四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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達也視点です!


お兄様はやはりお兄様

真昼が色々と動き回っているようだが、こちらもパラサイトへの対策を準備していた。

師匠に協力してもらい、精霊相手に『遠当て』を練習しているのだがうまくいかない。

座標に重なりはするものの、それだけで想子が霧散してしまう。

何回目かの失敗の後、休憩を兼ねて師匠と話をする。

 

「さすがの君も苦戦しているね」

「パラサイトには精神干渉系が有効だと聞きましたが、想子の操作も有効なんですか?」

「本体はともかく、それを現世に反映させているのは想子だからね。たとえ本体が無事だったとしても、足がかりとなる想子情報体が無くなれば何もできない。それは実質的に無力化したのと同じだよ」

「本体が再生することはないのですか?」

「彼らは自分で霊子や想子を作れない。それが寄生と称される理由だろうけど、寄生自体にもある程度は魔法力が必要なんだよ。十分に弱った後なら、他の誰かに餌を与えられない限り休眠状態に入るんじゃないかな」

 

師匠の言葉に、改めてパラサイトへの対応の難しさがわかる。

それと同時に真昼が行っている退治の異常さも。

 

「四葉真昼が行っていることを、師匠はご存知ですか?」

「知ってるよ。乱暴な方法だけど有効なのは確かだね」

「今回のパラサイトは、アメリカでのマイクロブラックホール生成によって、時空に穴が空いたことで来たと考えています。それと同じ方法でパラサイトを還すというのは、リスクがあるのではないでしょうか」

「そりゃ危険だよ。術式を間違えば別の何かが来る可能性だってある。でも今のところは完全に制御しているみたいだし、どうやらその方面についてはかなり実験を繰り返しているみたいだね」

 

やはり師匠も同じ考えのようだ。

真昼は……というより、相模野の研究所はパラサイトについてかなり多くの研究をしてきている。

そうでなければこんなに素早く対処できないし、師匠をして乱暴と言わしめる術式でパラサイトを次々と還すことなどできない。

 

「パラサイトについての研究は、魔法の原理に迫るものなのでしょうか」

「そういう一面もあるかもしれないね。君たちがパラサイトと呼ぶ妖魔は、肉体を持たずに魔法を使っている。それはある意味で純粋な存在だ。現代魔法でいえば、単体としての魔法演算領域……とでも言うのかな? 雑多な思念が混ざらない点では、人間よりよほど解析しやすいのかもしれない」

 

それは確かに興味深い。

魔法演算領域はまだまだ研究が進んでいない分野だ。

四葉でも解析は進んでおらず、真昼が出てくるまではそもそも手を出すこともできないような部分だったはずだ。

その研究が進めば、魔法師がなぜ魔法を使えるのか、どうすれば魔法の素質が付加されるのか、といったことがわかるかもしれない。

……いや、おそらく相模野の研究所ではそこまで辿り着いたのだろう。

だからこそ、真昼が産まれたと考える方が自然だ。

 

「けれど、パラサイトを還す方法が未熟な今、その研究を進めるのは僕としては賛成できない。もし逃しでもしたら、当人達には後始末ができないからね」

「師匠にしては珍しいですね」

「そりゃあそうさ。尻拭いをするのは僕たち古式魔法師だからね」

 

おどけた言い方だが、どこか冷たいその語調。

何か深い事情がありそうだが、突っ込んで聞くのはそれこそ藪蛇というものだろう。

その後もしばらく『遠当て』の練習をして、深雪の待つ家に帰る。

最近は訓練の間に色々と気を揉んでいるようで、帰ると何かしら手の込んだお菓子が用意されている。

今日も焼きたてのアップルパイがコーヒーと一緒に出されて、深雪が心配そうにそっと隣に座った。

 

「お兄様、少し訓練の頻度を減らした方が良いのでは…」

「大丈夫だよ。確かに精神的に……いや、()()()に疲れてはいるけど、悪影響があるものではないから」

「そうですか……ですが、真昼が対処していて実際に成果を上げている以上、お兄様がそこまで苦労する必要はないのでは…」

 

深雪が俺の肩に手を乗せて、上目遣いに訴える。

確かに、現時点ではそれで良いかもしれない。

 

「深雪に心配をかけているのはわかっている。でも、これは俺がそうしたいと思ってやっているんだ」

「お兄様が…?」

「俺は、深雪に害を与える可能性がある相手に対して、自分が何もできないというのが許せないんだ。たとえ他に対処する方法があったとしても、()()()()()()()()使()()()()()という状況が耐えられない」

「私自身が対処出来てもですか…?」

 

涙目でそう語りかける深雪の頭をそっと撫でる。

複雑な顔をしつつも受け入れて頬を染める、その反応に苦笑しつつも俺は説得を続けた。

 

「今の深雪なら大丈夫だと理屈では理解している。わかってはいるんだ。それでも俺が深雪を護りたいと、ガーディアンの役目抜きに思ってしまう。だからこそ、俺にやれることはやっておきたいんだ」

「お兄様…!」

 

深雪が感極まって抱きつく。

その後、しばらくは深雪のお世話欲が溢れたようで俺だけではなく、真昼にも色々としていたようだが、本人が満足していたようなので良しとしよう。

……パラサイト対策と同時に、ファランクス対策も進めないとな。




そろそろお兄様視点入れないと色々わからなくなりそうなのでねじ込みました。
深雪さんは……まあ、いつも通りですね!

番外編もそろそろ更新したい…
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