四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

160 / 162
なお真昼さんのモチベは真夜様の笑顔()
後半は一色視点です!


叩きつけるのは球ではなく魂の在り方

さっくり決勝まで勝ち上がったけど、この競技一日に詰め込むべきじゃないと思う。

私はいいけど、走り回って打ち返すタイプのプレイヤーは決勝戦しんど過ぎない…?

実際準決勝の相手はかなり消耗してたし、体力と魔法力両方のペース配分が必要なのはかなり大変だと思う。

私の場合は魔法力のみでいいけど…

そして、私より体力を消耗しているはずの一色は、ネットの向こうで覇気を撒き散らしながらこちらを睨んでいた。

そ、そんなに真剣にならなくてもいいんだよ…?

別に家のことがかかってるわけじゃ……精々私が負けたら真夜様に訓練と称して可愛がられるぐらいだし…

……いや、私も負けられないな…これ……

 

「お互いに全力を尽くす試合にしましょう」

「ええ、油断はしません」

 

開始前のアイサツも済ませて定位置に。

試合開始の合図と共に、一色が残像すら残す速度で移動し、球を返す。

試合データは見ていたけど、目の前で見ると本当に速い。

しかも反射角度を計算して、失点しないような角度で打ち込んでくる。

私の魔法は基本的には真っ直ぐな壁と同じように返ってくるんだから、一色の魔法と技術で失点なしを目指せば簡単だよね。

少し反射方向を変えてみたり、速度を変化させても意味なし。

ただ、こちらも多少速くなった程度では対処に困らず。

1セット目はお互い失点なしで終わった。

 

「絶対に何かありますね。次は仕掛けてくるでしょう」

「今ので魔法の範囲は把握されただろうからな。集中して狙われても大丈夫か」

()()()()()に依りますが……勝つ見込みはあります」

 

問題は達也の手が入っているとはいえ、大会規定のCADで私の本気に耐えられるかというところ。

奥の手で勝てなければ……また実家呼び出し(四葉流)かなぁ…()

 

「はあっ! やっ!」

「……!」

 

2セット目は一色が本格的に攻めてきた。

ボレーとスマッシュを同じエリアに叩き込んだり、壁や天井を使って鋭い角度で複数のエリアへ打ち込んだり。

球の追跡と魔法の判断はまだ追いついてるけど、発動速度がマズい。

一色は、こちらが同じタイミングで複数の魔法を発動させるように誘導している。

いくら達也の最適化があっても、低スペックCADでは読み込み速度の限界がある。

結果、複数エリアへの同時多角度侵入によって、とうとう初失点を許してしまった。

事前の予測だと、ここまで来るには一色も失点を免れない筈だったんだけど…

予想以上に一色が成長していたのか、それとも実力以上の力を発揮しているのか。

ギリギリではあるものの、私より少ない失点で得点を稼いでいた。

……これは、奥の手を切らざるを得ないね…

 

            

 

2セット目の後半。

ローペースながらもお互いに得点を重ねている中で、四葉さんの雰囲気が変わった。

同時に魔法の使()()()が変化して、今までネット際でこちら側へ反射していたのを、床以外の面……左右・後方の壁と天井へぶつけて返球するようになった。

確かにこれなら魔法発動までの猶予は若干できるけど、こちらの取れる戦術も増えている。

焦らずに返ってきた球を打ち返して、次の球を返そうと移動する。

しかしその球は、別の球とぶつかって軌道を変えていた。

若干の修正を行なってそれぞれの球を返すと、さっき打った球の一つとまた衝突し、こちらへ返ってくる。

……まさか、栞の『数学的連鎖』を再現したの⁉︎

 

「…っ、さすが、四葉家ということですか…!」

 

少し驚いたけど、これまでのことを考えれば不可能というほどのことではない。

クラウドボールで使われるボールは最大9個で、コートには風もないから基本的に単純な放物線を描いて飛んでいく。

去年のスピードシューティングで一高が使ったような、継続的にボールの軌道を変える魔法はルールで禁止されているから、魔法が発動した瞬間、ラケットで打った瞬間の運動ベクトルを把握すれば、球の移動予測自体はずっと易しい。

それでも、普通の生徒なら予測と魔法発動を同時並列で行い続けるのは難易度が高過ぎる。

けれど、ここまで正確に球の位置を把握し続けられる四葉さんにとっては、こういうことも出来るということなのでしょう。

()()()()()()()()()

 

「……っ」

 

四葉さん側のコート。

天井に反射してこちらに向かっていたボールを、鋭いスマッシュで狙い撃つ。

それは予定の軌道から弾き出されて、床にバウンドしてこちらへ飛んでくる。

 

「……さすがに、栞のように全ての球を支配するのは無理ですが…」

 

もう一度、今度は奥から飛んでくる球を一閃して撃ち落とす。

再び重ねられる得点に、四葉さんの顔色も悪く見える。

 

「勝つのに充分な数、こうして叩き落すくらいはできますわ」

 

さあ、次はどう来るのでしょうか?




一色「強いライバルと戦う……魂が昂るぞ! さあ! もっと私を魅せてくれ!」
真昼さん「やーばーいーよー」(半泣
真夜様「あらあら。大変ねぇ」(満笑

明日もあるので出来るだけ省エネで勝ちたい真昼さん。
一色にめっちゃ執着されてズルズル本気を引き出される。
もうCAD捨ててフラッシュキャストとか使った方が速いのはそうなんですが、どいつもこいつも秘匿技術なんですよね…
誰だ! 学生の競技会で一族の秘技使ってる奴!

次でクラウドボールは決着ですかね…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。