四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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うちゅうの ほうそくが みだれる!


マテバで焼かれたりブラックホール蒸発したりで、地球はもうボロボロ

基本コード仮説。

現代魔法の系統が整理された際に提唱された仮説で、系統ごとに作用力を与える魔法の要素=基本コードがある、というもの。

実際には半分正解で半分間違ってる仮説で、作用力を記述したコードはあるけど、それが系統ごとにあるというのは間違い。

そもそも魔法の系統自体が最近の整理で生まれたものだし、それで全てが説明できるというのはちょっと拙速すぎない?

全ての系統魔法の基本コードを見つけてる疑惑のあった達也だけど、これは確定かな…。

まあ、それならシルバーの極限効率術式も納得できる。

でも、時間系統魔法の基本コードはマズいんだよね…

 

「この際四葉の機密などは考えないとしても……わかっていますか? 未来のエネルギーを使って反応を進められることの危険性を」

「無論だ。通常起こらない反応が起こせる……いや、()()()()()()ことはな」

 

深雪はちょっとついていけないみたいだけど、今は教えてあげられる余裕がない。

時間系統マイナスコード……便宜上、未来コードと呼ぶけど、このコードの有用性と危険性は()()()()()()()()()()()()()()点にある。

物理、というより量子力学だとエネルギー障壁って言ったりするけど、どちらでも言っていることは大体同じ。

活性化エネルギーとは簡単に言えば、安定した物質を別の状態に変化させる際に必要なエネルギー。

例えば、紙は燃やせば灰になるけど、それには火をつける=エネルギーを与える必要がある。

この最初の火が活性化エネルギーで、紙を置いていても勝手に燃えないのは活性化エネルギーが壁になって、室温のエネルギーでは燃焼を開始できないから。

そして、未来コードは実質的にこの活性化エネルギーを無視して、いきなり反応中の状態に持っていくことができる。

 

「今のところ、このコードの存在は研究所の中だけで秘匿しています。このコードを使った実験も、隔離した空間内でしか行っていません」

「それは予期せぬ反応のためか?」

「それもありますが……一番危惧しているのは『空間の相転移』です」

 

私がそう言うと、達也はハッとした顔になった。

 

「まさか……そこまで研究を進めたのか?」

「いえ、まだ可能性の段階ですが。ただしコードによって空間を高エネルギー状態へ相転移させる方の実験は成功しています。『逆』が起きないとは断言できません」

「そうか…」

 

考え込む達也。

空間の相転移というのは、真空の何もない=エネルギーゼロの状態が実は一番安定している状態じゃなくて、さらにその下に『真の真空』があるとした場合、今の『偽の真空』から『真の真空』へ空間が変化する、という量子力学の仮説で起きる現象。

今のところ立証はされてないけど、少なくとも宇宙の始まりであるビッグバンはこの空間の相転移によって引き起こされたとされている。

だから未来コードの予期せぬ作用で、二度目のビックバンが起きないとは断言できない。

今のところは失敗しても空間ごと捨てられる実験室でしか不確定な魔法は使っていないからいいけど、他で何かあると文字通り宇宙規模の問題になる。

しかもこれ、もし『それ』が起きたとしても光速で広がるから失敗を認識する間もなく全て消え去るんだよね…

さすがの私もこんな危険は許容できない。

 

「達也さんの技量は信用していますが、リスクがリスクですので…」

「そうだな……」

「実験室の中でしたら大丈夫ですが、外で未検証のコード使用魔法の実験は許可できません。もしどうしても必要でしたら、研究所でしてもらえますか?」

「それは考えさせてくれ。すぐに決められるものではないからな」

「はい。すみませんが、お願いします」

「いや、こちらも無理を言ってすまなかった」

 

とりあえず今日の要件はこれで終了。

達也が勝手に使う可能性が無いわけじゃないけど、私の『精霊の眼』から秘匿して研究するのは難しいと考えているはずだから、大丈夫。だと思う…

その後、仲間はずれにされててちょっといじけた深雪を達也と一緒にしばらく構って帰宅。

その時にコードの代わりというわけではないけど、預かっていた勾玉レリックの調査結果は達也に手渡ししたよ。

もうFLT管理でもいいんじゃないかと思ったけど、安全性の観点からそのままでいいとのこと。

研究関連で言えばもう一つ、新桜シリーズの話。

これについてはかなり研究員がゴネたものの、最初の試みだからということで、運用実績があって信頼できる『綾目』を使うことで最終的には納得させることができた。

設計と製造については本家の研究員に丸投げ。

一応こっちでも設計はしてみたんだけど、性能第一のウチと主人の護衛第一の本家だと思想が違いすぎてダメだったんだよね。

第十研特化かシールドも使える超強化七草、みたいなのにしかならなかったし。

『他の研究所の成果を使わずに高性能な調整体を製造する』というコンセプトそのものが理解できないって言ってたし、素直に本家に『綾目』のデータだけ渡してそっちでやってもらおう。

ただ発展性の面だとそんなに『綾目』は伸びしろがないと思うんだけど、そこは大丈夫なんだろうか…?




おまえの実験で宇宙がヤバい。
というわけで未来コード(仮)は慎重に使っていくことになりました。

なお現実でも真空の相転移は起きる可能性がありますが、今までの136億年ぐらい起きてないから仮に起きるにしても相当可能性低いやろ、と考えられています。
ちなみに起きるとしたらリアル未来コードことトンネル効果によって引き起こされるそうです。どんなに活性化エネルギーが高くてもワンチャンあるの怖いですね…
まあたぶんその前に地球が滅びると思いますが。

次は……九校戦との幕間回、ですかね?
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