四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「四葉、お前の考えはよくわかった。俺も決闘に参加することで協力できるなら、やぶさかでは無い」
わぁ…
十文字先輩はとてもやる気に満ちているなぁ…
私は平和を愛する善人だから、戦いなんて出来れば避けたい。
そんな私の前で、達也と服部先輩が模擬戦の準備をしていた。
「ルールを説明する! 相手に致命傷を与えるような攻撃は禁止! 魔法を使わない相手への直接攻撃も禁止だ! フライングは実力を以て止めるから下手なことは考えるな」
ルールを聞きながら、ふとこの後の十文字先輩との模擬戦を考えた。
あれ? このルールだと決着つかなくない?
だって『首都の最終防壁』十文字家と『究極の魔法師(他称)』私の対決だよ?
特に私は身体自体は弱いから、私の身体に気遣ったら私の魔法防御は抜けない。
仮に私の魔法防御を抜けた魔法があれば、そのまま致命傷になる。
これ特別ルールにしないとダメだな…
「ぐぁ……」
「…っ、勝者! 司波達也!」
あ、達也が勝った。
まあ油断している学生相手なら、真正面からでも奇襲できるよね。
「四葉、驚かないのか?」
「ええ。私に怯えないことの納得がいきました。確かに魔法発動前に距離を詰められれば、力では私に勝ち目はないでしょう」
「実戦なら魔法を発動する必要もないということか……」
うん、正直達也の速さだと私が気づいた頃には意識を刈り取られていると思う。
時間加速が出来ても、結局その前に殴られたら終わりなんだよね…
だから早くガーディアンが欲しいです真夜様。
水波ちゃんみたいな可愛い子だとなおよし。
「ふむ、素晴らしい勝負だった。服部もこれで魔法力のみが勝敗を分ける実力ではないとわかっただろう」
「はい…」
「では次は俺と四葉だ」
十文字先輩が威厳たっぷりにこちらを見る。
本当に高校生かこの人。
そしてそんなにやる気を見せないで欲しい。
みんなの視線が集まる中で、さっき考えたことを提案する。
「そのことなのですが、特別ルールで行いませんか?」
「真昼さん?」
「特別ルールだと?」
「はい。このまま私と十文字先輩が非接触ルールで模擬戦を行いますと、使える魔法の威力からして勝敗がつかないと思います。仮に私の防御が抜かれた場合、寸止めでない限り致命傷に近い怪我を負うと思いますし、十文字先輩も場合によっては後遺症が残るような怪我を負う可能性があります」
「それは……確かにそうね…」
「それで、特別ルールとは?」
「九校戦で行う、アイスピラーズブレイクで勝敗を決めるのはどうでしょう? これなら、ある程度高威力の魔法を使用しても問題ありません」
そう、これが私の考えた特別ルール。
要するに対人だから問題になるのであって、対物なら問題ない。
十文字先輩の魔法はこの競技でも有利だし、逆に私は精神干渉魔法という有利が一つなくなる。
元から使うつもりのない手札を捨てて期待値を上げる、我ながら冴えた提案だ。
「今から氷柱を用意するのか?」
「水だけ競技場に用意していただければ、深雪さんにお願いして作ってもらえますよ」
えっ⁉︎ という顔を一瞬する深雪。
でも深雪ならたとえ専用の魔法式が無くても出来ると思う。
この後競技をするわけでもないんだし。
「俺はそれで異論はない。正直、四葉に対して怪我をさせずに勝つ方法が思いつかずにいたところだ。手加減する必要がないなら、こちらとしては助かる」
「いかがでしょうか、七草先輩」
「深雪さん、お願いできる?」
「……はい、問題ありません」
「そう……では、特別ルールでの模擬戦を許可します」
よし。これで安全性と勝率が高まった。
問題はどうやって勝つか。
『流星群』は使えない。
