお腹を壊す。なので可能な限り油を排除した料理を食べる必要がある。
一応消化薬を飲めば油っこいものも食べられるのだけど、その時は自分の胃も溶けるので後で治さないといけない。
このせいで、唐揚げとかケーキとかの美味しい物の大半が気軽に食べられなくなって絶望したのも最近の話。
「真昼さんのお弁当は作ってもらっているのかしら?」
「はい。料理人に作ってもらっています」
「真由美もそうだし、やっぱり名家は違うな」
「私の場合は食べる量が少ない上に油っこいものが苦手なので、少ない量で栄養バランスが摂れるようにしてもらっています」
「ああ、そういう事情もあるのか」
「ということは、あまり身体も強くないのかしら」
「はい、ですので部活動は文化系か所属せずにいようと思っています」
基本的に会話は七草先輩と渡辺先輩が回してくれた。
中条先輩も後半には緊張しながらもなんとか会話に入ってこれていたので、たぶん大丈夫。
そして食後のお茶を淹れて配り終わると、七草先輩が一呼吸置いて話し始めた。
「さて、本校では首席入学者には生徒会へ勧誘する慣例となっています。もちろん強制ではありませんが、私は真昼さんに入ってほしいと思っています」
「欲を言えば風紀委員に欲しかったけどな。居るだけで事件が起きなくなりそうだ」
「もう、摩利!」
「悪い、続けてくれ」
「…こほん、それで真昼さん。生徒会に入ってくれますか?」
「……」
ちょっとだけ考える。
あの隅っこで祈っている中条先輩は、おそらく入ってほしくないのだと思う。
私が同じ立場でもそう思う。
でもなぁ……生徒会長とか柄じゃないし…
というか深雪や、それ以外の人にも権力を分散させて持たせておきたいんだよね。このままだと私が3年になったときに、確実に私の独裁になる。
それでもなんとかなるとは思うけど、ゴタゴタで学校に来れないことの多い私や深雪以外にも学校の運営が出来る人は欲しい。
出来れば権力の象徴を私が担って、実際の施策は雫や幹比古のような一般の人達が考えて動いてくれるといいのだけど。
そのためには、ここでまず権力を二分する。
どうせ四葉の私には後で色々立場がついてくるだろうし、やり過ぎなくらいでちょうどいい。
「条件をつけても良ければ、お受けしたいと思います」
「条件ですか?」
「私は家の仕事で、生徒会業務に関われないことも多いと思います。なのであと1人、私がいない時も仕事をしてくれる役員を入れて頂ければ」
「うーん……確かに、家の仕事と言われると断りにくいわねぇ…」
「いいんじゃないか? 二位の司波も成績は良かったんだし」
「……わかりました。では二位の司波さんにも生徒会入りをお願いします。それで良いですか?」
「はい。よろしくおねがいします」
ごめん、中条先輩。
絶望しながら怯えてるところ申し訳ないけど、明日来る深雪も四葉なんだ。
それもお兄様が絡むと周辺を凍らせるタイプのブラコン。
それに比べると私は基本的に害を与えないから安心して欲しい。
名前が四葉なだけの無害な女の子だよ。
デバイスだって研究所のオリジナルを使うくらい凝ってるし。
いつかデバイスや魔法理論で議論できるくらい仲良くなりたいな…
あーちゃんのビビり方が激しすぎるけど、まだ2日目なのでやむなし。
むしろリンちゃんが鉄面皮過ぎる。
原作見ていて、なんで1日開けて勧誘してるんだと思ったので即日勧誘。
なお食堂では鬼(四葉)の居ない間に原作の昼イベントが発生していた模様。
でも主人公が居たらお兄様はともかくレオですらどっか行きそうだから仕方ない。
真昼のデバイスはガワだけ市販品で、中身を徹底的に高品質部品に交換したハイエンド品を使用。
ちなみに感応石は自分のクローン脳細胞を使用して作った『自分にとっての』最高品質品なので、入力ミスやノイズが極限まで少なく快適な動作を実現。
原材料が物騒すぎて市販できない以外の欠点がない逸品となっている。
あーちゃんが知ったら気絶する。
間違いない。