四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
原作と競技日程が違いますが、競技変更が少なかったので前年とほぼ同じ日程ということにしています。
後半は達也視点です!
次の日。
夕食後にすぐベッドに入って、朝食の時間ギリギリまで眠ったのでなんとか回復は間に合った。
元々体力というより、思考力を使いすぎて疲れただけだったしね。
そして今日の午前中はロアガン・ペア男女の試合がある。
エイミィと国東先輩も練習がんばってたし、応援しないとね。
「真昼、休んでなくて大丈夫なの?」
「あれだけ寝れば回復してますよ。新競技なので観戦も重要ですし」
ペアとソロは違うけど、速度重視か得点重視かの流れは掴んでおきたいしね。
私はどちらかといえば速度重視の戦略だし。周りも速度重視だと得点差がギリギリになる。
とはいえ、今更どうこうできるものでもないんだけど……っと、エイミィ達の番だね。
「うわ、すごい飛ばすわね」
「一周目は記録に残りませんから。ここで限界を測っておくのは合理的ですね」
「まあそうなんでしょうけど、思い切りがいいじゃない?」
「ペアだとパートナーの体勢も考慮する必要がありますからね。練習走行の価値がソロより高そうです」
実際エイミィも魔法こそ撃たないけど、構えだけはしっかりしてるしね。
一高の練習コースとはレイアウト含め色々違うから、できる限り慣れないといけないし。
そして、二周目の本番走行。
「…散弾?」
「連射速度がヤバいな。また達也が何かしたのか?」
「それはループキャストだと思うけど、散弾の方はなんだろう? 着弾点を見ると空気弾っぽいけど、そうじゃないような…」
エイミィの派手な魔法に客席が沸く中、いつものメンバーは達也が何かした前提で考察を進めていた。
いやまあ、そうなんだけどさ…
「連射速度はループキャストですね。的を壊す魔法は『不可視の弾丸』の術式を散弾型に改変したものです。移動中のマルチロックを容易にするために、あえて着弾分布を広く取って照準の負荷を下げた設計になっています」
「『不可視の弾丸』って、カーディナル・ジョージの? よくそんな改造ができたね……あれって一点に圧力を集中させる魔法だから、複数点に同時に圧力を発生させるのはかなり難しいんじゃない?」
「厳密に言えば『不可視の弾丸』と加重系プラスコードは別物ですから。本来の基本コードの内容は『作用力を発生させる』というものだけで、照準については通常の魔法と同じ機構が使われています。それが不可分に見えるのは、そうカモフラージュされているだけです」
「なるほどねー、達也くんにはそんな悪巧みも通用しなかったってわけか」
「達也の方が上手だったってことか」
「エリカ、レオ…」
悪巧みって…
多かれ少なかれ魔法のノウハウを秘匿するのは当然だから、そんな言い方しなくても…
ま、まあこれでエイミィ達も確実に上位に入れるだろうし、いいんじゃないかな。
達也が目立っちゃってるのはもう仕方ないことだし()
「真昼の時はどんなことしてくるか楽しみね」
「期待されているところ申し訳ないですが、私はシンプルな水流操作ですよ」
「そうなんですか?」
「下手に色々やるより、ボートの操作と射撃を両立できる水流操作一本に絞った方が良いと判断しました」
うん。実際達也の調整と私のがんばりでなんとか水流操作一本で何とかなったからね。
水飛沫の平均粒径を指定することで散布域の着弾分布も偏りがなくなって的への命中率が向上したし、なにより速度は魔法力にモノを言わせて限界まで上げたからたぶん大丈夫!
よーし、ラスト競技だしがんばるぞー!
真昼の出番になり、コースに現れたその姿に観客の視線が集まる。
それは昨日のクラウドボールで、一色との熱戦が話題になった事も要因だろう。
元々四葉の娘ということで注目度が高かったところに、圧倒的な魔法力を見せての勝利だ。
否応なしに期待が高まる中、スタートと同時に爆発のような水柱を立てて飛び出した真昼は、あっという間にトップスピードに乗ってコースを爆走していた。
結局、必要最低限の姿勢保持と緊急時用の防壁以外は全て流体制御にリソースを割り振ったため、通常の移動魔法を超えた高効率を達成することができた。
……各チェックポイントごとのタイムも想定通り。
試合前の調整データから計算された想定最大値と、全く同じ数値を叩き出している。
本人と何度も話し合ったこととは言え、さも当然のように最大値を出し続けているのはやはり異常としか言いようがない。
「流体操作術式での最大効率を再現する……か。今のままでも十分勝てるとは思うが」
「達也さんの言うとおり、このままでも普通に勝つことはできると思います。ですが、それは『四葉として』勝つことにはなりません。勝つなら、他とは違う勝ちを得なければ」
「だがCADの性能が決まっている以上限界はある。練習時間を増やしてもそれは理論値を超えることはないだろう。ソフトの高速化も限度があるぞ」
「ありますよ。他に
ヘアピン・斜路・連続カーブ。
コースの難所をその猛烈な水飛沫と共に突破していく真昼は、すでにその半分を通り過ぎていた。
通過タイムは他を引き離して一位。射撃の方もパーフェクトではないものの八、九割を維持している。
……真昼の提案は、ある意味で普段の俺がしていることと正反対の方法だった。
走るコースにのみ最適化された術式を、使用ハードの限界まで高速化する。
もちろんこんな術式、普通は使えないが、それが機能するよう
魔法師に合うように術式を調整するのではなく、必要な術式のために魔法師側が合わせるという狂気の方法だ。
当然提案段階で反対したのだが、真昼は折れなかった。
というより、リスクを全く気にしていなかった。
「達也さんのように適性のない所へ新しく造るわけでもなく、問題があれば記録済みの情報から『再成』できるのですよ? 一体何が問題なのですか?」
「高校生の大会でそこまでする必要があるのか?」
「余裕を持って勝つためにマージンが欲しいんです。それに最悪失敗しても大丈夫な場ですから、むしろ今のうちに試しておくべきです」
歓声と共に真昼がゴールする。
コースレコードは更新。射撃成績も最終的には84%を記録した。
まず間違いなく優勝だろう。
今のレースで、真昼は
真昼を
術式の記載通りの損耗をしただけの、予想通りの疲労のみが残っていた。
真昼の言った通り、何も危険はなかった。
なのに、なぜだろうか。
嬉しくもなければ怒りもない。
自身の術式の有効性が実証された喜びもなく、無茶をしたことへの憤りもない。
かといって今までのような無関心とも違う。
言語化できない気味悪さに、俺はいつもより少しだけ硬い顔で真昼を見送ることしかできなかった。
真昼「安全性も実績もあって効果も保証されてる。他に何が足りないというの?」
達也「倫理観」
楽しい学生競技に闇深をひとつまみ入れるじゃろ?
真昼さんの日常じゃ…
気づけばリアル季節が追いつきそうになっててビビってます。
構想的に師族会議編ぐらいまでは考えてるので、そこまでは確実に(クソグダっても)進めたいです。
後は……こう、その場の流れと勢いで…完結できれば…