四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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来訪者編メインの話は終わったのでエピローグというか、つなぎの話です!
てか3月は卒業式・進学とわたつみシリーズの話があるのでまたスケジュールがびっちり…


みどりはたいせつに

「それでは。発射シークエンスを開始します」

 

研究所の麓の街、中央広場。

そこでは10メートル程の高さのロケットが、強化アクリルシールドに囲まれて立っていた。

宇宙開発計画の最初のステージとして、月基地建設のためのマーカー打ち上げ実験。

まずはこれが始まらないとどうしようもないからね。

 

「最終確認終了。異常なし」

「空力シールド、および重力中和術式展開」

「展開確認。加速術式開始」

 

フワッと、重さを感じさせない動きでロケットが宙に浮いて上昇していく。

一定の加速度で徐々に速くなっていくそれは、あっという間に夜空に吸い込まれていった。

魔法力の関係で次々と術者を変えていって、電離層まで到達したところで次の術式へ移る。

 

「プラズマ推進術式開始」

「プラズマ推進術式、展開します」

「術式展開を確認。進路の変更と加速は予定通り」

「空力シールドの展開領域を変更」

「変更確認。外板の加熱を確認」

 

ロケットの下段。純鉄の円柱が下からプラズマとなって溶けていく。

これは元々研究所のアピールとしてやっていたオーロラ発生術式を改変して、推進力として利用するもの。

原理としては単純にプラズマ加速の反動でロケットを飛ばすだけ。

ただ、普通に魔法でプラズマ化を行うと…

 

ロケットの一部をプラズマ化

→プラズマを加速(反動でロケット加速)

→プラズマがロケットから離れ過ぎて定義破綻

→魔法を終了し再びロケットの一部を再指定してプラズマ化…

 

という風に、マルチキャストできない限り連続的にロケットをプラズマ化出来ない。

これは魔法のシステム上仕方のないことで、質量が変化し続ける物体を継続的に魔法で指定できないからだ。

でも一回に指定できるプラズマによる加速量が小さいことを考えると、できれば連続的に術式を行使したい。

なので今回はこれを複数人で行うことで、連続的にプラズマ化と加速を行えるようにした。

ロケット自体への加速魔法は高高度だと『地上との相対速度』という指定が難しくなるのに対して、『ロケットとの相対速度』でプラズマを加速するこの方式は、ロケットを魔法師が認識できる限り加速を続けられる。

結果として、ロケットは下段とフェアリングを燃焼し尽くし、長大なオーロラを形成して地球の脱出速度を超えた。

フェアリングを燃やしたのは街中に落下させられないのと、蒸発による冷却で空力シールドへの負荷を減らすため。

さすがにこの遠距離でシールドを展開し続けるのは、適性があっても負担が大きい。

計算通り地球の衛星軌道に乗ったところで、上段のイオンブースターを点火する。

こちらに関しては前世紀から使用されているエンジンをそのまま使っているので、実績も信頼性も抜群だ。

展開したソーラーパネルの電力で月へと加速するロケットの軌道を再計算し、予定通りであることを確認したところで打ち上げの成功が宣言された。

 

「綺麗…」

「ホントだね…」

 

研究者たちが喜ぶ中で、二人の少女がうっとりとオーロラを見ていた。

一人は黒髪の典型的な日本人。しかしもう一人は金髪でロシア人系の要素が色濃く容姿に出ていた。

つまり茉莉花とアリサの二人だ。

あの後も継続的に説得を続けた十文字先輩によって、アリサは東京に来て魔法の訓練を受けることに同意。中学校も十文字家から通える所へ行くことにした。

それに着いていく! と言ってきかなかった茉莉花。

でも十文字家の支援は受けたくない! とわがままを言った結果、私が用意した十文字家近くのマンションに住むことになった。

ちなみに費用その他は全て十文字家持ちで、実質的には私は名義貸しみたいなものなのだけど……まあそれは言わなくても良いことかな。

今日はその下見を兼ねて、研究所の実験を見に来てもらった。

 

「真昼さん、ありがとうございます! 部屋だけじゃなくて、こんな素敵なイベントまで…」

「ふふ、良いんですよ。これは魔法が戦闘以外でも役に立っていることのデモンストレーション。むしろこちらがお願いして見てもらっている立場なのですから」

 

わざわざ目立つ夜にこの実験を行ったのもそれが理由。

本来ならオーロラは太陽光がないと光らないし、この程度のプラズマだと発光量が小さ過ぎてぼんやりとしか見えない。

それを完全に陽が沈んだ夜に行い、さらにプラズマを限界まで加速することで周辺の大気が連鎖してプラズマ化、肉眼でもはっきり見えるぐらいの光度と大きさのオーロラを形成できた。

 

「アリサさん、茉莉花さん。これが魔法の可能性の一つです。アリサさんが戦闘に対して忌避感を持っていることは知っています。ですが、魔法を学ぶということはこうした側面もあることを理解して欲しいのです」

 

私の言葉に、なにか感じ入ったように頷く二人。

まあ、こんなことを四葉の私が言うのはなんだか変な感じがするけどね。

 

「真昼さん」

 

そんな私に呼びかけられた声に振り向くと、そこには光宣と将輝。

二人とも今回の実験のことを伝えたら、バレンタインのお礼を伝えるのも込みで来てくれた。

将輝に関してはフローラの様子を見たいと言うことで、茜ちゃんと瑠璃ちゃんも連れてきての本気振り。

……それにしては妹二人が見えないけど?

