四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
それが魔法科世界。
前半は菜摘ちゃん視点です!
「私は桜木さんをミラージバットの選手に推薦します。実力的には問題ありませんし、判断力と状況への対応力に優れている点は重視すべきだと思います」
「確かにそうだが、それなら七草さん達のどちらかを入れるべきでは?」
「魔法適性を考慮すると、わずかですが桜木さんを選んだ方がトータルの得点的には有利です」
九校戦の準備会議。
そこでは新人戦の選手について議論されていました。
入試の成績もこの前の期末テストの結果も良かった私も、当然選手候補の中に入っていて、どの競技に出すかで達也様と服部会頭が議論しています。
私としては同じく選手候補の水波ちゃんとペアを組みたいのですが、実力的にもったいないと言われたので既に別々です…
「桜木さんの参加希望の競技はロアガンかクラウドボールでしたね。ミラージバットでも大丈夫ですか?」
「はい! 身体を動かすのは得意ですから! むしろ私がミラージバットに出ても良いのかと……他の方の方が『跳躍』は得意ですし…」
「ミラージバットは一人でスコアを競う競技ではない。相手との駆け引きがある以上、単純な能力と同等に判断力も重要だ」
「…そういうことでしたら、私としては喜んで推薦を受けたいと思います」
結局、達也様の強い支持が決め手となり私はミラージバットに出場することになりました。
他にも選手は居ますが、実質的にはエース扱いです。
すごい緊張しつつも気合いを入れていましたが、当の達也様によってその気合いはすぐに打ち砕かれました。
「ところで達也さん。菜摘ちゃんを選んだのはやはり亜夜子ちゃんを意識してのことですか?」
「ああ。『疑似瞬間移動』を少し調整すれば高速移動しつつ暴風で他選手を妨害する魔法になる。飛行魔法の時間制限がある今回のルールで勝つのは難しい。菜摘であれば自身の身を守りつつ確実に得点して二位を狙えるからな」
放課後、達也様の家でお茶を頂いている時に交わされた会話。
それは今回の選考の本音でした。
四高に進学した亜夜子様の対抗が難しいので、ミラージバット優勝は捨てて他を優先すると…
正直ちょっとだけ……ちょっとだけですよ? がっかりしましたが、それでも実力を認めてもらえたのは嬉しいです!
「新人戦ならフローラも出てくると思うが」
「あの娘にミラージバットは向いてませんよ。駆け引き不要のアイスピラーズブレイクに出ると思います。仮に出たとしても、ルールとCAD制限内なら亜夜子ちゃんには勝てません」
そうバッサリと切り捨てる真昼様。
フローラさまは前に見たことがありますが、全体的に能力が高かった記憶があります。
それでも勝てないということは、やはり一番の強敵は亜夜子様のようです。
となると、あとは練習あるのみです!
