四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「ここが皆さんが住むところになります。こちらが街の中の支払いで使うICカードです。生体認証を登録済みですので、無くさないようにしてください」
島の研究所から助けてもらって数日後。
私たちは、レンガ造りの街に居た。
助けてくれた真昼さんの研究所で、七草さんとの話の結果、ここに住むことになったらしい。
今までとは違っていろんなモノがある部屋。
どれも見たこともないし使い方もわからない。
これが外の人達の『普通』なのかな?
でも、雫さんの家にもなかった気がする…
「部屋の使い方はこちらの人が教えてくれます。貴女達と同じ調整体『和音』シリーズの
「皆さん、初めまして! なんでも聞いてくださいね?」
にっこりと笑ってくれる女の人。
その人はよくわからなかった機械を持つと、近くの筒? にお湯を注いだ。
下からはお茶が出てきていて、自動でカップがテーブルに並べられていく。
「これは給湯器とティーポットです。お湯は常に溜まってますし、ティーポットは一回ごとに洗浄・装填がされますからいつでも使ってくださいね。それから今は必要ないですけど、寒い時はこうやって…」
友美さんが給湯器の下の金属板に手を当てると、その下で火がついた。
びっくりする私たちに、少し笑いながら説明してくれた。
「この暖炉を使ってください。機械でも魔法でも点火・消火が可能ですが、魔法が使えればそちらの方が早くて安全です。消す時はこちらに想子を流します」
そう言って火を消す友美さん。
四亜がやってみていたけど、大きな機械を使う時みたいな感じが必要らしい。
他にもいくつか魔法を使えるところがあって、使い方をがんばって覚えた。
そして、覚えることはまだある。
「それでは、今日は交通ルールと使い方について勉強します。教科書の62ページを開いて…」
街の中にあるちょっと大きな建物。
そこで私たちは色々なことを勉強することになった。
外の世界について、そこでどうすればいいか。
研究所の中では知る必要もなかったことを、私たちは初めて学んでいた。
そして、そこには私たち以外の人も学んでいた。
「あら、見慣れない顔ですね」
「あ、あのっ! この前の作戦で調整体を保護したって…」
「ベル。真昼お姉様から聞いたのですか?」
「それとも、またのぞき見ですか?」
ちょっと厳しそうな一番大きい人。
おどおどしていて一番小さい人。
ずっと手を繋いでいて、そっくりな二人。
四人の人が次の授業の前に入ってきて、こちらを見ながら色々話していました。
私もどう説明したら良いかと思っていると、先生が入ってきて説明をしてくれた。
今回の授業は魔法の制御について。
私たちは知らなかったけど、普通は自分で魔法を発動するために『CAD』という機械を使って、色々と考えていないとダメらしい。
そして、自分が危ない時以外には外で魔法は使ってはいけないとも。
なので、きちんと魔法を使いこなせるようになるためにも、魔法の勉強は大事らしい。
「わたつみシリーズの皆さんは、汎用CADを使うのは初めてでしたね?」
「はい」
「では、まずは基本からにしましょう。こちらの機械を使ってください」
連れてこられたのは四角の箱と、その前に置かれた足場。
渡されたCADを見ると、電源ボタンともう一つボタンがある。
「それは単機能CADで、ボタンを押して想子を流すと箱を往復させる魔法が発動します。CADと魔法の練習用の最も簡単な物です」
説明を受けて使ってみると、大きなCADを使った時よりずっと少ないけど『何か』が自分の身体から出ていくのを感じた。
そして、目の前の箱が動き始める。
「最初はこの魔法で制御を練習します。徐々に変数を多くしたり、運ぶ重量を調整して魔法力の必要量を変えて魔法を使う感覚を覚えましょう」
「先生、私たちは?」
「綾目シリーズの皆さんは前回の発展として、魔法力の必要量ぴったりでの魔法発動を行いましょう。前回より工程の多い魔法で…」
私たちが箱を動かす魔法を練習している間、隣では石を細かく砕いてはまた戻すのを繰り返していた。
何の練習なのかはわからないけど、私たちより進んでいるのは確か。
それでも先生に何度か指摘をされていて、難しそうなのは伝わってきた。
「先生。全員終わりました」
「では、変数化を行いましょう。まずは速度のみです。計測器の数値を見ながら、目標値と同じになるように発動してください」
次の課題は速さの設定。
これが結構難しかった。
いつもの機械なら意識しなくても勝手に発動していたから、考える必要はなかった。
けど、今は自分で魔法を発動して維持しないといけない。
速度に意識を向けると魔法自体の維持が出来なくて何度も箱が止まってしまって、魔法を発動し直すと速度がずれてくる。
私だけじゃなくて、他のみんなも苦労していると、ベルと呼ばれていた小さい女の子がそっと近づいてきていた。
「あの……最初は魔法を発動しながら速度計を見ない方がいいです。魔法が終了するまで時間があるので、その時に速度計を見て次の魔法を調整して、魔法発動だけに集中した後にまた速度計を見る、というのを繰り返した方が…」
「えっ……あ、ありがとうございます」
「いえっ! あの、大変そうだったので……お、お邪魔してすみませんっ!」
私がちょっと驚きながらお礼を言うと、たたたたっ、と頭を振って素早く帰ってしまった。
とにかく言われた通りにやってみると、速度はまだまだ誤差が大きいものの魔法の発動は安定してきた。
みんなも真似をして練習を始めたのを見て、もう一度ちゃんとお礼を言おうかとベルちゃんの方を見ると、真剣な表情で魔法を使っていた。
それは小さな石から、小さな草を生やす魔法。
少しずつ成長したそれは、最後に小さな花を咲かせた。
……すごい。
真昼さんもエリカさんもすごかったけど、まだまだすごい人がたくさんいる。
私も勉強していけば、ああいうすごい人になれるのかな…
できるかわからないけど、できたらなりたいな…
九亜ちゃん書くの難しい!
わたつみシリーズの真昼研究所生活が始まりました。
また、フローラ以外の綾目シリーズも出てきましたね。
わたつみシリーズが14歳で、綾目シリーズ二番目のローザが同い年なので、実はわたつみシリーズの方が全体的に歳上です。
ただわたつみシリーズはどうも小柄っぽいので、九亜視点だと二歳歳下の綾目シリーズ末妹が『自分より小さい女の子』と見ています。
なお、綾目シリーズは全部で五人で
長女(15)・フローラ
次女(14)・ローザ
三女&四女(13)・ヴァイス&リラ
末妹(12)・ツウィーベル
となっています。
ツウィーベルは名前が長いのでだいたい『ベル』と略して呼ばれています。
一癖も二癖もある姉に揉まれていつも苦労している苦労人です…