四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「ああああぁぁぁぁ……」
断末魔と共に机の上で灰になるあーちゃん会長。
届いたばかりの大会要項を見た結果、準備の半分以上が無駄になってしまったので仕方ない。
「これは大きな変更だな…」
「競技形式も参加人数も増えますから、選手の再選考が必要ですね」
九校戦競技ということで同席していた服部会頭も、頭を抱えてはいるもののあーちゃんよりはまだショックが少ない。
五十里先輩はあーちゃん係で忙しいので、とりあえず私と服部会頭で話を進めることに。
とはいえ、一高はそれなりにいろんな部活に実力者がいるので、補欠等を動員すればなんとかなる。
問題は選手内定を出していた人たちに説明するのが気まずいこととかかな…
「ひとまず内定を出していたクラブには、私から連絡しますね」
「すまないが、よろしく頼む…」
まあこの中だと私が一番適任だしね!
私が一枚噛んでるのもあるけど、四葉にヘイトを向けようがないし。
こういう時だけは便利だね…
「しかし新人戦は掛け持ち不可、本戦も昨年の上位三校は男女それぞれ三人までしか掛け持ち禁止とは…」
「より多くの選手が各競技で活躍することで大会を盛り上げたいということでしょう。選手の負荷軽減や競技が専門化したことで掛け持ちが難しくなったこともあるでしょうが」
「選手が増えるとなると影響があるのは練習スペース、移動手段、それから宿泊だな…」
「それからエンジニアについても人数が増えた分負担が増えます。同一の想子データが流用できなくなるわけですから」
「当日はともかく、準備期間では人手が必要になると?」
「比較的単純作業が多くなると思いますので、一年生の成績優秀者を来年のエンジニア候補として手伝わせては」
「男女それぞれから数人選んでおこう。他にはなにかあるだろうか?」
「得点予想について注意が必要になるかと、具体的には 」
とりあえず決められるところまで私と服部会頭で決める。
あーちゃんが復活したらちゃんと相談するけど、たぶんこのまま実行するんじゃないかな。あーちゃんだし。
スピードシューティングの実弾銃と、ロアガンのボードはひとまずいくつかのモデルを借りることに。
最終的に一番良さそうなのを採用しよう。
「失礼しま……どうしたんですか?」
あ、達也。
あーちゃんの惨状に深雪と揃って絶句しているところに、五十里先輩の丁寧な説明。
状況の把握ができたところで、深雪がそっとこちらに近づいて小声で聞いてきた。
「…真昼なら知ってたんじゃないの?」
「……そうだとしても、不当に有利になるようなことはしませんよ」
私の回答に、微妙な顔で自分の席に帰っていく深雪。
これでも変更抑えたから有利にはしてると思うけどね!
確かに七草先輩ならさりげなく準備を遅らせたり、適当な理由をつけて新競技の練習をさせたりしてたかもしれないけど。
私にはそういうさじ加減はちょっと難しいかな…
「えっ! 去年とそんなに変わるの⁉︎」
「そうなの。会長がかなり落ち込んでいて…」
翌日、クラスの話題は九校戦のことでもちきりだった。
内定が取り消された生徒の不満も無くはなかったけど、それより困惑と不安、それから一度選考に落ちた人の意気込みの方が大きい。
選手数が増えることはもう通達してあるからね。
「雫、ルールが変わるのって何年振り?」
「少なくともここ三年は変わってない。新競技まで入るのは最初の頃以来かも」
「せっかく去年がんばったのにー!」
ほのかはバトルボードやってたからね…
ミラージバットでは引き続き選手候補だろうけど、ロアガンは厳しそう。
「ペアとソロに分かれてるのも新しい。ペアは色々と考えることが多そうだし」
「そっか、雫と深雪はアイスピラーズブレイクだもんね。どっちかはペアになるから…」
「たぶん深雪がソロ。私は千代田先輩とペアじゃないかな」
「私が別の競技になるかもしれないでしょう…?」
勝手に進む話にちょっと困惑していた深雪だけど、適性的にアイスピラーズブレイク以外無いと思うよ。
どちらかといえば、飛行魔法の制限がかかったからミラージバットに出れるかが怪しい。
「真昼はどうなの?」
「他の選手の選考結果から決まると思います。でもロアガンのソロは出ることになるでしょうね」
「え……大丈夫なの?」
「でも他は有力な選手がいますから」
アイスピラーズブレイクやミラージバットは言わずもがな。
クラウドボールは今回のルール変更でシールドサイズ制限とかがついたから、元からラケット併用していた人の方が有利。
スピードシューティングソロもマルチキャストの必要があるとはいえ、敵味方の区別があっても同じ的だからロアガンよりは難易度が低い。
そうなると選手層が薄い競技に穴埋めとして入るんじゃないかな…
「真昼、コースアウトしたら病院送りにならない?」
「そもそも一周できるの?」
「……さすがにそのくらいは大丈夫ですよ」
え⁉︎ そこ?
そんなレベルで心配されてたの私⁉︎
そもそもコースアウトしないし、しても余裕で障壁魔法間に合うし、バトルボードと違って喫水が深いボードだからまだ楽だよ?
基本的に座ってるだけだし…
「でも真昼、まだ体育に参加してないし」
雫の容赦ないツッコミに、ほのかまでうんうんと頷く。
…体育は魔法を使わずに動くことがほとんどだから仕方ないの!
悲報:真昼さん、まだ体育出禁
体力がクソザコからヘナチョコになっただけだしね、仕方ないね。
こんなのでもエースとして活躍できる。そう、魔法ならね。