「それで私と?」
「はい! 恋路さんは自己加速術式をよく使っていますので!」
研究所の大型実験室。
そこにホログラム投影機を持ち込んでもらって、仮設ステージにしてもらいました。
今回は妨害への対処が課題になるので、できるだけ似た性質の魔法を使う恋路さんに相手をお願いしました。
真昼様からも許可はもらっていて、誰かと一緒なら前回私が捕まった区画を移動しても良いとのことです。
「ま〜、お嬢様がいいって言ったならいっか。それじゃあがんばろ〜」
「はい! よろしくおねがいします!」
「あー。いちおう言っておくけど、勝手に変なとこ行かないでね? お嬢様優しいけど、ここ色々と危ないし……運が悪いと、永遠に出られなくなっちゃうかもよ?」
「は、はい! 気をつけますっ!」
「それでは、自励式レリックの試験を行います」
封印区画の一番奥。
直径5メートル、高さ2メートルの巨大な筒。
それから大量の測定器具や操作ケーブルが生えていて、外の観測室に繋がっていた。
「第一段階。加速系統魔法を起動します」
「ターゲットの移動を確認。加速度…+0.5gで安定」
「設定距離10mを移動。停止します」
「停止確認。誤差0.01mm、許容範囲内です」
「第二段階へ移行します。振動系魔法を起動してください」
今回実験するのは
魔法発動の工程において、魔法師にしかできないのは起動式を魔法式に変換し、ゲートを通じてイデアへ投射すること。
レリックがあれば投射した魔法式を保存することはできるし、魔法師を用いた特殊な術具…いわゆる『人柱』を使えば干渉力を発生させることもできる。
さらに言えば、『人柱』の術式を後から変更することは精神構造干渉の応用で成功はしてる。
ただ、これは魔法師を洗脳してるのと同じだから全体の効率は悪いし、使用する魔法式はこっちで変換している。
それから『人柱』は干渉力をプールしてるだけだから、厳密には新しく魔法式を構築しているわけでも、干渉力を発生させているわけでもない。
それでも感応石と違って、元々起動式と魔法式の変換を行っていた『器官』であることは確か。
将来的には感応石のように全部人造……いや、本当の意味でヒトを使わない人工物にするとして、まずは非生物での魔法発動の再現から。
その第一歩として、過去に暴走した調整体の成れの果てを、ソーサリーブースターの応用でアレコレしてレリックに加工。
入力は大型CAD内の詩納斗が起動式選択と共に想子を放出。
それを調整体レリックに通して魔法を出力できるかを確かめる。
今のところは単純な魔法ではあるけれど、上手く進んでいるようだ。
「加熱は設定範囲をクリアしました。次は発散系で気体へ変化させます」
「コアの出力が90%へ低下しました。干渉力上限が引き下げられます」
「出力低下はシミュレーション範囲内です。最終工程までは十分な性能を維持可能と予測されています。工程を進めてください」
最後まで実験を進めた結果、かなり想子効率は悪かったものの特殊レリックによる魔法式構築は可能であることが確認できた。
一つの大きな課題がクリアできたことで、やはり次の課題が浮かび上がる。
「レリックの完全人工物化は難しいですか」
「神経ネットワークの再現自体は簡単ですが、どのパターンでも書き換えと魔法式構築の両立はできていません。生体コンピュータも試しましたが、意識パターンの構築に失敗しました。生物由来のレリックとの比較結果からは、肉体の有無によって精神が認識する世界が大きく異なり、既存の起動式との互換性がない可能性が指摘されています」
「専用起動式であれば可能である、と?」
「現状、既存の精神構造から大きく外れた思念体をどこまで魔法演算領域として扱えるかは判断できません。既存の起動式が使えないと測定できませんので」
あー……それはそうだよね。
精霊の眼を持っててもパラサイトとか捉えにくいし…
あれ? パラサイトも似たようなものなんじゃない?
「パラサイトのデータは使えないのですか?」
「そちらは物質に依存していないので、物理的に制御することができませんでした。人造精霊でも同様で、制御を使役術式に頼っているために安定性に難があります」
確かに。
パラサイトドールみたいに、外部から暴走させたりできるしね…
「なので今は基礎研究として『意識』の物理的解明を進めています。同時並行で仮想現実技術を応用し、神経パターン成長段階で肉体データを『経験』させることで既存起動式が使えるレリックの生成実験も行っています」
「わかりました。くれぐれも機密保持は厳重にして下さい。指定研究員以外は記録も
「了解致しました」
かなり苦戦してるけど、この研究が結実すれば調整体は必要なくなる。
……そのかわりに世界が大変なことになりそうだけどね。
まーた研究所が漆黒の研究してる…(いつもの
でも魔法式保存できるレリックあるなら、魔法発動するレリックが欲しくなるのは研究者としてはしかたないね。
将来的にはアンティナイトみたいな気軽さで色んな魔法発動させたいと考えてる研究員たち。
それは大国が国力で小国を飲み込む世界大戦の引き金だぞ()
がんばれ真昼! 君の機密保持に世界の運命がかかっている!