 

「光宣さん。将輝さんは、茜ちゃん達は良いのですか?」

「二人はフローラさんと話しています。そちらの護衛……甜奈さんでしたか、その方が一緒ですのでお任せしました」

「……そうですか」

 

うん、まあ甜奈が居れば大丈夫……かな?

大丈夫……だよね? 信じよう…

 

「すごいです、真昼さん! あの規模の魔法式を決して高レベルではない魔法師複数人に分割するだけでなく、複数人でいることを逆にメリットにするなんて! それに間接的な魔法による加速であそこまでの精度を出せるというのは、術式と観測機器のマッチが完璧であるということですよね⁉︎」

「今回の実験は私の成果というより、研究所全体の成果ですけどね。ですが、賞賛はありがたく頂いておきます」

「光宣くん、少し落ち着こう。真昼さん、そちらの二人は?」

 

将輝の言葉で、ちょっと恥ずかしそうにトーンダウンする光宣。

一方のアリサ達は、光宣達に見惚れていた。

まあ、うん……光宣は言わずもがな、将輝もイケメンだからね…

 

「伊庭アリサさんと遠上茉莉花さんです。東京の学校に興味があるということで、今回の実験もついでに見てもらえるようにお願いしたら北海道から来てくださったんですよ」

 

事情をぼかして紹介する。

まあ十文字家のことは後でわかることだしね。

 

「そうなんですか……俺は一条将輝、第三高校の一年です」

「あっ、えと。九島光宣です。来年から第二高校に通うことになります」

 

二人の自己紹介で、アリサ達が再起動。

そして脳内でどういう風に話が進んだのか、茉莉花がめちゃくちゃ威嚇しながらアリサの前に出てきた。

うん、そういう面では大丈夫だから!

 

「……よろしく! おねがいします!」

「あ、ああ。よろしく…」

「……兄さん、どうしたの?」

 

元気の良すぎるアイサツに何か感じたのか。

茜ちゃん達もこちらに合流してきた。

フローラも甜奈が監視しているからか、今のところ大人しそうだ。

お互い紹介を終えた所で光宣ショックも一旦落ち着いて、近くのカフェで話を続けることに。

 

「フローラ、皆さんとはお話しできましたか?」

「ええ、もちろんですわ! お姉様に勝つ日も遠くないですわよ!」

「そうですか。仲良く話せたようですね」

 

いや、それは違うだろ。という視線が私たちに向けられる。

まあフローラ的にはこれが通常運行なので、私としては何も言わない。

 

「それより、茉莉花さんでしたか? とても強そうですわ! ぜひ一度、戦って…」

「フローラ、それはやめなさい」

「お姉様! 止めないでくださいまし! 私はもっと強く…!」

 

エキサイトしているフローラを、私はため息交じりに魔法で制圧する。

街の中なので遠慮なく精神干渉魔法、鎮静作用のある霊子波を至近距離で照射。

副作用で目を回しているフローラが机に突っ込まないように、椅子の方に倒しておくと他の人がすごい目で見ていた。

 

「…真昼さん、一応聞きたいんだが……それがいつものことなのか?」

「フローラは私に対抗意識があるので、そちらではもう少し大人しいと思いますよ。それでもこうして暴走するかもしれませんので、その時はこのように遠慮なく倒してしまって構いません」

「……あの、大丈夫なんですか?」

 

恐々とこちらを見るアリサが尋ねる。

ああ、いきなり目の前で戦闘が始まったら怖かったよね。

 

「大丈夫ですよ。()()()やさしく落ち着かせましたから。こんなところを見せてしまってごめんなさい」

「いえ! それならいいんです…」

「茜ちゃんも瑠璃ちゃんも、フローラには遠慮しなくていいですからね。お調子者ですが、実力には素直な娘ですから」

「そ、そうですか…」

 

うーん、やっぱり教育が足りなかったかなぁ…

あとは一条家側が慣れて鉄拳教育をして貰えればいいんだけど。

三高入学はほぼ確実だろうし、退学にならないようにバシバシ躾けてほしい。

お願いします!




月基地計画の第一歩が始まりました。
研究所でロケット打ち上げは一回目なので、テスト目的が強いですがそれでも成功はすごいです。
私はKSPでムン到達にまだ苦労しているレベルなので余計に…

キグナス組と光宣、将輝もオーロラ見学に。
光宣は結局二高に進みました。
私としても一高に行かせたかったのですが、改善しているとはいえ体調の問題とか、九島家の仕事とかを考慮するとやはり地元かと…
光宣としても、同じ学校の後輩としてより他の学校のライバルとして真昼と競い合いたい、と考えるかと思い原作通りにしました。

そして問題児フローラ。さっそく勝負を挑む。
ポケモンのモブトレーナーレベルのノリで勝負を挑んでくるので、遠慮なく打ちのめせと真昼サンからのレクチャーでした。
魔法は戦闘だけじゃないと言ったすぐ後にこの始末……これが四葉!
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