四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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まだ続くよ四葉家編
今回は黒羽貢視点です!


次の世代へできること

「そうか、真昼さんは順調に支持を得ているのだな」

「はっ、そのようです」

 

部下の報告を受けて、私はゆっくりと頷く。

四葉真昼。

真夜さんにそう名付けられた娘は、我々の想定を上回って四葉家に良い影響を齎していた。

今日も分家の子供たちに魔法を教えていたようで、それなりの人数が集まっていた。

次期当主候補にはなれない程度とはいえ、四葉家内でも実力者には違いない。

それぞれ特性の違う実力者相手に魔法を実演して、全員の精神改造まで行うのは深夜様でも負担が大き過ぎてできなかったことだ。

それをこともなげに行う姿は、否応無しに『力』への信仰を集めることだろう。

同じ報告を聞いた皆もそう考えたようで、肯定的な頷きが多い。

 

「やはり、次期当主には真昼さんが良いのでは…」

「しかし外部の実験体をというのは…」

「だが真夜様の血を継いでいる。しかも実力は疑う余地がない」

 

分家当主同士のこうした会談も、一度や二度ではない。

最初は否定的意見が多く、外への『見せ球』として使い潰すつもりであったが、今では半数以上が次期当主に前向きだ。

しかし、そうなると問題となるのは()()()だ。

 

「そうなれば、やはり一条や十文字との結婚というわけにはいきませんな。黒羽殿、ご子息はかなり懇意にしていると聞いているが」

「そうですな。任務の都合でなかなか時間が取れませんが、悪くはないと思っています」

「文弥くんであれば実力的にも大丈夫だろうが……そうなると、深雪さんとあの男はどうする? やはり形だけでもあの男と真昼さんを…」

「本人達はともかく、深雪さんの説得が難しいだろうな」

「彼女も四葉家の一員だ。いざとなれば納得してくれるだろう。深夜さんからも説得してもらえれば深雪さんと言えども納得せざるを得まい」

 

今のところ出ている案は二つ。

一つ、最初の計画通り深雪さんを次期当主にして、達也を真昼さんと結婚させる。

この場合、深雪さんは他家から婿を取ることになるが、達也と真昼さんについては最初から子供を作らせる気はないので、形だけの夫婦として四葉内で静かに暮らしてもらう。

もう一つ、真昼さんを文弥と結婚させて正式に次期当主とする。

この場合は達也を別でどうにかする必要があるが、今の深雪さんを当主にするよりは安定感がある。

どちらにしても真昼さんを外に嫁がせる気はないので、交際を申し込んでいる他家には断りを出すことになるだろう。

 

「ところで……研究所についてはまだ分かりませんか?」

「残念ながら。そもそも真昼さん相手に情報の秘匿というのが非常に困難です。ここも短時間しか結界を維持できません」

 

高レベルの結界使いを複数人使用して、最大限に情報を秘匿しても隠し切れるかは怪しいのだ。

真昼さんの『精霊の眼』が空間を対象としていることはわかっている。

この『空間』は物理的大きさだけでなく、時間的な距離……つまり経過時間も対象にしている。

つまり小さい部屋であっても、長時間話していれば真昼さんからすると『大きな空間』として見えてしまう。

いくら黒羽の高レベル魔法師でも、情報を秘匿できる範囲には限界がある。

 

「菜摘ちゃんの件で不信感を与えてしまいましたからな。あの防備を抜く作戦を気付かれずに行うのは難しい」

「しかし少なくともまだ秘匿している情報があることは分かった。問題は()()()()()()そうしているかだ」

「謀反ではないでしょうな。もしそうなら既に行っているはずだ。彼女には準備期間はいらない…いや、()()できるのだから」

「だが()()()()機を伺っている可能性もある。警戒は常に必要だ」

 

分家当主の意見がいつもの結論にまとまり、話が終わりに近づく。

最後に私は皆に告げる。

 

「今のところ本家に動きはないことを見るに、やはり次のポイントは慶春会になるでしょうな。どちらに向かうにしても、準備は必要です」

「黒羽殿の仰る通りかと。()()()()戦力の調達をすぐに、とはいきませんからね」

「うむ。松本の部隊には手を伸ばしておこう」

「こちらも国防軍で使えそうな部隊にいくつか心当たりがあります。()()()はしておきましょう」

 

他の当主も賛成したところで、外から鈴の音が鳴った。

結界の時間が迫っている合図だ。

次の瞬間、影のように消える分家当主達。

きちんと帰ったことを確認してから拍子木を鳴らすと、結界が解かれて外の音が入ってきた。

 

「やれやれ、内緒話をするだけでも一苦労だな」

 

凝った身体をほぐすために庭に出ると、遠目に文弥と真昼さんが見えた。

なにやら慌てている様子の文弥と、落ち着いている真昼さん。

推測でしかないが、また文弥が揶揄われているのだろう。

亜夜子にもよくされているし、どうにもあの子はそういう性格なのかもしれない。

……やはり、相性は悪くはなさそうだ。

深夜さんに悪いと思って、あまりこちらから交際を強要してはいなかったが…

本人達が良いのなら、正式に交際を()()すべきかもしれないな。




分家の勢力は二分されてますね…
理想は深雪が真昼の実力と思想を持っていることなのですが、そうはいかないのが悩みどころです。
正直深雪さんが諦めてくれれば達也と真昼の結婚が一番丸くコトが収まります。
でも実現しそうにないのが最大の問題。
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