私の『流星群』は真夜様のと違って、他の追随を許さない程干渉力が高いわけじゃない。
だから十文字先輩相手だと防がれる可能性がある。
『流星群』は必殺の魔法。
そのイメージを守るためにも今回は『流星群』は使わない。
もちろん空間・時間系統魔法を使うのは論外。
でもそうすると、十文字先輩の防壁を突破するのは難しい。
なら、どうするか。
「四葉、用意が出来たぞ」
「真昼さん。準備はいい?」
「……はい、問題ありません」
自分で競技場の台に登って、向かいの十文字先輩を見る。
まさに威風堂々、どっしりと構えて揺らぐことがない。
試合前なので軽く一礼して、自分のCADを構える。
「では、試合開始!」
渡辺先輩の言葉と同時に、私と十文字先輩はCADに手を置く。
そのコンマ数秒後、初めて
「なに⁉︎」
「む…」
「単一工程なら、CADは不要です」
私は絶えずCADから読み込んだ魔法を発動直前で待機させ、複数方向からの集中砲火、あるいは多種類の魔法の同時攻撃で防壁を削る。
対する十文字先輩は今のところ防壁の再展開のみで、攻撃に移る気配はない。
なら、もっと攻める。
八種類の基礎単一工程魔法を連続複数同時発動して、その全てに十分な干渉力を乗せる。
魔法師の戦いに、複雑な魔法は基本的に不要。
だって基礎単一工程魔法で十分な威力があるのだから、魔法を通さなくては意味がない今回のような状況だと、必要なのは魔法の干渉力と物量。
とにかく大量の魔法で相手の対応力を麻痺させる。
これが私の魔法戦での必勝戦術、魔法飽和攻撃!
「なるほど、四葉の名前は伊達ではないということか」
「四葉の強みは精神干渉魔法だけではありませんよ」
「だが、俺もここで負けるわけにはいかない」
ドドドドン! という音が私の陣地から響く。
十文字先輩が数十センチ四方にまで圧縮した攻撃型ファランクスで前列を薙ぎ払ったのだ。
すぐに私は、自陣の干渉力を氷柱表面に傾斜配分して、あと十数秒時間を稼いでもらう。
それだけあれば、残りの氷柱を倒せる!
「ぐっ……」
「……」
よし、あと一本!
防御を抜くためにも、干渉力を集中させる!
これで倒し、た……
「そこまで! 両者氷柱0本になったため引き分けとする!」
「……ありがとうございました」
「うむ、実力はしっかりと確認した」
最後。
攻撃に気を取られて一瞬防御のための干渉力が下がった。
そこで更に圧縮したファランクスに耐えきれなくて一瞬で持って行かれた。
なんとか引き分けにはなったけど、もう一回やったら勝てないかもしれない。
最後のあたりは結構障壁抜くのに時間がかかっていたし。
「十文字先輩は流石に強いですね。最初の奇襲が決まらなければ負けたかもしれません」
「俺も真っ向から障壁を破壊しに来るとは思わなかった。あれほどの魔法を短時間に複数同時発動できるとはな」
「私の特技ですから」
正確には七草の特技だけどね。
多種多様な魔法を待機させて好きなタイミングで使用する。
この技術に四葉のフラッシュキャストが加われば少なくとも普通の魔法戦なら負けない……はずだったんだけどなぁ…
相手が悪すぎた(泣
『次は確実に勝つようにね。それが貴女の役目よ』
深夜様、無茶振りやめて!
ということで、季節外れの棒倒しでした。
そうでないと命の危険があるからね。無論主人公の。
原作では影が薄かった『八重唱』の技術を存分に使って戦いました。
フラッシュキャストと組み合わせればまさに魔法のマシンガンですね。
しかもお兄様のソレと違って、きちんと一つ一つに威力と干渉力があります。
実戦経験が少なくて戦闘中の駆け引き読み合いが苦手なら、そもそもそんな事が起きないように圧倒すればいい。
うーん、やっぱり四葉ってヤバい奴らなんだな!(見学していた一般生徒感